rinのリーガとスペインサッカーについて語るブログ

ラ・リーガとスペインサッカーについて気軽に書きます。内容めっちゃ浅いです笑 アトレティコのファンです。

ラ・リーガ9節プレビュー

1、はじめに

 皆さん。こんにちは。よろしくお願いします。

 今週はCLの結果で落ち込むリーガクラスタの方も多かったのではないでしょうか。かく 言う私もそのうちの1人ですが😅

 ただリーグの方は盛り上がりながら、続いていきます。次週はミッドウィークにも試合があり、選手にとっても私たちにとっても過密日程です。無理なく楽しんでいきたいと思います。本ブログは流石にミッドウィークの更新は難しいので、また金曜日に11節のプレビューを出すことを目標にしたいと思います。いつもに比べ、観れない試合が増えてしまい、内容が薄くなってしまうかもしれませんが、ご了承ください。

 今節はシーズン最大のPartidazo エル・クラシコはもちろん、アトレティックvsアトレティコビジャレアルvsオサスナ、セルタvsラ・レアルなど注目試合が目白押し。ぜひ興味のある試合だけでも拝見いただけたら幸いです。また間違え等ありましたら、御優しく教えてください🙇‍♀️

2、ラ・リーガ8節レビュー

 8節の注目マッチ、レアル・ソシエダvsビジャレアルの上位対決はラ・レアルが1vs0で勝利。作ってきた4312の形が成熟しているラ・レアルに対し、この試合のビジャレアルはカウンター狙いの低重心でスタート。この試合に関してはイマノル・アルグアシルとウナイ・エメリの間の差が、直接的に結果に響くこととなってしまった。ジェラール不在の中、少々マンネリ感が出てきているイエロー・サブマリン。稀代の知将がどのような新たな策を植え付けるのか。注目していきたい。またサンパオリ体制初戦のセビージャはいきなり絶好調アトレティックとの対戦。新体制効果により、明らかに選手、スタジアム全体のバイブスが上がったセビージャ。ただ、時間が経つにつれ現状のチーム力の差が出てくるように。それでも何人もの選手が足を吊りながらなんとか1vs1のドロー。復調は遠いかもしれないが、可能性は感じる試合となった。その他バルサ、マドリー、アトレティコの3強はそれぞれセルタ、ヘタフェ、ジローナに1点差勝利。今節のPick Up Playerはエスパニョールからホセル・マト

 今夏アラベスからエスパニョールへと移籍したホセル。ラウール・デ・トマスがピッチ外で問題を抱え、退団となった中、新エースとしてディエゴ・マルティネス新体制の中心となっている。現在、1勝3分4敗の17位と非常に苦しんでいるエスパニョール。その中でホセルは早くも6Gを挙げ、その実力の高さを証明している。今節のカディス戦でも2Gを記録。序盤からカディスの圧力の前に、中々ボールを運べず苦しんでいた中、彼を起点としたロングボールあるいはクロスを増やすことで、ペースを持ってきた。結果的に最終盤に追いつかれドローとなってしまったものの、そんな中でも素晴らしい存在感を残した。これから更に浸透させていかなければならないディエゴ・マルティネスフットボールにおいて彼は間違いなく中心になる存在。降格チームながらキャリアハイの14得点を記録した昨季を超えることが出来るか。期待したい。 

 その他の結果は以下の通り。また、恒例のベストイレブン+その控え組も。

 

3、ラ・リーガ9節レビュー

1、ラージョ vs ヘタフェ

 ホーム ラージョの前節はアルメリア相手に1vs3の敗戦。今後の過密日程を踏まえてのローテーション的な意味合いなのか、アルバロ・ガルシアを控えに置き、代わりにサルビ・サンチェスを起用する形でスタートしたラージョ。しかし、開始早々、ディエゴ・ロペスの信じられないミスで失点。更にはセットプレーから2発を決められ、前半で0vs3と試合が決まってしまう点差に。実際、内容的にも淡泊なミスが多く、また武器である左サイドの打開もサルビ・サンチェスが対面のメンデスに完封されてしまったことで相手に脅威を与えられず。結果として良いところがないまま敗戦となってしまった。昨季から一貫してだが、圧倒的にアウェイでの戦績の悪いラージョ。バジェカスの特殊性やハイプレスのエネルギーとして観客の声援が力を持っているなど様々な要因は考えられるが、今後プリメーラで戦っていくうえでこのポイントはできる限り早く改善しなければならない部分。そして、それと同時に残留争いに巻き込まれないためにも得意のホームで勝ち点を積むということも大切。今節の相手のヘタフェは昨季バジェカスで3vs0で完勝した相手であり、今節もまたこのような気持ちの良い勝利が欲しいところだ。注目選手はフラン・ガルシア

 ラ・ファブリカ出身のLSB。昨季プリメーラの舞台でインパクトを残し、その名を広く轟かせた。未だ23歳ながらプレーぶりは大人びており、ラテラルとしての基本能力が非常に平均的に高いプレーヤー。低い位置でもビルドアップにしっかりと貢献出来、崩しのフェーズにおいてはWGのポジショニングに合わせてインナーラップ、オーバーラップのどちらにも対応し、違いを生み出すことが出来る。この試合の相手であるヘタフェはおそらく532で来ることが出来、純粋なサイドプレーヤーは布陣的にWBの1人のみ。そんな中でアルバロ×フランのガルシアコンビが猛威を振るう可能性は十分にある。3のインテリオールや5バックの右CBなどがカバーに来るであろう中でフラン・ガルシアがどのようなポジションを取り、サイド攻略を推し進めていくのか。注目したい。


