rinのリーガとスペインサッカーについて語るブログ

ラ・リーガとスペインサッカーについて気軽に書きます。内容めっちゃ浅いです笑 アトレティコのファンです。

【最速】W杯 スペイン代表26名紹介 

1、始めに

 皆さんこんにちは!今回の記事では、本日 11/11日本時間20:30に発表された、スペイン代表メンバー全26名の紹介をしていきたいと思います。ラ・リーガウォッチャー、そしてラ・ロハ(スペイン代表の通称) ウォッチャーとして自分なりの選手の特徴や、代表での立ち位置を書いていきます。普段からリーガを追っている方はもちろん、Myチームしか見ないから他のチームの選手はよくわからないよ!という方や、今回日本代表と対戦することで、どのような選手がいるのか気になった!という方まで幅広い層に向け書きましたので、最後まで読んでいただき、また観戦のお供としていただけたら幸いです。なお、急いで書いているため、誤字などの読みづらい点があるかもしれない事、またあくまで私はリーガウォッチャーであり、他リーグの選手たちへの印象がどうしても薄くなってしまっている事 この2点にはご配慮お願いいたします。

2、特徴

 2018年ロシア大会、イニエスタやシルバなど2008年からの黄金期を支えたメンバーの集大成として迎えた大会をベスト16敗退というあまりに悔しい結果で終えたラ・ロハ。W杯本選直前に当時、監督を務めたロペテギがマドリーとの契約を発表したことで解任されイエロが就任するという協会内部でのゴタゴタを含め、ピッチ内外で不甲斐ない大会に終わってしまった。そこからの4年間、諸事情で辞任した約8カ月を除き、チームの監督を務めたのがルイス・エンリケ(通称ルーチョ)。

 現役時代も3度のW杯出場経験を持つ彼の監督として最大の実績は14-15シーズン バルサを率いての3冠。MSNを武器にこれまでのティキ・タカからカウンターの要素を強く入れた、より現実的な路線への転換を上手く果たした。この伝統やしがらみに囚われず、強気にチームを作り上げていくのが、監督して彼の一番の特色だ。これは、ラ・ロハでのメンバー選出でも色濃く表れており、主力であるセルヒオ・ラモスを21年EUROの直前で呼ばない選択を下したこと、ネーションズリーグ準決勝でいきなり、当時トップチームでの出場経験も限られていたガビを起用したこと。この2つが、その最たる例である。これらの変革によって大きな課題と目されていた黄金世代からの世代交代に見事に成功。CBと点取り屋にワールドクラスの選手がいない中でも、EUROベスト4、ネーションズリーグ準優勝と最激戦区のヨーロッパにおいて数々の結果を残してきた。大量の批判に晒されながらも、その度に結果で黙らせてきたルーチョ。このワールドカップにおいても、この絶対的リーダーの存在が、スペイン最大の武器だ。

3、展望

 今大会のラ・ロハは現実的に見て頂点を目指すことのできる戦力ではない。目標はベスト4。これを達成できれば十分すぎる大会と言えるだろう。理想とすれば初戦のコスタリカ、2戦目のドイツに連勝し、3戦目の日本戦でターンオーバー。ラウンド16でグループF2位(おそらくクロアチアかモロッコ)を下し、ラウンド8でのブラジル戦に挑むというのが基本的な展開となるか。2位での通過となると、ラウンド16の相手はベルギーになることが想定されるため、ここは避けたいところ。まずは初戦のコスタリカ戦での勝ち点3が何よりも重要となる。

4、基本布陣

 布陣及び、序列はおそらく上記の通り。確定枠はGKのシモン、CBのラポルト、DH ブスケツ、インテリオールのペドリ、CFのモラタ。これに加え、LB、RW、LWもおそらくこの序列通りになると思われ、あとはラポルトのコンビがパウ・トーレス or エリック・ガルシア。RBがアスピリクエタ or カルバハル、インテリオールのもう一枚がガビ or コケといったところ。これは相手や個々のコンディションによって変えてくるものとみられる。配置としては左右非対称の形。SBを低い位置に置き、WGは大外、そこにインテリオールが飛び出しでポケットを取りに行く右サイドに対して、左サイドはSB、インテリオール、WGの3枚がローリングしながら相手のマークをずらしていく。CFのモラタは偽9番的に中盤に降りて数的優位を作り、運び出しはCB+ブスケツ。守備は即時奪回の目的の下、ハイラインハイプレスが基本だ。必然とその裏は明確な弱点になるが、ここはメリットとの差し引きで許容。1vs1に強いシモンにこのリスクは負ってもらうことになっている。

5、選手紹介

GK (PORTERO)

ウナイ・シモン (アトレティック・クルブ)

  

 ラ・ロハの新守護神 ウナイ・シモン。GKの名産地バスクが輩出した25歳の若者。これまでラ・ロハはカニサレスカシージャス、デヘアと世界最高峰の選手が守護神の座を務めていただけに、若干のネームバリュー的な物足りなさがあることは否定しきれないが、それでもこの大会を機に一気にスターダムに乗る可能性を十二分に秘めた選手だ。特筆すべきはそのメンタルの強靭さ。記憶に残っている人も多いだろうが、EUROでのクロアチア戦。バックパスをトラップミスしてしまい、そのままゴールを許すこととなってしまった彼。しかし、それを一切引きずることなく、その後は決定機を何本もセーブ。パラドンの連続でチームの逆転勝利に貢献した。大舞台での経験こそ、まだ浅いものの間違いなくいつも通りのパフォーマンスを見せてくれるはずであり、期待値は大きい。ナバス、ノイアーと世界有数のGKと同居することになったグループリーグからキーパー対決にも目が離せない。

ロベルト・サンチェス (ブライトン)

 ブライトンの正守護神 ロベルト・サンチェス。代表では2ndGKとして、2021年3月の初招集以来、選出されてきたがウナイ・シモンの牙城は崩せず、未だにA代表でのキャップは1のみだ。レバンテのカンテラから16歳にしてブライトンのアカデミーへと移籍を果たしたサンチェス。近年はリーガの舞台を経験せず、そのまま他国へと移籍していくプレイヤーも増えたが、かなり珍しいケースであることに間違いない。現チェルシー監督 グレハム・ポッターによってスタメンに抜擢された彼は、以降の約1年半で急成長。Transfer marktの指標では現在プレミアリーグの選手の中でアリソン、エデルソンに次ぎ、3番目に市場価値の高いGKとなっている。最大の武器は足元の巧みさ。精度が高く、飛距離が出るキックは見ごたえ十分だ。更にそれでいてシュートセーブも優秀。更に197㎝の高身長と全てがハイレベルなGKだ。ルーチョの信頼的にシモンからポジションを奪うことは難しいだろうが、万が一なことがあっても十分ゴールマウスを託すことのできるだろう。

ダビド・ラヤ (ブレントフォード)

 3番手のGKとしてデ・ヘア、ケパらを押しのけて選出されたのがブレントフォードの守護神 ダビド・ラヤだ。カタルーニャ州出身の彼だが、彼もまたロベルト・サンチェス同様、早々にスペインを離れ、イングランドトップリーグへ上り詰めた選手である。ブラックバーンのアカデミーでイングランドでのキャリアを始めた彼はローンで5部リーグへ。そこで活躍を見せ、翌年ローンバックでブラックバーンに戻ったものの、そこから1年半は控えGKとしての立ち位置。その後スタメンGKが移籍したことでようやく定位置を掴むと、当時3部だったチームの2部昇格へ大きく貢献した。その後、19年夏にブレントフォードに移籍すると、遂に20-21シーズン プレーオフを勝ち抜き、25歳にして初のトップリーグでデビューを果たすことになった。そしてそのわずか1年半後には強豪 スペイン代表の一員としてW杯の大舞台に挑むこととなる。育成に長けた国ということもあって、若いころから将来を期待されていた選手が多い中、この代表において彼は唯一ともいえる叩き上げ。出番は中々回ってこないだろうが、それでも彼にとっては夢の舞台。ベンチからチームを盛り上げる姿に期待したい。

RSB (LATERAL DERECHO)

セサル・アスピリクエタ (チェルシー)

 名門オサスナカンテラ 通称タホナルの誇る最高傑作。若くして海外に飛び出た彼はマルセイユを経て、12年夏にチェルシーに移籍。そこからの10年間イングランドの地で、チェルシーの闘将として戦い続けてきた。そんな彼も33歳。このW杯がキャリア最後の大舞台となることだろう。ルーチョ政権序盤こそカルバハル、ナバスの牙城を崩せず、中々招集されていなかった彼だが、その両者ともが負傷で欠場となったEUROにおいて素晴らしいパフォーマンスを披露。リーダーとしての役割はもちろん、ラテラルを低い位置に置く、現在のルーチョのフットボールに守備的なラテラルである彼のプレースタイルがうまく合致し、一躍右ラテラルの1番手に躍り出た。近年はワールドクラスのWGにちぎられるシーンが垣間見られるなど、衰えは隠せないが、それでも先日のアーセナルで見せたように、ここぞの試合での出来は流石のもの。今大会でもチームの支柱として期待したい。

ダニ・カルバハル (レアル・マドリー)

 怪我さえ考慮に入れなければ、間違いなく世界一の右ラテラルであるカルバハル。ただやはり負傷による離脱が多い影響もあってこのラ・ロハでも序列争いではアスピリクエタの後塵を拝しているのが現状だ。直近のマドリーの試合でも低調なパフォーマンスを見せており、若干の懸念点はあるが、それでもここまで数多くの大舞台で最高のパフォーマンスと結果を勝ち取ってきた歴戦の猛者なだけに、必ずこの大会にベストコンディションを持ってきてくれるはずだ。アルバの際にもvs相手の右WGという点に触れたが、左WGも強烈な選手が揃う。ドイツのサネ、日本の久保、三笘。こういった選手たちをどこまで封殺できるか。カルバハルの負担も大きくなるだろう。とはいえ、昨季の決勝では当時絶好調であったリヴァプールのルイス・ディアスを完璧にシャットアウトしており、実力的には十分に抑えられるものを持っている。怪我がちであること、そして30という年齢を考えてもこれが国際舞台では最後のビッグトーナメントとなる可能性は大きい。代表でも偉大な結果を残すため、今大会では気合の入ったカルバハルが見れるはずだ。

CB (CENTRAL) 

エイメリク・ラポルト (マンチェスター・シティ)

 このチームの守備の柱であるラポルトフランス領バスク出身の彼は、元々はフランス代表のプレイヤーであり、年代別代表での招集経験もあったものの、CBのタレントを豊富に持つレ・ブルーではお呼びはかからず。昨年に開催されたEUROの直前にスペインへと国籍を変更し、早速EUROではラ・ロハの弱点であった最終ラインで中心として君臨し、チームの躍進を支えた。最大の武器である左足でもフィードはもちろん、強度の高いプレミアの中でも更に、ハイラインを志向しているシティにおいて長年活躍していることもあって、守備者としての能力も現ラ・ロハの中では群を抜いたものを持っている。セルヒオ・ラモス不在の余波を起こさせないためにも彼がどれだけディフェンスリーダーとして立ち振る舞いができるかはピッチ内外において注目ポイントだ。

パウ・トーレス (ビジャレアル)

 五輪でも左CBを務め、日本代表とも対戦した左利きCB。強豪クラブが多く関心を寄せる逸材だ。言わずと知れた最大の武器はその左足からの供給力。長距離のフィード、縦へ強く出すパス、自ら持ち上がる場面など、その時々の相手DFに合わせ、適切かつ精度の高い供給ができる選手だ。その一方で弱点としては、空中戦の対応。身長は191㎝と決して低くないものの、空間把握の面で多少難があるように見受けられ、特に横からのボールに対しての対応を間違える場面が垣間見られる。ラ・ロハでは同じ左利きCBであるラポルトがいるため、絶対的なスタメンとは言えない立ち位置。エリック・ガルシアとそのパートナー役を争っている状況であり、パウがスタメンで出る際は、ラポルトが右CBに入る。昨季CLで大きく名を売った彼が、更なる知名度をこの舞台で得ることが出来るか。

エリック・ガルシア (バルセロナ)

 先日引退を表明したピケの正統後継者であるエリック。昨季まではその守備力の低さ、またシティ退団時のゴタゴタからかなり批判の対象となっていたが、今季は一躍成長。チャビから高い信頼を得ている。スピードや高さという部分では物足りなさが隠せないものの、それ以外の読みやビルドアップ時の貢献でその短所を上回るパフォーマンスを現在は出せている。ただ、やはりワールドクラスのスピードを持った相手への対応は厳しい点があり、日本的にはここは狙いたいところ。実際ネーションズリーグでもここの裏を取られ、ピンチに繋がっているシーンは垣間見られたため、どれだけ彼とスピード勝負といった形を作れるかが鍵になる。この代表での立ち位置はラポルトの相棒をパウと争っているところ。ラポルトが左利きなだけに右利きである彼が本来相応しいのだが、ルーチョ自身もここには若干の不安を感じている部分ではあるのだろう。彼がこの大会でどれだけのパフォーマンスを見せられるか。速さ、高さが日に日に求められるようになっている現代CBにおいて、その点にビハインドを抱えながらも戦っているエリック。新たなCB像を再び、彼のパフォーマンスから創り出したいところだ。

ウーゴ・ギジャモン (バレンシア)

 CB4番手に滑り込んだのはイニゴ・マルティネスでもディエゴ・ジョレンテでもなくギジャモンであった。所属チームのバレンシアでは、昨季ボルダラスによってコンバートされて以来、ピボーテの位置を務めることの多い彼だが、ラ・ロハではCBとして計算されている。エリック同様、身長やスピードといった点では劣るものの、やはり供給力に長けているタイプのCBであり、この選出からもルーチョがCBに求めているのは、守備能力以上に持ち運びから質の高い供給ができる点であることを理解することが出来る。この4年間年代別代表でもプレーし続けた彼は、ラ・ロハの志向するフットボールをよく理解している選手であり、ルーチョの信頼が厚いのも納得。年齢も若く、次回以降の大会に向けても、今回この大舞台を経験できる意味は大きい。限られた出場機会にはなるだろうが、活躍に期待したい。

LB (LATERAL IZQUIERDO)

ジョルディ・アルバ (バルセロナ)

 キャリア3回目のW杯を迎えるスペイン史上最高の左ラテラル。今季はクラブでの立ち位置も低下しつつあり、衰えも見られてきたが、それでも得意の裏への抜け出しからのクロスという形は強烈な武器。ルーチョからも絶大な信頼を得ており、プレーは無論、リーダーの1人としての活躍にも期待したい。グループリーグからニャブリ、伊東純也といったワールドクラスのドリブラーとのマッチアップが想定される。元々チームの構造的にラテラルには低い位置を取らせるラ・ロハのスタイルの中で、彼らをどれだけ低い位置に押し込み、アルバの攻撃面での良さが目立つ試合にできるか。チーム全体の状態を確認する指標としてアルバの存在感は注目ポイントだ。

ホセ・ガヤ (バレンシア)

 ククレジャ、バルデ、マルコス・アロンソなど競争の激しかった左ラテラルのポジションにおいて、4年間通してその座を譲らなかったガヤ。バレンシア一筋の偉大なるワンクラブマンだ。2代巨頭として君臨してきたソレールがPSGに移籍した中、フロントにゴタゴタを抱えるチームを今も先頭に立って支えている。今季の彼は、目立ちはしていないものの、非常に質の高いパフォーマンスを見せており、ボール保持を大切にするチームの中で、自らの前にいるWGサムエル・リーノと良い関係を築き、内外使い分けた攻撃参加を見せている。アルバが年齢のこともあって、過密日程の中でフル稼働は難しい可能性が高く、彼の出番もこの大会の中で訪れることだろう。プレーはもちろん、若いチームにおいてリーダーの1人としてチームをまとめる役割にも期待したい。

DH (PIVOTE)

セルヒオ・ブスケツ (バルセロナ)

 スペインが誇る世界最高のピボーテ。2010年のW杯制覇組最後の生き残りである彼ももう34歳。この大会が恐らく最後のビッグトーナメントとなる。流石の彼も衰えは徐々に見えており、バルサでも絶対的な地位は多少揺らぎつつあるものの、それでもこのラ・ロハにおける存在感は別格。世界最高峰のピボーテであるロドリでさえも、未だ牙城は崩せず、ブスケツの不在時にはチーム自体が停滞してしまう。このチームにおいて最も替えの利かない選手と言える。とはいえ過密日程の中で、年齢を考慮に入れると全ての試合でベストコンディションでのフル出場とはいかず、できることならグループ3戦目の日本戦では休ませたいところ。彼にマークを付かれた時に、どのようにそこを有効活用して前進していくのか。その対処法も含め、彼がどのようなパフォーマンスを見せられるかがラ・ロハが今大会どこまで行けるかを左右するだろう。

ロドリ (マンチェスター・シティ)

 現在、世界最強のチームにおいて絶対的な存在感を図るピボーテ ロドリ。それでも代表では未だにブスケツの牙城を崩すことはできておらず、それどころか代役としても物足りなさを感じてしまうパフォーマンスに終始している。所属しているリーグの特徴もあり、よりアスリート能力に優れている一方で、状況判断やパスセンスといった分野ではロドリも世界最高峰のものを持ちながらも、その点において史上最高といっても良いほどのクオリティを持つブスケツに分がある。そして、このブスケツの存在が攻守全ての始まりとなるラ・ロハにおいてはやはり、ロドリは後塵を拝すことになるだろう。ただ、最近の試合ではCBやブスケツとの同時起用という形での起用機会も多く、このW杯でもそういった使われ方は増えるだろう。スペイン流の技術の頭脳に優れた小兵タイプが多い、ラ・ロハの中盤でプレミア仕込みの強度を出せるロドリの存在は貴重。必ずや、拮抗したトーナメントにおいて彼の力が必要になる時は来るはずだ。

CH (INTERIOR)

ペドリ (バルセロナ)

 世界中に名の轟く世界最高峰のインテリオール。昨年にベストヤングプレーヤー賞を受賞した彼だが、もはや若者という印象は消えており、世界でも指折りのプレーヤーとして君臨している。EUROで鮮烈な印象を見せつけてから1年と半年。更なる成長を遂げたペドリがその才能を改めて世界に見せつけることになるだろう。彼の最大の武器はやはりフットボールIQの高さ。ポジショニング、状況判断の全てが適切であり、相手に確実にダメージを与えることができる。その上でその頭脳にしっかりとついていくだけの技術を持っており、またフィジカル面においても決して優れているわけではないが、簡単に当たり負けして潰されることはない。やはり注目したいのは2戦目のドイツ戦。ラ・ロハはドイツには良い印象を持っているものの、ペドリを筆頭とするバルサ勢はバイエルンに対して苦手意識が植え付けられているはず。代表という場でバイエルン中心のドイツにリベンジできるか。グループリーグから目が離せない。

ガビ (バルセロナ)

 今年のゴールデンボーイであるガビ。その受賞に関しては賛否両論あったものの、間違いないのは彼がそれに匹敵するほどの才能と能力を持ったプレイヤーであるということだ。彼の名が一躍世界に轟いたのはバルサでのパフォーマンスではなく、ラ・ロハ。当時、チームでもようやく少しずつ出始めていた程度だったガビをルーチョはまさかネーションズリーグの準決勝、決勝のメンバーにセレクト。更にペドリが負傷で不在だったとはいえいきなりスタメンに抜擢したのである。当時は批判もかなり多かったが、それをパフォーマンスで黙らせる素晴らしいプレーを見せると、それ以降も定番のメンバーとして選出。チームでの主力の座を掴み、成長を重ねている。人生2周目の様に、常に落ち着き払っているペドリに対し、ガビの良さはその18歳という若さが前面に溢れ出た負けん気の強さと運動量。この武器がチームを活性化させ、ただのボール保持になりがちなラ・ロハのフットボールを効果的なポゼッションへと成し得ている。ファイターであるため、敵も多い彼だが、このチームで一番相手にとって嫌な選手ともいえるガビ。更に上のレベルへ。これからの時代を先頭になって築いていく選手であるというような確信を全世界に抱かせるような大会にしたいところだ。

コケ (アトレティコ・マドリー)

 負傷からギリギリで復帰したアトレティコのカピタン コケ。一気に若返ったチームの中では珍しく、14年、18年大会に次ぎ3回目のW杯挑戦となる。直近2年間でペドリ、ガビという2人の逸材が台頭してきたことで、その地位は揺らいできたものの、それでもこういったビッグトーナメントにおいて彼の持つバランス感覚は貴重な戦力となるはずだ。実際、ブスケツ、ペドリが大きなインパクトを残した昨年のEUROでも、彼らとトライアングルを組んだコケが上手く、サポートに入り地味な仕事をこなしていたことは見逃せない。前回大会ではベスト16のロシア戦。PK戦となったこの試合で3番目のキッカーとして出てきた彼はPKを失敗。これがラ・ロハの早期敗退に繋がるという悔しい思いを経験した。それだけにこのW杯に懸ける思いは人一倍強い。あの日以来、カピタンをガビ、ゴディンから受け継ぎ、アトレティコを引っ張る存在へと成長を果たしたコケ。そんな彼の集大成となるであろうこのW杯。活躍が楽しみだ。

マルコス・ジョレンテ (アトレティコ・マドリー)

 シメオネのコンバートが生み出したラ・ロハの誇る最高の起爆剤。カスティージャ出身の彼は、カゼミロの代役としてピボーテの位置で起用されていたものの、徐々に出場機会を失い、ライバルのアトレティコに移籍。加入当初はサッカーIQの低さから来る判断の遅さで批判の対象となっていたが、リヴァプール戦で2Gを挙げて以降、前線へコンバート。これが見事にハマることに。圧倒的なスピードとフィジカルを活かした2列目からの飛び出しで、相手のポケットと呼ばれる部分を切り裂き、20-21シーズンのアトレティコのリーガ制覇に大きく貢献した。良くも悪くも、頭の良い選手ではなく、できることは限られた選手のため、ハマったときの爆発力は絶大だが、上手く活かすのが難しいのも事実。実際アトレティコでも理想的な関係を築いていたトリッピアーの退団以降は苦しんでおり、そのスピードと対人の強さを活かした右ラテラルでの起用も多くなっている。ただラ・ロハには彼を上手く活かせる能力を持った選手が揃っており、停滞時のスーパーサブとして期待は大きい。彼の存在が重要になる試合は必ず来るはずだ。

カルロス・ソレール (パリ・サンジェルマン)

 インテリオールの5番手として選出されたソレール。今季移籍したPSGではシャドーの位置で起用されており、良さが全く活かされていないが、ラ・ロハでは右インテリオールで好パフォーマンスをここまで披露してきた。ラテラルを低い位置に置き、WGを外に張らせるラ・ロハにおいて、インテリオールの飛び出しは崩しの上で生命線。彼らが所謂ポケットという場面に、侵入することが出来るかがこのチームのカギとなっている。そのインテリオールに求められる特徴に合致したプレーヤーがソレールだ。実際に昨年の五輪決勝では後半途中から投入されると、この動きで抜け出し、見事なクロスでオヤルサバルのゴールを演出。このように抜け出しはもちろん、その後のキック精度という点でも期待感は大きい。またPK職人としても知られており、このトーナメントにおいて重要な役割を果たす可能性は十分だ。クラブでの鬱憤を晴らすようなプレーに期待したい。

WG (EXTREMO)

フェラン・トーレス (バルセロナ)

 ルーチョ体制最大のエース。バレンシア時代に右サイドを切り裂くプレーで一躍脚光を浴びた彼はその時点から代表に招集。その後、シティ、バルサと移籍する中で徐々にプレイスタイルを変えていったものの、ルーチョからの信頼は変わらず極めて厚い。バルサ移籍後は決定力という部分に大きな課題を抱え、そこから自信を失っていきプレーの質も落ちていったが、ここにきて徐々にコンディションを上げており、チャンスシーンに多く絡んでいる。特に左ラテラルのアルバとの関係性は良く、クロスに対し逆サイドから入ってくる形は多い。先日のネーションズリーグではコンディションの悪さからボールを受けてもバックパスばかりという低調なプレーに終わり、ニコに話題を攫われたものの、ラ・ロハが上に行くためにはこのエースの活躍は不可欠。大舞台での躍動に期待したい。

マルコ・アセンシオ (レアル・マドリー)

 最強の左足を持つ男がメンバーに滑り込み。日本から見ても五輪での印象が強烈に残っているであろう彼。言わずと知れたそのパンチ力ある左足が最大の武器。更に直近ではマドリーでの調子も上がってきており、開幕時点ではかなり低かった序列も、今では確かな戦力としてカウントされるところまで上がってきた。良い時の彼は運動量多く、スプリントで裏に抜け出す動きができ、相手にとってより脅威になることのできる。五輪の際は、彼自身のコンディションとしてはかなり悪い物だっただけに、あの時以上に警戒が必要。ラ・ロハでの立ち位置は基本、右サイドの控え。直近のネーションズリーグでは0トップの位置でも起用されており、CFタイプがモラタ1人となっただけに、今大会でもこのポジションで起用される可能性も高い。拮抗した試合で決定的な活躍を見せてくれることに期待だ。

ニコ・ウィリアムス (アトレティック・クルブ)

 アトレティック・クルブが産んだ、新たな逸材 ニコ・ウィリアムス。ガーナ代表にも選出されたイニャキ・ウィリアムスの弟としても知られる彼が、滑り込みでメンバーに選出。メンバー発表前、最後の代表期間となったタイミングで、初招集された彼はその期待に応える活躍を披露。得意のドリブル突破で、これまで停滞していた右サイドを活性化させ、自分たちのペースを持ってくる活躍を見せた。本格デビューとなった昨季はまだ粗削りな部分が目立っていたが、今季は大きく成長。突破の面だけでなく、その後のプレーの質や状況判断といった面で改善が見られ、リーグでも有数のアタッカーに名乗りを上げている。ドリブラーとして何よりの武器は両足をかなり高いレベルで使える点。これで縦突破以外にカットインという選択肢もより現実味を持ったものとなるため、相手を惑わすことが出来ている。今回のメンバーの中では現状、最も勢いに乗っているアタッカー。彼がこの舞台でサプライズを起こすことがあれば、その時はラ・ロハの躍進が見れているだろう。

ジェレミ・ピノ (ビジャレアル)

 スペインの誇る02トリオ アンス、ペドリに並ぶ超逸材が、このビジャレアルの誇るWGだ。20-21シーズン 当時、久保建英も所属したビジャレアルで彗星のごとく現れ、日本でも一躍名を売った彼はこの2年間で順調に成長。守備を重要視するエメリの下ではマドリーでフェデ・バルベルデが行っているような、DFラインに吸収され大外を管理するといった仕事も経験し、よりチームに貢献できる選手へと成長を遂げた。フェラン、ニコ、アセンシオなどなど様々なウインガーを抱える中でピノの最大の武器は細かいスペースを切り裂くことのできる点。エメリ時代は右サイドでアイソレーションのような形を作り、仕掛けることが多かったため、中々目立たなかったが、本来彼はより中央寄りの相手が密集するスペースに入り込み、そこからドリブルやパスを効果的に使いながら打開することの出来る選手だ。今大会もまたラ・ロハは退いた相手をどのように崩すかという場面は多くなると考えられ、そんな中で狭いスぺースで仕事の出来るピノに懸かる期待は大きい。他の若手同様、世界中に名を売る機会へ、この大舞台で衝撃を世界に与えたい。

パブロ・サラビア (パリ・サンジェルマン)

 ルーチョから絶大な信頼を得、一躍左WGの一番手の座に躍り出たサラビア。今季は、PSGにローンバックという形で帰還。メッシ、ネイマール、ムバッペの3人がライバルということで中々、スタメン出場とはならないが4番手FWとしてそのマルチなプレーの幅を活かし、チームに貢献している。ラ・ロハにおいても彼の左サイドからのオフ・ザ・ボールは1つの武器となっており、縦突破型のWGを大外に張らせる右と異なり、左の比較的自由に動き、左のラテラルやインテリオールと上手くローリングしながら侵入していく役割を上手く果たしている。その一方でやはり突出した武器はなく、対面するDFが対人守備に優れている場合、中々、単独で違いを作れないのは気になるところ。ネーションズリーグのフランス戦でもそれは露呈しており、ここをルーチョがどのように考えるか。楽しみにしたい。

ダニ・オルモ (RBライプツィヒ)

 ポジショナルプレーとストーミングを高いレベルで共存させる現代フットボールの申し子 ダニ・オルモ。約7年間バルサカンテラ ラ・マシアで育ち、久保ともチームメイトとしてプレーしたが、16歳にまさかのディナモ・ザグレブへ移籍。当時、かなりの驚きを持って受け止められたこの移籍だったが、彼はそこで大きく成長。そしてCLの舞台で絶大なインパクトを残し、次のステップに、これまた育成の名門にしてストーミングサッカーの最先端 ライプツィヒを選択。今大会のラ・ロハでは唯一のブンデスリーガからの招集となった。彼がラ・ロハで大きなインパクトを残したのが昨年のEURO準決勝 イタリア戦。この試合、始めて9番の位置 すなわち偽9番のタスクを与えられた彼は、持ち前のフットボールIQの高さを存分に活かし、イタリアを完全に翻弄。速攻と遅攻を上手く使い分ける彼がこれまで学んだことの全てを活かすようなパフォーマンスで全世界を震撼させた。それ以来、負傷も多く代表への招集は数少なかったが、それでもやはりW杯にはメンバー入り。完璧であったイタリア戦 PK戦において失敗してしまったことで、悔しさを残してしまったEURO。その借りを返すため、今大会では彼がラ・ロハの主役に躍り出る可能性も十分だ。

アンス・ファティ (バルセロナ)

 

 ギリギリでの滑り込みを果たしたスペイン最高の至宝。ペドリ、ガビを筆頭に数々の逸材を揃えるスペインだが、その中でもアンスへの期待値は最高の逸材という代名詞に相応しいものだ。周知の通り、2度の大怪我を経験したことで、今でもコンディションは万全とは言えず、試合によってパフォーマンスレベルに大きな差がある事は否めないが、それでも最大値は今回のラ・ロハのアタッカー陣の中でもダントツでトップ。細かいタッチからのドリブル突破、そして幅広く、質が高いシュートバリエーション。試合を1人で大きく左右させることのできる選ばれし者だ。先述の負傷の影響でこの代表での経験が薄いことは懸念点だが、それでも期待値は高い。EUROを負傷で欠場しただけに代表としては初の大舞台。その才能を世界中に見せつける大会にしたいところだ。

CF (DELANTERO) 

アルバロ・モラタ (アトレティコ・マドリー)

 このチームの絶対的エース モラタ。チェルシーでの失敗や、二転三転する発言などから批判やネタの対象となってしまうことも多い彼だが、ルーチョは絶対的な信頼を彼においている。実際、その期待に応えるだけのプレーを彼は見せており、自ら得点を奪う9番としての役割はもちろん、それ以上に9番の位置から降りてきて、周囲の選手たちを活かす9.5番的な役割を完成度高くできる点が、彼が一番評価されている部分だろう。現在、所属チームのアトレティコでは、相手を背負ってキープしてほしい状況ですぐ倒れファウルをもらいにいってしまう点が、問題視されているが、ボールを保持することが前提となるラ・ロハにおいて、引いてボールを引き出す彼のタスクではそのような状況にはなりずらく、良さを最大限に生かすことが出来るだろう。とはいえこのチームのエースストライカーは間違いなく彼であり、困ったときにストライカーが得点を奪えるかが、このビッグな大会では勝敗を分ける部分。南アフリカ大会のビジャのようなゴールラッシュに期待したいところだ。

 

 

 

 

ラ・リーガ13節プレビュー

1、はじめに

 皆さんこんにちは!よろしくお願いします!

