rinのリーガとスペインサッカーについて語るブログ

ラ・リーガとスペインサッカーについて気軽に書きます。内容めっちゃ浅いです笑 アトレティコのファンです。

ラ・リーガ8節プレビュー

1、初めに

 皆さんこんにちは。アトレティコのCL連敗に落ち込み中のrinです。よろしくお願いします!

 マドリーを除いたリーガ勢がCLで苦しむ中、国内では2強が好調を維持。次節のクラシコでは良い状態の2チームにより対戦が見れそうなところ。その反面、今週はセビージャのロペテギ、エルチェのフランシスコがそれぞれ解任。各チームが序盤戦を終え、次のステージに向け、もう一度チームを再編していく段階に入ってきました。ここからW杯中断まで過密日程が続く中、この勢力関係がどのように変化していくのか、相変わらず必見の試合が続くリーガを楽しく見て行きたいと思います!

2、ラ・リーガ7節レビュー

 代表ウィーク明けの7節。強豪クラブが代表組の疲労の影響で動きが重く、競った試合が多くなった。マドリーはオサスナにドロー。今季初の勝ち点取りこぼしにより首位陥落。代わりに首位に躍り出たのはバルセロナ。クンデ、アラウホを筆頭に通称FIFAウイルスに大いに苦しめられ、終いには右ラテラルにバルデが入る緊急事態となるものの、マジョルカ相手に辛勝を果たした。アトレティコはセビージャと対戦。昨季3位vs4位の試合ながら双方、難しさを感じる試合に。アトレティコはこの試合でこそ勝利したものの、ミッドウィークのCLは惨敗。その他、ベティスがセルタに敗れ、今季2敗目、ラ・レアルはジローナとの撃ちあいを制す。アトレティックは徐々に調子を上げてきており、アルメリアに大勝。そんな中で今節のPick up Playerはオイハン・サンセ

 19-20シーズンのプリメーラデビュー以来徐々に名声を高め、昨季6G4Aの活躍で一気にその名を売ったサンセ。ムニアインやべレンゲルと同じパンプローナ出身の彼は、今季右インテリオールの位置で起用。2トップの一角を務めていた昨季と比べ、若干低い位置から攻撃に携わることとなった。その影響もあってか、今季は開幕からそこまでインパクトを残せておらず、起用法が疑問視されることも多く見られた。しかし、そんな不安を払拭するようなパフォーマンスをアルメリア戦では披露。相棒のインテリオールであるムニアインが自由に動き、ゲームをコーディネートするのに対し、サンセは相手にとって危険なゾーンでライン間を取り、より決定的な仕事をするという差別化がなされており、これがこの試合では見事ハマった。ゴールを挙げたほか、その他の場面でも良いチャンスメイクとフィニッシュワークを見せたサンセ。これからの活躍にも期待したいところだ。

 その他、7節の全結果、現時点での順位表。個人的選出7節ベストイレブン(+その控え組)は以下の通り。

 

3、ラ・リーガ8節プレビュー

1、オサスナ vs バレンシア

 ホーム オサスナの7節はベルナベウでのマドリーとの対戦。代表ウィーク前の第6節にヘタフェに敗戦を喫しており、連敗だけは何としても防ぎたい中で迎えたこの試合。アラサテはマドリー戦に向けた形をブレイク期間にしっかりとチームに落とし込んだ。左のヴィニシウス、メンディのユニットにはそのままナチョ・ビダルとモイ・ゴメスの2枚が対応。それによって空く、CB~RB間にはモンカジョラを落とし、その分のピボーテポジションは前を1枚削り、昨季のメインフォーメーションであった4141の形を作ることで対応。インテリオールに入ったブラサナクが中盤のラインに入ってあげることで、451あるいは541ブロックを作り、マドリーに決定的なチャンスをそれほど作らせなかった。出場停止となったチミーや代表明けのブディミルに代わって先発したアブデ、キケ・ガルシアが活躍するなど、パンプローナの雄の勢いは序盤を終えても続きそうな予感。要塞エル・サダールで勝ち点3を上げ、その予感を確実なものにさせて欲しいところだ。注目選手はウナイ・ガルシア

 オサスナの属するナバーラ州出身、ローンの1年を除いてクラブ一筋のカンテラーノCB。昨季まではアリダネの前に後塵を拝することの多かった彼だが、ライバルの負傷を受けてスタメンに。それ以降安定したパフォーマンスを見せ、そのまま定着となった。彼の一番の武器は地上戦での対人守備。クロスに対する対応などではポジショニングを間違えてしまうことも散見されるが、過去にはジョアン・フェリックスも彼によってかなり苦しめられるなど地上における守備対応はかなりのレベルの高さだ。この試合でもその能力は目立っており、裏を取られた際や左サイドから侵入してきた際の最後の対応において素晴らしいものを見せていた。今節のバレンシア戦では、今季のリーガにおいて目を見張る突破力を見せているサムエル・リーノと対峙する場面も多くなるとみられ期待が集まる。またダビド・ガルシアが出場停止となる中でDFリーダーとしての役割も任されるこの試合、ウナイ・ガルシアに懸かるものは大きい。