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 一方でアウェイ ヘタフェの前節はマドリーを本拠地アルフォンソ・ペレスに迎えての一戦。この試合に向けて少々メンバーを弄ってきたキケ・フローレス。負傷欠場となったアランバリの代わりに出場停止明けのルイス・ミジャが入り、DFラインでもガストン・アルバレスに代わってミトロビッチ、イグレシアスに代わって、アンヒレリがそれぞれスタメンに。vsマドリーに向けて、自分たちの戦い方を保ちつつより強力な相手左サイドの対応により重点を置く布陣。普段のインテリオールは攻撃的MFであるアレニャが右、バランス型CHが左に入るというのが、基本形だったが、今日はここの並びを逆に。まずは守備から入ることを前提としたプランを用意しながら、わずか4分でミリトンにセットプレーから合わせられ、早々に失点。自分たちでボールを握らなければならない展開となってしまった。こうなると難しくなるのは見えており、いつもポイントになれるウナル、そして両WBがマドリーの高い質に消され、思うような攻撃にもっていけず、終盤まである程度ボールは持てるものの、チャンスは全く作れず、マドリーのペースに完全に乗せられてしまった。これで前節に続き連敗。代表ウィーク前の連勝によって掴んだかと思われた流れがまた離れようとしている。流れを手放さないためにも、敵地ながら勝利が欲しい一戦だ。注目選手はルイス・ミジャ

 今夏、降格したグラナダから加入したMF。オフ期間に右太腿を痛め、開幕に出遅れると、復帰戦となったオサスナ戦では途中出場ながら2枚のイエロー受け、退場。大きな期待を寄せられながらも未だしっかりとプレーできたのは前節のみと完全に出遅れてしまうこととなった。アランバリのキープ力及びゲームメイクに任せきりの部分が大きい、ヘタフェにとって非常に技術レベルが高く、視野も広いミジャの加入は大きなものをチームにもたらすはず。出遅れた分を取り返すような活躍にこれから期待していきたいところだ。今節のラージョはハイプレスを武器とするチームであり、ビルドアップ面で苦労する展開が予想される。そんな中でミジャがどこまで前進に貢献できるか。注目したい。


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2、ジローナ vs カディス

 ホーム ジローナの前節はメトロポリターノに乗り込んでのアトレティコとの1戦。ラ・レアル戦からハビエル・エルナンデスとヤンヘル・エレーラをスタメンに起用してきたミチェル。アトレティコのスタンスがマンツー気味に人に当たりに来たラ・レアルと比べ、ある程度セットして構える形であったため、ボール保持には困らず。しかし、その構える相手に対して、効果的な崩しが出来ず、逆にショートカウンターを浴びせられる形が多発。実際先取点はこの形で取られてしまった。更に後半開始早々にはファン・カルロスの軽率すぎるプレーで追加点。2点のビハインドを負うことになってしまった。しかし、65分ごろから流れは徐々にジローナ寄りに。後半開始より投入されていたヴァレリーが相手に対して脅威を与え始め、ドリブル突破で深さが取れるように。これで2枚を引きつけ、マイナス方向への折り返し。ここの空いたスペースにアレイクス・ガルシアやロロが入りチャンスメイクを試みる展開に。実際この形から得点も生まれ、アレイクスは得意のミドルで2本のゴラッソ未遂など、追い付いても可笑しくないほどの攻勢は見せた。とはいえ結果は敗戦。これで3連敗に。相手がベティス、ラ・レアル、アトレティコという強敵相手に奮闘したとはいえ、結果だけを見ると非常に苦しい状況ともいえる。この3連敗を好転させるか、このまま悪い流れに陥ってしまうか。このカディス戦がその命運を大きく分ける一戦となるだろう。注目選手はハビエル・エルナンデス

 アトレティコ戦にて3バックの左CBとして、出場したラ・ファブリカ産DF。これまでLCBの位置には右利きの純CBタイプのファンぺが入っていた中、この試合で抜擢となった。実際左利きという特徴を生かし、開いた形からの展開でより左からの攻撃を循環させており、彼を起用した効果は十分に出ていたと言えるのではないだろうか。その一方で守備では1失点目の際にコレアのマークを外してしまうなど課題も残り、そのメリットデメリットをどのように考え、ここのポジションをどちらに任せるのか。その選択によってその試合でのジローナの考え方が多少なりとも見えてくるはずだ。


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 アウェイ カディスの前節は本拠地にエスパニョールを迎えての一戦。序盤からボールをしっかりと握り、ゲームを組み立てるカディス。アルカラスを司令塔に置き、彼のフィードからサイドに大きく展開。右はアレホの縦突破、左はボンゴンダとエスピノの上手い関係から、何度も良い形を作った。結果的にはなんとか追いついてのドローという形ではあったが、前半30分、そして後半残り10分に関しては完全に相手を上回っており、ホームということを考えても残りの勝ち点2を取り逃がしたという言い方もできるだろう。とはいえ、1番良くなかった時期に比べれば、アルカラスの復帰、ボンゴンダの加入などで、確実にチームは上昇傾向にあり、あとはどのように勝ち点を積み上げていくか。そのためにも残留争いにおいて直接のライバルとなる可能性も高い、このジローナ戦。アウェイとはいえ、最低でも勝ち点1を拾いたいところだ。注目選手はルーカス・ペレス


 デポル、アラベスで一時代を築いたスペインを代表するストライカーの1人。今夏には古巣デポルへの復帰報道も出たが、2部に彼らが上がれなかったことで頓挫。プリメーラの舞台で今年も活躍が見れることとなった。現在のカディスにおいてはCFの位置が1枚、STの位置が1枚という構造になっており、CFをネグレドとルーカスがSTをソブリーノとロサーノが争う形になっている。前節まで偉大なベテランを越えることができず、途中出場が続いている彼だが、エスパニョール戦でのプレーは流石の出来。CFの位置から降りてきて、ゲームメイクに携わると、クロスに合わせ同点弾。更には試合終了直前。良い位置でもらったセットプレーがクロスバーに当たるなど、インパクトのあるプレを見せた。今後もどういった形になるかはわからないが、間違いなくカディス残留の上でキーとなる存在。活躍に期待したい。