 今週の結果を持ってヨーロッパカップ組の結果が出揃いましたね。CLではマドリーのみがグループリーグを通過。バルサ、セビージャは3位でELへ。アトレティコは4位に終わりELにすらいけない状況となってしまいました。ELではベティスが1位突破、ラ・レアルもユナイテッドを上回り、同じく1位通過。ECLではビジャレアルが1位通過となりました。CLの結果はリーガ勢にとって残念な結果になってしまいましたが、勝負は時の運であり、フットボールには必ずサイクルがあるもの。新戦力を加え、徐々に完成度を高めていく段階で死の組に入ってしまったバルサシメオネ政権のボロの沼に入り込んでしまったアトレティコ、そして両CBを中心とする戦力大幅ダウン、またロペテギのサイクル終了のセビージャが重なってしまったのが今季。もちろんそれぞれが情けなかったのは間違いない事実ですが、リーガの面白さ、レベルの高さは普段リーガを見ている方々が一番わかるはずであり、何を言われようが気にすることはありません。私にとっては何があろうと、希望を与えられ、頭を使ってサッカーを楽しむ面白さを教えてくれ、数々の歓喜も悲しみも経験してきたラ・リーガが世界一のリーグです。それは皆にそれぞれ違う世界一があって大いに結構。あなたの愛するリーグをチームを、たとえ確固たる理由がなくたとしても自信を持って好きだと堂々と言ってほしいなと思います。

 のっけから長文失礼しました。本題に入ります。いつも通り、気になるところだけでも見ていただけたら幸いです。

2、ラ・リーガ12節レビュー

 前節最大の注目試合はアトレティック×ビジャレアルの1戦。セティエン新監督の初陣となったこの試合、ビジャレアルは早速セティエンカラーを色濃く反映させた戦い方に。パレホをピボーテに置き、これまで2CB+RB+2CHで行っていたビルドアップを、2CB+パレホ(+2IH)で行う形に。その上で、プレッシングを剥がした後の攻撃に人をかけ、またモラーレス、チュクウェゼと突破力に長けたエストレーモの個の力を活かす形をとってきた。この試合ではリーガ初戦、そして相手がアトレティックであったこともあって、ハマりピンチを招く試合が多かったが、これを今後どう修正していくか必見だ。首位マドリーはジローナに1vs1のドロー。珍しく判定に泣いた感もあったマドリー。今季2回目のドロー。2位バルサバレンシアに内容は散々ながらアディショナルタイムレヴァンドフスキの理不尽ゴールで勝ち点3、アトレティコカディスにまさかの逆転負け、その他ソシエダ×ベティスの強豪対決は相性の良いベティスが勝利。セビージャはラージョにホームで敗戦。その他の結果、順位表、また今節ベストイレブンは下画像の通り。

3、ラ・リーガ13節プレビュー

1、ジローナFC vs アトレティック・クルブ

 ホーム ジローナの前節はベルナベウに乗り込んでのマドリーとの1戦。結果は~。マドリー対策シフトを敷いたミチェル。直近使用している4バックの前に、いつもの3センター。しかしワイドのポジションにはヤン・コウトとヴァレリーといった通常はWBを担当する選手たちを配置。攻撃時には大外いっぱいに張らせ、守備時にはこの2人がDFラインに吸収され6バックのような形を時に作っても、マドリーのサイド攻撃を抑える方向へ重点を置いて戦いに出た。この形は功を奏しており、70まで無失点。しかし、スクランブルの中で一瞬のスキを突かれ失点。ここまでかと思われた中でその10分後、運よく得たPKで同点に。注目選手はヤンヘル・エレーラ

 今夏同じCFGの関係でシティからローンという形で加入したMF。リーガ経験も豊富で、十分計算できるプレーヤーだ。開幕直後こそ、出番は限られていたが、直近はインテリオールもしくはシャドーの位置での起用機会が増えており、徐々に存在感を増している。中盤でBox to Boxに動きながら強度を出せるプレイヤーであり、豊富なタレントを揃えるアトレティック相手には彼のパフォーマンスは1つのカギとなるだろう。アレイクス・ガルシア、ロメウとともに中盤を制することが出来るか。期待したい。


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 一方のアウェイ アトレティックは本拠地に新体制となったビジャレアルを招いての1戦。ムニアインが欠場となったこの試合、代わりにはラウール・ガルシアを起用。ムニアイン以上にインテリオールというよりは、かなりセカンドトップ的な役割を担った。序盤からビジャレアルに対し、人を捕まえに行くいつものプレッシングでスタートしたが、セティエンのフットボールビジャレアル側が徐々に慣れだしたことでプレッシングがハマらないように。先述の通り、ムニアインも不在ということで、中々ボールを保持することもできず、相手にペースを握られる苦しい展開が続いた。ただプレスを回避されても質の高いDF陣を中心にしっかりと対応すると、後半ごろから再びプレッシングもハマるように。そんな中でイニャキが得点を奪い、その点を守り抜く形で勝利。ここ4戦未勝利と悪い流れが続いていただけに意味のある勝利となった。連勝と行きたい今節。注目選手はラウール・ガルシア

 ムニアインが負傷離脱中の中、先述の通り彼の穴を埋めたのが、この大ベテラン。タイプ的には大きく異なるものの、特にプレッシングの面で大きな存在感。CFのイニャキの動きに合わせ、上手くパスコースを消しながら人に対して出ていくことが出来ており、相手の運び出しを苦しめた。攻撃面でも流石のキープ力で貢献。ビジャレアルのハイプレスに対して、アバウトなボールでも収めてくれる彼がいてくれたおかげでそこまで前進に苦しむことなく試合を進められた。ムニアインがW杯前残り2試合帰ってこないのではとも言われており、ベテランの力に頼りたいところ。マジョルカ戦でも活躍に期待したい。


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2、ヘタフェCF vs カディスCF

 ホーム ヘタフェの前節は敵地に乗り込んでのエルチェとの1戦。結果は1vs0の勝利。いつも通りの532の形を選択したキケ・フローレス。アンジレリの負傷した左WBにはイグレシアスが回った。しかし、わずか10分で右WBのダミアン・スアレスが負傷。アマヴィが投入され、イグレシアスは右へと回った。試合内容としては後半にかけてかなり攻め込まれる苦しい展開。最終的にはポゼッションは59%、XGは1.34vs0.36とどちらもで上回れる厳しい展開になったが、ソリアの活躍もあり、ウナルのゴールを守り切り、勝ち点3を敵地で取り切った。ここ3戦ドローが続く、何とも言えない流れの中で、この難しい直接対決を勝ち切って得た勝ち点3の持つ意味は大きい。W杯前残りの対戦はカディスアルメリアという残留争いにおける直接のライバル。エルチェ戦を含め、3連勝でブレイクに入ることが出来れば、これ以上の結果はないだろう。注目はジュアン・イグレシアス

 先述のように、ダミアン・スアレス、アンジレリの2人が負傷離脱、アマヴィも前回の退場処分で出場停止。ヘタフェの大きなカギであるWBに本職が1人しかいない状況で迎えるこの試合。イグレシアスに懸かる期待は大きい。そもそも、5バックを継続するか、4バックに変更するか。そこにも注目していきたいところ。ただ、カディスのCBの2人がルイス・エルナンデスとチュストの2人だった場合、どちらも空中戦に多少の難を抱えるプレーヤーであり、その分幅を取るWBからのクロスは脅威となるはず。守備での貢献は前提としたうえで、攻撃時にも結果につながるプレーに期待したい。


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 一方のアウェイ カディスの前節はアトレティコをホームに迎えての1戦。結果は3vs2の勝利。アルカラス、カルセレンの2人が前節の退場で出場停止となる中、RSBにはルイス・エルナンデスピボーテにはアレックスを下げ、ソブリーノが中、空いた左サイドはブライアン・オカンポが入った。またチュストに代わってモモ・エムバエが起用。ファリも含めていつも以上にフィジカル重視の2CBコンビとなった。キックオフ直後、用意した形で早々に値千金の先制点を挙げると、それ以降は442あるいは、4411の形でブロックをセット。81分に追加点を挙げ、試合を決めたかに思われたが、それ以降連続失点で同点。今度こそ引き分けで思われたが終了間際にソブリーノが値千金のゴールを挙げ、大金星を飾った。ここまで内容的には上回りながらも勝ち切れず、勝ち点1に終わることが多かっただけに、2点を追いつかれながらもぎ取ったこの勝ち点3の持つ意味は大きい。注目選手はテオ・ボンゴンダ

 今夏ゲンクから加入したドリブラー。15冬~17夏までセルタにも在籍していた選手だ。当時の印象としては、若さもあって粗削りであり、守備での貢献も少ない選手という印象だったが、カディス加入後はしっかりとこのチームのSHに求められるレベルの高い守備タスクをしっかりとはたしている。今季最初にはマビルやディアッラが出ており、物足りない感が否めなかったSHであるものの、アレホ、ソブリーノなど昨季からのメンバーに加え、ボンゴンダ、オカンポの加入によって一気に充実したセクションとなった。その中でボンゴンダは存在感を示しており、前節も貴重な先取点を挙げるなど、突破以外での貢献も十分。サイドでの攻防がカギを握りそうな試合だけに彼がどこまで優位性を保てるかが重要になってくる。注目したい。


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3、レアル・バジャドリー vs エルチェCF

 ホーム バジャドリーの前節は敵地に乗り込んでのオサスナとの1戦。結果は0vs2の敗戦。直近の好調を支えた532の形でこの試合でもスタートしたバジャドリー。中盤3枚の構成は前節からモンチュに代えてロケ・メサ、イバン・サンチェスに代わってキケ・ペレスが起用された。基本的に53ブロックを維持しつつ、2トップの個を最大限に生かす現在のパチェタ率いるチームだが、この日はオサスナの誇るウナイ、ダビドの両ガルシアCBコンビの前にヴァイスマン、レオンが全く仕事をできず。結果的に殴られる一方という展開になってしまった。これまでタレントを抱えながら、それを全く生かせていないフットボールをしていたチームが、多少なりとも活かす形を見つけることが出来たことで、大きくチームは好調へ向かったと言われていたが、根本的に個に頼る尺度が大きいことは間違いなく、今後もこういった試合は少なくないだろう。ただ、今節のエルチェはDFラインに不安を抱えるチーム。残留のためにも勝てる試合で確実に勝ち点を積みあげることが肝要だ。注目選手はヤワド・エルヤミク

 モロッコ代表CBの彼は、3バックへのフォーメーションチェンジにより恩恵を受けている人物。開幕直後の負傷でCBの4番手のような立ち位置に落ちていただけに、彼の良さであるフィジカルの強さ、当たりの強度を活かせる3バックの脇側CBのポジションが出来たことは大きいだろう。現在の3バックの脇側CBには人についていきポストに入ったところを強い寄せでつぶし切る役割。これはエル・ヤミクにとっては最も得意なタスクと言える。この試合では、リーグでもトップクラスのキープ力を誇るFW ルーカス・ボジェとのマッチアップも予想され、エルヤミクからすれば腕の見せ所。このマッチアップは必見だ。


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 一方のアウェイ エルチェの前節はヘタフェを本拠地に迎えての1戦。541の形でスタートした今節。コジャドやキナ、グティなどの攻撃的な中盤の選手は使わず、マスカレルとグンバウの前に広がせて、テテ・モレンテとペレ・ミジャを置く形をとった。しかし、このやり方は上手く行かず。停滞した前半が続き、後半54分にウナルに得点を奪われ、ビハインドとなった。これを受けて58分。ポンセを投入したことで攻撃が活性化。左落ちのグンバウを起点に上手く前進する形が作られた。その後78分にアマヴィが退場して以降は、圧倒的攻勢を仕掛け、87分にはPKもゲットしたが、これはボジェのキックがセーブされてしまい、そのままの形で試合終了。未勝利は変わらないままとなってしまった。ホームで迎えた直接のライバルとの対戦ということで勝利が絶対に欲しかったが敗戦。W杯前残り2試合、いずれもバジャドリー、ジローナと残留を争うライバルとの対峙ということもあって、この2戦少なくともどちらかで勝ち点3を挙げなければ、今後はかなり難しくなってくる。必勝の1戦だ。注目選手はカルロス・クレルク

 アルミロンの下で再び、確固たる左サイドの地位を築いてるクレルク。しかし、現在レバンテ時代も含めて、出場した33試合連続で未勝利と疫病神のような存在になってしまっている。能力としてはまちがいないものを持っているだけに、不運としか言いようがないが、この記録を止めない事にはチームの上昇もない。できることなら自分自身でこの悪い記録をストップさせるような活躍が見たいところだ。


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4、セルタ・ビーゴ vs オサスナ

 ホーム セルタには今週大きなニュースが。それは監督 エドゥアルド・コウデの解任。2020年11月にオスカル・ガルシアから監督の座を受け継いだコウデ。選手時代に在籍したクラブに戻った彼は、南米の地で作り上げた4132のシステムを浸透。これが技術的に優れた選手を多く抱えていたチームにハマり、残留争いに巻き込まれていたチームは一気に浮上。この2年は8位、11位と降格の心配とは縁遠いチームを作り上げた。しかし、かねてからフロント陣との関係構築に難を抱えており、それが今夏の移籍市場でより露骨に。ブライスの退団は元より、デニスとミナが自己責任により換金できることなく、使えなくなってしまったことによる戦力ダウン。そしてそれに見合う補強ができないという状況の中で、より現場と上層部両者の関係に傷がついてしまったようだ。スキルフルであったセルタというチームに熱さを落とし込み、リーガでも屈指の魅力的なチームに仕上げたコウデ。ベルトラン、ベイガといった若手陣は元より、ハビ・ガランやタピア、アイドゥーも彼の下でよりパフォーマンスを挙げた選手たち。このチームに与えた影響は大きい。物事にはサイクルの終わりが必ず訪れる。外部から見ている以上、この別れは少々早いように感じてしまうが、それでもコウデの残したものの偉大さは、残り続ける。最大限のリスペクトを込めて、感謝の意を伝えたいところだ。

 後任となったのはカルロス・カルバハル氏。ポルトガル人監督でこの点に関してフロント陣、とりわけルイス・カンポスの影響を感じる人事だ。これまでの実績としては選手としてポルトガルリーグで一定の地位を築き、20年以上前から監督に移転。それ以降はブラガ、スポルティングスウォンジーシェフィールド・ウェンズデイベジクタシュなど数多くのクラブを率いている。ただいずれも長期政権を築けていないのは気になるところ。裏を見れば、次々と続職が決まる評価の高い監督という見方もできるが、やはり懸念は残る。コウデの影響で一気に地位を挙げたとはいえ、セルタはあくまで残留を争うチーム。カルバハル監督次第では、降格となり、プリメーラからガリシアのクラブがなくなる事態になりかねない。W杯までのまずは2試合、チームの意識改革、そして今後に期待を抱かせるようなサッカーを見たいところだ。


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 一方のアウェイ オサスナの前節はバジャドリー相手にエル・サダールでの1戦。結果は2vs0の勝利。右ラテラルにルベン・ペーニャを起用し、ピボーテにトロ、インテリオール気味にオロスとモイを配置する攻撃的布陣でスタート。ここ最近532の形で勢いに乗っていたバジャドリーに、それぞれのサイドで三角形を作り、上手くローリングしていくことで、マーキングのずれを上手くついた。守備ではガルシアコンビが流石の安定感で、直近好調を維持していたバジャドリーの2トップを完封。この日、エレーラに代わってスタメンに入ったアイトール・フェルナンデスも流石のパフォーマンスで久々に心から気持ち良い勝利をあげられたのではないだろうか。勝ち点も早くも20に到達し、充実の一途を辿っているといって良いであろう、オサスナのここまで。W杯前残り2試合を良い形で乗り切り、雰囲気の良いままにブレイク期間に入りたいところだ。注目選手はモイ・ゴメス

 今夏ビジャレアルから移籍してきたモイ。開幕直後から既に絶対的中心として君臨しており、好調 オサスナを支えている。ビジャレアル時代にも見せていたライン間で引き出してのチャンスメイクはもちろん、ビルドアップのフェーズで左側に降りてボールを展開させるプレーも見せており、引き出し役としても出し手としても、その存在感は別格だ。セルタを相手に迎えるこの試合、昨季までであれば保持のセルタと非保持のオサスナということで構図を予想するのは容易だったが、今季のオサスナは保持のレベルも高く、ボールの握り合いを選択する可能性も十分。その中でモイがどのようなタスクを与えられ、その期待に応えられるか。間違いなくリーガの中でも、一見に値する特別なプレイヤーだ。


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5、バルセロナ vs UDアルメリア

 ホーム バルセロナの前節は要塞 メスタージャに乗り込んでのバレンシアとの1戦。結果は1vs0の辛勝。チャビは右ラテラルにバルデ、インテリオールにフレンキー、ペドリ。エストレーモにデンべレとアンスを起用する4123でスタート。マンツー気味に人を捕まえ、かなり激しくプレッシングに来るバレンシア。その前に、中々決定的なチャンスは作れていなかった。しかし選手交代、また徐々にオープンな展開になってきたところでレヴァンドフスキが劇的弾。何とか勝ち点3を記録した。勝利こそ奪えているものの、内容は日に日に厳しくなっているバルサ。ただミッドウィークのプルゼニ戦では消化試合とは言え、フェランのCF起用やスタメンデビューとなったパブロ・トーレなどの活躍もあり快勝。W杯前残りの2試合をどのような形で終えるか。この2試合を持って、一時代を作ったレジェンド ピケの引退も本日発表された中、今後のEL、そしてマドリーとのタイトル争いに向けて、1つ注目したいところだ。注目選手はそのジェラール・ピケ

 本日11月4日、衝撃的なニュースが彼のTwitterから発信された。それはスペインのそしてサッカー界の一時代を間違いなく作り上げたレジェンドの引退。あまりに突然なれど、それがある意味彼らしい、発表となった。デビュー以来、リーガ8回、プレミア1回、CL4回、そしてW杯1回、EURO1回と数々の輝かしいタイトルを掴んできた英雄も、今季は積極補強をしたチームの中で序列は明らかに低下。出場機会もライバルたちの負傷が相次ぎながらもリーガでは5試合のみ。昨季のパフォーマンスを見る限り、チームのレベルあるいはリーグを変えれば、十分活躍できたはずだが、バルサでの引退を決意した。途中、ユナイテッドやサラゴサに行った経験はあったが、黄金時代を支えた選手としては珍しく、バルサで引退することに。これはメッシ、チャビ、イニエスタでもできなかった快挙であり、流石ピケと言うべきであろうか。近い将来、会長として再びこのブラウ・グラナのチームに戻ってくるはずの最高のプレイヤ―そしてエンターテイナーに最大限のリスペクトを込めて、カンプノウ ラストゲームとなるこの試合を見届けたい。


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 一方、アウェイ アルメリアの前節はセルタをホームに迎えての1戦。結果は3vs1の快勝。この試合も最近導入した4123の形で臨んだルビ。序盤はセルタのボール出しの前に苦しめられ、先制点も許したものの、その後相手チームが退場処分に10人になったことで一気に流れをつかむように。すると、ラザロ、デラホスが立て続けに得点を記録。逆転に成功し、そのまま勝利を掴み取った。これでホーム3連勝。サディクという主砲を失い、苦しんでいたチームが本拠地の声援を背景に復調を果たしている。ただ、今回の舞台は5連敗中のアウェイ。しかも相手はバルセロナ。難しい試合になることは間違いない。まず、注目点はこの試合も4バックを継続するかという問題。直近の内容を鑑みると4バックが妥当のようにも思えるが相手はバルサ。4で耐えきることが出来るのかという問題は間違いなくある。それも含め、格上相手にどのように試合を運んでいくか。見て行きたい。注目選手はサンティアゴ・アキエメ

 昨夏、アルメリアに完全移籍という形で加入したラ・マシア産左ラテラル。アスリート能力に非常に優れたタイプのラテラルであり、そのスピードを活かした攻撃力が最大の武器。更に武器であるスピードを活かした守備での貢献も悪くなく、将来を期待したいラテラルの1人だ。この試合でのマッチアップ相手はデンべレ、もしくはラフィーニャ、フェラン。いずれにしても縦突破を得意とするリーグ有数のエストレーモであり、そんな相手に対してどこまで対人という点で戦えるかは必見だ。古巣相手に成長を見せられるか。期待したい。


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6、アトレティコ・マドリー vs エスパニョール

 ホーム アトレティコカディス相手に敵地に乗り込んでの1戦。結果は2vs3で惜敗。CL敗退決定後、初めての試合となったロヒ・ブランコスは442の形でスタート。疲労を考えてなのか、ヒメネスグリーズマンの代わりにヴィツェル、コレアが入ってスタートした。キックオフ直後、カディスのおそらくセットされたであろう形で失点。試合の大半を追いかける状態で行うことを強いられた。それ以降は、442でブロックを敷く相手に対して圧倒的攻勢を掛けるも、中々攻めきれず。追加点を許しゲームオーバーかと思った刹那、ある男が実力を発揮。ここまで苦しんでいたジョアン・フェリックスが見事な活躍ですぐさま2点を奪い同点へ。アディショナルタイムも8分と長い中で、勝ち越しを狙えるか!という展開になっていたが、まさかまさか。終了間際に失点を許し、2vs3で敗戦。CL敗退後の重要な1戦を降格圏相手に敗戦という最悪な形で終えてしまった。更にはミッドウィークのレヴァークーゼン戦でも敗れ、ELにすらいけないというシメオネ政権最悪のシーズンとなることがほぼ決定してしまった。首位争いも既に勝ち点差9と中々に厳しい状況の中で、今後の結果以上にシメオネ、そして減る収入分をどのように選手の売却で算出するか。この問題から去就云々の話題の方が、前面にっ出てしまっている。W杯前にこの悪い流れを何としてでも切らなければいけない今節。注目選手はジョアン・フェリックス

 開幕戦こそ圧倒的存在感を見せたものの、チームの低調化とともに調子を落としていたフェリックス。それだけならともかく、ボールを奪取された際に手を挙げるなど若さの目立つ反応を見せ、その後のプレーに影響をもたらしてしまったことにより、ベンチへ。その間にグリーズマンの完全移籍も決まり、モラタ(クーニャ)、グリーズマン(コレア)で固まった2トップの前に出番が少なくなっていた。これを受けて移籍報道も出たが、少なくとも本人は練習にもかなり真面目に取り組んでいる様子が見え、チームを考え努力を重ねていた姿があったことは間違いない事実に見えた。その結果が出たのが今節の2G。チームを勝たせることはできなかったものの、最高級のタレント、ジョアン・フェリックスである証明を久々に見せた。この活躍でまた出番が増えることも予想される。エースとして背負う責任、期待は大きいが、それを軽く超えていくくらい偉大な存在へ成長することを心から願いたい。


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 一方 アウェイ、エスパニョールの前節はフライデーナイトのマジョルカとの1戦。敵地に乗り込んで迎えたこの試合、結果は1vs1。現状のベストメンバーと言える形でスタートしたペリコであったが、マジョルカの前に押し込まれ451のブロックで耐えなえればならない時間が継続。そのブロック自体も取りどころが定まらず、苦労する展開となった。カウンター局面ではホセルのキープ力、ダルデルのフィード力など独力で持っていくことはできるモノのチームとしての狙いは感じにくかった。そんな中でもなんとか終盤に追いつきドロー。辛うじて勝ち点1をもぎ取った。しぶとく勝ち点を拾ってはいるものの、内容的には負けても可笑しくなかった試合がかなり多く不安は大きく残る。とはいえ、メトロポリターノでの今節はどんな形であれ、勝ち点1でも拾えたら大成功。なりふり構わず、勝ち点奪取のために戦いたいところだ。注目選手はセルジ・ダルデル

 このチームの絶対的中心であるダルデル。先述のマジョルカ戦で見せたカウンターも、彼に入らない事にはボールを前に運ぶことすらできない状況であり、今のエスパニョールは彼におんぶに抱っこの状態だ。ただ彼自身の能力はそれに値するだけの選手であり、スペインでさえなければ必ず代表の常連になっているはずのスペシャルな能力を持った選手。アトレティコ相手に対し、押し込んだ展開であろうが、カウンター的な展開であろうが、あれのキック精度の高さは生命線になるだろう。


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7、レアル・ソシエダ vs バレンシア

 ホーム ラ・レアルの前節はベティスをホーム レアレ・アレーナに迎えての1戦。結果は0vs2の敗戦。久保、シルバというライン間の覇者2人を失ったチームは、そのポジションにカルロス・フェルナンデス、パブロ・マリンの2人を投入。1人は負傷離脱、1人は前節デビューと最近の試合からメンバーに入ってきた選手であり、現状のラ・レアルが抱える負傷者の多さ、そしてそれと同時にカンテラーノを含めた層の厚さを感じさせるところだ。試合内容としても苦手ベティス相手に序盤からライン間を取りに行くフェルナンデスを中心にチャンスを作っており、良い形での中央突破を見せていたが決めきれず。徐々に足は止まりだし、それでも優位に傾いていた86分。ミスと守備の乱れが相次ぎ、失点。これで前節のバジャドリー戦に続き連敗。チーム記録となった連勝から一転、W杯前のブレイクを前に、厳しい状況になっている。注目選手はカルロス・フェルナンデス

 昨夏にセビージャから加入した彼だが、度重なる長期離脱でこのチームでの爪痕はほとんど残せず。今夏イサクが移籍した際には、サディクとセルロートという2人のFWを獲得されるなど、イマノルからの信認も得られずにいた。ただこの4312の2トップは彼に非常にあったポジションであり、純粋な9番というよりは9.5的に他の選手と上手く携わりながら、ライン間を取り周辺選手と絡んでいくのは一番得意なところ。実際ベティス戦でもセルロートの周辺で上手くチャンスメイクをしており、今後も出場機会は増えそうな予感を感じられた。久保、オヤルサバルが離脱中の中、限られたチャンスを結果で生かすことが出来るか。期待したい。


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 一方のアウェイ バレンシアは前節メスタージャに乗り込んでのバルサ戦。結果は0vs1の惜敗。ムサを出場停止、モリバを負傷、ニコを契約上の問題で欠くインテリオール不足が顕著の中、バルサに合わせた形でスタート。フルキエを守備時には右の大外に配置。守備時は5枚の形を作り、その前にアウメイダとギジャモンがドブレピボーテクライファートブスケツ番で、リーノ、カバーニが前から牽制。わざと右ラテラルのバルデの位置のみを空け、そこにボールを持っていかせる狙い。この人を意識したプレッシングはハマっており、バルサに中々決定機を作らせず。その上でクライファート、リーノの2人を主軸としたカウンターで堂々とした戦いぶりを見せた。しかし、徐々に足が止まり始め、残り10分オープンな展開になったことで耐えきれず。レヴァンドフスキの劇的弾で勝ち点0に終わってしまった。これで結果は連敗、4戦未勝利。内容は良いだけに問題は深刻だ。今後もW杯までラ・レアル、ベティスと強敵との対戦であり、何とか良い形で中断期間に行きたいところ。勝ち点3に拘っていきたい。注目選手はホセ・ガヤ

 前節のバルサ戦で素晴らしい活躍を見せたこのチームのカピターノ。ソレールがいなくなった今、チームの象徴としての立場を一身に背負っている。開幕こそ、リーガ運営のかなり不可解な裁定で出場停止処分となり出遅れることになったものの、復帰後は流石のプレーを披露。新体制を作っているガットゥーゾの下で、ピッチ内外で柱となり続けている。ボールの握り合いになるであろうこの試合、ラ・レアルの4312に対して、起点となるのがラテラルのポジション。プレッシングが出てくるまでに時間を要するこのポジションで彼がどのような仕事をできるか。期待したい。


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8、ビジャレアル vs RCDマジョルカ

 ホーム ビジャレアルの前節は、サン・マメスでのアトレティックとの対戦。結果は0vs1の敗戦。セティエンに監督が交代して以来、初のリーガでの試合。早速、セティエン色が色濃く出た布陣、戦い方を披露。布陣は4123の形。エメリの下で、SHとしての新境地を築いたアルベルト・モレノがラテラルの位置に戻り、中盤はパレホを底に、ロチェルソ、コクランをインテリオール、3トップは両翼にチュクウェゼとモラーレスでダンジュマが最前線という形。前政権下の特徴として攻撃時に左上がりになって構成されるというものがあったが、この試合ではベーシックな4123-451の可変。即時奪回を中心としたポゼッションにかなり振り切れたフットボールを展開した。ただ初戦の相手として、アトレティックはやはり難しすぎる相手だったか、アトレティックの十八番であるプレッシングの前に、上手くハメられ、ルジが難易度の高いボールを蹴らざるを得ないような状況が続くことに。時間によっては上手く回避できる時間もあったが、結果は付いてこなかった。ある程度、時間がかかることは想定の範囲内だが、まずは早くリーガでのセティエン政権下、初勝利を挙げたいところだ。注目選手はアルベルト・モレノ