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 アウェイ バレンシアの7節はエスパニョール相手に1vs2で敗戦。この試合ではガットゥーゾフットボールの中心であるピボーテのギジャモンが終始精彩を欠く出来。イージーミスが多く、中々エスパニョールの前に思ったような形でボールを持つことが出来ない時間が続いた。しかし、そんな中でもセットプレーからガブリエウがゴールを奪い、先制。これで少しは楽に試合を進められるかと思いきや、わずか3分後にホセルの同点ゴールを許し、ダルデルのゴラッソで逆転をゆるす展開に。これでアウェイ戦3連敗かと思われた試合終了直前、チュメルトがラフに蹴ったボールがゴールに吸い込まれ、まさかの同点弾。奇跡的な形で勝ち点1をもぎ取った。とはいえ、内容及び展開的には負けていても何らおかしくないものであり、修正が必要なのは間違いないところ。一度流れを持っていかれ、自分たちのサッカーが出来なくなると、一気にできることがなくなってしまうのが、現在のバレンシアの大きな課題。ヨーロッパ圏内を今後本気で狙っていくためにはプランBの構築が急務となってくる。注目選手はイライシュ・モリバ

 今夏ライプツィヒからローンという形で加入したラ・マシア出身MF。バルサで一躍脚光を浴びながら、契約問題で印象を悪くして退団。ブンデスにはなじめなかったようで、ライプツィヒで立ち位置を失い、昨冬からローンという形でバレンシアの一員となっている。ただ昨季のボルダラスフットボールでは存在感は見せられず迎えた2シーズン目の今季、ガットゥーゾの下でバルサ時代のような保持を前提としたフットボールを志向するようになったチームの変化によってモリバ自身のパフォーマンスもポジティブな方向に。フィジカルを活かしたキープ力と推進力で中盤を支配している。この試合の相手であるオサスナの中盤にもモンカジョラやトロ等フィジカルレベルに優れた中盤がおり、そういった相手に彼がどこまでできるのかは注目したいところ。一度挫折を経験したホープが、もう一度どこまでやり直すことが出来るか。期待したい。


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2、アルメリア vs ラージョ・バジェカーノ

 ホーム アルメリアの7節はサン・マメスに乗り込んでの1戦。ブレイク前のマジョルカ戦と形自体は大きく変えず541の形でスタートしたアルメリア。しかし、結果は0vs4の惨敗。これで4連敗と苦しい状況は続いている。サディクの退団により、チームが崩壊してしまったアルメリア。その影響の大きさが特に出ているのが、攻撃面以上に守備面。怪物の穴を埋めるため、532の形からアタッカーを1枚増やした541に変更したルビ。しかしその結果、前提となっていた守備面で脆さを見せ始め、2CHの脇を相手の思うがままに使われてしまっている。また、このフォーメーション変更はビルドアップの面でも悪影響を及ぼした。1人どしっと構えるピボーテがおり、そこにインテリオールが降りてきて加わる形を作っていた開幕当初のホームチーム。だが、直近のサムとロベルトーネのドブレピボーテの形は単に相手からするとハメやすいものであり、良い形でボールを持つことすらままならない状況が続いている。このポイントを指揮官はどう捉えるのか。変更はあるのか、ないのか。この試合の注目ポイントだ。注目選手はカイキー・フェルナンデス

 今夏、ブラジルの名門サントスから加入した18歳CB。以前よりブラジルの年代別代表に軒並み選出されており、またバルサが興味を示しているというニュースが報じられたことでも、一部層にとって注目度は高い選手であったが、その名声を世界的なものとして轟かせたのは、今節開幕戦。対峙するシーンの多かったヴィニシウス相手に健闘を見せたことからである。現代的なCBらしく、足元の能力が高く、スピードがあり、地上戦での対人に強みを持つ彼は、内外問わず各チームが注目する逸材だ。しかし、アルメリアでの地位は絶対的なものとは言えず、CBの3、4番手というところ。しかし、アトレティック戦でも対面のベレンゲルに仕事をさせなかったことからも、その能力の高さは見せつけており、今後よりその序列は上がっていくものと考えられる。この試合ではラージョの誇るアタッカー アルバロ・ガルシアとのマッチアップが予想される。その中でカイキーがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。期待したい。


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 一方、アウェイ ラージョの7節はエルチェ相手に2vs1の勝利。532でインテリオールをラテラルに出してくる形のプレッシングで仕掛けてきたエルチェ。それに対し、ラージョはすぐさま、トレホとコメサーニャの2人が、その背後を取ってのプレス回避という形を直ちに完璧に遂行。プレスを空転させ、押し込むことに成功した。先制点こそCKから奪われたものの、その8分後にカメジョのシュートが相手に当たる幸運な形で同点とすると、試合終了直前、途中出場のウナイ・ロペスがゴールを挙げ、苦しみながらも勝ち点3をホームで取り切った。これで連敗は回避。ホームでは連勝中となり、良くも悪くも平均的な成績となっている。強敵であろうと、不調な順位的に下のチームであろうと接戦を演じてしまうのがイラオラ率いるチームの良くない点であり、格下相手のアルメリア戦では気持ちの良い勝利が欲しいところ。しかし、懸念点もある。それはアウェイでの弱さ。特徴的なバジェカスのピッチ上、本拠地での試合の成績が圧倒的に良いのはラージョの伝統的な傾向であるだけに、過剰な心配ではあるかもしれないが、この試合に限った場合、敵地に乗り込むこの試合の勝敗には一抹の不安は残る。その不安を払拭してくれるような試合に期待したい。注目選手はオスカル・トレホ

 昨季前半ラージョの快進撃を支え、アシストランキングにおいても首位を走っていたトレホ。最終的にはデンべレやベンゼマの追い上げに遭い、その順位は落ちてしまったが、それでも見事に10Aを記録。十分な存在感を魅せた。今季は2Aは記録しているものの、セットプレーとボールを受けた選手のゴラッソの2つのみで、このアルゼンチン人の決定的なチャンスメイクというシーンはまだ見ることが出来ていない。それ故かラージョに関する話題も多くはイシについての者が多くなっており、影をひそめる状況になっている。とはいえ、前節のエルチェ戦でも先述のようにプレッシング回避において立ち位置を変えることで、プレスを破ることのできる数少ない選手の1人であり、影ながらも多くの役割を果たしているのは紛れもない事実だ。得点に関わるシーン以外でもこの人の動きに注目して見てもらいたいと思う。