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3、バレンシア vs エルチェ

 ホーム バレンシアの8節は敵地に乗り込んでのオサスナ戦。これまでアウェイでの勝ちがなかった中で、要塞エル・サダールで好調の相手を上回り勝つことが出来たことは、大きくまた良い流れを掴めるはずだ。この試合では開幕より右WGを務めてきたカスティジェホが負傷により欠場。代役としてジャスティン・クライファートが入った。その他にも試合途中からのムサの復帰、アウメイダピボーテ起用など、今後の過密日程を戦い抜くためにより大きいスカッドでの運営をしていくための幅を作っており、その試みは現状良い方に向かっていると言えるだろう。相手が10人となって以降の、終盤のクローズには問題が残ったもののやはり攻撃のパターンは多く、個人の質も高いバレンシアオサスナ戦でも両WGのクライファートとサムエル・リーノが上手く内外を使い分けることでよりフィニッシュに携わる働きを見せており、これに主砲 カバーニの調子さえノっていけば、その威力は強烈。エルチェ戦ではカバーニのゴールがそろそろ見たいところだ。注目選手はジャスティン・クライファート

 オサスナ戦にて初スタメン。更には初ゴールを飾ったオランダ代表WG。偉大なる父親を持つが故に若いころから注目されてきたが、ローマ、ライプツィヒ、ニースいずれのクラブでもそこまで大きなインパクトは残せず、23歳にして伸び悩みかと思われていた。そんな中で加入したバレンシア。加入早々にしてガットゥーゾから叱咤激励を受けていた彼。そんな中、右WGのカスティジェホが負傷して出番が来た今節。彼は内と外を使い分ける動き出しで、左WGのリーノとともに相手DFを攪乱。ボールを持った際に違いを作るカスティジェホと異なり、スピード感ある裏への抜け出しでフィニッシュに絡める彼の武器は間違いなく今後のチームにとって重要な役割を果たしていくはず。W杯選出に向けても、得点源の1人として活躍に期待したい。


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 一方でアウェイのエルチェの8節はマジョルカをホームに迎えての一戦。フランシスコの退任を受け、初めての試合となった今節。布陣としては基本的に継続路線。532の形でスタートした。中盤にマスカレル、グティ、グンバウの3枚を並べたうえで、グティのみを前に出し、2トップ+1で牽制に行かせる形。この形は、エルチェ同様532気味の形を敷いてきた、マジョルカ相手に機能し、いつも以上に高い位置で狩り切るシーンも目立った。監督交代後ということもあって、観客、選手たちのテンションも高く、初勝利を果たすかと思われたところだったが、途中出場のボジェがまさかの一発退場。その10分後には先制点を守りきれず、同点弾を許し、最終的には1vs1のドロー決着。今季2つ目の勝ち点獲得という観点で見れば、十分よかったと言えるところだが、監督交代後初めての1戦ということでブーストが起こっていたことを加味すれば、残留争いの直接のライバルにホームで勝ち切れなかったのは極めて痛恨だ。今節の相手は同じバレンシア州に属するチームとのバレンシアダービー。新監督は20-21シーズンにこのチームを率いたアルミロン。現地ファンからは噂に上がっていたパコ・ロペスやボルダラスといった監督たちとの落差、そして前回1年持たず辞任に追い込まれた監督の再任ということで、かなりネガティブな意見が多く叫ばれている。とはいえ彼は昨季魅力的なフットボールをしていたエルチェサッカーの基盤を作った人物であることは確か。この残留争い真っ只中に合う監督なのかはともかく、このチームに何か変化は与えてくれるはず。そのためにも今節。好調相手ということもあって難しい試合になることは予想されるが、何とか勝ち点を拾いたいところだ。注目選手はゴンサロ・ベルドゥ

 エルチェを象徴する偉大なるカピタン。開幕から守備が崩壊していたエルチェ。そこにはこのベテランの出遅れも大きい影響をもたらしていたように思える。今年で33と元々のタイプ的な問題にさらに拍車をかけるようにスピード面での欠点は目立つ彼だが、やはり3バックの中央に入りDFリーダーとして他の選手たちを引き締め、操っていく姿は流石の一言。苦しいチームにおいて、こういった闘将の存在は間違えなく重要。昇格を経験したメンバーが年々少なくなる中、古株として残留に向け魂のこもったプレーに期待したい。


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4、マジョルカ vs セビージャ

 ホーム マジョルカの前節はエルチェの本拠地 マルティネス・バレーロに乗り込んでの一戦。いつも通り532の布陣でスタートしたマジョルカ。攻撃時にはイガンインが左のシャドーの位置に入り、右のシャドーにはアントニオ・サンチェス。前回の記事でもふれたように、これまで左をアイソレーション気味にして使わせてきた、ジャウメ・コスタがいないということもあり、この可変の形には微修正を加えてきた。しかし、この形は中々上手く行かず。エルチェがかなりモチベーションを持って試合に臨んできたこともあって、試合を通して相手のペースで試合を展開されてしまった。しかし、結果は敵地で勝ち点1と悪くないもの。8節で勝ち点8と悪くない数字を積みあげられているといって良いのではないだろうか。それ以上にこの試合ネックとなるのがムリチの欠場。利き足頭だの、脳筋だの酷い言われ方をしている彼だが、このチームにおいて彼の存在はやはり重要。特に昨季と異なり後ろから繋ぐことを志している今季のマジョルカにとって、ムリチはビルドアップで詰まった際の逃げの一手としてムリチというターゲットがいる意味は大きかった。そんな彼が不在の中、迎えるセビージャ戦。監督交代を経験し、気合を入れ直している強敵相手にどんな戦いぶりができるか。注目選手はアントニオ・サンチェス

