rinのリーガとスペインサッカーについて語るブログ

ラ・リーガとスペインサッカーについて気軽に書きます。内容めっちゃ浅いです笑 アトレティコのファンです。

ラ・リーガ第3節プレビュー

1、初めに

 みなさん。こんにちは。よろしくお願いいたします。

 今回の記事ではラ・リーガ第3節のプレビューについて書いていきたいと思います。いつもの通り、目次から目的の試合だけでも楽しんでいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

2、ラ・リーガ第2節振り返り

 まずは、2節の簡単な振り返りから。今節の注目試合2つ、欧州カップ戦出場チーム同士のレアル・ソシエダvsバルセロナアトレティコvsビジャレアルの2試合。結果は前者はバルサが1vs4で勝利、一方後者はビジャレアルが2vs0で勝利ということになりました。どちらも白熱したレベルの高い試合となった当該2試合。ラ・レアルvsバルサは早々にそれぞれレヴァンドフスキとイサクのストライカーが得点を挙げると、それ以降は拮抗した流れが続いていたものの、その雰囲気を変えてしまったのがアンス・ファティ

今週のPick up Playerとしても選出したい彼は、フェランに代わって投入されると、いつもとは少々異なるシャドーの位置でプレー。ライン間と裏を使い分ける的確なポジショニングと、それについて来る個のレベルの高さで一気に流れを引き寄せ1G2A。その実力の高さを見せつけた。ここ数年怪我で苦しみ、PSMでもなかなかトップフォームとは言えないパフォーマンスだった彼だが、この試合では圧巻の出来。この調子がキープできれば、W杯メンバーへ滑り込むことも十分可能。彼の有無はラ・ロハの理不尽力を大きく左右するものであり、今後の活躍に期待が集まる。

 一方、アトレティコvsビジャレアルの1戦はビジャレアルに軍配。試合開始直後から最高の開幕節から持ってきた調子の良さを見せ、CLノックアウトレベルの非常に質の高い攻防を繰り広げた両チーム。両監督とも修正を加えながら、それを消し合う様は見ている者を魅了するものであり、LaLigaの魅力が詰まった試合となった。だが、そんな試合が動いたのは奇しくもミス。新加入モリーナのクリアミスをピノが拾いゴール。更に試合終盤には前掛になったアトレティコの裏をジェラールがたつき追加点。見事ビジャレアルが敵地で勝利し連勝スタートに。その他、マドリーはカゼミロ放出の影響を感じさせない出来でセルタに勝利。セビージャはバジャドリーにドローと不安の残る2戦未勝利。ベティスマジョルカ相手に苦しみながらも辛勝。昇格組のアルメリアはエルチェにドロー。ジローナはヘタフェに勝ち、昇格後初勝利となった。それ以外の試合は下記の通り。その下に恒例のベスト11+その控えを置いておきます。

3、ラ・リーガ第3節プレビュー

1、ジローナ vs セルタ

ホーム ジローナの2節はヘタフェ相手に3vs1で快勝。昇格組3チームで最も早い勝ち点3Getとなった。ヘタフェがまだ作り途中ということで問題を多数抱えていたのも事実だが、ジローナ的にも自分たちのやりたい形をしっかり体現できた試合だということが出来るだろう。開幕節とは異なり、ストゥアニとカステジャノスの2枚を並べ、ロロとヤンヘル・エレーラのインテリオールの形としたルビ。ヤン・コウト、ミゲル・グティエレスという内外を取ることのできる技術レベルの高いWBがインテリオールと上手くタイミングによってポジションを入れ替えながら、侵入していく様は見事なものであり、他チームからの才能豊かな若手を保持しているジローナだからこそ出来た戦い方と言えるだろう。同様に個の技術をしっかり持った魅力的なスカッドを抱えるセルタ相手に、この形がどこまで通用するのか。注目したい。注目選手はアレイクス・ガルシア

 ヘタフェ戦ではピボーテの位置に入り、そこからゲームを作った彼。特徴として非常に高いキック精度を誇っており、特にサイドチェンジなどのロングパスは精度、速さ共に素晴らしいものがある。できる限りボールを握りたいジローナにとって、同じ思想を持つセルタ相手にポゼッションを取るためにはアレイクス・ガルシアの中盤の底での存在感が不可欠。ベルトランやオスカル・ロドリゲスなどの素晴らしい技術をもった選手を抱えるセルタMF陣相手にアレイクス・ガルシアやヤンヘル・エレーラ、ロロ、テラッツ、サム・サイスといったメンツがどこまでできるのか。注目だ。


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 一方、アウェイ セルタの前節はマドリーにホームで1-4の敗戦。前半からボールの主導権を握り、中盤のベルトラン、タピアなどからの展開でチャンスを作ったものの、マドリーのタレント力に基づいたある意味理不尽とも言えるゴールの前に屈す結果となった。とはいえ、内容的には3点差がつくほどの完敗ではなく、十分な手ごたえを得ることが出来た試合ということもできるのではないだろうか。前回の記事にて注目選手に挙げたパシエンシアはゴール以外の貢献が開幕節に比べて著しく向上しており、脅威な存在としてあり続けた。また開幕節の後半から使用しているタピア底、ベルトラントップ下、右にセルビ、左のオスカルという形も良いコンビネーションで試合の支配に貢献している。とはいえ、ここまで開幕から得た勝ち点は1のみと未だ勝利がないことも事実。戦い方への確固たる自信を持つためにも、昇格組であるジローナをしっかりと下し、結果を得たいところ。注目選手はカルラス・ペレス