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3、アトレティコ vs ジローナ

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 ホーム アトレティコの7節はセビージャ相手にピスファンで2vs0の勝利。前節デルビでの敗戦を受けてか、今日のアトレティコは久々の4バックでスタート。ヴィツェルピボーテの位置に据える4123の布陣を敷いた。しかし、実際の内容的にはしっかりと準備されたものとは到底言えないような内容であり、攻守両面で整理されていない部分が多く見られた。しかし、それ以上に悲惨な状況であったセビージャが自分たちから流れを手放してくれたことで勝利。連敗の阻止には成功した。そして迎えたクルブ・ブルージュとのCL第3戦。ここまで連勝とこのグループにおいて台風の目となっていたベルギー王者相手に敵地で0vs2で敗戦。セビージャ戦の悪いところを全て改善せずに迎えたこの試合。格下相手にほとんど何もできることが出来ず、前節のレヴァークーゼン戦に続き連敗となった。最悪の状況にあるチームの中でなんとか、良い流れを持ってきてここから巻き返すためにも、しっかりと本拠地で勝ち点3を取り、勢いを作っていきたいところだ。注目選手はジョアン・フェリックス

 ポルトガルの至宝にしてアトレティコのエース フェリックス。好調ながらも途中の負傷による離脱で完全なる覚醒とまでは行かなかった昨季。今季こそは自らの才能を世界に轟かせたいところだ。そんな意気込みとともにスタートした開幕節では3アシストを記録するなど、圧倒的な活躍を見せ、期待感を感じさせた。しかし、試合の度に、問題の多いチームに乗っかるような形で調子を落とし、インパクトを残せない試合が続いている。更には代表ウィークでも殆ど出番を得られず、フラストレーションはたまる一方。セビージャ戦でも途中から出てきて早々に危険なスライディングを行うなど、プレーにも悪い影響が出始めている。このフラストレーションを早く解放するためにも得点が何よりも欲しいところ。コルチョネロスの見守る前でエースとして結果に残るプレーができるか。期待したい。


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 一方でアウェイ ジローナの7節は、ラ・レアルを本拠地モンティリヴィに迎えての1戦。格上相手に真っ向勝負を挑んだミチェル率いるチームは、序盤から相手のビルドアップに対し、マンツーマン気味でのプレッシングで高い位置での即時奪回を狙う。一方で自分たちのビルドアップに対しても、ラ・レアルが同様に人にはめてくる形での守備をしてきたため、双方共に持ち運びに困る展開となった。そんな中、ジローナが見つけた解決案はシャドーのポジションの選手に降りて来させて、そこからドリブルで運ばせる形。このポジションのマーク役はCB、あるいはピボーテのスビメンディであり、シャドーが降りて行ったときにそれを深追いすることはできない。この点を利用し、特に左のロロからボールを前進させるように。この形からロロのスーペルゴラッソが生まれるなど、効果は大きく比較的前進しやすくなったのは間違いない。その後もイマノル相手監督と仕掛け合いをし続けながらも最終的にはタレント力の差もあって敗れてしまったジローナ。しかし、前節のベティス戦に続き、CLを狙うクラスのチームにも十分脅威を与えられる実力があることを、ラ・レアル戦でも証明しており、この3連戦の中で最も強敵であるアトレティコとの対戦においても、相手チームが戦い方を間違えるようなことがあれば、十分喰えるだけの強さはあると言えるだろう。3連敗は避けたいところだけに、相手の隙をつき、メトロポリターノから勝ち点を持って帰りたいところだ。注目選手はロドリゴリケルメ

 今節の相手であるアトレティコから今夏ローンで加入したU21スペイン代表。前節は、自らボールを運び出してからの超絶ミドルで3vs5と盛り上がりまくったこの試合の勢いを生んだ。ジローナは昨季、チームを昇格に導いたバエナやイバン・マルティンがそれぞれ退団、負傷による離脱で不在しており、その中でロロは既に王様的な存在として、攻撃のコーディネートを担っている。突破力、パスセンス、スピード全てに長けたPlayer でありシーズンを通してこのコンディションでやりきることが出来れば、来季でのロヒ・ブランコへの帰還、あるいはW杯後のラ・ロハ選出も十分可能性あり。今節はカンテラ時代からお世話になっているローン元に恩返し弾を沈め、自身の価値を証明したい。


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4、セビージャ vs アトレティック・クルブ

 ホーム セビージャの7節はピスファンにアトレティコを迎えての一戦。出場停止から帰ってきたラメラを右SHの位置に使い、またドルベリを9番に据えてきたロペテギ。しかし、序盤から明らかに集中力が低く、選手たちはイージーなミスを連発。昨季4位に輝いたチームとは到底思えない醜態をさらしてしまった。これにはもちろんピスファンのセビジスタたちからもブーイングの嵐。更にはミッドウィークのドルトムント戦でも大敗を喫し、既にCLからの敗退が決定的になってしまうなど、これ以上ないどん底に陥ったことで遂にロペテギ解任を決断。4シーズンに渡りチームを率い、EL優勝や3季連続でのCL権獲得など、セビージャというチームを1つ上の格へもっていった名将との別れが遂に来ることなった。後任にはホルヘ・サンパオリが就任。チリ代表を長く率い、W杯で大きなインパクトを残した知将はその後、クラブの監督へ移行。16-17シーズンにはセビージャを率いており、6年ぶりのクラブ帰還となった。基本的にフォーメーションに対してこだわりのあるタイプではなく、試合ごとに布陣が代わるという点で非常に面白くなるのは間違いない。またかなりパラメータが1点に突き抜けて居る選手が多い現在のセビージャにおいて、そういった選手たちを組み合わせるのに長けたサンパオリは良いものを見せてくれるはずだ。その一方で不安が残るのは守備面。しっかりとブロックのセットなどを構築できる監督ではなく、現在の守備崩壊状態の中で彼が、最も適した選手なのかという点には疑問が残る。とはいえ、落ちるところまで落ちている現状を考えれば、失うものは何もない。まずは長期ブレイクに入るW杯まで、どのようなフットボールを展開するか注目したい。注目選手はパプ・ゴメス