 開幕時はダニ・ロドリゲスに次ぐ控えとしての立ち位置だった彼だが、試合を重ねるたびに徐々に序列を上げるように。今では、カピタン陣の1人であるチームの中心選手を上回り、スタメンの座を勝ち取っている。後ろからの飛び出しという武器を持ちながら基礎技術が高く、また体を張って戦うこともできる万能肌の選手であり、フットボールIQの高さを感じさせる。マジョルカのホームタウン、バレアレス諸島を出身とするサンチェスは2度のローンを経験しながらも、その期間以外はマジョルカ一筋。これは現チームにおいてアブドンとサンチェスの2人のみ。このチームに対する気持ちは非常に大きいものがあるはずだ。ムリチが不在のこの試合、イガンインを孤立させないためにも彼の飛び出しが一つの鍵を握る。期待したい。


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 一方、アウェイ セビージャの前節はサンチェス・ピスファンにアトレティックを迎えての1戦。サンパオリ体制初戦となった今節。とはいえ就任以来3日も経っていない事から、細かい戦術を落とし込んでいる時間はなく、形としてはサンパオリらしさが色濃く出るような一戦にはならず。ただ、それでも監督交代によって目に見える大きく変わった面はありそれは明らかに雰囲気。ロペテギ最終盤においては、選手たちもセビジスタたちも明らかに試合前から盛り上がりに欠けており、アンダルシアらしい熱さという武器が全く見えないものになってしまっていた。しかし、アトレティック戦においてはスタジアムが一体になり、戦っていく意思が明確に見られ、選手たちも終盤には脚をつる選手が続出するレベルで走っていた。夏の市場の失敗によりスカッドがかなり偏っていることもあって、ここからチームを作っていくハードルは決して低くないが、まずはW杯の中断期間まで何とか乗り越えたいところだ。注目選手はマルコン

 ジエゴ・カルロス、クンデを失ったCBにおいて代役となることが期待されガラタサライから今夏加入したマルコン。しかし加入後は負傷が相次ぎ、大きく出遅れることに。最終ラインのリーダーとして、期待していただろうロペテギとしては大きくプランは崩されることとなり、結果的に彼の解任に大きな影響を与えることとなってしまった。その取り返しの分も、崩壊しているDF陣を立て直す圧巻の活躍に期待したいところ。復帰初戦となったアトレティック戦では悪くないパフォーマンスを披露しており、今後更にフィジカル的にもチーム的にもよりフィットすれば、十分計算は出来そう。ムリチやイガンインといった強烈な武器を持つ相手とのマッチアップが予想されるこの試合。彼に注目したい。


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5、アトレティック vs アトレティコ

 ホーム アトレティックの前節はセビージャの本拠地 サンチェス・ピスファンに乗り込んでの1戦。サンパオリ初戦ということもあってかなり気合が入っていたセビージャ相手にアトレティックは苦戦。なかなか自分たちのフットボールができない時間が続いた。それでも徐々に落ち着きを取り戻し、右のニコの突破力を活かした形で押し込む時間が増え、攻勢をかけていた73分クロスの跳ね返りをベスガが叩き込み同点弾。終了間際、決定的なピンチもエレーラが退場覚悟のタックルで防ぎ、結果は1vs1のドロー。後半にかけての内容を見るに勝利が欲しい一戦ではあったが、敵地で監督交代以降初戦という難しい状況の中、勝ち点1という結果は決して悪いものではないはずだ。ニコ、イニャキ、ベレンゲルの3トップの好調さは以前健在で、途中出場の伏兵ベスガが試合を決めるあたりも、チームとしての調子の良さが表れていると言える。本拠地サン・マメスにアトレティコを迎えるこの1戦。強敵相手ということで簡単にはいかないだろうが、十分勝機はあるだろう。注目選手はダニ・ガルシア


 ここまで自分達よりも格下との対戦が多く、格上との対戦はこの試合が初めてと言えるアトレティック。その上で若干の不安を抱えるのが、中盤の強度の面。インテリオールに入るサンセ、ムニアインは両者ともにアタッカーの選手であり、いざ退かされる展開になったときにどこまでブロックの一角として計算できるのかは不安なところ。それ故にキーとなるのがダニ・ガルシア。彼が中盤の底でどこまで、アトレティコの攻撃を食い止めることが出来るか。即時奪回に失敗した場合、どれだけ素早い攻撃を食い止め、セットするまでの時間を作れるか。この点が非常に重要になるだろう。ベスガやベンセドールなど強力なライバルを上回り、中盤の底を任されているファイターにこの試合も期待したい。