 先述の通り、再び左ラテラルに主戦場を移すこととなった元スペイン代表。元々、このポジションでもレベルの高いプレーを見せていただけにアトレティック戦でも無難にこなしており、不安は少ない。それ以上にエメリの下で戦術的に鍛えられたこともあってか、ポジショニングや内外の使い分けなどで以前よりも成長を感じるプレーが多く、今後にも期待したいところだ。今季もACL断裂を経験しており、ここ数年負傷に苦しんでいる彼だが、まだ30歳。老け込むには早い。試合勘を取り戻し、完全復活を見せて欲しい。


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 一方、アウェイ マジョルカは前節 本拠地にエスパニョールを迎えての1戦。結果は1vs1のドロー。出場停止となったバタグリアに代わってババが入った以外はいつも通りのメンバーでスタートさせたアギーレ。イ・ガンインの位置は最近継続している左に降ろして541を作る形。序盤からボールは保持できる展開。しっかりと両WBがワイドに広がることで幅を担保し、その中でシャドーのダニ・ロドリゲス、イ・ガンインの2人がライン間を狙うように。こうした形でゲームを支配。後半開始早々に綺麗な形からエスパニョールのブロックもこじ開け、勝利はもらったかと思われたが、70分過ぎ。相手のクロスのキックミスがそのままゴールに吸い込まれ、まさかの失点。これは運がないとしか表現方法がないほど奇跡的なゴールではあったが、結果として勝ち点2を取りこぼすこととなってしまった。この取りこぼし分を取り返すためにも、今節も結果が欲しいところ。注目選手はジャウメ・コスタ

 今節の対戦相手 ビジャレアルに長く在籍していた彼は、今ではマジョルカにおいて欠かせない存在に。左で幅と高さを取る彼の役割に代えが効かないことは負傷離脱中に証明された。実際、エスパニョール戦でも好パフォーマンスを見せており、この試合でも古巣相手に活躍が期待される。彼のプレーエリアがどの範囲になるかで、この試合の流れ、そして結果も見えてくるはずだ。


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9、レアル・ベティス vs セビージャ

 ホーム ベティスの前節は敵地でラ・レアルに勝利。ギドの負傷離脱を受け、ドブレピボーテにはポールとグアルダードのセットを並べてきたペジェグリーニ。ただ彼ら2人はあくまでサポート役であり、保持時の中心となるのは言わずと知れた2大巨頭 カナレスとフェキルといった形で試合に臨んだ。ただ、特に前半は一方的にボールを保持され、攻め込まれる展開が続き、いざボールを奪っても、ターゲットのイグレシアスがルノルマンのハードマークにかなり苦しめられていたこともあって、攻撃の機会はほとんど作れず。とはいえ、守備陣はよく集中しており、決定的なチャンスもそこまでなかった。そして後半。特に終盤ル・ノルマンがカードの影響で交代したこと、また相手の足が止まったことでカウンターのチャンスが増えるように。そこで輝きを放ったのがアレックス・モレノ。ここまで守備に追われていたこの超攻撃型ラテラルがスピードを持って左サイドを切り裂き、2アシスト。試合を決定させた。直近良くない状況が続いていただけに、この勝利は大きくデルビへ良い状態で入れるだろう。ホームで迎えるこのデルビ。相手の状態を考えても勝利は必須だ。注目選手はナビル・フェキル

 おそらくこれまでのデルビ以上にボールを握ることはできるはずのデルビ。サンパオリもポゼッションを重要視する監督であり、テクニシャンを並べているが、やはり就任間もないこともあって、チームの完成度ではペジェグリーニの下、年々成長してきたベティスの方が何枚も上だ。その中でチャンスを如何様に作り、如何様に仕留めるかというのが重要。熱い試合の中で、試合を決める活躍のできる特別な選手はだれか。これを考えたとき、1番名が思い浮かぶのがフェキルだ。負傷からも完全復活したこのエースがベティコを歓喜へ導けるか。結果につながる活躍に期待だ。


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 一方でアウェイ セビージャの前節はラージョをピスファンに迎えての1戦。結果は0vs1の敗戦。この日もサンパオリは4231でスタートすることを選択。ヤヌザイ、ラメラ、イスコ、オリベルとテクニックに優れた選手を並べ、ゲームの主導権を握った。決定機も2本ほどあり、XGでも相手を上回るなど、内容で完全に負けていたかと言うと、そんなことはなかったが、結果的にはリーガでの連敗となってしまった。コペンハーゲン戦で快勝をあげ、波に乗ろうとしていただけにこの敗戦は痛い。そして迎える今節はデルビ・セビジャーノ。調子の有無に関係なく勝利のみが求められる1戦だ。昨季はダブルを記録しながら、コパでは事件もあって敗退に追い込まれることになった。サンパオリは前政権時にもベティス相手にダブルを記録しており、相性的にはデルビに強い監督ということもできるか。早くもサンパオリ体制に疑問の声が上がり始めている中、ネガティブな話を追いやるためにもこの試合が大きな分岐点になるだろう。注目選手はジョアン・ジョルダン

 ロペテギ政権下において絶対的な司令塔として君臨したジョルダン。しかし、今季は序盤から調子が上がらず、低調なプレーに終始。ベンチスタートも多くなっていた。そんな状況で迎えたサンパオリ就任。最初の方は序列的に低く、またもベンチが定位置となっていたが、最終ラインに怪我人が続出したことで、グデリが1列落ち、その枠にジョルダンがハマるように。保持時にはピボーテ的な役割で、ゲームをコントロールする役割を担っている。プレーレベルとしては如何せん上がっていないが、それでもこの試合、中盤の攻防は勝敗を分けるポイントであり、彼の活躍が勝利には必須。デルビでの復活に期待したい。


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10、ラージョ・バジェカーノ vs レアル・マドリー

 ホーム ラージョの前節はセビージャと敵地に乗り込んでの1戦。結果は1vs0で勝利。トレホを出場停止で欠いたこの試合。トップ下のポジションにはウナイ・ロペスを配置。その上でいつも通りのハイプレスからのショートカウンターというよりは、長いフィードを使ったロングカウンターからチャンスを作る場面が多く見られた。とはいえセビージャ側の1.24というXGが示すように内容的には負けていても全くおかしくない試合であり、無失点はディミトリエフスキの攻守なしには実現されてなかったであろう。ただ、こういった難しい試合でもしっかりと敵地から勝ち点3を取って帰ることができた意味は大きく、これでチームも連勝、4戦負けなし。良い勢いを手にしている。この流れをW杯中断までの残り2試合継続したいところだ。とはいえ、今節の相手はマドリー。いくら本拠地バジェカスといえども、厳しい試合になることは間違いない。粘り強くなんとか勝ち点を奪いたい試合。注目選手はフラン・ガルシア


 ラ・ファブリカ産の左ラテラルである彼。今夏に完全移籍という形でラージョに移籍となったものの、久保と同様50%の買い戻しOPをつけた状態の移籍となっているだけに、アピール次第では来季以降の帰還もなくはない。一気にブレイクを果たした昨季だが、終盤にかけてチームの低調に合わせるような形で調子を崩した。その影響もあったのか、かなり現実味を持って言われていたマドリー期間の話もいつの間にかなきものに。ただ、今季は開幕から好調を維持しており、アルバロが低調だった先月はラージョの生命線である左サイドを1人で打開していた。内外をうまく使い分けつつ、自らも侵入できるレベルの高いラテラルであり、この試合でも古巣をかき乱してくれるはず。前節ミゲル・グティエレスかましていただけに、今節は彼も意地を見せたいところだ。


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一方のアウェイ マドリーの前節はジローナ相手に1vs1のドロー。今季のリーガでは2つ目の取りこぼしとなった。主審の判定に疑問が残ったのは確かだが、実際出来としても良くはなく、特にチュアメニを使わずに、カマヴィンガ、モドリッチ、クロースを並べた中盤は機能し切らず。攻撃はともかく、守備時に3人ともが出払ってしまっており中央がぽっかり空いてしまう場面が目立っていた。マドリーとしてはらしくないプレーぶりに終始してしまったこの試合、この前のミッドウィークでもある程度省エネだったとはいえライプツィヒに敗北しており、これで連続未勝利に。リーガ、CLそれぞれの立ち位置を考えたときに影響は少なく、今週のミッドウィークではセルティック相手に完勝しているだけに、大きな問題にならない可能性は高い。ただ悪い流れにつながる芽は早々に裁って置くことに限る。敵地とはいえ格下ラージョにしっかりと勝ち点3を挙げたいところだ。注目選手はエドゥアルド・カマヴィンガ


 昨夏に加入して以来、すぐさまチームに馴染み18歳(当時)にしてCL優勝の大きな原動力となったカマヴィンガ。レ・ブルーにも選出されており、今季は更なる台頭が期待されたが、今季ここまでは多少苦労していることが見て取れる。アンチェロッティ曰く、オープンになってからの方が良さが出るという狙いがあるようだが、やはりモドリッチ、クロースの壁は大きく、ピボーテの位置でもタイプ的な問題もあってチュアメニに後塵を拝す状況。ただプレー内容が特別ダメなわけではなく、高いレベルで安定したプレーをキープしているのは事実。あとは細かいところの技術、そして長距離のキック精度。モドリッチ、クロースの2人はここが化け物級のため、彼らほどではないにしてもかなり高いレベルでここは求められるところ。W杯を経て彼がどこまで成長していくか。期待したい。


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ラ・リーガ12節プレビュー

1、始めに

 皆さんこんにちは。よろしくお願いします!

 今節も懲りずにリーガ全試合プレビューをやっていきたいと思います。いつも通り、皆さんの推しチーム、またその対戦相手だけでも見て行って下されば嬉しいです!(もちろん全部見てくれたら、もっと嬉しいです笑)

2、ラ・リーガ11節レビュー

 11節の注目試合は3強vsヨーロッパ圏を狙うチームの対戦。まず首位マドリーはセビージャと対戦。マドリー側のコンディションがそれほど良くないようにも思える出来だったこともあって、競った試合となったが、結果的にはエル・ブランコが3vs1で流石の勝利。2位 バルサはアトレティックをホームに迎えての1戦。バルベルデとの再会となったこの試合、チャビはペドリを左WGに起用。この形がうまくハマり、4vs0で快勝した。3位アトレティコベティスとの1戦。フェキル、カナレス、ファンミという自慢の2列目3枚を欠く(フェキルは途中出場)中で、ロヒ・ブランコスはグリーズマンの活躍もあり勝利。順当に3強側が勝利した。チーム記録の連勝を継続中だったラ・レアルはバジャドリー相手にまさかの敗戦。例年通り、怪我人が続出する状況で個々の勤続疲労が目立っている。ビジャレアルアルメリアに勝利。退任となったウナイ・エメリについては、ビジャレアルのプレビューにて。その他の結果は以下の通り。いつも通り、今節のベストイレブン(その控え組)も下に連ねておく。

3、ラ・リーガ12節プレビュー

1、RCDマジョルカ vs エスパニョール

 ホーム マジョルカの前節はメスタージャに乗り込んでのバレンシアとの1戦。結果は2vs1で勝利。この試合においてアギーレは532ではなく、イ・ガンインを左に降ろした541の形でスタート。明らかな格上相手にのみ行っているこの形を敷いてきたことでバレンシアへのリスペクトを持って試合に入った。この陣を敷く以上、攻め込まれることは承知の上。序盤から低いラインでブロックを作り、バレンシアの攻撃を耐える展開が続いた。しかし、52分。PKを献上。これを沈められ、万事休すかと思われたが、その直後に投入されたアマトは突破からPKを獲得。これをムリチが沈め同点。更には83分。カウンターからイ・ガンインが恩返し弾を沈め、敵地で貴重な勝ち点3を挙げた。直近4戦未勝利と内容は良いながらに結果がついてこない試合が続いていただけに、この勝ち点3のもたらす意味は大きい。続くこの試合でも、残留争いにおける直接のライバルをホームで叩き、連勝と行きたいところだ。注目選手はダニ・ロドリゲス

マジョルカを支えるベテランMF。これまではチームの絶対的中心となり続けていた彼だが、今季は序列が低下。アントニオ・サンチェスの好調もあり、ベンチスタートが続いた。そんな彼だが、ベンチ降格後はスーパーサブとしてチームに貢献。前節も攻撃に偏ったバレンシアに対し、中盤を得意のドリブルで制圧。イ・ガンインの2点目を演出した。この試合においてもかなり拮抗した試合になることが予想され、途中出場からの役割はかなり大きくなるはず。ダニ・ロドリゲスの試合を決める活躍に期待したい。


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 アウェイ エスパニョールの前節はエルチェとのホームゲーム。結果は2vs2のドローとなった。これまで通り、メンバーも変えず4123の形をセレクトしたディエゴ・マルティネス。ポゼッションは握られながらも決定機は作らせず、そこからカウンターの形で、決定機を作るというシーンが序盤から垣間見られた。実際XGでも、2.21vs0.48と大きな差が出ており、逆に言えば勝ち点3を取れる機会を逃したという言い方が適切かもしれない。ただ、オスカル・ヒルが復帰した右サイドはオリバンが君臨する左サイドと共に、そこからのチャンスメイクという形で相手に脅威を与えており、苦労した右ラテラルの部分は彼の復帰をもって解決しそうなところ。あとの問題点は守備面。特にカブレラとセルジ・ゴメスは攻守両面において物足りなさが変わらずあり、この点を限られた戦力でどう作っていくかが鍵となるだろう。注目選手はハビ・プアド


 エスパニョールが誇るカンテラーノストライカー。セカンドトップ的に9番の付近で得点という仕事ができる選手だ。しかし、今季はようやく前節が初ゴール。これまでも、良いチャンスは作り、プアド自身もそれに応えていたのだが、とにかくポストあるいはクロスバーに嫌われることが多く、悉く運のない形で得点を逃す形が多く見られた。それだけにこの初ゴールが彼に与える安堵感は絶大であり、今後所謂ケチャップの蓋が空いた形で得点を量産する可能性も十分。ホセルという絶対的な9番の下で、どれだけわかりやすい結果を残せるか。五輪の経験を経て、今後A代表に喰いこんでいくためにも今季は覚醒のシーズンとしたいところだ。


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2、UDアルメリア vs セルタ・ビーゴ

 ホーム アルメリアの前節はビジャレアルの本拠地に乗り込んでの1戦。結果が1vs2の敗戦この試合、ルビはようやく上手く行くようになってきたように思われていた4213ではなく、シーズン当初の532の形の形に戻してスタート。エグアラスをピボーテに置き、その前にメレーロとロベルトーネを起用する形に戻す形となった。この形はビジャレアル相手に一定の成果を出しており、ポゼッションもほぼ均衡。シュート数では上回りXGも互角と、強敵相手に敵地で勇敢に戦ったと評価してよいだろう。10月に入りホームでは勝利、アウェイでは敗戦という結果が続いているのは、良くも悪くも気になるところだが、一時期ほどの絶望感は全く感じない内容ぶりだ。今節の相手はセルタ。ビジャレアルより選手の質などを見れば劣りはするものの、またもやボール保持を前提とするチームなだけに、ルビが4バックと5バックのどちらを選択するのかは楽しみにしたいところだ。先述の通り、直近のホームでの強さを見せつけ勝ち点3を挙げたい。注目選手はエル・ビラル・トゥレ

 ソシエダに移籍した大エース サディクに代わって9番のポジションを務めるマリ出身のストライカー。今夏、スタッド・ランスからの移籍という形でチームに加入。序盤こそ出番は殆ど与えられなかったが、徐々に出場機会を得るようになり、ここまで6試合に出場している。結果は3G1Aと出場時間を考えた場合、十分賞賛に値するもの。スピード、フィジカル、高さとアフリカ系の選手らしい特徴を兼ね備えている選手であり、21という年齢を考えても、近い将来更なるステップアップを遂げる可能性も十分だ。この試合では同じく、若くターゲットになれるFW ラーシェンとの対戦という構造にもなり、どちらのFWがチームを勝利に導けるか。注目したい。


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 一方、アウェイ セルタの前節はヘタフェをバライードスに迎えての1戦。今季の基本布陣となったベルトランとベイガを縦に並べる形で来たコウデ。この試合ではヘタフェがかなり退いてきたこともあってボールは圧倒的に持てる展開に。72%のポゼッションを記録し、17本のシュートを打ったが得点どころか決定機もほとんどなし。1点を奪いスペースを埋めるヘタフェに対して外循環あるいは、ミドルからのみでしかシュートシーンは作れなかった。それでも89分アスパスの素晴らしいクロスをアイドゥーが仕留め、何とか同点。順位的に下のチームとのホームゲームということもあって、勝ち点3の欲しい試合であったが、最悪の結果は何とか避けることが出来た。しかし、これで結果は4戦未勝利。9月以降の8試合で2勝1分6敗とかなりきつい成績となっており、何とかこの悪い流れを抜け出したいところだ。今節の相手はアルメリア。順位的にはこれまた自分たちよりも下のチーム。この試合は勝利が絶対条件だ。注目選手はガブリ・ベイガ

 セルタのカンテラーノにして今季はデニス・スアレスに代わりトップ下のタスクを担っている20歳MFだ。先日のLa Rojitaにも選出されており、今後の更なる成長と活躍が期待される逸材。ヘタフェ戦でも、退く相手に対して外からのシュートで崩す姿勢が垣間見られ、相手の脅威になっていたのは間違いない。デニスの穴は大きく、それに加えブライスまでもが退団したい以上、中盤での構成力が衰えるのは必定。そんな中でベイガがこのシーズンで成長し、チームを勝利に導けるか。期待したい。


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3、カディスCF vs アトレティコ・マドリー

 ホーム カディスの前節はラージョの本拠地 バジェカスに乗り込んでの1戦。結果は1vs5で大敗。10節ミッドウィーク1戦でターンオーバーを行ったカディス。今節は現状のベストメンバーで臨むことに。負傷離脱中のアレホの代わりとしては、ソブリーノを右に回し、左にブライアン・オカンポを入れる形に。序盤こそ、押し込まれながらもレデスマの好守にも助けられ、悪くない流れだったカディスだが、徐々にアルバロのいる左サイドから崩されるように。そして40分過ぎ、抜かれたカルセレンがディレイで足を踏みつけてしまいPK献上×一発退場。これで試合は決まってしまった。更に後半にはアルカラスも退場。この敗戦で5試合無敗の記録も終了。良い流れが来ていた中で引き分けが相次ぎ、降格圏を抜け出せなかったのは大きな痛手だ。強敵アトレティコをホームに迎える1戦。結果次第では一気に悪い流れとなるのも否定しきれない。なんとか希望に繋がる試合にしたいところだ。注目選手はルイス・エルナンデ

 昨冬に加入して以来、カディスのDFリーダーとなったラ・ファブリカ産CB。ただ、今節はおそらく右ラテラルの位置でプレーすることになりそう。本職であるサルドゥア、カルセレンの2人がそれぞれ負傷、出場停止でこの試合の出場ができないのだ。実際、ルイス・エルナンデス自身はポリバレントな選手であり、後半から右に入ったラージョ戦でも、アルバロ相手にしぶとく対応していた。アルカラス不在のこの試合では、普段以上に押し込まれることは確定的。どこまで耐えられるのか。個人としても、DFリーダーとしても難しい1戦になるだろう。


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 アウェイ アトレティコの前節はベニート・ビジャマリンに乗り込んでのベティス戦。結果は2vs1の勝利。負傷者が相次いでいるアトレティコ。主力のジョレンテ、コケ、レマルという中盤3人を欠いている中で、この日はドブレピボーテヴィツェルとコンドグビア、右にコレア、左にサウールという形でスタート。序盤からプレッシングがハマらず、中々上手く行かずそのまま前半は終了。しかし、後半得たCKを直接グリーズマンが沈め、先制。更には70分、コレア、クーニャ、グリーズマンが近い距離感で崩しを行い、そこから抜け出したグリーズマンがこの試合2点目を又抜きで沈め、勝負あり。終盤にはフェキルに直接FKをぶち込まれバタバタしたものの、結果的にはしっかりと勝ち点3を挙げることとなった。ミッドウィークではCL生き残りをかけてレヴァークーゼンをメトロポリターノに迎えての1戦。しかし、この試合で勝ち切ることはできずGLでの敗退が決定。屈辱的な結果となってしまった。この感想に関しては、こちらの記事で挙げているのでよろしければ。

 

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 仕切り直しとなるこの試合、注目選手はアルバロ・モラタ

 今夏ユヴェントスから帰還したスペイン代表ストライカー。放出候補に挙げられながらPSMで自身の存在をアピールし、ここまで全11試合に出場するなど、シメオネからも絶大な信頼を得ている。結果はここまで5Gと悪くない数字。ただ強くこられた時にすぐにファウルをもらおうと倒れてしまう悪癖は改善されておらず、得点以外の点では物足りなさもある。実際レヴァークーゼン戦でも大きなインパクトを残せず、得点が欲しい局面でベンチに下げられる屈辱を味わった。カディス相手となるこの試合はボールを保持し押し込む時間はいつも以上に増えると思われ、退いた相手をどう攻略するか試される。ストライカーとして、多くはないであろうチャンスを確実に仕留め、チームを勝利にもたらしたい。


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4、セビージャ vs ラージョ・バジェカーノ

 ホーム セビージャの前節はベルナベウに乗り込んでのマドリーとの対戦。結果は1vs3の敗戦。この試合、サンパオリはこれまで多く使っていた3バックの形ではなく、4でスタート。ジョルダンを底に置き、CFにはイスコを使う4123で試合に臨んだ。序盤からボールを握る意思をしっかり出しており、イスコが0トップ気味に落ちながら、保持を試みた。しかし、マドリーのプレッシングの前に効果的なパスはつけられず。ただ、ショートカウンターの機会を与えるだけのものになってしまっていた。試合も早々にモドリッチの先制点を許すとことに。しかし、それ以降ショートカウンターを喰らいつつも、果敢にボールを保持し続けたことが実り、ラメラが同点弾。ただ、このままでは行かないのがレアル・マドリー。途中出場のラファ・ミルのミスから生まれたカウンターで勝ち越しを許すと、その直後にはバルベルデのスーペルゴラッソを喰らい勝負あり。しかし、結果としては敗れたとはいえ、サンパオリ体制での改善の成果は十分感じることが出来た試合であり、この良い流れを結果に繋げていくことが肝要。ミッドウィークのコペンハーゲン戦でも快勝を挙げただけに、この雰囲気を続けるためにも、ピスファンで迎えるラージョ戦、勝ち点3は必須だ。注目選手はオリベル・トーレス

 19年夏に加入して以来、常にスタメンを取り切れずにここまで来た元アトレティコカンテラの最高傑作。27歳になった彼だが、現在サンパオリの下で確かな信頼を得ており、苦しいチームの中で奮闘している。イスコやパプ・ゴメス、ラメラなど自身とフィーリングが合う選手たちとともにピッチに立つ中で、良いコンビネーションを作りながら、崩すという作業が出来ているのだ。この試合の相手であるラージョはハイプレスを得意とするチームであり、現状の拙いビルドアップでは厳しい展開になることは容易に予想できる。そこでオリベルが中盤のキープ力を活かし、自分たちのペースに持ち込めるか。期待したい。


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 一方のアウェイ ラージョの11節はホームでカディスとの1戦。結果は5vs1の勝利。ミッドウィークのアトレティコ戦から数名を変更し、ベストメンバーで臨んだラージョ。ドブレピボーテにはオスカルとコメサーニャの2人が入った。ボール保持には苦労しなかったこの試合。崩しの面ではここ数試合苦しんでいたアルバロがこの日は躍動。左からフラン・ガルシアと良いコンビネーションの下、侵入していく場面が多く見られた。その突破が前半終了間際PK奪取+相手を1人退場に追い込むことに。これで試合の大勢はラージョに。その後、相手が更に1人退場したこともあって完勝。失点とエンテカの退場という汚点は付いたが、久々に気持ち良い形の勝利となった。この勢いを継続させたいこの1戦。昨季のピスファンでは0vs3で大敗しており、リベンジを果たしたいところだ。注目選手はサンティ・コメサーニャ

 ラージョの最重要選手 トレホが累積警告によるサスペンションで欠場となる今節。トレホ不在時に起こりがちな外循環の繰り返しをどのように起こさないようにするかが1つポイントとなってくる。この上で重要な役割を担うことになりそうなのがコメサーニャ。今季は負傷の影響で開幕には出遅れた彼だが、復帰後は競争の激しいピボーテで確実にスタメンの座を確保している。ドシっと構えるシスやオスカル、ゲームメイカータイプのウナイ・ロペスと異なり、ランニングを使いながらボールに絡みリズムを作る彼はライン間を彼自身が使うことも他の選手のために空けることもできる選手。ライン間の王 トレホがいない中でこの特性は極めて貴重。彼の活躍に期待したい。


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5、バレンシア vs バルセロナ

 ホーム バレンシアの11節はマジョルカをメスタージャに迎えての1戦。結果は1vs2の敗戦。膝の問題を抱えるギジャモンが大事を取ってベンチからのスタートになったことで、ピボーテの位置にニコが入った以外は定番のメンバーで入ったバレンシア。しかし、開始3分でディアカビがまさかの負傷交代。チュメルトも負傷欠場となっていたため、オズカジャルがチーム初出場。終始安定したプレーで十分計算に入れてよい選手であることを示した。試合は541でセットしたマジョルカ相手に中々崩せず、苦しい展開が続いたものの52分、逆カウンターのような形でこの試合数少ない広大なスペースを持ってのリーノの1vs1の形に。これがPKを誘発し、それをカバーニが沈め得点。これで楽になるかと思われたものの、65分。アマトにドリブル突破を許すとニコが軽率なタックルでPKを献上。更には勝ち越しのため、より圧をかけた裏を突かれ、逆転を許してしまった。これで3戦勝利なし。内容的にはいずれも良いものを見せているだけに非常に悔やまれる結果が続いている。この状況を変えるためにも、相性の良いメスタージャでのバルサ戦。結果が欲しいところだ。注目選手はサムエル・リーノ

 おそらくリーガ全チームとの対戦において最も自分たちがボールを握れない可能性の高いチームとの対戦となる今節。今季は殆ど全ての試合でボールを握ることを前提に進めてきていただけに、この試合どのように戦うのかは見物。そんな中で唯一バルサ相手にも違いを作れる可能性が高いのがリーノのポジション。彼の突破力は対面のベジェリン相手にも十分通じるものであり、ムサ、ニコ、モリバといったインテリオール陣が欠場となる以上、速攻、遅攻両局面においてここが生命線となる。世界に名を売る機会になるか。期待したい。


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 アウェイ バルセロナの前節はカンプ・ノウにアトレティックを迎えての一戦。かつての指揮官バルベルデとの再会となったこの試合。チャビは左のエストレーモにせどりを起用する驚きの布陣でスタート。ブスケツ、フレンキー、ガビに加え左のペドリがライン間を取りに行くことで常に3枚の相手中盤に対して+1を作り続け、ハイプレスを敢行してきたアトレティックのプレッシングを空転し続けた。開幕以来、デンベレラフィーニャの2人を大外に張らせ、そこからの単独突破を武器にしていたが、クラシコでその限界は痛感。それ以降のビジャレアル、アトレティックをとの強敵2連戦を新たな形で臨み、成功させていることは賞賛に値する。しかし、ミッドウィークのバイエルン戦。試合前にインテルが勝利したことで、既にグループリーグ突破の夢が潰えていたというモチベーション面での問題はあったものの、0vs3で完敗。絶望を味わうこととなった。そんな流れで向かう今節。舞台であるまたメスタージャは常々勝ち点を取りこぼしてきた難所。簡単な試合にはならないだろう。それでもこの悪い流れを変えるためには良い内容での勝利が絶対条件。再スタートとなる試合にしたいところだ。注目選手はフェラン・トーレス


 昨冬にシティから加入したスペイン代表FW。バレンシアカンテラ出身であり、今節は古巣との対戦となる。バルサ加入以来、決定機逸が多かったことから徐々に自信を無くしていき、低調なパフォーマンスが続いていたフェラン。しかし、クラシコでのゴールで何か吹っ切れるものがあったのか、それ以降の2試合では自信を感じさせるプレーを見せており、結果も残している。デンベレラフィーニャ、アンス、メンフィスと多様なエストレーモを抱えるバルサだが、その中でもフェランのオフ・ザ・ボールの質の高さはトップ。ライン間で引き出すところ、裏を狙うところ、サイドに張って仕掛けるところ、それぞれをゲームの流れを読んで適切にポジションを取れるプレーヤーだ。この試合でも先発は厳しいかもしれないが、途中から出番は与えられるはずであり、期待したいところ。カンテラからの大先輩であるガヤ相手のマッチアップも見てみたいところだ。


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6、オサスナ vs レアル・バジャドリー

 ホーム オサスナの前節はジローナ相手に敵地での1戦。結果は1vs1のドロー決着となった。この試合では出場停止の影響で、要中の要であるダビド・ガルシアが欠場。彼が欠場した試合ではこれまで、一度も勝ったことがないというデータもあった中で、今回もそのデータ通りの結果となってしまった。この試合のアラサテはエストレーモの位置にルベン・ペーニャとアブデという個人で突破ができる選手を配置。アブデは早々に負傷でキケ・バルハに交代したが、タスク的には変わらず、サイドに目一杯張り、そこからの仕掛け。それにナチョ・ビダルとマヌ・サンチェスの2人がインナーラップで絡むシーンが多く見られた。実際この形からチャンスは作っており、この布陣は一定の成果は見せたといって良いだろう。しかし、結果的には勝ち切れず格下相手にドロー。わかっていたこととは言え、やはり序盤の勢いは陰りを見せている。現実的な目標である残留そしてトップハーフでのフィニッシュというところへ、もう一度良い流れを作りたい。注目選手はナチョ・ビダル

 今夏のルベン・ペーニャの獲得により開幕当初は出番が減るのではと目されていたナチョ・ビダルだが、ここまで全11試合に出場となんだかんだで確かな出場機会を得ている。ペーニャが攻撃的な縦突貫型のラテラルなのに対して、ナチョ・ビダルは内外を使い分けたランニングでチャンスを作れる選手であり、また今季はライバルの登場もあってか、課題であった守備も改善傾向にあるように思える。ペーニャと使い分け、また併用が出来ている現在の状況は非常に充実しており、アラサテも良い意味で頭を悩ませていることだろう。今節の相手であるバジャドリーは5バックを敷いてのロングカウンターを武器としているだけに、より走力に優れたペーニャが起用されるような予感もするが、どうなるか。この人選からアラサテの狙いが見えてくるだろう。