 現在のセビージャにおいて最大の歪なスカッド事情となっているのが10番タイプの異常な多さ。パプ、イスコ、オリベルを筆頭に、スソ、ラメラ、ヤヌザイなどもこのタイプに分類することもできる選手であり、その反面純粋なウインガータイプが1人もいない状況になっている。しかし、これも前政権時にナスリやバスケス、ガンソなどの選手を上手く共存させたサンパオリであれば解決する可能性もあるかもしれない。マルセイユでもかなり癖のあるパイエを上手に使って期待したいところ。その中でも期待したいのがパプ・ゴメス。セビージャ移籍後のパプはアタランタ時代に賞賛されていたプレッシングでの貢献や縦への推進力は鳴りを潜め、テクニック面に全振りした選手になってしまっている。そんなパプがサンパオリの下でどのようなタスクを与えられ、どのように復活するのか。これはセビジスタでなくても一見の価値あり。まずは初戦となるこの試合。相手は非常に強敵だが、今後に繋がる良い試合に期待したい。


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 一方のアウェイ アトレティックの7節は本拠地でアルメリアとの1戦。今節もいつも通りと言えるメンバーと布陣でスタート。三角形を複数個作ることで、プレス回避から崩しまでを行うバルベルデが就任以来作ってきた形がこの試合では気持ち良いほどに良くハマっており、その中で今節のPick up Playerにもあげたサンセが躍動。所謂バイタルエリアと呼ばれる位置でボールを引き出すと、そこから決定的な仕事を連発。セカンドトップ的な立ち位置で使われていた昨季と同じようなエリアで流石のプレーを見せつけた。また、もう一つ武器となっていたのがイニャキの動き出しの豊富さ。その中でも中央から右方向にダイアゴナルラン。このランニングにより、右サイドでボールを握っていたデマルコスやサンセからボールを引き出し、シュートまで持っていくシーンが垣間見られた。課題の決定力に関してはまだ信頼を置くことができるものではないが、知将の下で、成長している姿は見て取れる。このようにチームとして非常に良い状態にあり、課題の決定力不足さえ出なければ、ピスファンでのセビージャとはいえ十分勝ち点3は計算できる。注目選手はオスカル・デ マルコス

 バルベルデ前体制の際に、SHからラテラルに一列ポジションを下げられたデマルコス。そして5年ぶりの再会となっている今季。ラテラルのデマルコスはチームの超重要人物として超重要な役割を果たしている。ニコ・ウィリアムスという圧倒的な個を持ったエストレーモに合わせ、常に三角形を作ることのできるサポートの位置を取り、キャンセル役に。その上、相手に穴があれば、そこから斜め方向のパスで決定機を演出。チームの攻撃力をラテラルの位置から見事に支えている。今節の相手であるセビージャも、ここ最近の布陣を踏襲してくると仮定した場合、対面のイスコやオリベルは他の場所自由に動いてることも多く、比較的余裕な状況でボールを持てるだろう今節。ここ数年、数が減ってきたラテラルの位置からチャンスを作れる選手として、デマルコスのプレーには注目したい。


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5、ヘタフェ vs レアル・マドリー

 ホーム ヘタフェの7節は本拠地アルフォンソ・ペレスにバジャドリーを迎えての1戦。直近の調子を考えると、勝点3が欲しい試合であったが、3失点を許し2vs3での敗戦。連勝は2でストップすることとなった。この試合ではジェネが負傷から復帰。3バックの右として入り、ドゥアルテが中央に回る形に。連勝中だった2試合はジェネがいなくなってからの試合だっただけに、この変化がどういった影響を与えるのは、注目ポイントだったが、ポジティブな面、ネガティブな面、両面が明確となった。まずポジティブな面で言うと、中央に入ったドゥアルテのフィード。彼のところから両サイドで高い位置を取るWBに対し、質の高いボールが供給されており、このフィードによって相手のプレスを回避できるシーンが多く見られた。一方でネガティブな部分はまず、ジェネのパフォーマンスレベルの低さ。負傷明けということもあったのだろうが、個人レベルでのミスが多く見られた。また、中央に入るドゥアルテも降りていった相手CFについて行き過ぎてしまい、裏を取られる場面が散見。この辺りは慣れが解決してくれる問題な気はするが、修正が必要だ。マドリーとの対戦となる今節、いつも以上に低重心のブロックとなることが予想される。その中でしっかりと耐えきり、カウンターの一手を出せるのか。期待したい。注目選手はボルハ・マジョラル


 今夏マドリーから完全移籍という形で加入してヘタフェでの2期目を迎えているマジョラル。開幕以来7試合全てに先発。ウナルのパートナーとして確固たる地位を築いている。ここまでパフォーマンスが上がらなかったことで懸念の声も上がっていた彼だが、バジャドリー戦でゴールを記録。古巣との対決に良い状態で臨めることだろう。2トップという表記をされ、確かに守備時には完全に横で並行関係を作るが、攻撃時のタスクはトップというよりはシャドーのイメージ。左方向に降り、そこでボールを引きだきつつ展開に関与。その上でサイドからのクロスに対し、ファーに飛び込んでゴールを狙う。これがラ・ファブリカ産のストライカーに与えられた基本タスクだ。チームの勝ち点のため、そして恩返しのため、ゴールという結果を求めたい。