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 一方 アウェイのアトレティコの8節はジローナを本拠地に迎えての1戦。クルブ・ブルージュ相手の敗戦があり、必ず勝利が望まれた1戦。なんとか2vs1で勝利を果たした。この試合ではまたも人選を変え、コレア、クーニャを起用。更にはバルセロナとの完全移籍を巡っての交渉がほぼ確定したグリーズマンがこの試合でもスタメン出場を果たした。ジローナの3421に対して、アトレティコは攻撃時は4231、守備時は532あるいは541の可変。攻撃面ではグリーズマンが中でトップ下のような位置取り、左のカラスコのサポート役として、普段は低い位置を取っているレイニウドが勢いを持って上がってくる形。ヴィツェルとコケという非常に安定したドブレピボーテの下で、この形は一定の成果を見せており、保持非保持両局面で常にゴールを狙う体制が作られていた。とはいえ交代によってこの状況は一気に悪化。モラタ、フェリックスの2人はボールが収まらず、守備の貢献も低め。左WBに入ったサウールは課題である対人の弱さが露骨に出ており、コンドグビアは中央を締めきれず。それに加え、スタメン組の足が止まったことも合わせて、一気にジローナペースに。オブラクのパラドン連発により、何とか勝ち点3は挙げられたものの、同点あるいは逆転に持ち込まれても何ら不思議ではない内容であった。一方、ミッドウィークのクラブ・ブルージュ戦では、勝利が絶対条件の中、ホームで勝ちきれず。グループリーグ突破に黄信号が灯っている。とはいえ、この試合の内容は悪くなく、グリーズマンとコレアの2トップは近い距離で互いの才能を生かし合い、そこにレマル、コケがヘルプ。左からサウールが3枚目として危険なゾーンに侵入。トランジションでは追い込んで、コンドグビアが回収と完璧に近いゲーム内容を見せた。悪い内容で勝利した前節と、良い内容ながら勝ちきれなかったCL。そんな中で迎えるサン・マメスでのアトレティック戦。かねてから苦手にしているスタジアムであることに加え、両チームの状態の差を考えると非常に難しい試合になることは想像に難くない。そんな中でもこれ以上の取りこぼしは許されず、勝ち点3はマスト。どのようにチョロが考えるのか。注目選手はナウエル・モリー

 今夏、ウディネーゼから加入した期待のラテラル。しかしPSMからこれまでとは違うチームの戦い方の前に苦戦する状況に。その象徴としてビジャレアル戦ではクリアミスで失点。堅く両者が拮抗した試合を彼のミスで壊してしまった。ただ懐疑的な声が日に日に大きくなっていく中で、それでも努力を惜しまいモリーナ。インターナショナルブレイクの後にはチョロと2人で居残り練習に励んでいるようで、自分の至らなさを認識し、その上で大きくなろうとしている姿はサポーターとして応援したくなるものだ。実際ジローナ戦では攻守ともに悪くないパフォーマンスを見せており、ジョレンテが一定期間負傷離脱となることもあって否が応でも彼への期待は高くなる。ファンフラン、トリッピアーと受け継いできたアトレティコの右サイド。この系譜を継ぐものとして活躍に期待したい。


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6、セルタ vs レアル・ソシエダ

 ホーム セルタの前節はカンプ・ノウに乗り込んでの1戦。前節同様ベイガをトップ下として起用してきたセルタ。序盤は相手をリスペクトする形でゲームに入り、442セット。プレッシングもスタートの位置をハーフェーラインを超えた位置からにセットしするなど、この試合に向けてしっかりとバルサ用に作ったシフトでこの試合に挑んだ。しかし、この形はそこまで上手く行かず。選手間に侵入し、飛び出してくるインテリオールを捕まえきれないシーンが目立ち、またトランジションにおいてもガビの攻→守の切り替えの早さにボールが殆ど持てない時間が続いた。この形で17分、ゴールを許したことで明らかにプランを変更。いつも通りの高い位置からのプレッシングを前提とする形で主導権を握りに行った。この変更が功を奏し、特に後半からは明らかに流れを自分たちのものに。幾度のチャンスを作りながらも結局決めることはできなかったが、カンプ・ノウでこれだけやれたのは自信にして良いだろう。難敵との5連戦。最後の相手はレアル・ソシエダ。保持を志向する両チームがどのような戦いを繰り広げるのか。必見だ。注目選手はハビ・ガラン

 今夏バルサへの移籍報道も出たスペイン期待の左ラテラル。ドリブルでの剥がしに圧倒的な強みを持っており、一昨季はメッシ、昨季はヴィニシウスに次いでドリブル成功数2位の数字を2シーズン連続で出している。今節の対戦相手であるラ・レアルはマンマーク的な形での守備を行っており、この試合でもセルタ相手に前から出てくることが予想される。そんな中でどのようにボールを運んでいくのかは一つのカギ。その点において重要なタスクを担うのが、このLSBになるだろう。左の位置でマッチアップ相手を一枚剥がし、ラ・レアルのプレッシングを空転させることが出来るか。注目したい。


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 一方でアウェイ後に乗り込むラ・レアルの前節は本拠地にビジャレアルを迎えての一戦。ヨーロッパカップ戦圏を争う直接のライバルとの対戦となったこの試合、前半はビジャレアルが構えてスタートしたことにより、主導権を握る展開に。442で構えるイエロー・サブマリンに対し、2トップの脇にメリーノやブライスなどが降り、そこからボールを散らす形でペースを作っていくと、セットプレーの流れから得点。両インテリオールのオシャレなプレーで見事先制。その一方で、後半はビジャレアルが前から出てきたこともあり、拮抗した展開に。両者がボール保持を試みる中で、ラインを上げての戦いが繰り広げられた。その中で輝きを放ったのが、久保でありセルロート。アスリート能力に優れ、馬力を持って広いスペースを有効活用できる彼らによるロングカウンターは、相手ゴールを脅かすには十分なものであった。双方決定的なチャンスもあったものの、最終的にはエルストンドを筆頭としたDF陣がよく体を張り、何とか0に抑えた。これでチームはリーグ戦3連勝、公式戦6連勝となり、現在、非常に良い調子でリーグ、ELの2コンペティションを戦いきる事が出来ている。その好調さを持続させるためにも、この試合も勝利が欲しいところだ。注目選手はブライス・メンデス

 今夏、カンテラから育ったセルタを離れ、ラ・レアルに移籍を果たしたブライス。スペイン代表経験もあるこの実力者は加入早々から、イマノル監督の信認を勝ち得、完全なる主力としての地位を築いている。メリーノと組むインテリオールは現在の4312システムを欠かすうえで代えの利かない非常に重要な役割を担っており、ここまで全8試合中の7試合にスタメンとして出場。唯一、懸念点を挙げるとするならば疲労の部分。ただでさえ、大きな負担がかかるタスクを担っているのに加え、週2試合ペースでの出場が続いており、負傷等の不安は大きい。とはいえ、古巣 セルタ相手となる今節は並々ならぬ気合が入っているはず。活躍に期待したい。