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 一方のバジャドリーは11節 ラ・レアルをホームに迎えての1戦。結果は1vs0で見事勝利。ミッドウィークに続き、532でスタートしたこの1戦。イバン・サンチェスとオスカル・プラーノというアタッカータイプをインテリオールに並べ、2トップはヴァイスマンとセルヒオ・レオン。ラ・レアルのボール保持に対して退きすぎることはせず、前での回収を試み、ボール奪取後は2トップの個人能力を活かした早いカウンター。この形でボールこそ握られながらもペースをつかんだ。この形からセルヒオ・レオンにゴールが生まれ先制に成功すると、あとの時間はこの形を極力維持しながら守り切り、連勝記録を作っていた格上相手に見事土を付けた。そして迎える今節。相手はオサスナ。連勝中の勢いそのままに、敵地でも勝利を狙いたいところだ。注目選手はモンチュ

 ラ・レアル戦でMOM級の活躍を見せたラ・マシア産MF。前節はピボーテとして出場すると、シルバに対して激しいマークを敢行。先述の通り、インテリオールの2人が攻撃的な選手の中で、奮闘しラ・レアルの誇る黄金の中盤に仕事をさせなかった。更には先制点のセルヒオ・レオンのゴールも好フィードによってアシスト。存在感は抜群であった。ポジションを改め、新しいチームの形を築いているバジャドリー。その中でモンチュの運動量、そして強度の高さは今後も重要になってくる。同じく中盤の強度に定評のあるオサスナ相手にどのようなパフォーマンスができるか。期待したい。


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7、レアル・マドリー vs ジローナFC

 ホーム マドリーの前節は、セビージャをベルナベウに迎えての1戦。筋肉疲労の影響でベンゼマが欠場となったこの試合、代わりにロドリゴが入った以外はベストメンバーと言える形で迎えた今節。相手のミスを拾って5分に早々に先制点を挙げると、それ以降は相手にボールを持たせつつショートカウンターを狙う形にシフト。しかし、マドリーにしては珍しく、追加点を中々仕留められずにいると、ラメラの同点弾を喰らうことに。それ以降も、攻守ともにらしくないプレーが目立ったが、カウンターからルーカス・バスケスがゴールを挙げ、勝ち越しに成功すると、その直後フェデ・バルベルデのスーペルゴラッソで追加点。しっかりと勝ち点3を得ることに成功した。ミッドウィークのライプツィヒ戦ではらしくない内容で敵地で敗れたものの、すでに突破は決まっており、また次節、最下位のセルティックにしっかりと勝利すれば1位突破も決定ということでそこまで影響はないはず。敗戦後1発目となるこの試合でしっかりと勝ち点3を取り、安定感を見せたいところだ。注目選手はフェデ・バルベルデ

 かつてのウルグアイが誇る逸材は今や世界Top of Topの選手へと進化を遂げた。右エストレーモのポジションに入る彼は、守備時には高い位置を取る相手ラテラルについていき、DFラインに吸収。5枚を作る形で確実に守備を固めると、カウンター時には一番後ろからながら、必ずといって良い頻度で絡んでいく。そして、直近2戦でぶち込んでいる理不尽ミドル。これはもはや期待の若手ではなく、正真正銘のスペシャルな選手。今季のCL、W杯次第では、さらに世界的知名度を上げることになるだろう。ミッドウィークをお休みした今節。未来のバロンドール候補の成長を線で見て行きたいところだ。


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 アウェイ ジローナの前節はオサスナを本拠地に迎えての1戦。結果は1vs1のドロー。直近5試合で未勝利だったジローナは前節に引き続き、4バックの形でスタート。ターンオーバーを使い、ブエノ、エレーラ、ロメウ、アレイクス、カステジャノスの5名を残し、その他の選手は普段控え組となっている選手を起用した。特に前半はボールを持たれることの多かったジローナ。それでも、しっかりとそれぞれの選手がマンマーク気味に捕まえていき、効果的な前進はさせず。かといって良いカウンターがうてるわけではなく、停滞気味の展開となった。そんな中、上手くサイドチェンジを入れられたところから失点。ただ、これも10分でセットプレーから追い付き、以降もそこまで展開としては変わらないまま、試合を終えた。ターンオーバーの上で勝ち点を取ることのできた事実は悪くはないが、これで未勝利は6戦連続に。順位もとうとう降格圏まで落ちるなど、序盤の好調から一転。暗雲が立ち込めている。何としてでも勝利が欲しい試合だが、相手はレアル・マドリー。最低限、希望を持てる内容の試合としたいところだ。注目選手はサンティ・ブエノ

 先日、発表されたウルグアイ代表のプレリストにも登録されていたブエノ。4バックにしても5バックにしても、CBを構成するユニットがコロコロ変わる中で絶対的な中心として君臨している。ビルドアップ能力、対人能力、高さ、全ての面において平均以上のクオリティを23歳という若さにして持っており、今後にも期待の持てるプレイヤーだ。マドリー相手ということで攻め込まれる場面が多くなる中で、彼の定位置である右CBはヴィニシウスあるいは、ベンゼマと対峙する場面が多くなることは容易に予測でき、ここでどれだけ頑張れるかが、エル・ブランコ相手にどこまで戦えるかの生命線になる。インパクトある活躍に期待したい。


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8、アトレティック・クルブ vs ビジャレアル

 ホーム アトレティックの前節はカンプノウに乗り込んでのバルサ戦。この日のバルベルデは保持されることを前提とした上で、インテリオールにサラガとエレーラを並べる布陣でスタート。ムニアイン、サンセの2人をベンチに置き、中盤3枚で相手の中盤3枚をガッチリと捕まえるハイプレスからのショートカウンターを狙った。しかし、予想外に左のエストレーモの位置に入ったペドリが数的同数であった中盤に顔を出すことで、フリーマンが出来てしまい、アトレティックのハイプレスはハマらないようになってしまった。それを受けてニコを右肩上がりでエリックまで出し、デマルコス、イェライをそれぞれ一列あげて回収を試みるようになったが結果的に膨大なスペースを抱えた中でのユーリvsデンベレの1vs1に。左CBのイニゴも中のレヴァンドフスキを見ているため、カバーに行けず、ここから崩され前半で勝負を決められてしまった。これで4戦未勝利となってしまったアトレティック。この10月は強敵との対戦が続くことはあらかじめ決まっていたため、驚きとまでは言えないが、流れ的にはそろそろ切らなければいけないのは間違いない。今節も相手はビジャレアルと一筋縄ではいかない相手だが、なんとかサン・マメスで勝ち点3が欲しいところだ。注目選手はイケル・ムニアイン


 前節のバルサ戦、最後まで出番がなかったカピタンにしてチームの象徴。現状、特別な事情があったとの報道がなく、戦略的な面で起用なしとなったと見られている。彼自身、今季も流石のパフォーマンスを見せていただけにここでのスタメン落ちには思うところはあるはず。この試合に向けての気合は人一倍入っているだろう。試合の展開としてはビジャレアルが退いてくるのか、ボールを握りに来るのかによって大きく変わるところだが、どちらにしても中盤の攻防が勝敗を分けることになるのは恐らく間違いない。ニコ、イニャキ、サンセ、ベレンゲルといった前線のタレントを活かすためにも彼の舵取りは重要になってくる。試合を決める活躍に期待したい。


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 今週はビジャレアルに激震の走った1週間となった。EL優勝、CLベスト4。イエロー・サブマリンに数々の歴史的快挙をもたらし、クラブ史にその名を残した名将 ウナイ・エメリの退任が表明。アストン・ヴィラ(ENG)に契約解除金を支払われ、一方的契約解除という形での別れとなった。後任には既にベティスバルセロナなどを率いたことでも印象深いクライフの信奉者 キケ・セティエンが就任。その対応の速さは流石の一言である。まずはウナイ・エメリに対して。別れの形に関しては、より良い方法はなかったのか、そういった感情を持たざるを得ないが、それを差し引いてもエメリがビジャレアルに残したものは何よりも偉大であり、最高の監督であったと言えるだろう。就任当初は前任のハビ・カジェハが良い流れでチームを率いていただけに、監督交代に対して不満の声も大きく上がったが、そんな声はいつしか聞きもしないように。パウ、ジェラールといったタレントをリーガを代表するトップ・オブ・トップまで成長させ、ピノ、ジャクソン、バエナなどのカンテラーノも抜擢。今ではチームの中心になりつつある。そして、フォイスやキャプー、ペドラサなど燻っていた選手たちにも新しくも確かな役割を与えることで覚醒させた。その結果が、CLベスト4という最高に輝かしい成績。ユヴェントス戦、バイエルン戦、そして最強リヴァプールを追い詰めた2ndレグの前半戦はGroguet(ビジャレアルサポ)の記憶に一生残り続けるはずだ。この最高の夢物語であった2年半。その中心として先頭に立ち続けたウナイ・エメリに最大限の感謝と敬意を1リーガファンの端くれとして送りたい。

 さて1つのサイクルが終わり、新たなチャプターが始まる。その旗頭として選ばれたのが、キケ・セティエン。先述の通り、クライフの信奉者を自称しており、実際ポゼッションに対して並々ならぬ拘りを持つ男だ。難しい時期のバルセロナを率い、成績が出なかったことで評価を落としたが、ベティス時代には非常に魅力的なフットボールを展開し、一躍名を売った。W杯の中断期間までは、過密日程の中で彼自身のスタイルというのは出にくいだろうが、当時のベティスと比較しても技術に優れた選手は多いだけに、ハマりさえすれば良い形での内容と結果の両立が達成できるはずだ。特にロチェルソはベティス時代に共に戦った過去を持っており、セティエンベティスの下でこのアルゼンチン代表は絶対的中心として君臨していただけに、更なる活躍にも期待したいところ。新生ビジャレアルを楽しみに長い目で見守っていきたい。


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9、レアル・ソシエダ vs レアル・ベティス

 ホーム ラ・レアルの前節は敵地でバジャドリーと対戦。結果は0vs1で敗戦。発熱で欠場となったセルロートに代わってカルロス・フェルナンデスを起用した以外はベストと言って良いメンバーで臨んだ。しかし、序盤からバジャドリーの前に苦戦。532で人を消してくる相手に対して効果的なボール保持が出来ず。またセルロート不在の影響も大きく、中々ボールを効果的な形で前線に供給できることがないまま、試合が展開してしまった。ベティスとの上位対決となる今節。良い流れを取り戻し、またヨーロッパカップ戦争いにおける直接のライバルに勝利したいところだ。注目選手はアンドニ・ゴロサベル

 ラ・レアル育成出身のカンテラーノ。右ラテラルの位置で確かな立場を築いており、今季も負傷欠場となった試合を除く、全8試合に出場している。彼の一番の武器は中方向への侵入。相手のハーフスペースに飛び込んでいき、そこから決定的な仕事ができるプレーヤーだ。その一方で低い位置のビルドアップには課題を抱えており、良くも悪くも特徴のはっきりとした選手だということが出来る。彼を上手くチームが活かせるかで全体の状態もかなり見えてくる部分があり、そういった面でも注目すべき選手と言える。ソラ、アイエンの離脱でラテラルの層が薄くなっている中、この重要な一戦で彼がどんなプレーを見せてくれるか。期待したい。


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 アウェイ ベティスの前節はアトレティコを本拠地ビジャマリンに迎えての1戦。結果は1vs2で敗戦。フェキル、カナレス、ファンミという2列目のレギュラー3人すべてを欠いたこの試合においてペジェグリーニは右からルイス・エンリケカルバーリョ、ロドリの3枚を起用。展開としては序盤からボールを持つことはできるように。442で構えつつ2トップ+1の3枚でビルドアップを牽制してきた相手に対し、ベティスはいつも通り2CB+ドブレピボーテの4枚でしっかりと運びだし。この日はコンディションも良かったカルバーリョはライン間でしっかりと引き出しキープ。自分たちの時間を増やし、ペースをつかんだ。しかし、決定機までは作れずにいると、グリーズマンに2点を奪われ万事休す。その後投入されたフェキルが存在感を見せ、直接FKによって1点を返したものの反撃はここまで。これで直近リーグ5戦、1勝3分1敗と明らかに勢いの低下を感じざるを得ない結果となっており、チームとしても正念場。ヨーロッパカップ戦争いの直接のライバル相手にアウェーで迎えるこの試合。難しい試合になるのは間違い無いだろう。注目選手はナビル・フェキル


 前節、負傷から復帰を果たしたフランスMF。2度目の離脱が同じ箇所を再発させたというものだっただけに無理はさせられないところだが、それでもやはり彼の存在は格別。アトレティコ戦でも投入されて早々にライン間でボールを収め、一気に自分たちのペースを持ってきていた。彼の復帰はただのスター選手1人の帰還ではなく、チーム全体のプレーエリアを一段階上げることにつながるほどの多大な影響があると思われ、チーム復調にも間違いなく大きなものをもたらしてくれるはず。激しい主導権争いになるであろう中盤において、彼のキープ力が制すことができるか。期待したい。


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10、エルチェCF vs ヘタフェCF

 ホーム エルチェの前節は敵地エスパニョールに乗り込んでの1戦。結果は2vs2のドロー。この日はこれまでアルミロンの就任以来、使用していた4231の形ではなく、532の形でスタート。ボジェとペレ・ミジャを前に並べた原点回帰ともいえる形でスタートしたエルチェ。この日は、ボールを握れる展開が続き、ピボーテのマスカレルを中心としてポゼッションこそ高めたが、中々そこから決定的なチャンスに移転させることはできず。結果としてロストからのカウンターでピンチを作る場面が多くなってしまった。ペレ・ミジャのゴールで先制を上げながらも、逆転を許し、終盤に何とかセットプレーから追い付く展開。内容的には依然と比べれば決して悪くはないものだったが、またもや勝利は出来ず。未だに開幕から唯一の未勝利となっている。早く勝利という結果が欲しいエルチェ。残留争いのライバルになるであろうヘタフェを本拠地に迎える今節はその大きなチャンス。昨季のレバンテを見てもわかるように初勝利が長引けば長引くほど、残留は絶望的なものになってくる。1/3を過ぎる今節がそろそろボーダーラインということもできるだろう。注目選手はルーカス・ボジェ

 エルチェを代表するアルゼンチン人の絶対的エース。今節の相手であるヘタフェは現在のエルチェと構造としては似ており、2トップもターゲットタイプのエネス・ウナルとボジェ。その周辺を衛星的に使うボルハ・マジョラルとペレ・ミジャという構成で非常に類似性のあるチームと言える。フォーメーション的にもエルチェが前節の形を踏襲してきた場合、ガッチリハマることが予想され、お互いがプレッシングでハメに行く試合になるのではないだろうか。そんなときに重要になるのがお互いのターゲットマン。両チームともDFラインの足元能力的にハイプレスを回避できるチームではなく、ロングフィードが増える1戦になるはず。その時に、このアバウトなボールをどれだけ収められるかが重要になってくる。その上でボジェのキープ力は極めて大切なもの。幸いヘタフェにはアルデレーテが起用されない限り、フィジカルに特別優れた選手はいないため、彼であれば収めることが出来るはず。ここで起点を作り、主導権を握ることが出来るか。期待したい。


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 一方のアウェイ ヘタフェの前節は敵地でセルタとの対戦。結果は1vs1。出場停止となったアレニャのポジションは同じ攻撃的MFのセオアネではなく、ピボーテタイプのアルゴビアを起用。ダミアン・スアレスをベンチに置き、右にイグレシアス、左にアンジレリを置く形でスタートした。司令塔の不在もあって、かなり退いて構えるシーンが多くなったこの日のヘタフェ。その傾向はウナルが素晴らしい直接FKを叩き込んで以降、更に増すように。それでも集中力を高く保ち、よく守っていたものの、終了間際の89分。失点。勝ち点2を取りこぼす結果となってしまった。初勝利からの連勝の後、5戦未勝利と思うような流れは作れておらず、現在は3試合連続でドローに終わっている状況。粘り強く戦っているという言い方もできるが、この連続引き分けをどのような形で終わらせるのか。勝って4戦無敗にするか、敗れ6戦未勝利になるか。この明暗は色濃く出る。今節の相手 エルチェはアルミロンの就任以来、調子を取り戻しており、昨季もダブルを喰らっている相性的には悪い相手だが、残留争いのライバルになる相手に勝ち点3を挙げたいところだ。注目選手は、カルレス・アレニャ

 前節、イエローカードの累積で出場停止となったアレニャ。この試合はその分の活躍が期待される。エルチェの所でも語ったが、両チームの2トップは似たタイプの組み合わせ。そうなると勝敗のキーになるのが、そんな彼らをどのように生かせるか。ここでポイントとなるのが、ヘタフェでいえばアレニャ、エルチェでいえばおそらくコジャドになるだろう。ラ・マシアが生んだ左利きのテクニシャン2人。中々バルサでポジションを得ることはできていない彼らだが、現在のチームにとっては非常に重要な選手の一人。どちらのチャンスメイクがチームを勝利に導くか。この2人を比較しながら楽しみたい。


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アトレティコGL敗退について

 本日、本拠地メトロポリターノで引き分け、CLからの敗退が決まったアトレティコクラブ・ブルージュレヴァークーゼン、そしてポルトと同居する安易なグループかと思われたものの、1節を残しての敗退が決定してしまった。今回の記事では、その事について私なりの考えを述べていきたいと思う。プレビューを発信しているいつものものとは雰囲気も内容的にもかなり変わったものにはなっているが、お気に召したら最後まで見ていただきたい。

 まず、敗退が決まったレヴァークーゼン戦についてとやかく言う気は今は起きない。最後のPKを外してしまったカラスコ、決定機を決めきれなかった〜と批判する個人名を挙げようと思えば、出来るのかもしれないが、それがもたらすものは一つもない。チョロに対して文句を怒りに任せて書く気もない。そういった次元に今の私は行けないのだ。絶望という表現が正しいのか、諦めなのか、割り切りなのか。今の私に判断することはできない。残ったのはただの虚無感。それのみであった。
 これを言ってしまうと方々から怒られてしまうかもしれないが、正直、私は今季CL優勝ができるとは思っていなかった。戦力的にも監督の力量的にも現在の完成度的にもそのクオリティにないのは明確であったからだ。だからこそ、今悔しい気持ちが出てこないのかもしれない。いつからか、CLという舞台はコルチョネロスの私にとって魅力的なものではなくなっていた。果たしていつからであったか。振り返った時、それは18-19のベスト16 2ndレグからであった気がする。これを言えば大半のコルチョネロスはどの試合か気づくであろう。そう、悪夢のアウェイ ユヴェントス戦だ。

 

 1stレグを2vs0で勝利して迎えたこの試合。このシーズン、私はこの勝利をもって今季こそはアトレティコビッグイヤーを掲げると確信していた。全盛期を築いたレジェンド ゴディン、ファンフラン、フィリペ、コスタにエース グリーズマン。コケ、サウールのコンビに加え、ロドリ、トーマスと今や世界一のピボーテの座を争っているカンテラーノコンビのドブレピボーテを抱え、戦力は充実の一途を辿っていた。そして何より、決勝の舞台がメトロポリターノであったことも大きかった。新たなホームスタジアムで3度目の正直を果たし、優勝へ。そんなストーリーを思い浮かべていたのだ。そして、この期待は天敵であったロナウドを抱えるユヴェントス会心の出来で下したことで確信に変わりつつあり、そんな状況で迎えた2ndレグ。結果はご存知の通り、ロナウドハットトリックを許し、逆転負け。ここで私が何より悔しく、絶望したのは劇的な形で逆転負けを喰らったことでも、天敵にまたも敗退に追い込まれたことでも、コケやサウール、グリーズマンが試合途中で諦めてしまったことでもなかった。それは、シメオネが敵将のアレッグリに対して、手も足も出ず戦術的に下回り、それに加え、途中で彼もまた気持ちが切れてしまっていたこと。それであった。エムレ・ジャンを降ろして3バック化することで、プレッシングを回避、スピナッツォーラとベルナルデスキという2人に外で仕掛けさせクロス。ターゲットのロナウドは守備ブロックの弱点であったラテラルの身長の低さという点を徹底的に突いて、チョロ率いるアトレティコを完全に凌駕していた。3バックへの対応、大外での対人、ラテラルの高さというのは兼ねてから言われていたアトレティコの最大の弱点であったが、このアレッグリの策に対してシメオネは最後まで何も手を打つことはできなかった。そして彼最大の魅力であった熱さすら失ってしまった。この瞬間、チョロの率いるアトレティコはもう欧州で勝てないのではないだろうか、そしてサイクルの終わりが迫っているのではないだろうか。そう思うようになった。

 そして翌シーズン。グリーズマン、ゴディン、ファンフラン、フィリペ、リュカ、ロドリらが退団し、新たなスタートとなったこのシーズン。なんとかグループリーグを突破するとベスト16で当時の優勝候補筆頭であったリヴァプールを撃破。しかしこの喜びと同じくらい、ラウンド8でのライプツィヒ戦もまた絶望を感じる一戦であった。この試合でもアトレティコは敵将ナーゲルスマンの策の前に何もやらせてもらえず完敗。2年連続で屈辱的な形で欧州の舞台を去ることとなった。リーガを制したこの翌年もトゥヘル率いるチェルシーの前に歯が立たず、そして昨季はラウンド8で550という画期的な形でシティを追い詰めはしたものの、これは言い換えれば、550などというフォーメーションを使わねばならないほど、チームの完成度に差があったということ。既にアトレティコは欧州で本気でCL優勝が現実的に狙えるチームではなくなっていたのだ。
 この原因をあげればおそらくキリがない。フロントの怠慢、シメオネの実力不足、変化していくフットボールのトレンドにリーガ勢がそぐわなくなっていること。他にも多種多様な原因はあるだろう。ただ今回の記事ではそれについて触れる気はない。単に今の感情を残すために殴り書いているだけの記事だからだ。

 今後アトレティコというチームがどこに向かっていくのか。それは未だに全くわからない。ここ数年、新たにトップチームに定着したカンテラーノは誰1人としておらず、平均年齢もかなりの高さ。グリーズマン、コケ、モラタ、ヒメネス。現在のチームの中心選手たちは現在が最も選手として充実した年齢であり、未来に向けて希望の持てる点も少ない。限界が既にはっきりと見えているシメオネ体制がいつまで続くのか、そして長期政権が終わった後、このクラブはどうなっていくのか。長期政権の前例と言われるユナイテッド、アーセナルと比較しても、ブランド力で大きく劣るアトレティコがどうなってしまうのか。その想定は全く計算が立たない。少なくともそう遠くない未来にこのチームは大きな変化を迎える。その覚悟はできている。口で言うのは容易だ。ただ何が起こるかわからないものに覚悟なんて出来るわけがないのだ。

 それでも間違いなく次のカディス戦も見る。次節の実質消化試合となってしまったポルト戦だってそうだろう。おそらくこれからも何があると1試合1試合見続けることは間違いない。これもある意味、Partido a Partidoだろうか。そこに何か目的があるのか。それは全くわからない。それでも、見続け、応援し続け、一喜一憂し続ける。一度Rojiblancosを好きになった以上、それは宿命なのかもしれない。


 思ったことをとにかく殴り書いただけのため、読みづらい箇所だらけだろう。それでも、もしここまで読んでくれた方がいるのであれば、最大限の感謝を伝えたい。この文章があなたと愛するチームとの関係性について考えるきっかけになればと願い、この記事を締めたいと思う。
ご拝読ありがとうございました。

ラ・リーガ11節プレビュー

1、始めに

 皆さんこんにちは!よろしくお願いします!

 調子はいかがでしょうか? 今節はミッドウィークに10試合がありましたが、果たして9節、10節。全20試合を視聴したような方はいらっしゃるのでしょうか? 流石にいないとは思いますが…笑 私も今週は6割程度しか見れませんでした。ということもあって今日はいつも以上に広く浅くをメインで触れていきたいと思います。W杯まで1ヶ月を切った中、それはリーガの中断までも1ヶ月をきっていることを意味します。残りの期間各チームがどのようなパフォーマンスを見せるのか。怪我だけはないように祈りながら見て行きたいです! 

 今回もぜひ自分の推しチーム、その対戦相手。興味あるチームだけでも結構ですので、ぜひ目次から見て行ってください!全部見てくれたらもちろん嬉しいです笑

2、ラ・リーガ9、10節レビュー

 この2つの節においての最大のPartidazoとなったのが、エル・クラシコ。ベルナベウで迎えたこの運命の決戦。前週ミッドウィークのCLをターンオーバーを用い、良いコンディション、雰囲気で臨んだマドリー。それに対しバルサはフルメンで戦ったインテル戦で勝ち切れず、GL突破は絶望的。そんな明暗を分けるミッドウィークを過ごした両チーム。試合は、序盤からバルサが持ち、マドリーがカウンター狙いという予想通りの構図となったが、上回ったのはマドリー。前半の内にカウンターからベンゼマバルベルデがそれぞれ得点を挙げると、後半盛り返してきたバルサの攻撃を最少失点に抑えた。終盤にはロドリゴの突破からPKを獲得。自ら沈めて3vs1で勝利。ミッドウィークの10節エルチェ戦でも勝利をあげ、10試合で9勝1分と圧倒的な結果を見せている。一方のバルサもまた、ミッドウィークではビジャレアル相手に快勝。微調整を加えながら、首位奪還を目指して戦うことになる。今週のPick up Playerはマドリーからトニ・クロース

 クラシコMOMのフェデ、バロンドール受賞のベンゼマなど触れたい選手は多かったが、ここはエル・クラシコで最高のプレーを見せ、改めて存在感をアピールした。この日のクロースはいつも通りの正確無比なキックでの展開に加え、即時奪回を試みるバルサのプレスを単騎で空転。実際これが先取点にも繋がった。更に守備でもよく戦い対面のフレンキーに仕事をさせず。代表を辞め、クラブ1つに懸けているからこその、コンディションの良さを見せつけた。W杯組が多いマドリーにおいても代表引退組のクロースへの期待はますます今後、後半戦にかけ高くなってくる。さらなる活躍に期待したい。その他の結果は下記の通り。今節は見れていない試合も多いのでベストイレブンはなし。

3、ラ・リーガ11節プレビュー

1、ラージョ・バジェカーノ vs カディスCF

 ラージョの9節はヘタフェと本拠地バジェカスで対戦。結果はスコアレス。ドブレピボーテにオスカルとコメサーニャの2人を並べ、GKにはディミトリエフスキを起用する現状のベストメンバーでこの試合に臨んだイラオラ。狙いとしたのは5バックの右、ダミアン・スアレスを引き出した裏。サイドでのアルバロとジェネの1on1を打開のポイントとした。しかし、ジェネ得意のハードマークの前に中々決定機は作れず。後半に入ってもこの流れは変わらず、運良く得たPKも失敗。最後まで攻めきれず、痛い勝ち点1となった。10節は敵地でアトレティコとの一戦。トレホが負傷で欠場。代わりにポソを使い、その他のポジションにも多少のターンオーバーを用いて敵地に乗り込んだ。65分までは442でブロックを作りつつ、即時奪回も行ってくるアトレティコの前に殆どチャンスらしいチャンスは作れなかったが、その時間からアトレティコが受けに回ったことでゴール前に迫るように。その結果アディショナルタイムに得たPKをファルカオが沈めドロー。敵地で大きい勝ち点1となった。アルメリア、ヘタフェに勝てず微妙な空気が広がっていただけに、この勝ち点1の持つ意味は大きい。今節しっかりホームで勝利を挙げ、もう一度流れを作っていきたい。注目選手はアルバロ・ガルシア

 ラージョ最大の武器であるWG。チームの構造自体も彼の突破力を前提に組み立てられているほど、信頼を与えられている彼だが、ここ最近はマークの厳しさもあってか、中々存在感を見せられていない。それ故か最近の試合ではサルビ・サンチェスやペプ・チャバリアに代わるシーンも目立つ。しかし、やはり彼の突破力は唯一無二の物であり、その復調がチームの勝敗にも大きな影響をもたらすことは間違いない。この試合ではサルドゥアあるいはカルセレンとのマッチアップが予想される。ラインが低く、中々スペースがない中で、彼がどのような活躍を見せられるのか。期待したい。


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 一方、アウェイ カディスの9節は本拠地にジローナを迎えての一戦。結果は1vs1のドロー。前節からボンゴンダをベンチに置き、ソブリーノを左に。その上でアレックス・フェルナンデスをスタメンに起用したセルヒオ・ゴンザレス。彼をインテリオールの位置に置きつつ、2列目から飛び出させ、ボール保持の面、そして崩しの面、両方での役割を担わせた。この采配は的中。ネグレドが流れたところにアレックスが飛び出し、先取点を挙げた。その後も試合を上手く進めていたカディスだったが、最終盤、相手のパワープレイに堪えきれず失点。惜しくも勝ち点1に終わった。これで前節に続き、2試合連続で勝ち点3の好機を逃すこととなってしまった。また、10節はホームでベティスとの一戦。ほぼ全員のターンオーバーを実施する中、強敵ベティス相手に勝ち点を奪取。しかし、この試合でも勝利までは届かず、これで4試合連続のドロー。粘り強く勝ち点を拾っているという言い方もできるが、勝ち点2を落とし続けているのも事実。この4試合をポジティブな解釈で終えるためにも、この試合は勝利が欲しい所だ。注目選手はアレックス・フェルナンデス

 先述の通り、ジローナ戦においてスタメン起用されると守備では上手く中盤の一角としてスペースを埋めつつ、最前線と他の選手たちとの距離を埋める活躍をした。攻め込まれる時間が長いカディスにとって、このような働きができる選手は貴重。今後の残留争いの上で間違いなくキーマンになる選手と言えるだろう。この試合の相手 ラージョはハイプレスに武器を持つチーム。一つ間違えるとせっかくボールを奪っても即時奪回され、持てる時間が殆どないという試合にもなりかねない。そんな中でアレックス、そしてアルカラスがどれだけ、引き出し手、出し手として存在感を見せられるか。1つのポイントとなるだろう。