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 アウェイ マドリーの7節はオサスナ相手にホームで勝ち点1にとどまることに。しっかりとマドリー用の形を作ってきたオサスナに対し、マドリーは代表ウィークによる疲労などもあってか、選手一人一人がキレがないことにより崩し切ることができず。最大の武器であるヴィニシウスとベンゼマの関係もヴィニシウスは厳しいマークにより、そしてベンゼマはやはり怪我明けによるコンディションの悪さもあって、機能し切らず。守護神クルトワを描いた守備陣もいつもほどの鉄壁感はなく、マドリーらしくない試合とはなってしまった。この勝ち点2落としによって首位の座はバルサに。とはいえ未だ1分のみとエル・ブランコもまた圧倒的な力を見せており、怪我人の状況やCLなどの面も合わせると9節のエル・クラシコに向けて、よりポジティブなのはアンチェロッティ率いるチームであることは間違いない。今節の相手 ヘタフェは昨季年明けに敗れた相手。敵地ということもあり、格下とはいえしっかりと気を引き締める必要はある。勝ち点3はマストで獲り、クラシコに向け良い形で向かいたいところだ。注目選手はロドリゴ

 前節の復帰までのベンゼマの欠場期間、完璧に9番の位置を務めあげたブラジルの誇る逸材。絶対的エースが帰ってきたこの2試合では右WGとして出場。特にシャフタール戦ではこれまで以上に、ベンゼマが降りてきたことで空いたスペースにダイアゴナルな形で飛び出す動きが多くなっており、より危険度の高い選手になった。この背景には間違いなく9番としての経験が生きていると思われ、また選手としての階段を1つ登ろうとしている最中なように見える。今節のヘタフェ戦は負傷明けのベンゼマが休養。またもやデランテーロとしての起用が予想される。シャフタール戦後、アイシングを行っていたことから一部では彼もまた休養が与えられるのではとも言われていたが、所謂離脱が必要な程度のものでは一切ないとのことであり、ベンゼマの不在が確定している以上、おそらくロドリゴがスタメンとして出場するのは確実だろう。クラシコに向けエースがどれだけ調子を上げられるかわからない中で間違いなくロドリゴの存在はキー。調子を上げて、次節に臨めるようにもまずは今節結果を残したいところだ。


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6、バジャドリー vs ベティス

 ホーム バジャドリーの前節はヘタフェ相手に接戦の上での勝利。3試合ぶり2度目の勝利で降格権を脱出することに成功した。この試合で輝きを見せたのはベテランストライカー セルヒオ・レオン。PKで1得点目を上げると、9番らしい見事な抜け出しと、鋭いシュートでゴラッソの2点目。ヴァイスマンでもグアルディオラでもなく、レオンをスタメンとして使ってきたパチェタの期待に見事応えた。今後、残留争いにおいて直接のライバルとなることが予測できるヘタフェに対し、アウェイで勝ち点3を取れたことは非常に大きく、この勝利を勢いに変換して、ベティス戦に向かっていきたいところ。フェダル、レオンという元ベティスの2人が活躍したこともあり、偶然にもアンダルシアの雄との対戦に向け、チーム全体が良い雰囲気で臨めることだろう。注目選手はキケ・ペレス

  

 バジャドリーの攻撃における絶対的指揮官であり、このチームの攻撃は全てキケ・ペレスから始まると言っても過言ではない存在だ。ヘタフェ戦でも見事なスルーパスでレオンのゴールをアシスト。チームの勝利に大きく貢献した。格上との対戦となるこの試合では、チャンスの数が限られることは容易に想定でき、その中でどれだけ質を上げられるかが重要になってくる。そんな中でこの最高のチャンスメイカ―にどれだけ良い形でボールを預けられるか、そして彼が持った際に他の選手たちがどのような反応を見せるのかが勝敗の分かれ目となることだろう。ホームであることも踏まえると勝ち点1は拾いたい今節。彼からのアシストに期待したい。


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一方でアウェイ ベティスの7節はセルタに0vs1で敗戦。今季好調を維持していたベティスにとってこの敗戦はマドリー戦以来2度目のものであり、ブレイク後、早速つまづいてしまうこととなった。この試合のベティスは序盤から強度高くハイプレスを仕掛けてきた相手に対し、なかなか収まりどころを作れない展開が続くことに。この流れの中、先制点を許し、更にはルイス・フェリペがDOGSOで退場となるなど、最悪の前半を作ってしまった。それでも後半、負傷離脱から復帰したフェキルが出場して以降は10人とは思えないパフォーマンスを披露。フェキルのところでポイントを作ることができ、さらに序盤からのハイプレスの影響で相手の足が止まってきたこともあってベティスが圧倒的に主導権を握る様に。前半は苦労していたカナレスやロドリなどの技巧派チャンスメイカーも輝きを見せるようになった。結果的には得点を奪うことは最後までできず、敗戦となってしまったが、後半に見せた出来はこの敗戦から切り替えるのには十分なもの。しかし、ミッドウィークのローマ戦で再びフェキルがまさかの負傷。離脱期間はまだわからないが、再発であることを考えても無理はさせられず、再びフェキル、ファンミの2人のキーマンを欠いた状態で、今後戦わなければならない期間は長くなりそうだ。とはいえ、その状態でも強敵ローマ相手には勝利を挙げており、実力は2人抜きでも十分。この試合で格下バジャドリーにしっかり勝利し、もう一度勢いをつけなおしたいところだ。注目選手はヘルマン・ペッセラ。