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7、レアル・マドリー vs バルセロナ

  ホーム マドリーの8節はヘタフェとの一戦。この試合ではケガ明けのベンゼマが休養。クルトワも欠場と攻守の核を欠いた状況で臨むこととなった。その中で、退いてきたヘタフェに対し、マドリーはわずか4分でミリトンがセットプレーから得点。これで一気に展開としては楽になった。それ以降はボールをしっかりと保持しつつ、相手の差込に対してはしっかり潰し切る戦い方で完封。最低限の力で勝ち点3を獲得した。その一方でミッドウィークのこの試合に向けてはベンゼマクルトワも復帰する見込みであり、少なくともメンバー的には最高の形でベルナベウでのエル・クラシコに向かうことが出来そうだ。前回のベルナベウクラシコベンゼマ不在によるモドリッチ0トップの奇策によって、0vs4の完敗。リーガとCLの2冠を取ることが出来ただけに、尾を引いていない形にはなっているが、それでもこの屈辱は返しておきたいところ。ライバルに格の違いを見せつける一戦にしたいところだ。注目選手はカリム・ベンゼマ

 マドリーの誇る絶対的エース。先述の通り、負傷離脱直後ということでヘタフェ戦はお休み。シャフタール戦でフル出場を果たした。しかし、この試合ではノーゴール。プレー内容としても、彼にしては精彩を欠くものが目立った。第7節のオサスナ戦でも調子は良くなくPKもミス。らしくないプレーが続いている。とはいえ、彼の長いキャリアではこのような状況も多くあり、その度に積み重ねた経験から、こういった大一番に向けてどのように状態を作っていくかはよくわかっているはず。恐らくだが、この試合ではバロンドール最右翼たる所以を証明するようなプレーを見せてくれるはずだ。現在バルサのDF陣はアラウホ、クリステンセンが離脱中。クンデの復帰も相当厳しく、ピケ、エリックのコンビで来ることが予想される。エリックは今季は素晴らしいパフォーマンスを見せてはいるが、やはりいずれも本調子のベンゼマであれば、余裕を持って上回ることのできる選手たち。この試合でこれまでの鬱憤を晴らすような爆発ができるか。期待したい。


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アウェイ バルサの前節はカンプ・ノウでセルタに勝利。序盤はかなりペースを握り、特に左サイドのフェラン、アルバ、ガビのローリングを使いながらチャンスを作ったバルサ。その形から先取点をもぎ取り、この試合も余裕を持って勝利することができるかと思われたが、相性の悪いセルタ相手には甘い考え。後半に入ると流れは一変。退いていたセルタが積極的に前から捕りにきたことでペースを奪われ、決定的なピンチを何度も招くこととなった。何とかテアの好セーブもあり0に抑えることができたが、後半の戦い方、そして主力陣が不在で即席のバックスとなったことによる不安は垣間見られた。そして迎えたインテル戦。この試合で勝利できなければ、2年連続のGL敗退が決定的となるクラシコ以上に重要とも言える一戦。現状できるベストメンバーを揃えて臨んだが、結果はアディショナルタイムに何とか追い付いての3vs3。これでインテルプルゼニに敗れない限り、決勝トーナメント進出は不可能となり、極めて難しい条件になってしまった。更に失点の内容もピケ、ブスケツとこれまでチームを支えてきたベテランたちのミスからであり、彼らの試合後のコメントにも大きな失望が。クラシコを前に、彼らをどのように扱っていくのか。非常にデリケートな問題に対し、どうしても向き合わなければいけない現状だ。この試合の結果次第ではCL2季連続GL敗退も合わせチャビへの風当たりも尋常ではないものになるはず。流れを少しでも変えるために、何としてでもたとえ勝ち点1であってももぎ取らなければならない。注目選手はエリック・ガルシア
 昨夏シティから戻ってきたカンテラーノCB。昨季は不安定なパフォーマンスに終始。マーキングのミスやラインコントロールのミス、スピードで置いていかれるかなかど、守備者として大きく物足りないプレーぶりであった。しかし、今季は開幕から好調を維持。高さや速さといった持って生まれた部分では、物足りなさも感じるが、それでも彼らしいフットボールIQの良さを生かした読みと、ビルドアップでの大きい貢献で定位置を掴んでいる。更に若いチームの中で。21歳にして既にリーダーとしての立ち振る舞いも。インテル戦でも彼自身の自らの失点もあったものの、それでもブスケツ、ピケが不甲斐ないコメントを残した一方で、ブラウ・グラナのユニフォームを背負う意味をしっかり起こしたコメントを残した。再び崩れかかっているチームを立て直すためにも、彼の存在は不可欠。新たなリーダーとして、この試合プレー面でもメンタル面でも彼の出来が大きな鍵を握る。

 

 