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2、レアル・バジャドリー vs レアル・ソシエダ

 ホーム バジャドリーの9節はエスパニョール相手に敗戦。フレスネダが欠場となったこの試合、パチェタはエスクデロを右サイドに起用。一進一退の攻防が続き両チーム共に2桁シュートを放つ大味の試合となったが、ホセルに得点を許してしまった。しかし10節。今季初めて532という形を使ったセルタ戦。1.44vs2.65というxGが示すようにセルタが攻勢を仕掛けチャンスを作った試合ながらマシプを中心になんとか耐え、ディフレクト等、運も味方につけたゴールで4vs1の快勝を果たした。開幕前の評価の低さとは裏腹に、所々でしっかりと勝ち点3を取り切り、余裕を持った状態で戦えているバジャドリー。故にこの試合、何が何でも勝ち点を取らなければならない試合というわけではないが、それでもホームということもあり、勝ち点1は拾いたい所。強敵ラ・レアル相手とはいえ、過去の成績でもダブルを喰らうことは少なく、粘り強く戦えば、チャンスはあるはずだ。注目選手はアルバロ・アグアド


 バジャドリーの中盤を支える働き者タイプのインテリオール。コルドバカンテラ出身で昨季、ローンバックという形でバジャドリーの選手となった。このポジションはモンチュやマルサといった強力なライバルもいるが、その中で全10試合中9試合に出場。内7試合がスタメンと出場機会には恵まれている。セルタ戦でもキッカーを務めるセットプレーから2点をアシストしており、飛び道具としての働きも一定水準は期待できる。基本的に中盤を支配されるであろうこの試合。バジャドリーがどこまでこのセクターで耐えられるか。アグアドにかかる期待も大きい。


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 アウェイ ラ・レアルは9節がセルタに2vs1、10節はマジョルカに1vs0とどちらも一点差での辛勝で勝利。これでチームは公式戦8連勝。これは50年弱以来ぶりだということでチームとして最高な状態にあると言えるだろう。継続して起用してきた4312の形は機能し始め、苦しい試合展開でもブライスのセットプレーからゴール。良いサッカーをするチームだけではなく、勝てるチームへと変貌を遂げている。セルタ戦ではイジャラメンディ、マジョルカ戦ではゲバラを起用し、替えの効かない中盤も少しずつローテーション。次週に控えるEL6節ユナイテッド戦に向け、個々のコンディションをどのように整えていくかも考えていかなければいけない時期だ。今節の相手であるバジャドリーは油断のできない相手ではあるが明確に格下。うまく主力を休ませながら確実に勝ち点3を持ち帰りたいところ。注目選手はディエゴ・リコ

    

 開幕時にはスタメンだったものの、その後負傷離脱中にアイエンにポジションを奪われてしまったリコ。しかし、セルタ戦でアイエンが負傷を負ったことで再びアピールのチャンスが回ってきた。ライバルほどのフットボールIQの高さや技術はないが、対人守備の能力、馬力、空中戦などアスリート能力の高さでは上をいく。彼が主力となっていた時期に比べラテラルの置く位置が上がっている今のラ・レアルにおいてリコが自身のタスクをどのように整理し、合わせてくるのか。期待したい。


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3、バレンシア vs RCDマジョルカ

 ホーム バレンシアの9節はエルチェをメスタージャに迎えての一戦。ギジャモンが不在の中で、ニコを初めてのピボーテ起用。インテリオールにアルメイダとムサを並べたガットゥーゾ。そんな中でこの試合、輝きを放ったのがカバーニ。今夏加入したウルグアイを代表するストライカーは2Gを記録。ここまで、中々ゴールを決められずに苦しんでいた彼であったが、PKを沈めたことで閊えが取れたか、2点目は彼らしい素晴らしい形での得点を見せた。しかし、試合自体はホームで最下位相手に2点を取られてのドロー。特にトランジションの所で回収できないところがいつもに比べ多いようにも見えた。そして10節、敵地に乗り込んでのセビージャ戦。この試合3バックの相手に対し、ガットゥーゾは541の形を使用。ムサとリーノの両脇に外切りしながら3バックに圧をかける形で、主導権を握った。この試合でもカバーニはゴールを沈め、ポジティブな形で前半を終えた。しかし後半、セビージャが4バックに移し、それに合わせてバレンシア側も4にしてから流れが悪くなるように。同点弾を許し、また最終盤のPKも決めきれず、勝てる試合をまた勝ち点1で終わらせてしまった。内容は良いだけになんとか勝ち点3が欲しいバレンシア。ホームで迎えるこの1戦勝ち以外は許されない。注目選手はユヌス・ムサ

 負傷からの復帰を果たしたこのアメリカ代表MF。現在のバレンシアはムサに加え、アルメイダ、モリバ、ニコとタイプの違うタレントをインテリオールに揃えており、競争も激化している。そんな中でもやはりムサの存在感は特別。他の選手と比べて、よりアタッカー色が強い彼は、ライン間に位置してボールを引きだすタスクを担いながら、時にハーフスペースを抜け出る所謂チャンネルランの動きを入れる。元々スピードはあるだけに、アトレティコジョレンテを彷彿とさせるような脅威をもたらしている。今節の相手 マジョルカも5バックで守備を固めてくることが予想されるだけに、彼がどのような輝きを見せるのか。期待したい。


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 アウェイ マジョルカは9節セビージャに、10節ラ・レアルにいずれも0vs1で惜敗。まず、フルメンバーで臨んだセビージャ戦。この試合ではいつものサッカーで相手を確実に上回り、ゴールにも迫ったが決めきれず。その間にグデリにこの日唯一のセビージャの枠内シュートとなったゴラッソを叩き込まれ、痛恨の勝ち点0となった。そしてミッドウィーク。ライージョ、マフェオ、ガラレタを残し、他のポジションで大幅なターンオーバーを決行。この試合ではある程度割り切り、今節がまた勝負の試合となる。とはいえ、ラレアル戦でもチャンスは作っており、勝ち点を拾っていた可能性も十分。アギーレの作ってきた形は選手各々にしっかりと浸透しており、大崩れはしないだろう。保持を前提とするバレンシア相手。どれだけ良い位置でひっかけカウンターを繰り出せるか。注目選手はイ・ガンイン


 今季のマジョルカにおける絶対的中心にして、攻撃のタクトの全てを握る最重要人物。今節の相手バレンシアカンテラから長い年月を過ごした思い入れの深い相手。古巣に成長した姿を見せられるか。今節は相棒ムリチも出場停止から帰ってくるだけに、セビージャ戦のように納めることまでも求められることはないはず。確かなターゲットの下で、どれだけカウンターを完結へと持っていけるか。本当の意味でもう一つ上の段階に行くことが出来るか。かつての本拠地で問われる試合だ。


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4、レアル・マドリー vs セビージャ

 ホーム マドリーの9節はエル・クラシコ。ベルナベウでの一戦となったこの試合。アンチェロッティは右エストレーモの位置にバルベルデを用いる、昨季CL優勝を取った安定のメンバーをピッチに送り出した。そしてプレッシングにはそこまで出て行かず、451セット。バルベルデは対面のバルデについていくため、時には541の形でしっかりと守備を固めた。試合が動いたのは12分。クロースが自陣でボールを奪うと、バルサの即時奪回プレッシングを強引に外し、高いバルサのDFラインの裏を突いたヴィニシウスへ。そのこぼれ球をエース ベンゼマが仕留め先制。更には35分。これもまたこぼれ球からのカウンター。焦ってペナルティエリアに必要以上に戻ったバルサの裏をかく、メンディのマイナス方向へのクロスをバルベルデが得意のミドルで仕留め2点目。一時は相手の選手交代もあり、流れを奪われかけたが、しっかりと自分たちの形は崩さず、アディショナルタイムロドリゴが自ら得たPKを沈め、3vs1で完勝。強さを見せつけた。続く、10節エルチェ戦でもしっかりと勝利をあげており、チームは10節を終えて、9勝1分。落とした勝ち点はわずか2のみと最高の雰囲気だ。エルチェ戦でターンオーバーをほぼ使わなかっただけに、セビージャ戦をどのようなメンバーで臨むのかは未知数だが、再生途中のセビージャと比較した時にその完成度は一目瞭然。ベルナベウということもあって、余裕を持った試合運びにしたいところだ。注目選手はオーレリアン・チュアメニ

 エルチェ戦で休養を得た数少ないメンバーということで、この試合の出場はおそらく間違いないであろうこのフランス人ピボーテ。初のエル・クラシコでも危なげないパフォーマンスを見せ、カゼミロの穴を感じさせない活躍を大一番でもいつも通り見せつけた。代表の方でも偉大な先輩 エンゴロ・カンテが負傷の影響でW杯出場は厳しいようであり、チュアメニ、そして同僚のカマヴィンガ。彼らに懸かる期待は大きくなる。マドリーでの彼らを見る限り、不安は全くないが、それでも世界一のチームに入るのはそれ相応の難易度だろう。まずは、定位置確保のためしっかりと調子を維持し、デシャンへアピールを続けたいところ。テクニックを備えた中盤のタレントが多い、セビージャ相手にもしっかりと制圧し、自分たちの時間を持ってきたいところだ。


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 アウェイ セビージャの9節はマジョルカとの1戦。結果は1vs0で勝利。引き続きサンパオリ体制ではお馴染みとなっている3バックを使ってきた試合。3の右にはモンティエルが入り、ストライカータイプの選手を1人も置かない形で臨んだ。だが、この形がうまくいったとは言いづらく、試合を通して打ったシュートはわずか4。枠内はゴールの1本のみ。マジョルカは5本もの枠内シュートを打っており、試合を決めたグデリのスーペルゴラッソ、ボノのパラドン祭りという運が味方した個の能力の高さがなければ、敗北は明確だったろう。10節はバレンシアとのホーム戦。この試合でも、3バックを使ったものの、バレンシアが対3枚用のプレッシングの形を作ってきていたことで、劣勢が続いた。しかし後半、4に変えたことで多少改善。攻め込む展開も増え、ついに85分CKから同点弾。終了間際のPKもボノが2試合続けてのパラドンを見せ、同点で決着。これでサンパオリ体制になって以来、1勝3分と無敗を誇っており、順位も上がってきた。とはいえ内容的には未だ十分には到底遠い出来。今節の相手 マドリーには粉砕される可能性も否定しきれない。サンパオリ就任以来、明確な格上との初めての1戦。勝利まではいかなくても可能性を感じさせる試合にはしたい所だ。注目選手はイスコ


 マドリーから退団後始めての古巣との一戦。彼を欲しがったロペテギが解任されたことで、その立ち位置も危ないのではといった意見もあったが、今の所サンパオリからも重宝されている。これまで彼に加え、パプ・ゴメス、オリベル、ラメラといったテクニシャンタイプを少なくとも3人は並べている新監督。彼らがポジションを入れ替えながらボールを引き出し、崩しの起点を作っていくのが、現状、メインの攻撃方法だ。とはいえここまでイスコ自体の結果は0G2A。復調とは程遠い結果に終わっている。古巣との対決でインパクトを残し、彼にとってもサンパオリにとっても本格的な始まりとなる試合にできるか。注目したい。


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5、エスパニョール vs エルチェ

 ホーム エスパニョールの9節はバジャドリー相手にホームで1vs0に勝利。しかし10節はオサスナに敵地で0vs1の敗戦という結果になった。どちらの試合でもメンバーに微調整を加えたディエゴ・マルティネス。これまで上手く行っていなかった中で、帰ってきた負傷者を上手く組み合わせていくことで改善を図った。その成果が出たのがバジャドリー戦。アレイシ・ビダル、オスカル・ヒルとワイドを取れる選手を縦方向に並べたことで、しっかりと幅を取れるようになり、良い形を作ることが出来ていた。しかし10節は負傷明けだったということなのか、オスカル・ヒルはメンバー外。カレロを再び右ラテラルに起用したが、この形はやはり難しさを露呈した。期待のルベン・サンチェスが復帰までまだかかりそうな今、オスカル・ヒル、アレイシ・ビダルカンテラーノのオマルで右サイドを構成していく必要がある。このワイドをどのようにとり、中央のホセル、そしてセカンドストライカーブライスワイト、プアドを活かしていくのか。注目選手はその中からアレイシ・ビダル

 戦力外から実力でカムバックを果たした男、アレイシ・ビダル。セビージャやバルセロナにも所属経験があり、一時期にはリーガを代表するトップラテラルとして名を馳せたアレイシ。しかし、今夏ディエゴ・マルティネスが就任とともにリストアップした戦力外リストの中に彼の名前も。同じくリストに入ったRDTやヴィリェナが新天地を求める中、アレイシは残留。これが良いオファーが届かなかったからのか、自身の意思なのかはわからないが、それでも彼はプロフェッショナルだった。チームの一員として練習に励み、先述のようにチームの右サイド事情が厳しくなったことで出番が。そしてその出番でしっかりと自身の価値を証明し、今では立派な戦力の一員に返り咲いた。この試合でも活躍に期待したい。


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 アウェイ エルチェの9節は敵地でバレンシアと対戦。2vs2のドロー決着。2試合連続で勝ち点1を拾うこととなった。アルミロン体制初陣となったこの試合。布陣は4231でスタート。コジャドをトップ下に入れ、1トップにはペレ・ミジャを置く形で臨んだ。序盤からボール保持に拘るバレンシアに対して、低い位置で451あるいは4411を作ってセット。その上でカウンターもしくはセットプレー狙い。その戦い方が上手くはまり、ペレ・ミジャの頑張りからDFラインを混乱させ、その好きに中盤で取り切り、そこからのカウンターというプレーが多く出るように。実際その形から得点も奪っており、アルミロンのプランはこの試合においてはハマっていたと断言して良いだろう。2試合連続で主審の微妙な判定により、勝ち点3を取り逃がし、未だに未勝利となっているのは不運な所だが、アルミロン新体制で改善傾向に向かう期待感は抱かせる試合だったと言えるだろう。10節のホーム マドリー戦では0vs3と完敗は喫したが、新体制2試合目でのマドリーとの対戦は気にしなくてよいところ。しっかりと切り替え、残留争いにおいて直接のライバルとなる、エスパニョール相手に勝ち点3が欲しいところだ。注目選手はペレ・ミジャ


 前アルミロン体制時にも重宝された頑張り屋のストライカー。技術に特別優れているわけではないが、見た目に似合わずハードワークを惜しまず戦えるところが大きな魅力だ。その様はこの2試合でも見えており、前線からのプレッシングでカウンターに繋げるシーンが垣間見られた。実際、バレンシア戦ではドブレーテを記録しており、アルミロン体制において中心人物となることは間違いないだろう。今夏にはゴタゴタの末に25年まで契約延長。残留に向け、チームのために全力で働いてくれるはず。この試合でもゴールという結果に期待したいところだ。


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6、レアル・ベティス vs アトレティコ・マドリー

 ホーム ベティスは9節はビジャマリンでアルメリアに3vs1で快勝。しかし10節のカディス戦では多少のターンオーバーを用いたこともあって、スコアレスで終わった。これで直近公式戦4戦で3回目のドロー。それもローマを除くと、バジャドリーカディスという残留争いをするクラブ相手のドローであり、一時期の良い流れは完全に失われている。その原因としてやはり大きいのはライン間での時間の作れなさ。フェキルの不在により、ボールが中々中に差し込めず、かといってファンミ不在の影響で、対角のフィード気味のボールでハイラインの相手の裏を取ったファンミに付けるといったシーンもおころないため、結果としてサイドの選手の足元で停滞という形が目立つ。更にこの試合では10節にカナレスが退場処分となったことで欠場。カナレス、フェキル、ファンミという2列目のレギュラー3人全員を欠いての1戦となる。非常に厳しい状況だが、悪い流れを何とかせき止めるためにも、実りのある試合にしたいところだ。注目選手はホアキン・サンチェス

 こうなった以上、頼りにするしかないのはホアキン。年齢のこともあって、フル出場は厳しく、動きの総量やキレといった部分ではやはり全盛期と比べると大きく衰えてしまっている彼だが、それでも一瞬の仕事師ぶりは健在。昨季引退を表明しながらも撤回したため、今年も何とも言えないところだが、一応は現役ラストシーズン。チームをCLに導きたい思いは強いはず。そのためにも序盤1つの山場となっている現状。相手はアトレティコと強敵ではあるが、ビジャマリンの地でベティコを喜ばせるゴールでもう一度チームに勢いをつけたい。41歳のレジェンドの活躍に期待だ。


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 敵地に乗り込むアトレティコの9節は強敵アトレティックの本拠地 サン・マメスに乗り込んでの1戦。ミッドウィークのクラブ・ブルージュ戦に勝ちきれず、悪い流れの中で迎えたこの1戦。シメオネは442を選択。中盤に明確なサイドプレーヤーを置かず、守備時にはSHに大外を管理させるまさに原点回帰といった形で試合に臨んだ。その結果、この形は保持を試みるアトレティックに見事ハマり、ショートカウンターが炸裂。2トップのモラタ、グリーズマンラインで得点を奪い、最後まで守り切っての勝利を果たした。そして10節。ホームでのラージョ戦。引き続き442の形を継続。コケ、オブラクという2人のリーダーを欠きながら、それを感じさせないプレーを見せラージョを圧倒していたが、後半途中、1点のリードを守り切ろうと守備により重点を置き541の布陣に変更して以来、流れは悪化。クロスを放り込まれるシーンも増え、ついにはアディショナルタイム。PKから失点を喫してしまった。ここ数年ずっと続いているシメオネの悪癖。これを改善しない限り、2強を上回ることは厳しい。そして迎える強敵ベティス相手のアウェイ戦。厳しい状況だが、欲するのは勝ち点3のみだ。注目選手はアントワーヌ・グリーズマン


 バルサからの復帰が正式に決定。26年までの契約で晴れて再びアトレティコの一員となった。時間的制約がなくなったことにより、スタメンに固定されると、2トップの一角として圧倒的な存在感を発揮。プレッシング、組み立て、崩し、カウンター、フィニッシュいずれの面でもキレのある動きでチームを牽引している。まさに最高なグリーズマンが帰ってきた状態の良さ。W杯に向けての調整もあるのだろうが、さすがの一言に尽きる。相方のモラタとも良いコンビネーションを築いており、2試合連続、このコンビで得点。ベティス戦でもチームを直接的に勝たせるプレーを期待したい。


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7、ジローナFC vs オサスナ

 ホーム ジローナの9節は本拠地でカディスと対戦。結果は1vs1のドロー。前節と同じスタメンで臨んだ今節。前節から起用され、前回記事にも注目選手として挙げたハビ・エルナンデスの持ち上がりから前進していき、左の連携からの打開を狙ったものの、カディスの引いた守備の前に中々チャンスを作れず。しかし、途中からストゥアニを投入したことにより、外からのクロスというところに比重を置き、ゴール前へ迫るように。そして迎えたラストワンプレー。PKを沈め、何とか勝ち点1をもぎ取った。そして、10節は敵地でのアルメリアとの一戦。今季2度目の4バックの形でスタートしたが、結果的にはこれが大失敗。守備組織が破綻してしまい、前半の内に3失点。後半2点を返したものの反撃もここまで。残留争いのライバルに勝ち点0で終わってしまった。そんなジローナの今節の相手はオサスナ。注目選手はクリスティアン・ストゥアニ

 病気による離脱から復帰し、途中出場で脅威となっている彼。このウルグアイ代表はセグンダでも得点を量産しており、プリメーラでも十分に通用するレベルの高いストライカー。年齢による衰えは気になるところだが、局面的な起用では未だにトップレベルの破壊力を備えていると言えるだろう。先述のようにカディス戦では限られた時間の中で間違いなく相手の脅威となっており、今後のジローナにとって頼もしい存在が帰ってきたのは間違いない。この試合ではダビド・ガルシア、ウナイ・ガルシアを中心とした強固なDFラインを相手にせねばならず、難しい戦いが予想される。そんな中で、このベテランFWがその実力の高さを見せつけることが出来るのか。起用方法も込みで期待したい。


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 一方のアウェイ オサスナは9節は敵地でビジャレアル、10節はホームでエスパニョールと対戦。マンデーナイトとなったビジャレアル戦。トロ、モンカ、ブラサナクを3人とも起用する451の形でブロックを作り、守備から入ったが、カウンターが打てず、殴られ続ける展開に。また、守備面でもモンカ、ブラサナクの2人が相手のドブレピボーテを捕まえるタスクを負っているのは良かったが、アルビオル、パウに対してキケ1人で見る形となっていたため、そこから持ち上がられ、トロの両脇へバエナやジャクソンが侵入し、ボールを引き出すと言った場面が目立った。一方でエスパニョール戦ではルベン・ガルシアとオロスをインテリオールっぽく並べるかなり攻撃的なシフト。保持も65%とかなりボールは握り、シュートも多く放ったが、結果は何とか1vs0での辛勝。カウンターからピンチを迎えるシーンも多く、両CBの質の高いプレーがなければより難しい試合になっていたはずだ。タレントは揃っているだけに、これをどう組み合わせるか、そしてどのようなプランで試合に臨むかが問われるところ。アラサテの采配に注目だ。注目選手はアブデ

 バルサからローン中の彼は、このチームにおいても素晴らしい存在感を魅せており、チームのオプションとして既に欠かせない選手になっている。カウンターに出るにしても、退かれた時に崩すにしてもドリブルで相手のDFを強引に剥がせるクラッシャータイプがいないオサスナにおいて、彼は唯一無二の存在。バルサ時代課題とされていた、最後の面の質もアシストという結果は残しており、成長も見られる。ミッドウィークに80分間プレーしていたため、この試合では時間的には限られるだろうが、それでも1点をどうしてもこじ開けたいとなったとき、彼に出番は来る。試合を決める活躍に期待だ。


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8、ビジャレアル vs UDアルメリア

 ホーム ビジャレアルの9節はマンデーナイト。オサスナを迎えての一戦。本拠地 セラミカが工事中ということで引き続き、レバンテのホーム シウタ・デ・バレンシアでの1戦となった。ロチェルソ、キャプーの2人がコンディション不良により、メンバー外となる中、ピボーテにはモルラネスが抜擢。フォイス、フェメニアが負傷中の右SBはマンディ、2トップにはジャクソンとダンジュマが並んだ。序盤から退いてセットしてきたオサスナに対し、攻めあぐねる展開。とはいえ、カウンターなどによる危険なシーンはなく、比較的余裕を持って戦えてはいた。そんな中、ショートカウンターからのダンジュマ、そしてアーリークロスからファウルを誘うという崩し切ったわけではないが、着実に2得点を挙げ勝利。昨季ダブルを喰らった相手に省エネで勝ち切った。しかし、ミッドウィークの10節バルサ戦は前半の内に3点を取られ、そのまま敗北。442でラインをしっかり作り、カウンターを狙う8節ソシエダ戦と同様のプランを取ったが、カウンターからの決定的な場面は中々見られなかった。上位確保に向け復調は必須。そのきっかけとなるような勝利が欲しいところだ。注目選手はルノー・ダンジュマ

 昨夏加入し、1年目から存在感を発揮したオランダ代表FW。今夏には更なるステップアップの話も上がっていたが、結局は残留。昨季の負傷の影響もあって開幕には出遅れたが、オサスナ戦で2Gをあげ、完全復調をアピール。ジェラール不在の今、得点源として彼に懸かる期待は大きい。ミッドウィークのバルサ戦にも出場したが、45分で交代。クンデの前に完全に封殺されてしまった。ただ幸か不幸かこの試合には比較的フレッシュなコンディションで入れるはず。アルメリア相手にゴールを期待したい。


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 一方 アウェイのアルメリアは9節ベティス相手に敵地で1vs3敗戦。10節はホームにジローナを迎え、3vs2で勝利する結果となった。サディク退団後のゲームプラン修正が上手く行かず、苦しんでいたアルメリアだったが、ここにきて新たな自分たちの形を確立させた感が強い。形としては4231。4バックは右からメンデス、エリー、バビッチ、アキエメ。ドブレピボーテにデラホス(エグアラス)、メレーロ(サム)。トップ下にロベルトーネをおき、右はレオ・バチストン。左はエンバルバ(ラマザニ)、前にトゥレ。この変化によってまず圧倒的に改善されたのがビルドアップ。2枚つける位置が出来たことで、しっかりとボールの持てるバビッチ、エリーの足元も活きるようになった。そして一番前にトゥレという1つの柱がしっかりできたのも大きい。フィジカル的に優れた彼は、しっかりと体を張ってボールを収めることが出来るため、2列目の飛び出しやその他の上がりのための時間を稼ぐことが出来るのだ。この形で再び走り出したルビ率いるチーム。この試合も難しい相手ではあるが勝ち点1を拾いたいところだ。注目選手はゴンサロ・メレーロ

 今夏レバンテから移籍してきたプリメーラでの経験も十分な大型MF。加入時期が遅かったのもあって、開幕から中々使われない時期も長かったが、先述した通りのフォーメーション変更によって自らの位置を掴むと、ルビの下で最重要人物の1人となっている。ビルドアップではボールをしっかりと引き出し、キープすることが出来る彼だが、その一番の武器は飛び出し。2列目、あるいは3列目の位置からストライカーを追い越し、決定的な仕事ができるのだ。実際ラージョ戦、ベティス戦でアシストも決めており、彼の武器は既にこのチームでも結果を出しつつある。ビジャレアルが改修工事の影響でレバンテの本拠地シウタ・デ・バレンシアを使っているため、メレーロにとってはかつてのホームスタジアムでの1戦。強敵相手の活躍に期待だ。


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9、バルセロナ vs アトレティック・クルブ

 ホーム バルセロナは9節エル・クラシコ、10節ビジャレアルというビッグマッチの連続。インテル戦に勝ち切れず、最悪な雰囲気で迎えた敵地でのエル・クラシコ。開幕から続けてきた即時奪回、そしてそこからのWGの独力突破が全く通用せず。選手間の遠さのみが目立ってしまった。結果は1vs3。アンスが完全復活の兆しを感じさせるプレーを見せた以外は殆ど収穫がないまま完敗となってしまった。そんな悪い流れを解消するため修正を加えたビジャレアル戦。ブスケツラフィーニャデンベレといった選手たちに代わってフレンキーがピボーテ起用。両エストレーモにもクラシコで自分たちの時間を持ってきたフェラン、アンスのコンビを起用した。このトリデンテの変化は間違いなくチームにポジティブな変化をもたらすことに。それぞれ、特にアンスとレヴァンドフスキはポジションを入れ替えるシーンも多く、また3人とも裏へのアクションをしっかりできる選手たちなので、その分よい形でのポゼッションを形作ることが出来ていた。結果も3vs0と相手があまりよくなかったのもあるとはいえ、会心の勝利となった。新たな形でもう一度仕切り直しというバルサ。しかし、今節の相手は強敵アトレティック。更に両チームの間には2日のブレイクの差があり、カンプ・ノウとはいえ間違いなく難しい試合になるはず。もう一度流れを作っていくためにも勝ち点3は必須だ。注目選手はフレンキー・デヨング

 インテル戦で評価をあげたこともあり、クラシコではスタメン出場を果たしたオランダ代表MF。クラシコでは得意のドリブルで剥がしよい形でのビルドアップを見せることもあったが、そこまでインパクトは残せず。しかし、ビジャレアル戦でも出場機会を得ており、今度はピボーテとしてブスケツに代わってスタメン。静的なブスケツと異なり、動的なフレンキーは左方向やCB間に降りることも多く、そこからの持ち上がり、あるいはペドリやガビとうまい具合にポジションを入れ替えながらボール運び。その一方守備面では中央をしっかりと締め、即時奪回の回収役に。高評価を与えられる良いパフォーマンスであった。この試合ではアトレティックはビジャレアル以上にプレスもかけてくるものと思われ、ピボーテ フレンキーの実力が試されるところ。自身の価値をしっかりとアピールできるか。注目だ。


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 一方 アウェイ アトレティックは9節ホームにアトレティコを迎えての1戦。両チームの好不調、サン・マメスでの相性の良さなどから勝利が期待された一戦だったが結果は0vs1で敗戦。いつも通りのメンバーでピボーテにベスガを起用したバルベルデ。しかし、頼みのニコ・ウィリアムスがレイニウドによって完全に封殺。その一方で左はやはりユーリ不在の影響もあって、破壊力不足が目立ち、最後まで崩し切ることはできなかった。そして翌10節のアウェイ ヘタフェ戦では、2回の先行を取りながらも、勝ち切れず2vs2のドロー。ワイドにWBを張らせ、高い位置を取らせヘタフェの戦い方に対して、中々取りどころを見つけきれなかった。これでセビージャ戦も含め、3試合未勝利。そのすべてが勝つチャンスは十分にあった試合であり、この未勝利が続くようでは、勢いも陰りが見えてくるところ。カンプ・ノウでのバルサ戦という極めて難しい1戦ではあるが、勝利を求めたいところだ。注目は監督からエルネスト・バルベルデ

 古巣との対戦となるこの試合。退任以来初めてのカンプ・ノウ凱旋となる。在籍当時はバルサらしくないと批判されることも多かったバルベルデだが、その後のバルサの状況を見てもその名将ぶりは今やだれもが認めるところだろう。バルサとの別れも非常にきれいなものだっただけに、美しい再開に期待したいところ。彼がトップに抜擢したペドリ、アンスとの対戦も必見だ。内容としては、大外に構えるWGをどのように封じるか。デ・マルコス、レクエの両ラテラルは守備に特別優れたプレーヤーではなく、デンべレやラフィーニャ、アンスを1人で止めきるのは現実的ではない。WGを下げるのか。CBの間にピボーテを降ろし、CBにラテラルのカバーをさせるのか。ここは注目ポイントだ。


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10、セルタ・ビーゴ vs ヘタフェ

 ホーム セルタの9節はラ・レアルとの一戦。いつも通りの布陣でこの試合に向かったコウデ。人を捕まえるプレッシングで彼らにいつも通りの運び出しをさせず、ボール保持を売りにする2チームの対戦ながら、お互いのプレスによってどちらもボールが落ち着けられないという稀な事態が起きていたが、最終的にはセットプレーで得点を許し、2vs1で敗北。続く10節、敵地でのバジャドリー戦では相手を完全に上回り22本のシュートを浴びせたものの、得点は入らず。不運とありまさかの1vs4での敗戦となってしまった。これで現在3連敗。内容はいずれも悪くないだけに、より雰囲気としては嫌なもの。ホームで迎えるこの試合、自分たちよりも順位が下のヘタフェに敗れるようなことがあれば、一気に沼にハマる可能性も否定しきれない。なんとしてでも勝ち点3が欲しい一線だ。注目選手はフラン・ベルトラン