 今夏の加入以来、ベティス守備陣の絶対的柱として活躍してきたルイス・フェリペが出場停止となるこの試合、アルゼンチン代表CBにかかる期待は大きい。昨夏フィオレンティーナから加入した彼だが、昨季は、空中戦の高さという武器は垣間見られたが、そこまでインパクトのあるプレーは残せず。しかし今季のペッセラは開幕から好調を維持。持ち前の空中戦以外にも、ビルドアップやライン統率などで好調ベティスを後ろから支えている。セルタ戦でもルイス・フェリペ退場後のDF陣をしっかりと支えており、今節も安定したパフォーマンスを見せてくれるはず。期待したい。


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7、カディス vs エスパニョール



 ホーム カディスの7節は本拠地にビジャレアルを迎えての一戦。比較的相性の良い相手ということもあってか、序盤から積極的に自分たちのやりたいことを徹底してやる形。攻撃面ではいつも通り、右はアレホが大外に張り、左はSHのボンゴンダが中でボールを触りつつ、大外をエスピノが上がってきて使う形からそのクロスでチャンスを作る展開を繰り返し徹底。ニアに飛び込むソブリーノとファーで待つネグレドで相手DFを攪乱させチャンスは作った。守備面では両SHにしっかりと相手ラテラルを見させ、状況によっては6枚になるような形。その上で守備一辺倒にはならないようにカウンターもしっかりとうち、決定的なピンチでは体を張り続けた。結果格上ビジャレアル相手に勝ち点1を獲得。初勝利を挙げた前節に続き、勝ち点を獲得。かねてからキーマンであるアルカラスが復活すれば5連敗の苦しい状況からは必ず復調するという私の予想通りの形になってきた。(自慢させてください笑) とはいえ、戦力的にはやはり一段劣ることは否めず、今後も厳しい残留争いが待ち続けているのは容易に想定できる。後を楽にするためにも、この勢いを持続させたい。注目選手はビクトル・チュスト

 今季 マドリーからカディス久保建英と同条件の保有権50%をマドリーが持つ形で完全移籍となったチュスト。昨季は後半戦からルイス・エルナンデスとペアを組んで主力としての立ち位置を築いた。カスティージャ出身CBの大きな武器として挙げられるのが、足元の上手さと地上戦の強さ。右利きながら左CBと逆足の位置に入るチュストだが、両方の足で正確な縦パスを出す事が可能。ボール保持に特徴を持った選手の少ないカディスにとって両CBの技術の高さは鍵となっている。こういった長所の一方で課題となっているのがフィジカルを活かすタイプのストライカーとの対峙。実際、今季に入ってからもオサスナのブディミルなどの高さ、強さを誇る選手とのマッチアップでは非常に弱さを見せており、そこが絶対的な課題と言える。この試合でもエスパニョールのホセルとマッチアップとなることはでき、この課題をチュストがどれだけ乗り越え誤魔化しながら対応できるかが勝敗を握るだろう。


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 一方のアウェイ エスパニョールの7節はバレンシアを本拠地に迎えての1戦。序盤からボールは握られながらも、スピードアップはさせず比較的ロングボールの多い自分たち寄りりのペースに持ち込むことに成功。セットプレーから失点を喫すも、すぐに取り返し、逆転まで行き勝ち点3と思われた最中、アルバロのミスでまさかの同点決着となった。アルバロはこれで前節久保にキックをかっさらわれたのに続き、2試合連続で失点に直結するミスを犯してしまうこととなった。直前の所で勝利を取り逃し、これで3戦未勝利となっているペリコ。残留争いに引きずり込まれた場合、直接のライバルになるであろうカディス相手ということもあって敵地ではあっても勝ち点3にこだわりたいところだ。注目選手はアレイシ・ビダル

 今夏RDTやヴィリェナとともにディエゴ・マルティネスから戦力外通告を受けたアレイシ。しかし、良い移籍先が見つからず残留。今季は干されるような形になるのかとも思われていた。しかし、ここにきて右サイドを担当できるオスカル・ヒル、ルベン・サンチェスの2人が同時に離脱。右のラテラルを本職としてできる選手がいなくなってしまうという緊急事態になっている。この機に出場機会を少しずつ増やしだしているのが、アレイシだ。両エストレーモに内側でホセルと近い位置を取らせ、大外はラテラルに任せるディエゴ・マルティネスのフットボールにおいて、純粋なサイドプレーヤーの存在は不可欠。少なくとも本来の主力2枚が帰ってくるまでは、彼の活躍に期待したいところだ。


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8、レアル・ソシエダ vs ビジャレアル

 ホーム ラ・レアルの前節は敵地で昇格組のジローナと対戦。いつも通りの4312の形でスタートしたイマノル率いるチームは、序盤からマンマークのような形でプレッシング。3バックに対し、2トップ+シルバを一列上げ、牽制。ドブレピボーテをメリーノ、ブライスが消し、WBへはラテラルが縦スライドで出ていく形を作った。このプレッシングにより流れを勝ち取ると、セルロートのゴールで先制。しかし、先制後はプレスを回避される展開が続く。それは、シャドーの位置に入ったロロが、左方向に極端に降りるように。これにはCB及びスビメンディもついていききれず、そこからの展開により逆転を許した。お互いの攻撃が守備を上回る展開が続く中、打ち合いとなった試合を決定づけたのはアスリート能力の違い。徐々に足が止まり始めプレッシングに出きれなくなってしまったジローナに対し、ラ・レアルは時に休息としてのボール回しも入れながら、時には2トップの能力に任せてのカウンターなどで省エネしながら、最終盤まで足は止まることがなかった。これが、結果的には2点の差となり5vs3で勝利。これで連勝となり、サディク、ルノルマンという攻守のキーマンがいなくなった中でも、強さを見せている。今節の相手であるビジャレアルは今後、CL出場権あるいはヨーロッパカップ戦出場権といった点で直接のライバルであり、舞台がアノエタであることを踏まえても勝ち点3が欲しいところだ。注目選手はアレクサンダー・セルロート