8、エスパニョール vs バジャドリー

 ホーム エスパニョールの前節はカディス相手に敵地でドロー。プライスワイトをサスペンションで欠いたこの試合、ディエゴ・マルティネスは両翼としてニコ・メラメドとアレイシ・ビダルの2人を起用。これまでのようにプアドとブライスワイトというストライカー寄りの選手ではなく、よりサイドプレーヤー気質の高い選手を使い、立ち位置も外を取らせた。ニコが前半のうちに負傷で交代してしまったが、この形は一定の成果を出しており、より中央に単独で居座るホセルに競らせる場面が増え、良くも悪くも分かりやすい戦い方になっていた。試合の行方としては、3試合続けてのGKのミスで先取点を許したものの、ホセルの2得点で逆転。しかし終盤、より圧を強めてきたカディスの前に耐え切れず失点。これで2試合連続、終盤に追い付かれる形でのドロー。4試合勝ちなしと良くない流れに陥ってしまっている。とりわけ心配なのが、その4試合全てで2失点以上してしまっていること。新体制ということもあり時間がかかるであろうことはわかってはいたが、それにしても満足のいく出来とは程遠い。この悪い流れを是が非でも止めなければいけないこの試合。相手はバジャドリー。今後の残留争いの上で直接のライバルになってくる存在であり、本拠地コルネジャで迎えるこの1戦は勝利以外許されない。注目選手はオスカル・ヒル

 負傷離脱から前節、復帰し途中出場を果たしたオスカル・ヒル。五輪の際には分かりやすい穴となってしまうなど、特に昨季序盤は課題も多かった彼だが、プリメーラ初挑戦を経て大きく成長。対人の強さも加わり、今季は開幕から好パフォーマンスを見せていた。ディエゴ・マルティネスのフットボールにおいてサイドプレーヤーの重要度は極めて高く、彼には右サイドにおいて大きな貢献に期待したいところだ。


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 一方 アウェイのバジャドリーは前節 ベティスをホームに迎えての1戦。序盤から相手の調子が悪かったこともあって、比較的ボールを握れるシーンが多かったバジャドリー。更には30分過ぎにペッセラがDOGSOによって退場となり数的優位に。更にボールを保持できるようになり押し込む展開が続いたが、そこから何かを生み出すことはできず。枠内シュートはわずか3本、Xgも0.66と約60分間を数的優位な状態で戦ったにしては非常に物足りないと言わざるを得ない展開に終わってしまった。強敵ベティス相手に勝ち点を拾うことが出来たという点では合格点を与えることもできるのかもしれないが、やはり内容を見る限り、非常に物足りなさがあったのも事実。この1戦はそんなもやもや感を吹き飛ばす試合にしてほしいところだ。注目選手はホアキン・フェルナンデス

 CBの位置に入るバジャドリーのDFリーダー。とはいえ、そのプレー内容は油断癖やマーキングの雑さなど課題が多いと言わざるを得ない。それでもパチェタからは信任を得ており、フェダル、エル・ヤミクを差し置き、スターティングメンバーに名を連ねている。ホセルとのマッチアップが予想される今節は特にクロス対応という面で彼に求められる仕事は多く、どこまで集中力を維持できるかが守備の安定を図る上でカギとなる。複数得点が容易にできる状況ではないだけに、しっかりと守備からゲームを作っていきたいところだ。


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9、ベティス vs アルメリア

 ホーム ベティスの前節はホセ・ソリージャに乗り込んでのバジャドリー戦。敵地とはいえ隠した相手に勝点3が必須であったベティスだったが、前節に続き序盤から選手たちにキレがなく、相手にボールを支配される展開が続いた。すると、迎えた35分。前節のプレビューで注目選手にも挙げたペッセラがまさかの退場。2試合連続でDFリーダーがDOGSOで前半のうちに退場するというアクシデントに見舞われることとなった。前節は後半、フェキルが入ったことで試合の流れが大きく変わり、攻勢に転じたものの、この試合では頼みのフランス代表は負傷欠場。最後まで自分達の時間が作れないまま、試合終了となってしまった。不幸中の幸いなことにバジャドリーもまたクオリティが低く、結果としてはスコアレスドローとなったものの、課題が多く残る内容となってしまった。特に気になるのが代表ウィーク明けの2試合で目立っている入りの悪さ。明らかに選手個々のプレーレベルが通常時と比べて低く、その間に致命傷を浴びせられるというのが続いてしまっている。ELとの二足の草鞋による疲労なのか、それとも格下相手に油断があったのか。理由はわからないが、ここを修正しないことには、今節以降も苦しむことになる。何とか解決策を見つけたいところだ。注目選手はウィリアン・カルバーリョ

 フェキルのいない今、中盤のエリアで唯一時間を作ることのできるのは彼のみ。しかし、このポルトガル代表ピボーテは試合によってモチベーション、そしてそれに伴う好不調の波が極めて激しい。ベストコンディションでさえあれば、1人で中盤を制圧できてしまうほどの能力を持ったプレーヤーでありながら、3試合に1回くらいのペースで攻守に極めて運動量が少ないモードに入ってしまうのだ。ただ、先述のように、フェキラ不在の現状がある以上、彼にはベストコンディションで暴れてもらう必要がある。今節の相手はアルメリア。格下相手ではありながら、前節はラージョを下しており力は十分。カルバーリョ次第では敗北も十分あり得る。もう一度流れを引き戻すためにこのキーマンの大暴れ、そして勝利が必要だ。


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 一方、アウェイ アルメリアの8節はラージョを本拠地に迎えての1戦。この試合では再度4バックに戻し、中盤の構成をロベルトーネ、デラホス、メレーロの3人に。この変更によって、CBからつけることのできる選手たちがこれまでの2枚から更に増え、余裕を持っての運び出しができるように。相手のミスにつけ込む形で先制点を挙げると、セットプレーから2点を奪い快勝。ようやく4連敗を止め、サディク退団後初となる勝利を挙げた。この良い流れを何とか継続させたいこの試合。相手は強敵 ベティス。とはいえ先述の通り、代表ウィーク前と比べると付け入るスキは十分にある。戦い方のポイントはどこにプレスのスタートを置くか。勇気を持って高い位置から相手を牽制しに行くことが出来れば、チャンスは見えてくるはずだ。注目選手はゴンサロ・メレーロ