 

 現在のセルタの心臓とも言えるベルトラン。この試合、基本的にはセルタがボールを支配し、ヘタフェが受ける形になることは予想できる。しかし、いざボールを奪われた時に怖いのがヘタフェのピン留め役の両ワイド。両WBがワイドで高い位置を取り、SBを引きつけるorボールの納めどころとして使う役割を担わされている。この形の前にアトレティックは得意のプレッシングが空転させられてしまっていた。セルタもまたプレスからの即時奪回を試みるチームだけに、この危険度は高め。失い方、そしてより早い段階での回収というのがキーになってくる。この両方において中心にいるのが、ベルトラン。彼がいかに神経を使いながら、試合をコントロールできるか。ここが勝敗を分けるポイントになるだろう。


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 一方、ヘタフェの9節はラージョのホームに乗り込んでの1戦。結果はスコアレスドロー。前節同様、アレニャをいつもの右IHではなく、左IHに置いたキケ・フローレス。その上でしっかりと532のブロックを敷き、守備からサイドを広く使ったクロス主体の攻撃を挑む、恒例のパターンでスタート。0.4に終わったxGが示すように、決定機は殆ど作ることが出来なかったが、それでも相手にしっかりと対応し、敵地で勝ち点1を奪った。10節はホームでアトレティックと対戦。この試合でもヘタフェは同様の布陣で挑むと、難敵相手に勝ち点1を獲得。2度先手を取られる難しい試合になりながらも、見事追い付き2vs2で終えた。スコアレス勝負でも点の取り合いでも図太く、勝ち点1を強敵相手に拾い続けているのは高く評価できるポイント。この積み重ねが後の残留争いを楽にしてくれるはずだ。今節の相手であるセルタとは、現体制においてバライードスで勝利しており、その試合もかなり相手を上回ってからの勝利。今節も敵地ながらその期待値は高い。注目選手はネマニャ・マクシモビッチ

 ヘタフェの中盤における働き者 マクシモビッチ。セルビア代表の彼は18年夏の加入以来、アランバリとともにドブレピボーテの一角として絶対的な地位を築き、チームの躍進に貢献した。ボルダラスからキケ・フローレスへと監督が交代した今でも、しっかりと信頼を勝ち得ており、今季も負傷欠場以外の全8試合に出場。ミジャやセオアネの獲得で競争が増した中盤の中でもしっかりと自らの立ち位置を築いている。この試合ではインテリオールを共に組んでいたアレニャが累積で出場停止。代わりにはセオアネが入ると思われる。ヘタフェの武器であるサイド攻撃を高精度のサイドチェンジで支えていたアレニャの不在は痛く、今節はマクシモビッチも保持時に求めたいタスクは増える。強力な中盤を抱えるセルタ相手にいぶし銀が何をできるか。期待したい。


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ラ・リーガ9節プレビュー

1、はじめに

 皆さん。こんにちは。よろしくお願いします。

 今週はCLの結果で落ち込むリーガクラスタの方も多かったのではないでしょうか。かく 言う私もそのうちの1人ですが😅

 ただリーグの方は盛り上がりながら、続いていきます。次週はミッドウィークにも試合があり、選手にとっても私たちにとっても過密日程です。無理なく楽しんでいきたいと思います。本ブログは流石にミッドウィークの更新は難しいので、また金曜日に11節のプレビューを出すことを目標にしたいと思います。いつもに比べ、観れない試合が増えてしまい、内容が薄くなってしまうかもしれませんが、ご了承ください。

 今節はシーズン最大のPartidazo エル・クラシコはもちろん、アトレティックvsアトレティコビジャレアルvsオサスナ、セルタvsラ・レアルなど注目試合が目白押し。ぜひ興味のある試合だけでも拝見いただけたら幸いです。また間違え等ありましたら、御優しく教えてください🙇‍♀️

2、ラ・リーガ8節レビュー

 8節の注目マッチ、レアル・ソシエダvsビジャレアルの上位対決はラ・レアルが1vs0で勝利。作ってきた4312の形が成熟しているラ・レアルに対し、この試合のビジャレアルはカウンター狙いの低重心でスタート。この試合に関してはイマノル・アルグアシルとウナイ・エメリの間の差が、直接的に結果に響くこととなってしまった。ジェラール不在の中、少々マンネリ感が出てきているイエロー・サブマリン。稀代の知将がどのような新たな策を植え付けるのか。注目していきたい。またサンパオリ体制初戦のセビージャはいきなり絶好調アトレティックとの対戦。新体制効果により、明らかに選手、スタジアム全体のバイブスが上がったセビージャ。ただ、時間が経つにつれ現状のチーム力の差が出てくるように。それでも何人もの選手が足を吊りながらなんとか1vs1のドロー。復調は遠いかもしれないが、可能性は感じる試合となった。その他バルサ、マドリー、アトレティコの3強はそれぞれセルタ、ヘタフェ、ジローナに1点差勝利。今節のPick Up Playerはエスパニョールからホセル・マト

 今夏アラベスからエスパニョールへと移籍したホセル。ラウール・デ・トマスがピッチ外で問題を抱え、退団となった中、新エースとしてディエゴ・マルティネス新体制の中心となっている。現在、1勝3分4敗の17位と非常に苦しんでいるエスパニョール。その中でホセルは早くも6Gを挙げ、その実力の高さを証明している。今節のカディス戦でも2Gを記録。序盤からカディスの圧力の前に、中々ボールを運べず苦しんでいた中、彼を起点としたロングボールあるいはクロスを増やすことで、ペースを持ってきた。結果的に最終盤に追いつかれドローとなってしまったものの、そんな中でも素晴らしい存在感を残した。これから更に浸透させていかなければならないディエゴ・マルティネスフットボールにおいて彼は間違いなく中心になる存在。降格チームながらキャリアハイの14得点を記録した昨季を超えることが出来るか。期待したい。 

 その他の結果は以下の通り。また、恒例のベストイレブン+その控え組も。

 

3、ラ・リーガ9節レビュー

1、ラージョ vs ヘタフェ

 ホーム ラージョの前節はアルメリア相手に1vs3の敗戦。今後の過密日程を踏まえてのローテーション的な意味合いなのか、アルバロ・ガルシアを控えに置き、代わりにサルビ・サンチェスを起用する形でスタートしたラージョ。しかし、開始早々、ディエゴ・ロペスの信じられないミスで失点。更にはセットプレーから2発を決められ、前半で0vs3と試合が決まってしまう点差に。実際、内容的にも淡泊なミスが多く、また武器である左サイドの打開もサルビ・サンチェスが対面のメンデスに完封されてしまったことで相手に脅威を与えられず。結果として良いところがないまま敗戦となってしまった。昨季から一貫してだが、圧倒的にアウェイでの戦績の悪いラージョ。バジェカスの特殊性やハイプレスのエネルギーとして観客の声援が力を持っているなど様々な要因は考えられるが、今後プリメーラで戦っていくうえでこのポイントはできる限り早く改善しなければならない部分。そして、それと同時に残留争いに巻き込まれないためにも得意のホームで勝ち点を積むということも大切。今節の相手のヘタフェは昨季バジェカスで3vs0で完勝した相手であり、今節もまたこのような気持ちの良い勝利が欲しいところだ。注目選手はフラン・ガルシア

 ラ・ファブリカ出身のLSB。昨季プリメーラの舞台でインパクトを残し、その名を広く轟かせた。未だ23歳ながらプレーぶりは大人びており、ラテラルとしての基本能力が非常に平均的に高いプレーヤー。低い位置でもビルドアップにしっかりと貢献出来、崩しのフェーズにおいてはWGのポジショニングに合わせてインナーラップ、オーバーラップのどちらにも対応し、違いを生み出すことが出来る。この試合の相手であるヘタフェはおそらく532で来ることが出来、純粋なサイドプレーヤーは布陣的にWBの1人のみ。そんな中でアルバロ×フランのガルシアコンビが猛威を振るう可能性は十分にある。3のインテリオールや5バックの右CBなどがカバーに来るであろう中でフラン・ガルシアがどのようなポジションを取り、サイド攻略を推し進めていくのか。注目したい。


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 一方でアウェイ ヘタフェの前節はマドリーを本拠地アルフォンソ・ペレスに迎えての一戦。この試合に向けて少々メンバーを弄ってきたキケ・フローレス。負傷欠場となったアランバリの代わりに出場停止明けのルイス・ミジャが入り、DFラインでもガストン・アルバレスに代わってミトロビッチ、イグレシアスに代わって、アンヒレリがそれぞれスタメンに。vsマドリーに向けて、自分たちの戦い方を保ちつつより強力な相手左サイドの対応により重点を置く布陣。普段のインテリオールは攻撃的MFであるアレニャが右、バランス型CHが左に入るというのが、基本形だったが、今日はここの並びを逆に。まずは守備から入ることを前提としたプランを用意しながら、わずか4分でミリトンにセットプレーから合わせられ、早々に失点。自分たちでボールを握らなければならない展開となってしまった。こうなると難しくなるのは見えており、いつもポイントになれるウナル、そして両WBがマドリーの高い質に消され、思うような攻撃にもっていけず、終盤まである程度ボールは持てるものの、チャンスは全く作れず、マドリーのペースに完全に乗せられてしまった。これで前節に続き連敗。代表ウィーク前の連勝によって掴んだかと思われた流れがまた離れようとしている。流れを手放さないためにも、敵地ながら勝利が欲しい一戦だ。注目選手はルイス・ミジャ

 今夏、降格したグラナダから加入したMF。オフ期間に右太腿を痛め、開幕に出遅れると、復帰戦となったオサスナ戦では途中出場ながら2枚のイエロー受け、退場。大きな期待を寄せられながらも未だしっかりとプレーできたのは前節のみと完全に出遅れてしまうこととなった。アランバリのキープ力及びゲームメイクに任せきりの部分が大きい、ヘタフェにとって非常に技術レベルが高く、視野も広いミジャの加入は大きなものをチームにもたらすはず。出遅れた分を取り返すような活躍にこれから期待していきたいところだ。今節のラージョはハイプレスを武器とするチームであり、ビルドアップ面で苦労する展開が予想される。そんな中でミジャがどこまで前進に貢献できるか。注目したい。


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2、ジローナ vs カディス

 ホーム ジローナの前節はメトロポリターノに乗り込んでのアトレティコとの1戦。ラ・レアル戦からハビエル・エルナンデスとヤンヘル・エレーラをスタメンに起用してきたミチェル。アトレティコのスタンスがマンツー気味に人に当たりに来たラ・レアルと比べ、ある程度セットして構える形であったため、ボール保持には困らず。しかし、その構える相手に対して、効果的な崩しが出来ず、逆にショートカウンターを浴びせられる形が多発。実際先取点はこの形で取られてしまった。更に後半開始早々にはファン・カルロスの軽率すぎるプレーで追加点。2点のビハインドを負うことになってしまった。しかし、65分ごろから流れは徐々にジローナ寄りに。後半開始より投入されていたヴァレリーが相手に対して脅威を与え始め、ドリブル突破で深さが取れるように。これで2枚を引きつけ、マイナス方向への折り返し。ここの空いたスペースにアレイクス・ガルシアやロロが入りチャンスメイクを試みる展開に。実際この形から得点も生まれ、アレイクスは得意のミドルで2本のゴラッソ未遂など、追い付いても可笑しくないほどの攻勢は見せた。とはいえ結果は敗戦。これで3連敗に。相手がベティス、ラ・レアル、アトレティコという強敵相手に奮闘したとはいえ、結果だけを見ると非常に苦しい状況ともいえる。この3連敗を好転させるか、このまま悪い流れに陥ってしまうか。このカディス戦がその命運を大きく分ける一戦となるだろう。注目選手はハビエル・エルナンデス

 アトレティコ戦にて3バックの左CBとして、出場したラ・ファブリカ産DF。これまでLCBの位置には右利きの純CBタイプのファンぺが入っていた中、この試合で抜擢となった。実際左利きという特徴を生かし、開いた形からの展開でより左からの攻撃を循環させており、彼を起用した効果は十分に出ていたと言えるのではないだろうか。その一方で守備では1失点目の際にコレアのマークを外してしまうなど課題も残り、そのメリットデメリットをどのように考え、ここのポジションをどちらに任せるのか。その選択によってその試合でのジローナの考え方が多少なりとも見えてくるはずだ。


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 アウェイ カディスの前節は本拠地にエスパニョールを迎えての一戦。序盤からボールをしっかりと握り、ゲームを組み立てるカディス。アルカラスを司令塔に置き、彼のフィードからサイドに大きく展開。右はアレホの縦突破、左はボンゴンダとエスピノの上手い関係から、何度も良い形を作った。結果的にはなんとか追いついてのドローという形ではあったが、前半30分、そして後半残り10分に関しては完全に相手を上回っており、ホームということを考えても残りの勝ち点2を取り逃がしたという言い方もできるだろう。とはいえ、1番良くなかった時期に比べれば、アルカラスの復帰、ボンゴンダの加入などで、確実にチームは上昇傾向にあり、あとはどのように勝ち点を積み上げていくか。そのためにも残留争いにおいて直接のライバルとなる可能性も高い、このジローナ戦。アウェイとはいえ、最低でも勝ち点1を拾いたいところだ。注目選手はルーカス・ペレス


 デポル、アラベスで一時代を築いたスペインを代表するストライカーの1人。今夏には古巣デポルへの復帰報道も出たが、2部に彼らが上がれなかったことで頓挫。プリメーラの舞台で今年も活躍が見れることとなった。現在のカディスにおいてはCFの位置が1枚、STの位置が1枚という構造になっており、CFをネグレドとルーカスがSTをソブリーノとロサーノが争う形になっている。前節まで偉大なベテランを越えることができず、途中出場が続いている彼だが、エスパニョール戦でのプレーは流石の出来。CFの位置から降りてきて、ゲームメイクに携わると、クロスに合わせ同点弾。更には試合終了直前。良い位置でもらったセットプレーがクロスバーに当たるなど、インパクトのあるプレを見せた。今後もどういった形になるかはわからないが、間違いなくカディス残留の上でキーとなる存在。活躍に期待したい。


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3、バレンシア vs エルチェ

 ホーム バレンシアの8節は敵地に乗り込んでのオサスナ戦。これまでアウェイでの勝ちがなかった中で、要塞エル・サダールで好調の相手を上回り勝つことが出来たことは、大きくまた良い流れを掴めるはずだ。この試合では開幕より右WGを務めてきたカスティジェホが負傷により欠場。代役としてジャスティン・クライファートが入った。その他にも試合途中からのムサの復帰、アウメイダピボーテ起用など、今後の過密日程を戦い抜くためにより大きいスカッドでの運営をしていくための幅を作っており、その試みは現状良い方に向かっていると言えるだろう。相手が10人となって以降の、終盤のクローズには問題が残ったもののやはり攻撃のパターンは多く、個人の質も高いバレンシアオサスナ戦でも両WGのクライファートとサムエル・リーノが上手く内外を使い分けることでよりフィニッシュに携わる働きを見せており、これに主砲 カバーニの調子さえノっていけば、その威力は強烈。エルチェ戦ではカバーニのゴールがそろそろ見たいところだ。注目選手はジャスティン・クライファート

 オサスナ戦にて初スタメン。更には初ゴールを飾ったオランダ代表WG。偉大なる父親を持つが故に若いころから注目されてきたが、ローマ、ライプツィヒ、ニースいずれのクラブでもそこまで大きなインパクトは残せず、23歳にして伸び悩みかと思われていた。そんな中で加入したバレンシア。加入早々にしてガットゥーゾから叱咤激励を受けていた彼。そんな中、右WGのカスティジェホが負傷して出番が来た今節。彼は内と外を使い分ける動き出しで、左WGのリーノとともに相手DFを攪乱。ボールを持った際に違いを作るカスティジェホと異なり、スピード感ある裏への抜け出しでフィニッシュに絡める彼の武器は間違いなく今後のチームにとって重要な役割を果たしていくはず。W杯選出に向けても、得点源の1人として活躍に期待したい。


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 一方でアウェイのエルチェの8節はマジョルカをホームに迎えての一戦。フランシスコの退任を受け、初めての試合となった今節。布陣としては基本的に継続路線。532の形でスタートした。中盤にマスカレル、グティ、グンバウの3枚を並べたうえで、グティのみを前に出し、2トップ+1で牽制に行かせる形。この形は、エルチェ同様532気味の形を敷いてきた、マジョルカ相手に機能し、いつも以上に高い位置で狩り切るシーンも目立った。監督交代後ということもあって、観客、選手たちのテンションも高く、初勝利を果たすかと思われたところだったが、途中出場のボジェがまさかの一発退場。その10分後には先制点を守りきれず、同点弾を許し、最終的には1vs1のドロー決着。今季2つ目の勝ち点獲得という観点で見れば、十分よかったと言えるところだが、監督交代後初めての1戦ということでブーストが起こっていたことを加味すれば、残留争いの直接のライバルにホームで勝ち切れなかったのは極めて痛恨だ。今節の相手は同じバレンシア州に属するチームとのバレンシアダービー。新監督は20-21シーズンにこのチームを率いたアルミロン。現地ファンからは噂に上がっていたパコ・ロペスやボルダラスといった監督たちとの落差、そして前回1年持たず辞任に追い込まれた監督の再任ということで、かなりネガティブな意見が多く叫ばれている。とはいえ彼は昨季魅力的なフットボールをしていたエルチェサッカーの基盤を作った人物であることは確か。この残留争い真っ只中に合う監督なのかはともかく、このチームに何か変化は与えてくれるはず。そのためにも今節。好調相手ということもあって難しい試合になることは予想されるが、何とか勝ち点を拾いたいところだ。注目選手はゴンサロ・ベルドゥ

 エルチェを象徴する偉大なるカピタン。開幕から守備が崩壊していたエルチェ。そこにはこのベテランの出遅れも大きい影響をもたらしていたように思える。今年で33と元々のタイプ的な問題にさらに拍車をかけるようにスピード面での欠点は目立つ彼だが、やはり3バックの中央に入りDFリーダーとして他の選手たちを引き締め、操っていく姿は流石の一言。苦しいチームにおいて、こういった闘将の存在は間違えなく重要。昇格を経験したメンバーが年々少なくなる中、古株として残留に向け魂のこもったプレーに期待したい。


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4、マジョルカ vs セビージャ

 ホーム マジョルカの前節はエルチェの本拠地 マルティネス・バレーロに乗り込んでの一戦。いつも通り532の布陣でスタートしたマジョルカ。攻撃時にはイガンインが左のシャドーの位置に入り、右のシャドーにはアントニオ・サンチェス。前回の記事でもふれたように、これまで左をアイソレーション気味にして使わせてきた、ジャウメ・コスタがいないということもあり、この可変の形には微修正を加えてきた。しかし、この形は中々上手く行かず。エルチェがかなりモチベーションを持って試合に臨んできたこともあって、試合を通して相手のペースで試合を展開されてしまった。しかし、結果は敵地で勝ち点1と悪くないもの。8節で勝ち点8と悪くない数字を積みあげられているといって良いのではないだろうか。それ以上にこの試合ネックとなるのがムリチの欠場。利き足頭だの、脳筋だの酷い言われ方をしている彼だが、このチームにおいて彼の存在はやはり重要。特に昨季と異なり後ろから繋ぐことを志している今季のマジョルカにとって、ムリチはビルドアップで詰まった際の逃げの一手としてムリチというターゲットがいる意味は大きかった。そんな彼が不在の中、迎えるセビージャ戦。監督交代を経験し、気合を入れ直している強敵相手にどんな戦いぶりができるか。注目選手はアントニオ・サンチェス

 開幕時はダニ・ロドリゲスに次ぐ控えとしての立ち位置だった彼だが、試合を重ねるたびに徐々に序列を上げるように。今では、カピタン陣の1人であるチームの中心選手を上回り、スタメンの座を勝ち取っている。後ろからの飛び出しという武器を持ちながら基礎技術が高く、また体を張って戦うこともできる万能肌の選手であり、フットボールIQの高さを感じさせる。マジョルカのホームタウン、バレアレス諸島を出身とするサンチェスは2度のローンを経験しながらも、その期間以外はマジョルカ一筋。これは現チームにおいてアブドンとサンチェスの2人のみ。このチームに対する気持ちは非常に大きいものがあるはずだ。ムリチが不在のこの試合、イガンインを孤立させないためにも彼の飛び出しが一つの鍵を握る。期待したい。


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 一方、アウェイ セビージャの前節はサンチェス・ピスファンにアトレティックを迎えての1戦。サンパオリ体制初戦となった今節。とはいえ就任以来3日も経っていない事から、細かい戦術を落とし込んでいる時間はなく、形としてはサンパオリらしさが色濃く出るような一戦にはならず。ただ、それでも監督交代によって目に見える大きく変わった面はありそれは明らかに雰囲気。ロペテギ最終盤においては、選手たちもセビジスタたちも明らかに試合前から盛り上がりに欠けており、アンダルシアらしい熱さという武器が全く見えないものになってしまっていた。しかし、アトレティック戦においてはスタジアムが一体になり、戦っていく意思が明確に見られ、選手たちも終盤には脚をつる選手が続出するレベルで走っていた。夏の市場の失敗によりスカッドがかなり偏っていることもあって、ここからチームを作っていくハードルは決して低くないが、まずはW杯の中断期間まで何とか乗り越えたいところだ。注目選手はマルコン

 ジエゴ・カルロス、クンデを失ったCBにおいて代役となることが期待されガラタサライから今夏加入したマルコン。しかし加入後は負傷が相次ぎ、大きく出遅れることに。最終ラインのリーダーとして、期待していただろうロペテギとしては大きくプランは崩されることとなり、結果的に彼の解任に大きな影響を与えることとなってしまった。その取り返しの分も、崩壊しているDF陣を立て直す圧巻の活躍に期待したいところ。復帰初戦となったアトレティック戦では悪くないパフォーマンスを披露しており、今後更にフィジカル的にもチーム的にもよりフィットすれば、十分計算は出来そう。ムリチやイガンインといった強烈な武器を持つ相手とのマッチアップが予想されるこの試合。彼に注目したい。


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5、アトレティック vs アトレティコ

 ホーム アトレティックの前節はセビージャの本拠地 サンチェス・ピスファンに乗り込んでの1戦。サンパオリ初戦ということもあってかなり気合が入っていたセビージャ相手にアトレティックは苦戦。なかなか自分たちのフットボールができない時間が続いた。それでも徐々に落ち着きを取り戻し、右のニコの突破力を活かした形で押し込む時間が増え、攻勢をかけていた73分クロスの跳ね返りをベスガが叩き込み同点弾。終了間際、決定的なピンチもエレーラが退場覚悟のタックルで防ぎ、結果は1vs1のドロー。後半にかけての内容を見るに勝利が欲しい一戦ではあったが、敵地で監督交代以降初戦という難しい状況の中、勝ち点1という結果は決して悪いものではないはずだ。ニコ、イニャキ、ベレンゲルの3トップの好調さは以前健在で、途中出場の伏兵ベスガが試合を決めるあたりも、チームとしての調子の良さが表れていると言える。本拠地サン・マメスにアトレティコを迎えるこの1戦。強敵相手ということで簡単にはいかないだろうが、十分勝機はあるだろう。注目選手はダニ・ガルシア


 ここまで自分達よりも格下との対戦が多く、格上との対戦はこの試合が初めてと言えるアトレティック。その上で若干の不安を抱えるのが、中盤の強度の面。インテリオールに入るサンセ、ムニアインは両者ともにアタッカーの選手であり、いざ退かされる展開になったときにどこまでブロックの一角として計算できるのかは不安なところ。それ故にキーとなるのがダニ・ガルシア。彼が中盤の底でどこまで、アトレティコの攻撃を食い止めることが出来るか。即時奪回に失敗した場合、どれだけ素早い攻撃を食い止め、セットするまでの時間を作れるか。この点が非常に重要になるだろう。ベスガやベンセドールなど強力なライバルを上回り、中盤の底を任されているファイターにこの試合も期待したい。


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 一方 アウェイのアトレティコの8節はジローナを本拠地に迎えての1戦。クルブ・ブルージュ相手の敗戦があり、必ず勝利が望まれた1戦。なんとか2vs1で勝利を果たした。この試合ではまたも人選を変え、コレア、クーニャを起用。更にはバルセロナとの完全移籍を巡っての交渉がほぼ確定したグリーズマンがこの試合でもスタメン出場を果たした。ジローナの3421に対して、アトレティコは攻撃時は4231、守備時は532あるいは541の可変。攻撃面ではグリーズマンが中でトップ下のような位置取り、左のカラスコのサポート役として、普段は低い位置を取っているレイニウドが勢いを持って上がってくる形。ヴィツェルとコケという非常に安定したドブレピボーテの下で、この形は一定の成果を見せており、保持非保持両局面で常にゴールを狙う体制が作られていた。とはいえ交代によってこの状況は一気に悪化。モラタ、フェリックスの2人はボールが収まらず、守備の貢献も低め。左WBに入ったサウールは課題である対人の弱さが露骨に出ており、コンドグビアは中央を締めきれず。それに加え、スタメン組の足が止まったことも合わせて、一気にジローナペースに。オブラクのパラドン連発により、何とか勝ち点3は挙げられたものの、同点あるいは逆転に持ち込まれても何ら不思議ではない内容であった。一方、ミッドウィークのクラブ・ブルージュ戦では、勝利が絶対条件の中、ホームで勝ちきれず。グループリーグ突破に黄信号が灯っている。とはいえ、この試合の内容は悪くなく、グリーズマンとコレアの2トップは近い距離で互いの才能を生かし合い、そこにレマル、コケがヘルプ。左からサウールが3枚目として危険なゾーンに侵入。トランジションでは追い込んで、コンドグビアが回収と完璧に近いゲーム内容を見せた。悪い内容で勝利した前節と、良い内容ながら勝ちきれなかったCL。そんな中で迎えるサン・マメスでのアトレティック戦。かねてから苦手にしているスタジアムであることに加え、両チームの状態の差を考えると非常に難しい試合になることは想像に難くない。そんな中でもこれ以上の取りこぼしは許されず、勝ち点3はマスト。どのようにチョロが考えるのか。注目選手はナウエル・モリー

 今夏、ウディネーゼから加入した期待のラテラル。しかしPSMからこれまでとは違うチームの戦い方の前に苦戦する状況に。その象徴としてビジャレアル戦ではクリアミスで失点。堅く両者が拮抗した試合を彼のミスで壊してしまった。ただ懐疑的な声が日に日に大きくなっていく中で、それでも努力を惜しまいモリーナ。インターナショナルブレイクの後にはチョロと2人で居残り練習に励んでいるようで、自分の至らなさを認識し、その上で大きくなろうとしている姿はサポーターとして応援したくなるものだ。実際ジローナ戦では攻守ともに悪くないパフォーマンスを見せており、ジョレンテが一定期間負傷離脱となることもあって否が応でも彼への期待は高くなる。ファンフラン、トリッピアーと受け継いできたアトレティコの右サイド。この系譜を継ぐものとして活躍に期待したい。


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6、セルタ vs レアル・ソシエダ

 ホーム セルタの前節はカンプ・ノウに乗り込んでの1戦。前節同様ベイガをトップ下として起用してきたセルタ。序盤は相手をリスペクトする形でゲームに入り、442セット。プレッシングもスタートの位置をハーフェーラインを超えた位置からにセットしするなど、この試合に向けてしっかりとバルサ用に作ったシフトでこの試合に挑んだ。しかし、この形はそこまで上手く行かず。選手間に侵入し、飛び出してくるインテリオールを捕まえきれないシーンが目立ち、またトランジションにおいてもガビの攻→守の切り替えの早さにボールが殆ど持てない時間が続いた。この形で17分、ゴールを許したことで明らかにプランを変更。いつも通りの高い位置からのプレッシングを前提とする形で主導権を握りに行った。この変更が功を奏し、特に後半からは明らかに流れを自分たちのものに。幾度のチャンスを作りながらも結局決めることはできなかったが、カンプ・ノウでこれだけやれたのは自信にして良いだろう。難敵との5連戦。最後の相手はレアル・ソシエダ。保持を志向する両チームがどのような戦いを繰り広げるのか。必見だ。注目選手はハビ・ガラン

 今夏バルサへの移籍報道も出たスペイン期待の左ラテラル。ドリブルでの剥がしに圧倒的な強みを持っており、一昨季はメッシ、昨季はヴィニシウスに次いでドリブル成功数2位の数字を2シーズン連続で出している。今節の対戦相手であるラ・レアルはマンマーク的な形での守備を行っており、この試合でもセルタ相手に前から出てくることが予想される。そんな中でどのようにボールを運んでいくのかは一つのカギ。その点において重要なタスクを担うのが、このLSBになるだろう。左の位置でマッチアップ相手を一枚剥がし、ラ・レアルのプレッシングを空転させることが出来るか。注目したい。


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 一方でアウェイ後に乗り込むラ・レアルの前節は本拠地にビジャレアルを迎えての一戦。ヨーロッパカップ戦圏を争う直接のライバルとの対戦となったこの試合、前半はビジャレアルが構えてスタートしたことにより、主導権を握る展開に。442で構えるイエロー・サブマリンに対し、2トップの脇にメリーノやブライスなどが降り、そこからボールを散らす形でペースを作っていくと、セットプレーの流れから得点。両インテリオールのオシャレなプレーで見事先制。その一方で、後半はビジャレアルが前から出てきたこともあり、拮抗した展開に。両者がボール保持を試みる中で、ラインを上げての戦いが繰り広げられた。その中で輝きを放ったのが、久保でありセルロート。アスリート能力に優れ、馬力を持って広いスペースを有効活用できる彼らによるロングカウンターは、相手ゴールを脅かすには十分なものであった。双方決定的なチャンスもあったものの、最終的にはエルストンドを筆頭としたDF陣がよく体を張り、何とか0に抑えた。これでチームはリーグ戦3連勝、公式戦6連勝となり、現在、非常に良い調子でリーグ、ELの2コンペティションを戦いきる事が出来ている。その好調さを持続させるためにも、この試合も勝利が欲しいところだ。注目選手はブライス・メンデス