 昨季も完全にチームにフィットし好パフォーマンスを見せていただけに、現在見せている活躍にも驚きはないが、イサクを失い、サディク、オヤルサバルが長期離脱中の中、久保と良い関係を築き、得点面で大きな貢献。4試合の出場で既に3Gと昨季の4Gに早くも迫る勢いで得点を挙げている。背が高くフィジカル的に優れていながら、スピード、足元の技術を平均以上のものがあり9番として必要な要素を幅広く備えているセルロート。これはチャンスメイカーが多い、今のラ・レアルにとって非常に適したタイプの9番であり、今後も得点量産が期待されるところ。重要な試合となる今節、勝負を決めるゴールに期待したい。


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 アウェイ ビジャレアルの7節はカディス相手に0vs0のスコアレスドロー。これでリーガでは3戦勝利なしと序盤戦の好調とは打って変わって不穏な空気が流れ始めている。この雰囲気を招いたのがエース ジェラール・モレノの離脱。負傷直後は軽度のものとされていたが、不快感が持続しているようで、負傷が続いている事を考えても無理はさせられない。報道によっては追加で1ヶ月という物も出ており、当分は彼には頼れない状況が続きそうだ。しかし、昨季同様この絶対的エースがいない状況では退いた相手を崩すことが出来ないという課題は継続しており、この現状をどう脱却していくか、今後長いシーズンを戦うことを考えても、そろそろ結論を出したいところだ。今節はアノエタに乗り込んでのラ・レアルとの一戦。CL出場権争いにおいて直接のライバルとなる相手ということで勝利が欲しい試合となる。昨季に続き、相手の要塞で勝利を上げることが出来るか。期待したい。注目選手はアレックス・バエナ

 今夏ジローナでの武者修行から帰還し、PSMからの活躍でトップチーム昇格を果たしたバエナ。開幕節での2Gを皮切りにプリメーラの舞台でも存在感を放っている。しかし、彼もまたジェラールの離脱によって影響を受けている1人。実際1つポジションが空いたことにより、彼がスタメンとして出場する確率自体は高まっているものの、中央のライン間でボールを引き出し、そこからのキープ、そしてチャンスメイクを1人で完結させていたジェラールのおかげでバエナが自由にプレーできていた部分も大きく、カディス戦ではそこまでインパクトを残せなかった。もう一歩彼自身が上に行くためにも、この期間にどこまでイエローサブマリンを引っ張る存在となれるか。期待したい。


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9、バルセロナ vs セルタ

 ホーム バルセロナの7節は敵地に乗り込んでのマジョルカとの1戦。クンデ、アラウホ、ベジェリンの負傷、セルジ・ロベルトのコンディション不良で誰が入るのか注目された右ラテラルには、本来左に入るバルデを起用。代表ウィーク明け且つミッドウィークのインテル戦に備えてターンオーバーを実施して、この試合に挑むこととなった。結果自体はレヴァンドフスキのゴラッソで勝利したものの、内容面では今季最悪レベルのパフォーマンスであり、退いたマジョルカに対して最後までチャンスらしいチャンスを作ることが出来ず。不安の残る出来となった。ここまで6勝1分と良い形で来たバルサだが、10月の日程は過酷。セルタ、インテルクラシコビジャレアル、アトレティック、バイエルンバレンシアと一筋縄でいくような相手は1つもない。これをアラウホなしで戦い抜かなければいけないこの期間は、バルサにとって非常に苦しい月になるだろう。この期間をどのように乗り越えられるか。今季の結果を左右しかねない大事な大事な1ヶ月だ。注目選手はアンドレス・クリステンセン

 今夏チェルシーから加入したデンマーク代表CB。ここまではアラウホ、エリックに次ぐ3番手CBとしての立場を与えられている。リーガでの出場は3/7とまだ物足りない出場時間となっている彼だが、出た試合では安定したパフォーマンスを披露。マジョルカ戦でもビルドアップ、空中戦、背後の対応いずれも及第点のプレーを見せた。アラウホがリハビリによって、少なくとも前半戦の間は欠場することが決まっただけに、彼のスタメン起用の機会も増えることは容易に想定でき、活躍に期待したいところ。若返りの中でCL制覇を経験したメンバーが少なくなってきている今、26歳といってもリーダーとしての役割においても期待したい部分は大きい。アスパス、ラーシェンの強力2トップを持つセルタ相手にどのようなプレーが出来るか。注目したい。


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一方でアウェイ セルタの前節はバライードスで好調ベティスに見事勝利。アスパスが体調不良ということでベンチスタートになったこの1戦。ラーシェンとカルラス・ペレスを2トップに並べると、高い位置からのハイプレスを決行。全員が前で潰す意識を強く持つことによってこの形は上手くいき、ガブリ・ベイガのスーペルゴラッソも飛び出したことで先制に成功。その後はベティスが10人になるものの、それでもよりテンションを上げてきた相手に後手を取ることが多く苦しむ展開に。この日は都合によりコウデがベンチに不在であり、そのこともあってなかなか修正が効かず、苦しい展開となったが、、それでもなんとか勝ちきり勝ち点3を獲得した。内容面では課題も多く残った試合だったが、アスパスを頭から使えない中で、格上ベティスに勝利できたのは大きい。これで連敗も止まり、3連敗でのバルサ戦という最悪の状況は避けることができた。これでなんの気兼ねもなく、挑戦者としてカンプノウに乗り込むことができるはずだ。注目選手はハビ・ガラン