 今夏 レバンテから加入したピボーテプリメーラの舞台で十分な実績を残してきた彼だが、移籍の時期が遅かったこともあって、これまでは限られた出場機会にとどまっていた。そんな中で迎えたこの試合、期待のサム・コスタがプリメーラの強度になかなかなじめず苦労していることもあって先発出場。攻守両面で強度が高く、ボールをしっかりと持ってくれる彼の存在はチームにとって多くのものをもたらしており、起用に応える活躍を見せた。この試合の相手であるベティスもまたカルバーリョを中心に中盤で時間を作れる選手たちがおり、そういった中でメレーロがどこまで中盤で戦えるのかはこの試合を大きく左右するはずだ。


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10、ビジャレアル vs オサスナ

 ホーム ビジャレアルの前節はラ・レアルの本拠地アノエタに乗り込んだものの1vs0で敗戦。今季2杯目を喫することになった。引き続きジェラールを欠くこととなったこの1戦。エメリは442のブロックセットという策を採用。しっかりと中央を堅めつつ、敵ラテラルの上がりに対しては最終ラインに吸収されたとしても、SHを下ろすことで対処。時には6枚気味のDFラインすら作りながら、まずは守備から入った。しかし、このプランは33分に崩壊。セットプレーの流れからメリーノ→ブライスのゴラッソが飛び出し、先取点を与えると前に出ざるを得ない展開に。後半頭からホセ・ルイス・モラーレスを投入し、攻勢をかけゴールに迫るも、終盤になるとオープンになった展開の前にファウルも増えていき、攻めきれず。これでリーガでは4戦未勝利となってしまった。今季はアトレティコにこそ勝利したものの、直接のライバルであるセビージャ、ラ・レアル、ベティス全てに勝てておらず、格下相手に取りこぼしが多かった昨季以上にその深刻度は上昇しているように思える。ホームで迎えるこの試合、何としてでも勝点3が欲しいところだが、相手は昨季ダブルを喰らっている苦手 オサスナ。特にチミー・アビラには2試合ともで決勝点を決められており、苦手という印象は強い。3連敗中の苦手意識を払拭することができるか。注目選手はジェレミーピノ

 一昨季17歳という若さで、鮮烈なデビューを飾ったピノ。それ以降順調に成長を重ね、現在ではガビ、ペドリらと並び10代でのW杯出場にむけ、当落線上の位置にいる。しかし、昨季からピノに与えられているタスクが、彼の良さを最大限引き出すものになっているのかというと大きく疑問。それは、彼の定位置右SHに与えられている守備負担の大きさという面である。ビジャレアルの442において右SHを務める選手は時に最終ラインに吸収され、中に絞った右SBの代わりに右大外の守備を担当する。先述の通り、ラ・レアル戦でも、アイエン・ムニョスに着いていき、フェメニアの真横にいるシーンは多く見られた。しかし、これでは攻撃の際に出ていくタイミングは遅くなり、また負担も多くなる分、攻撃時に仕事をする余力が残っていないということも起こりやすい。チームとしても左のポジショナルな形での崩しが読まれ始めている今、右の打開に期待したいところは大きいのだが、この状態では難しさが残る。この点をエメリはどう考えているのか。新しい形での守備陣系を作り、攻撃でのピノのタレントをより活かせる形を作って欲しいと思うのは私だけであろうか。この試合、エメリの修正があるのか。そしてピノがどんなパフォーマンスを見せるのか、注目だ。


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 一方のオサスナの8節はバレンシアをホームに迎えての1戦。カピタンにして絶対的なDFリーダー ダビド・ガルシアを前節の退場による出場停止で欠く中、特にビルドアップの部分で苦戦。2CB、2CHにそれぞれマークを付け、DFラインを上げることでコンパクトさを保つバレンシアの前に、満足にボールを運べないことが多く見られた。今季のオサスナはこの基本的な部分でのビルドアップが上手く行っており、そこから展開を入れていく形で好調を維持していたため、これが防がれたことでアラサテのプランはかなり狂わされることとなった。その対抗策としてキケ・ガルシアをターゲットとした長距離のボールを多く使った戦い方に切り替え。この形は比較的上手く行っているようにも思え、昨季までの主であった強度の高い守備で上手くバレンシアの攻撃を封殺していた。しかし、そんな均衡が崩れたのが28分。ロングフィードのこぼれ球の流れからオサスナは高い位置にウナイ・ガルシアまでを出してのハイプレスを決行。一度は奪取に成功したものの、相手にボールがこぼれてしまい、そこからオープンな展開に持ち込まれ失点。この失点により出て行かなければならなくなり、結果としては2vs1となってしまった。マドリー戦を上手く乗り越えただけにホームでのこの敗戦は痛すぎるところ。難敵との対戦ではあるが、今節のビジャレアル戦。最低でも勝ち点1は欲しいところだ。注目選手はダビド・ガルシア

 バレンシア戦での不在により更にその重要度を証明する結果となったオサスナ最高のプレイヤー。昨季はファン・クルスが左CBに入ることも多く、それによって右CBを基本としていたダビガルだが、今季は殆どの時間で左CBに入っている。彼の持ち上がってから左足でライン間をとったSHに差し込む縦パスは保持を大切にしている今季のチームにおいて欠かせないもの。更に従来の通り、DFリーダーとしてのライン統率や対人含めた守備対応の面においては3強以外のクラブの中ではトップレベル。今夏にはアトレティコやセビージャなどへの移籍の噂も上がっており、ラ・ロハ召集を期待する声も多いなど、近年のタホナル産の選手としては最高傑作ということが出来るのではないだろうか。今節の相手であるビジャレアル。ジェラールは不在ながら、ダンジュマ、ジャクソンを中心に豊富なタレントを抱えており、危険な時間も多いことは容易に予想されること。その中でダビガルがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。期待したい。


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