 今夏、カンテラから育ったセルタを離れ、ラ・レアルに移籍を果たしたブライス。スペイン代表経験もあるこの実力者は加入早々から、イマノル監督の信認を勝ち得、完全なる主力としての地位を築いている。メリーノと組むインテリオールは現在の4312システムを欠かすうえで代えの利かない非常に重要な役割を担っており、ここまで全8試合中の7試合にスタメンとして出場。唯一、懸念点を挙げるとするならば疲労の部分。ただでさえ、大きな負担がかかるタスクを担っているのに加え、週2試合ペースでの出場が続いており、負傷等の不安は大きい。とはいえ、古巣 セルタ相手となる今節は並々ならぬ気合が入っているはず。活躍に期待したい。


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7、レアル・マドリー vs バルセロナ

  ホーム マドリーの8節はヘタフェとの一戦。この試合ではケガ明けのベンゼマが休養。クルトワも欠場と攻守の核を欠いた状況で臨むこととなった。その中で、退いてきたヘタフェに対し、マドリーはわずか4分でミリトンがセットプレーから得点。これで一気に展開としては楽になった。それ以降はボールをしっかりと保持しつつ、相手の差込に対してはしっかり潰し切る戦い方で完封。最低限の力で勝ち点3を獲得した。その一方でミッドウィークのこの試合に向けてはベンゼマクルトワも復帰する見込みであり、少なくともメンバー的には最高の形でベルナベウでのエル・クラシコに向かうことが出来そうだ。前回のベルナベウクラシコベンゼマ不在によるモドリッチ0トップの奇策によって、0vs4の完敗。リーガとCLの2冠を取ることが出来ただけに、尾を引いていない形にはなっているが、それでもこの屈辱は返しておきたいところ。ライバルに格の違いを見せつける一戦にしたいところだ。注目選手はカリム・ベンゼマ

 マドリーの誇る絶対的エース。先述の通り、負傷離脱直後ということでヘタフェ戦はお休み。シャフタール戦でフル出場を果たした。しかし、この試合ではノーゴール。プレー内容としても、彼にしては精彩を欠くものが目立った。第7節のオサスナ戦でも調子は良くなくPKもミス。らしくないプレーが続いている。とはいえ、彼の長いキャリアではこのような状況も多くあり、その度に積み重ねた経験から、こういった大一番に向けてどのように状態を作っていくかはよくわかっているはず。恐らくだが、この試合ではバロンドール最右翼たる所以を証明するようなプレーを見せてくれるはずだ。現在バルサのDF陣はアラウホ、クリステンセンが離脱中。クンデの復帰も相当厳しく、ピケ、エリックのコンビで来ることが予想される。エリックは今季は素晴らしいパフォーマンスを見せてはいるが、やはりいずれも本調子のベンゼマであれば、余裕を持って上回ることのできる選手たち。この試合でこれまでの鬱憤を晴らすような爆発ができるか。期待したい。


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アウェイ バルサの前節はカンプ・ノウでセルタに勝利。序盤はかなりペースを握り、特に左サイドのフェラン、アルバ、ガビのローリングを使いながらチャンスを作ったバルサ。その形から先取点をもぎ取り、この試合も余裕を持って勝利することができるかと思われたが、相性の悪いセルタ相手には甘い考え。後半に入ると流れは一変。退いていたセルタが積極的に前から捕りにきたことでペースを奪われ、決定的なピンチを何度も招くこととなった。何とかテアの好セーブもあり0に抑えることができたが、後半の戦い方、そして主力陣が不在で即席のバックスとなったことによる不安は垣間見られた。そして迎えたインテル戦。この試合で勝利できなければ、2年連続のGL敗退が決定的となるクラシコ以上に重要とも言える一戦。現状できるベストメンバーを揃えて臨んだが、結果はアディショナルタイムに何とか追い付いての3vs3。これでインテルプルゼニに敗れない限り、決勝トーナメント進出は不可能となり、極めて難しい条件になってしまった。更に失点の内容もピケ、ブスケツとこれまでチームを支えてきたベテランたちのミスからであり、彼らの試合後のコメントにも大きな失望が。クラシコを前に、彼らをどのように扱っていくのか。非常にデリケートな問題に対し、どうしても向き合わなければいけない現状だ。この試合の結果次第ではCL2季連続GL敗退も合わせチャビへの風当たりも尋常ではないものになるはず。流れを少しでも変えるために、何としてでもたとえ勝ち点1であってももぎ取らなければならない。注目選手はエリック・ガルシア
 昨夏シティから戻ってきたカンテラーノCB。昨季は不安定なパフォーマンスに終始。マーキングのミスやラインコントロールのミス、スピードで置いていかれるかなかど、守備者として大きく物足りないプレーぶりであった。しかし、今季は開幕から好調を維持。高さや速さといった持って生まれた部分では、物足りなさも感じるが、それでも彼らしいフットボールIQの良さを生かした読みと、ビルドアップでの大きい貢献で定位置を掴んでいる。更に若いチームの中で。21歳にして既にリーダーとしての立ち振る舞いも。インテル戦でも彼自身の自らの失点もあったものの、それでもブスケツ、ピケが不甲斐ないコメントを残した一方で、ブラウ・グラナのユニフォームを背負う意味をしっかり起こしたコメントを残した。再び崩れかかっているチームを立て直すためにも、彼の存在は不可欠。新たなリーダーとして、この試合プレー面でもメンタル面でも彼の出来が大きな鍵を握る。

 

 

8、エスパニョール vs バジャドリー

 ホーム エスパニョールの前節はカディス相手に敵地でドロー。プライスワイトをサスペンションで欠いたこの試合、ディエゴ・マルティネスは両翼としてニコ・メラメドとアレイシ・ビダルの2人を起用。これまでのようにプアドとブライスワイトというストライカー寄りの選手ではなく、よりサイドプレーヤー気質の高い選手を使い、立ち位置も外を取らせた。ニコが前半のうちに負傷で交代してしまったが、この形は一定の成果を出しており、より中央に単独で居座るホセルに競らせる場面が増え、良くも悪くも分かりやすい戦い方になっていた。試合の行方としては、3試合続けてのGKのミスで先取点を許したものの、ホセルの2得点で逆転。しかし終盤、より圧を強めてきたカディスの前に耐え切れず失点。これで2試合連続、終盤に追い付かれる形でのドロー。4試合勝ちなしと良くない流れに陥ってしまっている。とりわけ心配なのが、その4試合全てで2失点以上してしまっていること。新体制ということもあり時間がかかるであろうことはわかってはいたが、それにしても満足のいく出来とは程遠い。この悪い流れを是が非でも止めなければいけないこの試合。相手はバジャドリー。今後の残留争いの上で直接のライバルになってくる存在であり、本拠地コルネジャで迎えるこの1戦は勝利以外許されない。注目選手はオスカル・ヒル

 負傷離脱から前節、復帰し途中出場を果たしたオスカル・ヒル。五輪の際には分かりやすい穴となってしまうなど、特に昨季序盤は課題も多かった彼だが、プリメーラ初挑戦を経て大きく成長。対人の強さも加わり、今季は開幕から好パフォーマンスを見せていた。ディエゴ・マルティネスのフットボールにおいてサイドプレーヤーの重要度は極めて高く、彼には右サイドにおいて大きな貢献に期待したいところだ。


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 一方 アウェイのバジャドリーは前節 ベティスをホームに迎えての1戦。序盤から相手の調子が悪かったこともあって、比較的ボールを握れるシーンが多かったバジャドリー。更には30分過ぎにペッセラがDOGSOによって退場となり数的優位に。更にボールを保持できるようになり押し込む展開が続いたが、そこから何かを生み出すことはできず。枠内シュートはわずか3本、Xgも0.66と約60分間を数的優位な状態で戦ったにしては非常に物足りないと言わざるを得ない展開に終わってしまった。強敵ベティス相手に勝ち点を拾うことが出来たという点では合格点を与えることもできるのかもしれないが、やはり内容を見る限り、非常に物足りなさがあったのも事実。この1戦はそんなもやもや感を吹き飛ばす試合にしてほしいところだ。注目選手はホアキン・フェルナンデス

 CBの位置に入るバジャドリーのDFリーダー。とはいえ、そのプレー内容は油断癖やマーキングの雑さなど課題が多いと言わざるを得ない。それでもパチェタからは信任を得ており、フェダル、エル・ヤミクを差し置き、スターティングメンバーに名を連ねている。ホセルとのマッチアップが予想される今節は特にクロス対応という面で彼に求められる仕事は多く、どこまで集中力を維持できるかが守備の安定を図る上でカギとなる。複数得点が容易にできる状況ではないだけに、しっかりと守備からゲームを作っていきたいところだ。


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9、ベティス vs アルメリア

 ホーム ベティスの前節はホセ・ソリージャに乗り込んでのバジャドリー戦。敵地とはいえ隠した相手に勝点3が必須であったベティスだったが、前節に続き序盤から選手たちにキレがなく、相手にボールを支配される展開が続いた。すると、迎えた35分。前節のプレビューで注目選手にも挙げたペッセラがまさかの退場。2試合連続でDFリーダーがDOGSOで前半のうちに退場するというアクシデントに見舞われることとなった。前節は後半、フェキルが入ったことで試合の流れが大きく変わり、攻勢に転じたものの、この試合では頼みのフランス代表は負傷欠場。最後まで自分達の時間が作れないまま、試合終了となってしまった。不幸中の幸いなことにバジャドリーもまたクオリティが低く、結果としてはスコアレスドローとなったものの、課題が多く残る内容となってしまった。特に気になるのが代表ウィーク明けの2試合で目立っている入りの悪さ。明らかに選手個々のプレーレベルが通常時と比べて低く、その間に致命傷を浴びせられるというのが続いてしまっている。ELとの二足の草鞋による疲労なのか、それとも格下相手に油断があったのか。理由はわからないが、ここを修正しないことには、今節以降も苦しむことになる。何とか解決策を見つけたいところだ。注目選手はウィリアン・カルバーリョ

 フェキルのいない今、中盤のエリアで唯一時間を作ることのできるのは彼のみ。しかし、このポルトガル代表ピボーテは試合によってモチベーション、そしてそれに伴う好不調の波が極めて激しい。ベストコンディションでさえあれば、1人で中盤を制圧できてしまうほどの能力を持ったプレーヤーでありながら、3試合に1回くらいのペースで攻守に極めて運動量が少ないモードに入ってしまうのだ。ただ、先述のように、フェキラ不在の現状がある以上、彼にはベストコンディションで暴れてもらう必要がある。今節の相手はアルメリア。格下相手ではありながら、前節はラージョを下しており力は十分。カルバーリョ次第では敗北も十分あり得る。もう一度流れを引き戻すためにこのキーマンの大暴れ、そして勝利が必要だ。


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 一方、アウェイ アルメリアの8節はラージョを本拠地に迎えての1戦。この試合では再度4バックに戻し、中盤の構成をロベルトーネ、デラホス、メレーロの3人に。この変更によって、CBからつけることのできる選手たちがこれまでの2枚から更に増え、余裕を持っての運び出しができるように。相手のミスにつけ込む形で先制点を挙げると、セットプレーから2点を奪い快勝。ようやく4連敗を止め、サディク退団後初となる勝利を挙げた。この良い流れを何とか継続させたいこの試合。相手は強敵 ベティス。とはいえ先述の通り、代表ウィーク前と比べると付け入るスキは十分にある。戦い方のポイントはどこにプレスのスタートを置くか。勇気を持って高い位置から相手を牽制しに行くことが出来れば、チャンスは見えてくるはずだ。注目選手はゴンサロ・メレーロ

 今夏 レバンテから加入したピボーテプリメーラの舞台で十分な実績を残してきた彼だが、移籍の時期が遅かったこともあって、これまでは限られた出場機会にとどまっていた。そんな中で迎えたこの試合、期待のサム・コスタがプリメーラの強度になかなかなじめず苦労していることもあって先発出場。攻守両面で強度が高く、ボールをしっかりと持ってくれる彼の存在はチームにとって多くのものをもたらしており、起用に応える活躍を見せた。この試合の相手であるベティスもまたカルバーリョを中心に中盤で時間を作れる選手たちがおり、そういった中でメレーロがどこまで中盤で戦えるのかはこの試合を大きく左右するはずだ。


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10、ビジャレアル vs オサスナ

 ホーム ビジャレアルの前節はラ・レアルの本拠地アノエタに乗り込んだものの1vs0で敗戦。今季2杯目を喫することになった。引き続きジェラールを欠くこととなったこの1戦。エメリは442のブロックセットという策を採用。しっかりと中央を堅めつつ、敵ラテラルの上がりに対しては最終ラインに吸収されたとしても、SHを下ろすことで対処。時には6枚気味のDFラインすら作りながら、まずは守備から入った。しかし、このプランは33分に崩壊。セットプレーの流れからメリーノ→ブライスのゴラッソが飛び出し、先取点を与えると前に出ざるを得ない展開に。後半頭からホセ・ルイス・モラーレスを投入し、攻勢をかけゴールに迫るも、終盤になるとオープンになった展開の前にファウルも増えていき、攻めきれず。これでリーガでは4戦未勝利となってしまった。今季はアトレティコにこそ勝利したものの、直接のライバルであるセビージャ、ラ・レアル、ベティス全てに勝てておらず、格下相手に取りこぼしが多かった昨季以上にその深刻度は上昇しているように思える。ホームで迎えるこの試合、何としてでも勝点3が欲しいところだが、相手は昨季ダブルを喰らっている苦手 オサスナ。特にチミー・アビラには2試合ともで決勝点を決められており、苦手という印象は強い。3連敗中の苦手意識を払拭することができるか。注目選手はジェレミーピノ

 一昨季17歳という若さで、鮮烈なデビューを飾ったピノ。それ以降順調に成長を重ね、現在ではガビ、ペドリらと並び10代でのW杯出場にむけ、当落線上の位置にいる。しかし、昨季からピノに与えられているタスクが、彼の良さを最大限引き出すものになっているのかというと大きく疑問。それは、彼の定位置右SHに与えられている守備負担の大きさという面である。ビジャレアルの442において右SHを務める選手は時に最終ラインに吸収され、中に絞った右SBの代わりに右大外の守備を担当する。先述の通り、ラ・レアル戦でも、アイエン・ムニョスに着いていき、フェメニアの真横にいるシーンは多く見られた。しかし、これでは攻撃の際に出ていくタイミングは遅くなり、また負担も多くなる分、攻撃時に仕事をする余力が残っていないということも起こりやすい。チームとしても左のポジショナルな形での崩しが読まれ始めている今、右の打開に期待したいところは大きいのだが、この状態では難しさが残る。この点をエメリはどう考えているのか。新しい形での守備陣系を作り、攻撃でのピノのタレントをより活かせる形を作って欲しいと思うのは私だけであろうか。この試合、エメリの修正があるのか。そしてピノがどんなパフォーマンスを見せるのか、注目だ。


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 一方のオサスナの8節はバレンシアをホームに迎えての1戦。カピタンにして絶対的なDFリーダー ダビド・ガルシアを前節の退場による出場停止で欠く中、特にビルドアップの部分で苦戦。2CB、2CHにそれぞれマークを付け、DFラインを上げることでコンパクトさを保つバレンシアの前に、満足にボールを運べないことが多く見られた。今季のオサスナはこの基本的な部分でのビルドアップが上手く行っており、そこから展開を入れていく形で好調を維持していたため、これが防がれたことでアラサテのプランはかなり狂わされることとなった。その対抗策としてキケ・ガルシアをターゲットとした長距離のボールを多く使った戦い方に切り替え。この形は比較的上手く行っているようにも思え、昨季までの主であった強度の高い守備で上手くバレンシアの攻撃を封殺していた。しかし、そんな均衡が崩れたのが28分。ロングフィードのこぼれ球の流れからオサスナは高い位置にウナイ・ガルシアまでを出してのハイプレスを決行。一度は奪取に成功したものの、相手にボールがこぼれてしまい、そこからオープンな展開に持ち込まれ失点。この失点により出て行かなければならなくなり、結果としては2vs1となってしまった。マドリー戦を上手く乗り越えただけにホームでのこの敗戦は痛すぎるところ。難敵との対戦ではあるが、今節のビジャレアル戦。最低でも勝ち点1は欲しいところだ。注目選手はダビド・ガルシア

 バレンシア戦での不在により更にその重要度を証明する結果となったオサスナ最高のプレイヤー。昨季はファン・クルスが左CBに入ることも多く、それによって右CBを基本としていたダビガルだが、今季は殆どの時間で左CBに入っている。彼の持ち上がってから左足でライン間をとったSHに差し込む縦パスは保持を大切にしている今季のチームにおいて欠かせないもの。更に従来の通り、DFリーダーとしてのライン統率や対人含めた守備対応の面においては3強以外のクラブの中ではトップレベル。今夏にはアトレティコやセビージャなどへの移籍の噂も上がっており、ラ・ロハ召集を期待する声も多いなど、近年のタホナル産の選手としては最高傑作ということが出来るのではないだろうか。今節の相手であるビジャレアル。ジェラールは不在ながら、ダンジュマ、ジャクソンを中心に豊富なタレントを抱えており、危険な時間も多いことは容易に予想されること。その中でダビガルがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。期待したい。


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ラ・リーガ8節プレビュー

1、初めに

 皆さんこんにちは。アトレティコのCL連敗に落ち込み中のrinです。よろしくお願いします!

 マドリーを除いたリーガ勢がCLで苦しむ中、国内では2強が好調を維持。次節のクラシコでは良い状態の2チームにより対戦が見れそうなところ。その反面、今週はセビージャのロペテギ、エルチェのフランシスコがそれぞれ解任。各チームが序盤戦を終え、次のステージに向け、もう一度チームを再編していく段階に入ってきました。ここからW杯中断まで過密日程が続く中、この勢力関係がどのように変化していくのか、相変わらず必見の試合が続くリーガを楽しく見て行きたいと思います!

2、ラ・リーガ7節レビュー

 代表ウィーク明けの7節。強豪クラブが代表組の疲労の影響で動きが重く、競った試合が多くなった。マドリーはオサスナにドロー。今季初の勝ち点取りこぼしにより首位陥落。代わりに首位に躍り出たのはバルセロナ。クンデ、アラウホを筆頭に通称FIFAウイルスに大いに苦しめられ、終いには右ラテラルにバルデが入る緊急事態となるものの、マジョルカ相手に辛勝を果たした。アトレティコはセビージャと対戦。昨季3位vs4位の試合ながら双方、難しさを感じる試合に。アトレティコはこの試合でこそ勝利したものの、ミッドウィークのCLは惨敗。その他、ベティスがセルタに敗れ、今季2敗目、ラ・レアルはジローナとの撃ちあいを制す。アトレティックは徐々に調子を上げてきており、アルメリアに大勝。そんな中で今節のPick up Playerはオイハン・サンセ

 19-20シーズンのプリメーラデビュー以来徐々に名声を高め、昨季6G4Aの活躍で一気にその名を売ったサンセ。ムニアインやべレンゲルと同じパンプローナ出身の彼は、今季右インテリオールの位置で起用。2トップの一角を務めていた昨季と比べ、若干低い位置から攻撃に携わることとなった。その影響もあってか、今季は開幕からそこまでインパクトを残せておらず、起用法が疑問視されることも多く見られた。しかし、そんな不安を払拭するようなパフォーマンスをアルメリア戦では披露。相棒のインテリオールであるムニアインが自由に動き、ゲームをコーディネートするのに対し、サンセは相手にとって危険なゾーンでライン間を取り、より決定的な仕事をするという差別化がなされており、これがこの試合では見事ハマった。ゴールを挙げたほか、その他の場面でも良いチャンスメイクとフィニッシュワークを見せたサンセ。これからの活躍にも期待したいところだ。

 その他、7節の全結果、現時点での順位表。個人的選出7節ベストイレブン(+その控え組)は以下の通り。

 

3、ラ・リーガ8節プレビュー

1、オサスナ vs バレンシア

 ホーム オサスナの7節はベルナベウでのマドリーとの対戦。代表ウィーク前の第6節にヘタフェに敗戦を喫しており、連敗だけは何としても防ぎたい中で迎えたこの試合。アラサテはマドリー戦に向けた形をブレイク期間にしっかりとチームに落とし込んだ。左のヴィニシウス、メンディのユニットにはそのままナチョ・ビダルとモイ・ゴメスの2枚が対応。それによって空く、CB~RB間にはモンカジョラを落とし、その分のピボーテポジションは前を1枚削り、昨季のメインフォーメーションであった4141の形を作ることで対応。インテリオールに入ったブラサナクが中盤のラインに入ってあげることで、451あるいは541ブロックを作り、マドリーに決定的なチャンスをそれほど作らせなかった。出場停止となったチミーや代表明けのブディミルに代わって先発したアブデ、キケ・ガルシアが活躍するなど、パンプローナの雄の勢いは序盤を終えても続きそうな予感。要塞エル・サダールで勝ち点3を上げ、その予感を確実なものにさせて欲しいところだ。注目選手はウナイ・ガルシア

 オサスナの属するナバーラ州出身、ローンの1年を除いてクラブ一筋のカンテラーノCB。昨季まではアリダネの前に後塵を拝することの多かった彼だが、ライバルの負傷を受けてスタメンに。それ以降安定したパフォーマンスを見せ、そのまま定着となった。彼の一番の武器は地上戦での対人守備。クロスに対する対応などではポジショニングを間違えてしまうことも散見されるが、過去にはジョアン・フェリックスも彼によってかなり苦しめられるなど地上における守備対応はかなりのレベルの高さだ。この試合でもその能力は目立っており、裏を取られた際や左サイドから侵入してきた際の最後の対応において素晴らしいものを見せていた。今節のバレンシア戦では、今季のリーガにおいて目を見張る突破力を見せているサムエル・リーノと対峙する場面も多くなるとみられ期待が集まる。またダビド・ガルシアが出場停止となる中でDFリーダーとしての役割も任されるこの試合、ウナイ・ガルシアに懸かるものは大きい。


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 アウェイ バレンシアの7節はエスパニョール相手に1vs2で敗戦。この試合ではガットゥーゾフットボールの中心であるピボーテのギジャモンが終始精彩を欠く出来。イージーミスが多く、中々エスパニョールの前に思ったような形でボールを持つことが出来ない時間が続いた。しかし、そんな中でもセットプレーからガブリエウがゴールを奪い、先制。これで少しは楽に試合を進められるかと思いきや、わずか3分後にホセルの同点ゴールを許し、ダルデルのゴラッソで逆転をゆるす展開に。これでアウェイ戦3連敗かと思われた試合終了直前、チュメルトがラフに蹴ったボールがゴールに吸い込まれ、まさかの同点弾。奇跡的な形で勝ち点1をもぎ取った。とはいえ、内容及び展開的には負けていても何らおかしくないものであり、修正が必要なのは間違いないところ。一度流れを持っていかれ、自分たちのサッカーが出来なくなると、一気にできることがなくなってしまうのが、現在のバレンシアの大きな課題。ヨーロッパ圏内を今後本気で狙っていくためにはプランBの構築が急務となってくる。注目選手はイライシュ・モリバ

 今夏ライプツィヒからローンという形で加入したラ・マシア出身MF。バルサで一躍脚光を浴びながら、契約問題で印象を悪くして退団。ブンデスにはなじめなかったようで、ライプツィヒで立ち位置を失い、昨冬からローンという形でバレンシアの一員となっている。ただ昨季のボルダラスフットボールでは存在感は見せられず迎えた2シーズン目の今季、ガットゥーゾの下でバルサ時代のような保持を前提としたフットボールを志向するようになったチームの変化によってモリバ自身のパフォーマンスもポジティブな方向に。フィジカルを活かしたキープ力と推進力で中盤を支配している。この試合の相手であるオサスナの中盤にもモンカジョラやトロ等フィジカルレベルに優れた中盤がおり、そういった相手に彼がどこまでできるのかは注目したいところ。一度挫折を経験したホープが、もう一度どこまでやり直すことが出来るか。期待したい。


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2、アルメリア vs ラージョ・バジェカーノ

 ホーム アルメリアの7節はサン・マメスに乗り込んでの1戦。ブレイク前のマジョルカ戦と形自体は大きく変えず541の形でスタートしたアルメリア。しかし、結果は0vs4の惨敗。これで4連敗と苦しい状況は続いている。サディクの退団により、チームが崩壊してしまったアルメリア。その影響の大きさが特に出ているのが、攻撃面以上に守備面。怪物の穴を埋めるため、532の形からアタッカーを1枚増やした541に変更したルビ。しかしその結果、前提となっていた守備面で脆さを見せ始め、2CHの脇を相手の思うがままに使われてしまっている。また、このフォーメーション変更はビルドアップの面でも悪影響を及ぼした。1人どしっと構えるピボーテがおり、そこにインテリオールが降りてきて加わる形を作っていた開幕当初のホームチーム。だが、直近のサムとロベルトーネのドブレピボーテの形は単に相手からするとハメやすいものであり、良い形でボールを持つことすらままならない状況が続いている。このポイントを指揮官はどう捉えるのか。変更はあるのか、ないのか。この試合の注目ポイントだ。注目選手はカイキー・フェルナンデス

 今夏、ブラジルの名門サントスから加入した18歳CB。以前よりブラジルの年代別代表に軒並み選出されており、またバルサが興味を示しているというニュースが報じられたことでも、一部層にとって注目度は高い選手であったが、その名声を世界的なものとして轟かせたのは、今節開幕戦。対峙するシーンの多かったヴィニシウス相手に健闘を見せたことからである。現代的なCBらしく、足元の能力が高く、スピードがあり、地上戦での対人に強みを持つ彼は、内外問わず各チームが注目する逸材だ。しかし、アルメリアでの地位は絶対的なものとは言えず、CBの3、4番手というところ。しかし、アトレティック戦でも対面のベレンゲルに仕事をさせなかったことからも、その能力の高さは見せつけており、今後よりその序列は上がっていくものと考えられる。この試合ではラージョの誇るアタッカー アルバロ・ガルシアとのマッチアップが予想される。その中でカイキーがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。期待したい。


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 一方、アウェイ ラージョの7節はエルチェ相手に2vs1の勝利。532でインテリオールをラテラルに出してくる形のプレッシングで仕掛けてきたエルチェ。それに対し、ラージョはすぐさま、トレホとコメサーニャの2人が、その背後を取ってのプレス回避という形を直ちに完璧に遂行。プレスを空転させ、押し込むことに成功した。先制点こそCKから奪われたものの、その8分後にカメジョのシュートが相手に当たる幸運な形で同点とすると、試合終了直前、途中出場のウナイ・ロペスがゴールを挙げ、苦しみながらも勝ち点3をホームで取り切った。これで連敗は回避。ホームでは連勝中となり、良くも悪くも平均的な成績となっている。強敵であろうと、不調な順位的に下のチームであろうと接戦を演じてしまうのがイラオラ率いるチームの良くない点であり、格下相手のアルメリア戦では気持ちの良い勝利が欲しいところ。しかし、懸念点もある。それはアウェイでの弱さ。特徴的なバジェカスのピッチ上、本拠地での試合の成績が圧倒的に良いのはラージョの伝統的な傾向であるだけに、過剰な心配ではあるかもしれないが、この試合に限った場合、敵地に乗り込むこの試合の勝敗には一抹の不安は残る。その不安を払拭してくれるような試合に期待したい。注目選手はオスカル・トレホ

 昨季前半ラージョの快進撃を支え、アシストランキングにおいても首位を走っていたトレホ。最終的にはデンべレやベンゼマの追い上げに遭い、その順位は落ちてしまったが、それでも見事に10Aを記録。十分な存在感を魅せた。今季は2Aは記録しているものの、セットプレーとボールを受けた選手のゴラッソの2つのみで、このアルゼンチン人の決定的なチャンスメイクというシーンはまだ見ることが出来ていない。それ故かラージョに関する話題も多くはイシについての者が多くなっており、影をひそめる状況になっている。とはいえ、前節のエルチェ戦でも先述のようにプレッシング回避において立ち位置を変えることで、プレスを破ることのできる数少ない選手の1人であり、影ながらも多くの役割を果たしているのは紛れもない事実だ。得点に関わるシーン以外でもこの人の動きに注目して見てもらいたいと思う。


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3、アトレティコ vs ジローナ

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 ホーム アトレティコの7節はセビージャ相手にピスファンで2vs0の勝利。前節デルビでの敗戦を受けてか、今日のアトレティコは久々の4バックでスタート。ヴィツェルピボーテの位置に据える4123の布陣を敷いた。しかし、実際の内容的にはしっかりと準備されたものとは到底言えないような内容であり、攻守両面で整理されていない部分が多く見られた。しかし、それ以上に悲惨な状況であったセビージャが自分たちから流れを手放してくれたことで勝利。連敗の阻止には成功した。そして迎えたクルブ・ブルージュとのCL第3戦。ここまで連勝とこのグループにおいて台風の目となっていたベルギー王者相手に敵地で0vs2で敗戦。セビージャ戦の悪いところを全て改善せずに迎えたこの試合。格下相手にほとんど何もできることが出来ず、前節のレヴァークーゼン戦に続き連敗となった。最悪の状況にあるチームの中でなんとか、良い流れを持ってきてここから巻き返すためにも、しっかりと本拠地で勝ち点3を取り、勢いを作っていきたいところだ。注目選手はジョアン・フェリックス

 ポルトガルの至宝にしてアトレティコのエース フェリックス。好調ながらも途中の負傷による離脱で完全なる覚醒とまでは行かなかった昨季。今季こそは自らの才能を世界に轟かせたいところだ。そんな意気込みとともにスタートした開幕節では3アシストを記録するなど、圧倒的な活躍を見せ、期待感を感じさせた。しかし、試合の度に、問題の多いチームに乗っかるような形で調子を落とし、インパクトを残せない試合が続いている。更には代表ウィークでも殆ど出番を得られず、フラストレーションはたまる一方。セビージャ戦でも途中から出てきて早々に危険なスライディングを行うなど、プレーにも悪い影響が出始めている。このフラストレーションを早く解放するためにも得点が何よりも欲しいところ。コルチョネロスの見守る前でエースとして結果に残るプレーができるか。期待したい。