 

 セルタの誇るリーガの中でもトップクラスの実力を誇り、今夏にはバルサ移籍の報道もあったエストレマドゥーラ産の左ラテラル。昨夏の加入以来、あまりにも重要すぎる役割を攻守両面で負っており、その代役となる選手はいないなど、コウデの中での彼への依存度は並大抵のものではない。この試合でもバルサの即時奪回プレスに対する剥がし、あるいはvs右WGの対人など彼の重要度は極めて高く、その出来が勝敗に直結する可能性も十分。更に名を売るきっかけの試合にしたいところだ。


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10、エルチェ vs マジョルカ

 ホーム エルチェの7節はラージョ相手に惜敗。532でスタートし、パラシオスのを3バックの一角として起用し、またフェデリコ・フェルナンデスをスタメンで起用するなど、上手くいっていないこれまでの状況を何とか変えようと試行錯誤。チーム全員でなんとか勝ち点を拾おうと戦った試合だったが、先制点のリードを守りきれずに1vs2で敗戦。特にクリアボールをそのままボレーでたたきこまれた2失点目は試合終了直前中の直前ということもあって、上手く行っていないときは何もかもが悪い方に出てしまうというのを証明するようなものであった。この敗戦をもってフランシスコ・ロドリゲス監督とエルチェの旅は終了を迎えることに。約1年間という短い期間で終わることとはなってしまったものの、特に昨季終盤戦、キケ・ペレスとフィデルの2人をシャドーに並べた3421の形は非常に魅力的であり、エルチェというチームにとっても、リーガウォッチャーである私たちにとってもあらゆるものを与えてくれた監督であった。またどこかのクラブで魅力的なチームを作ってくれることに期待したい。

 さて後任候補の名前としては元アラベスのカジェハや、元ラージョのパコ・へメスなどが挙がっているが、その中でも最右翼となっているのはパコ・ロペス。言わずと知れた前レバンテ監督であり、攻撃重視のスタイルで多くのリーガクラスタを魅了した戦術家だ。守備の整備よりも攻撃に重心を入れ3点取られようが4点取り返すスタイルで殴り勝っていたパコ・ロペスのフットボールは魅力的な攻撃のタレントの反面、脆弱な守備陣しか抱えられていないエルチェのスカッド状況にはマッチするはず。残留争い真っ最中において、そういった戦い方でいいのか、またすぐさま結果が欲しい中でチーム整備にある程度の時間を要しそうなパコ・ロペスが後任でよいのか。という懸念点もあるが、とりあえず必見であることは間違いない。注目選手はロジェール・マルティ

 仮にパコ・ロペスが就任した場合、何の因果か今夏レバンテからエルチェに加入したロジェールにとって、約1年ぶりの恩師との再会となる。レバンテで共に戦った際には、モラーレスとの強力2トップで、たとえ3強相手であっても真っ向から挑み、ゴールを奪い続けた。最も良い時期にはラ・ロハへの呼び声も高く、結果的には呼ばれることはなかったものの、リーガ屈指のストライカーとして名を馳せた。そんな最高の時期を共に過ごしたパコ・ロペスとの再タッグは、ロジェール本人にとってもチーム全体にとっても良いものをもたらすはず。ボジェやポンセフィデルやコジャドなど豊富な前線のタレント陣とともにパコ・ロペスの攻撃的フットボールを支える形を見てみたいものだ。


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 アウェイ マジョルカの前節は本拠地でバルサに惜敗。対強豪用の布陣であるイガンインを左に下ろした541の形でスタート。ペナルティエリアの前に54でセットする形でバルサのサイド攻撃を封鎖しにかかった。この形は成果を出し、バルサに決定機らしい決定機は作らせず。結果としてはレヴァンドフスキの理不尽ゴールに沈み、勝ち点0に終わってしまったが、マドリー戦に続き、一定の手応えは得たと言えるのではないだろうか。今節は敵地に乗り込んでのエルチェ戦。フランシスコが解任され、新監督ブーストが起こる怖さもある相手であり尚且つ敵地と難しい試合になることも予想されるが、残留争いに向け直接のライバルであることを考えても、少なくとも勝ち点1は拾いたい1戦だ。エルチェ戦の注目選手はブライアン・クフレ

 バルサ戦において敗戦以上に大きな痛手となってしまったのが、ジャウメ・コスタの負傷離脱。ここまでアギーレはかなりメンバーを固定している傾向があり、5バックに関してそれはより顕著。マドリー戦で左CBにナスタシッチが入ったのを除いて、これまでの試合で全て5枚フル出場の形になっていた。そんな中でも更にキーとなっていたのがこの左WB。攻撃時には最前線を取り幅と高さを担保。一方で守備面においては、右サイドの対応と比べて1vs1を作られやすくなる中で相手WGに対し優位性を保ち守備を支えていた。そんな彼が負傷離脱。代わりには今夏マラガからのローンで帰ってきたクフレが入ると見られる。昨季セグンダでは25試合に出場し、またPSMでは良い仕事をしていた彼だが、プリメーラでの出場は前節が初であり、どこまでジャウメの代わりが務まるのかは懸念点。開幕から好調を維持するマジョルカ。その勢いを途切らせないためにも、クフレがどこまでできるかは大きな鍵。数少ないチャンスで偉大なライバルを追い越す様な活躍を期待したい。


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