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 一方でアウェイ ジローナの7節は、ラ・レアルを本拠地モンティリヴィに迎えての1戦。格上相手に真っ向勝負を挑んだミチェル率いるチームは、序盤から相手のビルドアップに対し、マンツーマン気味でのプレッシングで高い位置での即時奪回を狙う。一方で自分たちのビルドアップに対しても、ラ・レアルが同様に人にはめてくる形での守備をしてきたため、双方共に持ち運びに困る展開となった。そんな中、ジローナが見つけた解決案はシャドーのポジションの選手に降りて来させて、そこからドリブルで運ばせる形。このポジションのマーク役はCB、あるいはピボーテのスビメンディであり、シャドーが降りて行ったときにそれを深追いすることはできない。この点を利用し、特に左のロロからボールを前進させるように。この形からロロのスーペルゴラッソが生まれるなど、効果は大きく比較的前進しやすくなったのは間違いない。その後もイマノル相手監督と仕掛け合いをし続けながらも最終的にはタレント力の差もあって敗れてしまったジローナ。しかし、前節のベティス戦に続き、CLを狙うクラスのチームにも十分脅威を与えられる実力があることを、ラ・レアル戦でも証明しており、この3連戦の中で最も強敵であるアトレティコとの対戦においても、相手チームが戦い方を間違えるようなことがあれば、十分喰えるだけの強さはあると言えるだろう。3連敗は避けたいところだけに、相手の隙をつき、メトロポリターノから勝ち点を持って帰りたいところだ。注目選手はロドリゴリケルメ

 今節の相手であるアトレティコから今夏ローンで加入したU21スペイン代表。前節は、自らボールを運び出してからの超絶ミドルで3vs5と盛り上がりまくったこの試合の勢いを生んだ。ジローナは昨季、チームを昇格に導いたバエナやイバン・マルティンがそれぞれ退団、負傷による離脱で不在しており、その中でロロは既に王様的な存在として、攻撃のコーディネートを担っている。突破力、パスセンス、スピード全てに長けたPlayer でありシーズンを通してこのコンディションでやりきることが出来れば、来季でのロヒ・ブランコへの帰還、あるいはW杯後のラ・ロハ選出も十分可能性あり。今節はカンテラ時代からお世話になっているローン元に恩返し弾を沈め、自身の価値を証明したい。


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4、セビージャ vs アトレティック・クルブ

 ホーム セビージャの7節はピスファンにアトレティコを迎えての一戦。出場停止から帰ってきたラメラを右SHの位置に使い、またドルベリを9番に据えてきたロペテギ。しかし、序盤から明らかに集中力が低く、選手たちはイージーなミスを連発。昨季4位に輝いたチームとは到底思えない醜態をさらしてしまった。これにはもちろんピスファンのセビジスタたちからもブーイングの嵐。更にはミッドウィークのドルトムント戦でも大敗を喫し、既にCLからの敗退が決定的になってしまうなど、これ以上ないどん底に陥ったことで遂にロペテギ解任を決断。4シーズンに渡りチームを率い、EL優勝や3季連続でのCL権獲得など、セビージャというチームを1つ上の格へもっていった名将との別れが遂に来ることなった。後任にはホルヘ・サンパオリが就任。チリ代表を長く率い、W杯で大きなインパクトを残した知将はその後、クラブの監督へ移行。16-17シーズンにはセビージャを率いており、6年ぶりのクラブ帰還となった。基本的にフォーメーションに対してこだわりのあるタイプではなく、試合ごとに布陣が代わるという点で非常に面白くなるのは間違いない。またかなりパラメータが1点に突き抜けて居る選手が多い現在のセビージャにおいて、そういった選手たちを組み合わせるのに長けたサンパオリは良いものを見せてくれるはずだ。その一方で不安が残るのは守備面。しっかりとブロックのセットなどを構築できる監督ではなく、現在の守備崩壊状態の中で彼が、最も適した選手なのかという点には疑問が残る。とはいえ、落ちるところまで落ちている現状を考えれば、失うものは何もない。まずは長期ブレイクに入るW杯まで、どのようなフットボールを展開するか注目したい。注目選手はパプ・ゴメス

 現在のセビージャにおいて最大の歪なスカッド事情となっているのが10番タイプの異常な多さ。パプ、イスコ、オリベルを筆頭に、スソ、ラメラ、ヤヌザイなどもこのタイプに分類することもできる選手であり、その反面純粋なウインガータイプが1人もいない状況になっている。しかし、これも前政権時にナスリやバスケス、ガンソなどの選手を上手く共存させたサンパオリであれば解決する可能性もあるかもしれない。マルセイユでもかなり癖のあるパイエを上手に使って期待したいところ。その中でも期待したいのがパプ・ゴメス。セビージャ移籍後のパプはアタランタ時代に賞賛されていたプレッシングでの貢献や縦への推進力は鳴りを潜め、テクニック面に全振りした選手になってしまっている。そんなパプがサンパオリの下でどのようなタスクを与えられ、どのように復活するのか。これはセビジスタでなくても一見の価値あり。まずは初戦となるこの試合。相手は非常に強敵だが、今後に繋がる良い試合に期待したい。


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 一方のアウェイ アトレティックの7節は本拠地でアルメリアとの1戦。今節もいつも通りと言えるメンバーと布陣でスタート。三角形を複数個作ることで、プレス回避から崩しまでを行うバルベルデが就任以来作ってきた形がこの試合では気持ち良いほどに良くハマっており、その中で今節のPick up Playerにもあげたサンセが躍動。所謂バイタルエリアと呼ばれる位置でボールを引き出すと、そこから決定的な仕事を連発。セカンドトップ的な立ち位置で使われていた昨季と同じようなエリアで流石のプレーを見せつけた。また、もう一つ武器となっていたのがイニャキの動き出しの豊富さ。その中でも中央から右方向にダイアゴナルラン。このランニングにより、右サイドでボールを握っていたデマルコスやサンセからボールを引き出し、シュートまで持っていくシーンが垣間見られた。課題の決定力に関してはまだ信頼を置くことができるものではないが、知将の下で、成長している姿は見て取れる。このようにチームとして非常に良い状態にあり、課題の決定力不足さえ出なければ、ピスファンでのセビージャとはいえ十分勝ち点3は計算できる。注目選手はオスカル・デ マルコス

 バルベルデ前体制の際に、SHからラテラルに一列ポジションを下げられたデマルコス。そして5年ぶりの再会となっている今季。ラテラルのデマルコスはチームの超重要人物として超重要な役割を果たしている。ニコ・ウィリアムスという圧倒的な個を持ったエストレーモに合わせ、常に三角形を作ることのできるサポートの位置を取り、キャンセル役に。その上、相手に穴があれば、そこから斜め方向のパスで決定機を演出。チームの攻撃力をラテラルの位置から見事に支えている。今節の相手であるセビージャも、ここ最近の布陣を踏襲してくると仮定した場合、対面のイスコやオリベルは他の場所自由に動いてることも多く、比較的余裕な状況でボールを持てるだろう今節。ここ数年、数が減ってきたラテラルの位置からチャンスを作れる選手として、デマルコスのプレーには注目したい。


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5、ヘタフェ vs レアル・マドリー

 ホーム ヘタフェの7節は本拠地アルフォンソ・ペレスにバジャドリーを迎えての1戦。直近の調子を考えると、勝点3が欲しい試合であったが、3失点を許し2vs3での敗戦。連勝は2でストップすることとなった。この試合ではジェネが負傷から復帰。3バックの右として入り、ドゥアルテが中央に回る形に。連勝中だった2試合はジェネがいなくなってからの試合だっただけに、この変化がどういった影響を与えるのは、注目ポイントだったが、ポジティブな面、ネガティブな面、両面が明確となった。まずポジティブな面で言うと、中央に入ったドゥアルテのフィード。彼のところから両サイドで高い位置を取るWBに対し、質の高いボールが供給されており、このフィードによって相手のプレスを回避できるシーンが多く見られた。一方でネガティブな部分はまず、ジェネのパフォーマンスレベルの低さ。負傷明けということもあったのだろうが、個人レベルでのミスが多く見られた。また、中央に入るドゥアルテも降りていった相手CFについて行き過ぎてしまい、裏を取られる場面が散見。この辺りは慣れが解決してくれる問題な気はするが、修正が必要だ。マドリーとの対戦となる今節、いつも以上に低重心のブロックとなることが予想される。その中でしっかりと耐えきり、カウンターの一手を出せるのか。期待したい。注目選手はボルハ・マジョラル


 今夏マドリーから完全移籍という形で加入してヘタフェでの2期目を迎えているマジョラル。開幕以来7試合全てに先発。ウナルのパートナーとして確固たる地位を築いている。ここまでパフォーマンスが上がらなかったことで懸念の声も上がっていた彼だが、バジャドリー戦でゴールを記録。古巣との対決に良い状態で臨めることだろう。2トップという表記をされ、確かに守備時には完全に横で並行関係を作るが、攻撃時のタスクはトップというよりはシャドーのイメージ。左方向に降り、そこでボールを引きだきつつ展開に関与。その上でサイドからのクロスに対し、ファーに飛び込んでゴールを狙う。これがラ・ファブリカ産のストライカーに与えられた基本タスクだ。チームの勝ち点のため、そして恩返しのため、ゴールという結果を求めたい。


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 アウェイ マドリーの7節はオサスナ相手にホームで勝ち点1にとどまることに。しっかりとマドリー用の形を作ってきたオサスナに対し、マドリーは代表ウィークによる疲労などもあってか、選手一人一人がキレがないことにより崩し切ることができず。最大の武器であるヴィニシウスとベンゼマの関係もヴィニシウスは厳しいマークにより、そしてベンゼマはやはり怪我明けによるコンディションの悪さもあって、機能し切らず。守護神クルトワを描いた守備陣もいつもほどの鉄壁感はなく、マドリーらしくない試合とはなってしまった。この勝ち点2落としによって首位の座はバルサに。とはいえ未だ1分のみとエル・ブランコもまた圧倒的な力を見せており、怪我人の状況やCLなどの面も合わせると9節のエル・クラシコに向けて、よりポジティブなのはアンチェロッティ率いるチームであることは間違いない。今節の相手 ヘタフェは昨季年明けに敗れた相手。敵地ということもあり、格下とはいえしっかりと気を引き締める必要はある。勝ち点3はマストで獲り、クラシコに向け良い形で向かいたいところだ。注目選手はロドリゴ

 前節の復帰までのベンゼマの欠場期間、完璧に9番の位置を務めあげたブラジルの誇る逸材。絶対的エースが帰ってきたこの2試合では右WGとして出場。特にシャフタール戦ではこれまで以上に、ベンゼマが降りてきたことで空いたスペースにダイアゴナルな形で飛び出す動きが多くなっており、より危険度の高い選手になった。この背景には間違いなく9番としての経験が生きていると思われ、また選手としての階段を1つ登ろうとしている最中なように見える。今節のヘタフェ戦は負傷明けのベンゼマが休養。またもやデランテーロとしての起用が予想される。シャフタール戦後、アイシングを行っていたことから一部では彼もまた休養が与えられるのではとも言われていたが、所謂離脱が必要な程度のものでは一切ないとのことであり、ベンゼマの不在が確定している以上、おそらくロドリゴがスタメンとして出場するのは確実だろう。クラシコに向けエースがどれだけ調子を上げられるかわからない中で間違いなくロドリゴの存在はキー。調子を上げて、次節に臨めるようにもまずは今節結果を残したいところだ。


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6、バジャドリー vs ベティス

 ホーム バジャドリーの前節はヘタフェ相手に接戦の上での勝利。3試合ぶり2度目の勝利で降格権を脱出することに成功した。この試合で輝きを見せたのはベテランストライカー セルヒオ・レオン。PKで1得点目を上げると、9番らしい見事な抜け出しと、鋭いシュートでゴラッソの2点目。ヴァイスマンでもグアルディオラでもなく、レオンをスタメンとして使ってきたパチェタの期待に見事応えた。今後、残留争いにおいて直接のライバルとなることが予測できるヘタフェに対し、アウェイで勝ち点3を取れたことは非常に大きく、この勝利を勢いに変換して、ベティス戦に向かっていきたいところ。フェダル、レオンという元ベティスの2人が活躍したこともあり、偶然にもアンダルシアの雄との対戦に向け、チーム全体が良い雰囲気で臨めることだろう。注目選手はキケ・ペレス

  

 バジャドリーの攻撃における絶対的指揮官であり、このチームの攻撃は全てキケ・ペレスから始まると言っても過言ではない存在だ。ヘタフェ戦でも見事なスルーパスでレオンのゴールをアシスト。チームの勝利に大きく貢献した。格上との対戦となるこの試合では、チャンスの数が限られることは容易に想定でき、その中でどれだけ質を上げられるかが重要になってくる。そんな中でこの最高のチャンスメイカ―にどれだけ良い形でボールを預けられるか、そして彼が持った際に他の選手たちがどのような反応を見せるのかが勝敗の分かれ目となることだろう。ホームであることも踏まえると勝ち点1は拾いたい今節。彼からのアシストに期待したい。


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一方でアウェイ ベティスの7節はセルタに0vs1で敗戦。今季好調を維持していたベティスにとってこの敗戦はマドリー戦以来2度目のものであり、ブレイク後、早速つまづいてしまうこととなった。この試合のベティスは序盤から強度高くハイプレスを仕掛けてきた相手に対し、なかなか収まりどころを作れない展開が続くことに。この流れの中、先制点を許し、更にはルイス・フェリペがDOGSOで退場となるなど、最悪の前半を作ってしまった。それでも後半、負傷離脱から復帰したフェキルが出場して以降は10人とは思えないパフォーマンスを披露。フェキルのところでポイントを作ることができ、さらに序盤からのハイプレスの影響で相手の足が止まってきたこともあってベティスが圧倒的に主導権を握る様に。前半は苦労していたカナレスやロドリなどの技巧派チャンスメイカーも輝きを見せるようになった。結果的には得点を奪うことは最後までできず、敗戦となってしまったが、後半に見せた出来はこの敗戦から切り替えるのには十分なもの。しかし、ミッドウィークのローマ戦で再びフェキルがまさかの負傷。離脱期間はまだわからないが、再発であることを考えても無理はさせられず、再びフェキル、ファンミの2人のキーマンを欠いた状態で、今後戦わなければならない期間は長くなりそうだ。とはいえ、その状態でも強敵ローマ相手には勝利を挙げており、実力は2人抜きでも十分。この試合で格下バジャドリーにしっかり勝利し、もう一度勢いをつけなおしたいところだ。注目選手はヘルマン・ペッセラ。


 今夏の加入以来、ベティス守備陣の絶対的柱として活躍してきたルイス・フェリペが出場停止となるこの試合、アルゼンチン代表CBにかかる期待は大きい。昨夏フィオレンティーナから加入した彼だが、昨季は、空中戦の高さという武器は垣間見られたが、そこまでインパクトのあるプレーは残せず。しかし今季のペッセラは開幕から好調を維持。持ち前の空中戦以外にも、ビルドアップやライン統率などで好調ベティスを後ろから支えている。セルタ戦でもルイス・フェリペ退場後のDF陣をしっかりと支えており、今節も安定したパフォーマンスを見せてくれるはず。期待したい。


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7、カディス vs エスパニョール



 ホーム カディスの7節は本拠地にビジャレアルを迎えての一戦。比較的相性の良い相手ということもあってか、序盤から積極的に自分たちのやりたいことを徹底してやる形。攻撃面ではいつも通り、右はアレホが大外に張り、左はSHのボンゴンダが中でボールを触りつつ、大外をエスピノが上がってきて使う形からそのクロスでチャンスを作る展開を繰り返し徹底。ニアに飛び込むソブリーノとファーで待つネグレドで相手DFを攪乱させチャンスは作った。守備面では両SHにしっかりと相手ラテラルを見させ、状況によっては6枚になるような形。その上で守備一辺倒にはならないようにカウンターもしっかりとうち、決定的なピンチでは体を張り続けた。結果格上ビジャレアル相手に勝ち点1を獲得。初勝利を挙げた前節に続き、勝ち点を獲得。かねてからキーマンであるアルカラスが復活すれば5連敗の苦しい状況からは必ず復調するという私の予想通りの形になってきた。(自慢させてください笑) とはいえ、戦力的にはやはり一段劣ることは否めず、今後も厳しい残留争いが待ち続けているのは容易に想定できる。後を楽にするためにも、この勢いを持続させたい。注目選手はビクトル・チュスト

 今季 マドリーからカディス久保建英と同条件の保有権50%をマドリーが持つ形で完全移籍となったチュスト。昨季は後半戦からルイス・エルナンデスとペアを組んで主力としての立ち位置を築いた。カスティージャ出身CBの大きな武器として挙げられるのが、足元の上手さと地上戦の強さ。右利きながら左CBと逆足の位置に入るチュストだが、両方の足で正確な縦パスを出す事が可能。ボール保持に特徴を持った選手の少ないカディスにとって両CBの技術の高さは鍵となっている。こういった長所の一方で課題となっているのがフィジカルを活かすタイプのストライカーとの対峙。実際、今季に入ってからもオサスナのブディミルなどの高さ、強さを誇る選手とのマッチアップでは非常に弱さを見せており、そこが絶対的な課題と言える。この試合でもエスパニョールのホセルとマッチアップとなることはでき、この課題をチュストがどれだけ乗り越え誤魔化しながら対応できるかが勝敗を握るだろう。


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 一方のアウェイ エスパニョールの7節はバレンシアを本拠地に迎えての1戦。序盤からボールは握られながらも、スピードアップはさせず比較的ロングボールの多い自分たち寄りりのペースに持ち込むことに成功。セットプレーから失点を喫すも、すぐに取り返し、逆転まで行き勝ち点3と思われた最中、アルバロのミスでまさかの同点決着となった。アルバロはこれで前節久保にキックをかっさらわれたのに続き、2試合連続で失点に直結するミスを犯してしまうこととなった。直前の所で勝利を取り逃し、これで3戦未勝利となっているペリコ。残留争いに引きずり込まれた場合、直接のライバルになるであろうカディス相手ということもあって敵地ではあっても勝ち点3にこだわりたいところだ。注目選手はアレイシ・ビダル

 今夏RDTやヴィリェナとともにディエゴ・マルティネスから戦力外通告を受けたアレイシ。しかし、良い移籍先が見つからず残留。今季は干されるような形になるのかとも思われていた。しかし、ここにきて右サイドを担当できるオスカル・ヒル、ルベン・サンチェスの2人が同時に離脱。右のラテラルを本職としてできる選手がいなくなってしまうという緊急事態になっている。この機に出場機会を少しずつ増やしだしているのが、アレイシだ。両エストレーモに内側でホセルと近い位置を取らせ、大外はラテラルに任せるディエゴ・マルティネスのフットボールにおいて、純粋なサイドプレーヤーの存在は不可欠。少なくとも本来の主力2枚が帰ってくるまでは、彼の活躍に期待したいところだ。


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8、レアル・ソシエダ vs ビジャレアル

 ホーム ラ・レアルの前節は敵地で昇格組のジローナと対戦。いつも通りの4312の形でスタートしたイマノル率いるチームは、序盤からマンマークのような形でプレッシング。3バックに対し、2トップ+シルバを一列上げ、牽制。ドブレピボーテをメリーノ、ブライスが消し、WBへはラテラルが縦スライドで出ていく形を作った。このプレッシングにより流れを勝ち取ると、セルロートのゴールで先制。しかし、先制後はプレスを回避される展開が続く。それは、シャドーの位置に入ったロロが、左方向に極端に降りるように。これにはCB及びスビメンディもついていききれず、そこからの展開により逆転を許した。お互いの攻撃が守備を上回る展開が続く中、打ち合いとなった試合を決定づけたのはアスリート能力の違い。徐々に足が止まり始めプレッシングに出きれなくなってしまったジローナに対し、ラ・レアルは時に休息としてのボール回しも入れながら、時には2トップの能力に任せてのカウンターなどで省エネしながら、最終盤まで足は止まることがなかった。これが、結果的には2点の差となり5vs3で勝利。これで連勝となり、サディク、ルノルマンという攻守のキーマンがいなくなった中でも、強さを見せている。今節の相手であるビジャレアルは今後、CL出場権あるいはヨーロッパカップ戦出場権といった点で直接のライバルであり、舞台がアノエタであることを踏まえても勝ち点3が欲しいところだ。注目選手はアレクサンダー・セルロート

 昨季も完全にチームにフィットし好パフォーマンスを見せていただけに、現在見せている活躍にも驚きはないが、イサクを失い、サディク、オヤルサバルが長期離脱中の中、久保と良い関係を築き、得点面で大きな貢献。4試合の出場で既に3Gと昨季の4Gに早くも迫る勢いで得点を挙げている。背が高くフィジカル的に優れていながら、スピード、足元の技術を平均以上のものがあり9番として必要な要素を幅広く備えているセルロート。これはチャンスメイカーが多い、今のラ・レアルにとって非常に適したタイプの9番であり、今後も得点量産が期待されるところ。重要な試合となる今節、勝負を決めるゴールに期待したい。


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 アウェイ ビジャレアルの7節はカディス相手に0vs0のスコアレスドロー。これでリーガでは3戦勝利なしと序盤戦の好調とは打って変わって不穏な空気が流れ始めている。この雰囲気を招いたのがエース ジェラール・モレノの離脱。負傷直後は軽度のものとされていたが、不快感が持続しているようで、負傷が続いている事を考えても無理はさせられない。報道によっては追加で1ヶ月という物も出ており、当分は彼には頼れない状況が続きそうだ。しかし、昨季同様この絶対的エースがいない状況では退いた相手を崩すことが出来ないという課題は継続しており、この現状をどう脱却していくか、今後長いシーズンを戦うことを考えても、そろそろ結論を出したいところだ。今節はアノエタに乗り込んでのラ・レアルとの一戦。CL出場権争いにおいて直接のライバルとなる相手ということで勝利が欲しい試合となる。昨季に続き、相手の要塞で勝利を上げることが出来るか。期待したい。注目選手はアレックス・バエナ

 今夏ジローナでの武者修行から帰還し、PSMからの活躍でトップチーム昇格を果たしたバエナ。開幕節での2Gを皮切りにプリメーラの舞台でも存在感を放っている。しかし、彼もまたジェラールの離脱によって影響を受けている1人。実際1つポジションが空いたことにより、彼がスタメンとして出場する確率自体は高まっているものの、中央のライン間でボールを引き出し、そこからのキープ、そしてチャンスメイクを1人で完結させていたジェラールのおかげでバエナが自由にプレーできていた部分も大きく、カディス戦ではそこまでインパクトを残せなかった。もう一歩彼自身が上に行くためにも、この期間にどこまでイエローサブマリンを引っ張る存在となれるか。期待したい。


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9、バルセロナ vs セルタ

 ホーム バルセロナの7節は敵地に乗り込んでのマジョルカとの1戦。クンデ、アラウホ、ベジェリンの負傷、セルジ・ロベルトのコンディション不良で誰が入るのか注目された右ラテラルには、本来左に入るバルデを起用。代表ウィーク明け且つミッドウィークのインテル戦に備えてターンオーバーを実施して、この試合に挑むこととなった。結果自体はレヴァンドフスキのゴラッソで勝利したものの、内容面では今季最悪レベルのパフォーマンスであり、退いたマジョルカに対して最後までチャンスらしいチャンスを作ることが出来ず。不安の残る出来となった。ここまで6勝1分と良い形で来たバルサだが、10月の日程は過酷。セルタ、インテルクラシコビジャレアル、アトレティック、バイエルンバレンシアと一筋縄でいくような相手は1つもない。これをアラウホなしで戦い抜かなければいけないこの期間は、バルサにとって非常に苦しい月になるだろう。この期間をどのように乗り越えられるか。今季の結果を左右しかねない大事な大事な1ヶ月だ。注目選手はアンドレス・クリステンセン

 今夏チェルシーから加入したデンマーク代表CB。ここまではアラウホ、エリックに次ぐ3番手CBとしての立場を与えられている。リーガでの出場は3/7とまだ物足りない出場時間となっている彼だが、出た試合では安定したパフォーマンスを披露。マジョルカ戦でもビルドアップ、空中戦、背後の対応いずれも及第点のプレーを見せた。アラウホがリハビリによって、少なくとも前半戦の間は欠場することが決まっただけに、彼のスタメン起用の機会も増えることは容易に想定でき、活躍に期待したいところ。若返りの中でCL制覇を経験したメンバーが少なくなってきている今、26歳といってもリーダーとしての役割においても期待したい部分は大きい。アスパス、ラーシェンの強力2トップを持つセルタ相手にどのようなプレーが出来るか。注目したい。


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一方でアウェイ セルタの前節はバライードスで好調ベティスに見事勝利。アスパスが体調不良ということでベンチスタートになったこの1戦。ラーシェンとカルラス・ペレスを2トップに並べると、高い位置からのハイプレスを決行。全員が前で潰す意識を強く持つことによってこの形は上手くいき、ガブリ・ベイガのスーペルゴラッソも飛び出したことで先制に成功。その後はベティスが10人になるものの、それでもよりテンションを上げてきた相手に後手を取ることが多く苦しむ展開に。この日は都合によりコウデがベンチに不在であり、そのこともあってなかなか修正が効かず、苦しい展開となったが、、それでもなんとか勝ちきり勝ち点3を獲得した。内容面では課題も多く残った試合だったが、アスパスを頭から使えない中で、格上ベティスに勝利できたのは大きい。これで連敗も止まり、3連敗でのバルサ戦という最悪の状況は避けることができた。これでなんの気兼ねもなく、挑戦者としてカンプノウに乗り込むことができるはずだ。注目選手はハビ・ガラン

 

 セルタの誇るリーガの中でもトップクラスの実力を誇り、今夏にはバルサ移籍の報道もあったエストレマドゥーラ産の左ラテラル。昨夏の加入以来、あまりにも重要すぎる役割を攻守両面で負っており、その代役となる選手はいないなど、コウデの中での彼への依存度は並大抵のものではない。この試合でもバルサの即時奪回プレスに対する剥がし、あるいはvs右WGの対人など彼の重要度は極めて高く、その出来が勝敗に直結する可能性も十分。更に名を売るきっかけの試合にしたいところだ。


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10、エルチェ vs マジョルカ

 ホーム エルチェの7節はラージョ相手に惜敗。532でスタートし、パラシオスのを3バックの一角として起用し、またフェデリコ・フェルナンデスをスタメンで起用するなど、上手くいっていないこれまでの状況を何とか変えようと試行錯誤。チーム全員でなんとか勝ち点を拾おうと戦った試合だったが、先制点のリードを守りきれずに1vs2で敗戦。特にクリアボールをそのままボレーでたたきこまれた2失点目は試合終了直前中の直前ということもあって、上手く行っていないときは何もかもが悪い方に出てしまうというのを証明するようなものであった。この敗戦をもってフランシスコ・ロドリゲス監督とエルチェの旅は終了を迎えることに。約1年間という短い期間で終わることとはなってしまったものの、特に昨季終盤戦、キケ・ペレスとフィデルの2人をシャドーに並べた3421の形は非常に魅力的であり、エルチェというチームにとっても、リーガウォッチャーである私たちにとってもあらゆるものを与えてくれた監督であった。またどこかのクラブで魅力的なチームを作ってくれることに期待したい。

 さて後任候補の名前としては元アラベスのカジェハや、元ラージョのパコ・へメスなどが挙がっているが、その中でも最右翼となっているのはパコ・ロペス。言わずと知れた前レバンテ監督であり、攻撃重視のスタイルで多くのリーガクラスタを魅了した戦術家だ。守備の整備よりも攻撃に重心を入れ3点取られようが4点取り返すスタイルで殴り勝っていたパコ・ロペスのフットボールは魅力的な攻撃のタレントの反面、脆弱な守備陣しか抱えられていないエルチェのスカッド状況にはマッチするはず。残留争い真っ最中において、そういった戦い方でいいのか、またすぐさま結果が欲しい中でチーム整備にある程度の時間を要しそうなパコ・ロペスが後任でよいのか。という懸念点もあるが、とりあえず必見であることは間違いない。注目選手はロジェール・マルティ

 仮にパコ・ロペスが就任した場合、何の因果か今夏レバンテからエルチェに加入したロジェールにとって、約1年ぶりの恩師との再会となる。レバンテで共に戦った際には、モラーレスとの強力2トップで、たとえ3強相手であっても真っ向から挑み、ゴールを奪い続けた。最も良い時期にはラ・ロハへの呼び声も高く、結果的には呼ばれることはなかったものの、リーガ屈指のストライカーとして名を馳せた。そんな最高の時期を共に過ごしたパコ・ロペスとの再タッグは、ロジェール本人にとってもチーム全体にとっても良いものをもたらすはず。ボジェやポンセフィデルやコジャドなど豊富な前線のタレント陣とともにパコ・ロペスの攻撃的フットボールを支える形を見てみたいものだ。


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 アウェイ マジョルカの前節は本拠地でバルサに惜敗。対強豪用の布陣であるイガンインを左に下ろした541の形でスタート。ペナルティエリアの前に54でセットする形でバルサのサイド攻撃を封鎖しにかかった。この形は成果を出し、バルサに決定機らしい決定機は作らせず。結果としてはレヴァンドフスキの理不尽ゴールに沈み、勝ち点0に終わってしまったが、マドリー戦に続き、一定の手応えは得たと言えるのではないだろうか。今節は敵地に乗り込んでのエルチェ戦。フランシスコが解任され、新監督ブーストが起こる怖さもある相手であり尚且つ敵地と難しい試合になることも予想されるが、残留争いに向け直接のライバルであることを考えても、少なくとも勝ち点1は拾いたい1戦だ。エルチェ戦の注目選手はブライアン・クフレ

 バルサ戦において敗戦以上に大きな痛手となってしまったのが、ジャウメ・コスタの負傷離脱。ここまでアギーレはかなりメンバーを固定している傾向があり、5バックに関してそれはより顕著。マドリー戦で左CBにナスタシッチが入ったのを除いて、これまでの試合で全て5枚フル出場の形になっていた。そんな中でも更にキーとなっていたのがこの左WB。攻撃時には最前線を取り幅と高さを担保。一方で守備面においては、右サイドの対応と比べて1vs1を作られやすくなる中で相手WGに対し優位性を保ち守備を支えていた。そんな彼が負傷離脱。代わりには今夏マラガからのローンで帰ってきたクフレが入ると見られる。昨季セグンダでは25試合に出場し、またPSMでは良い仕事をしていた彼だが、プリメーラでの出場は前節が初であり、どこまでジャウメの代わりが務まるのかは懸念点。開幕から好調を維持するマジョルカ。その勢いを途切らせないためにも、クフレがどこまでできるかは大きな鍵。数少ないチャンスで偉大なライバルを追い越す様な活躍を期待したい。


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