 今夏ローマから加入したラ・マシア出身の彼は、ここまでの2試合、後半途中からパシエンシアに代わる形で出場。2トップの一角というよりかは、彼の得意な右サイドからの仕掛けを活かす形で起用してもらっている。フィジカル勝負も多く90分は中々持たないであろうパシエンシア。マドリー戦ではそんな彼がいなくなると、チームは基準点を失い崩しのフェーズで中々勝負の一本が出せないことが目立っていた。パシエンシア交代後の時間をどのように使うのか。カルラス・ペレスがそのキーマンになるだろう。


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2、ベティス vs オサスナ

 ホーム ベティスの2節はマジョルカ相手に2vs1で辛勝。相変わらずサラリーキャップの問題によって6人しかベンチに置くことが出来ていない現状のベティス。この試合では開幕節のエルチェ戦とは異なり厳しい展開に。ハードワークを前提として53ブロックでバスを敷きながら、スライドによる受け渡しを徹底していたマジョルカディフェンス陣を崩すことが中々できず、武器であるファンミのダイアゴナルランでの裏への抜け出しはほぼ見られなかった。しかし、そのような中でもPKという形とは言え、追い付かれた後にしっかりと得点を奪い、勝ち切れたことは大きく、結果開幕から連勝を続ける4チームの一角となることが出来ている。ピッチ外での問題解決までタイムリミットが迫っている中、迎える連勝チーム同士の1戦。ベニート・ビジャマリンでしっかりと勝ち点3を積みあげたうえで、今後のマドリー、ビジャレアルとの連戦につなげていきたいところだ。注目は、ギド・ロドリゲス

 今季からバルトラの5番を受け継ぎ中盤に君臨する彼は、ここ2戦でも流石の好パフォーマンスを披露している。アルゼンチン代表のスタメンとしてW杯を冬に迎えるだけあってか、気合を感じるプレーも多く、昨季からパートナーを組むウィリアン・カルバーリョとのドブレピボーテは圧巻の出来。今節の相手であるオサスナはモイ・ゴメスの補強や、アイマール・オロスの台頭により、ライン間を活かしたポゼッションを志向するサッカーへ変化を遂げているだけに、ギドがどれだけそこでの仕事を食い止められるかは直接的に結果に影響してくるだろう。3連勝のため、彼の活躍が欠かせない。


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 一方、アウェイ オサスナの第2節はカディス相手に2vs0で勝利。自分たちの時間にしっかりと先取点を奪い、相手の時間帯ではしっかりと耐え、その上で相手に退場者が出た直後にとどめの1発を沈めるという試合巧者ぶりで開幕連勝を果たした。モイ・ゴメス加入により、ボールをしっかりと保持できるようになったチームはモンカジョラなどの左右に揺さぶる長いボールを使いながらゲームを支配。昨季まで受動的であったファイター色の強いチームは見事なポゼッションを魅せるチームへと変貌を遂げた。そんなオサスナが今季迎えるのがベティス。開幕節のセビージャ、2節のカディスに続き、アンダルシアのクラブ3連戦となる。ここまでの2戦に比べて明らかに完成度の高い、強敵であり自分たちの時間を簡単に作ることは難しい。また。今季初のアウェイ戦ということで、エル・サダール以外の地でどこまで勇敢に戦えるかが試される。注目はルベン・ペーニャ

前回、注目選手に挙げたモイ・ゴメス同様、ビジャレアルでエメリの構想外となったこのラテラルはオサスナにて躍動。これまでスタメンをつとめていたナチョ・ビダルから早速ポジションを奪うと、攻撃時は献身的なアップダウンと精度の高いクロス、守備ではスピードを生かした対人守備と、カバーリングで既にチームにとってなくてはならない存在になっている。そんなペーニャが今回対峙することになるのが、リーガ1といっても良いほどの破壊力を誇るファンミとアレックス・モレノの左サイド。ダイアゴナルに裏を取りに行くファンミに対し、その動きで空いたスペースを活かし、大外のレーンを攻略するアレックス・モレノ。この左サイドをどれだけ抑えることが出来るかで、この試合の形勢は大きく変わってくるだろう。右CBのウナイ・ガルシアや右SHに入る選手と上手く関係を築きながら、ここをどのようにシャットアウトし、またカウンターにてアレックス・モレノの空けたポジションを突くのか。注目したい。


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3、エルチェ vs レアル・ソシエダ

 ホーム エルチェの2節はアルメリア相手に1vs1のドロー。開幕節、10人になったとはいえベティスに完敗したエルチェは大きくフォーメーション、人選を変更してスタート。5バックであったDFラインも4バックになり、2トップにもペレ・ミジャではなくポンセが起用された。その中で素晴らしいインパクトを残したのがアレックス・コジャド

 この試合の注目選手にも挙げたい彼は右サイドに入ると、そこから中に入っていきチャンスメイクを行うという彼の最も得意なタスクを当たられ、輝きを見せた。またいつもは右はSHに縦突破型の選手を置き、ラテラルに守備的な選手を置くことで、大外のレーンはタレントの突破力に任せるという形だったが、この試合では右ラテラルにマルセイユから加入したポル・リロラが起用され、中に入っていくコジャドと良い関係性を築いた。コジャドの加入により、これまでもかなり個性的だったエルチェの攻撃陣は更に色合いを加えることに。個人的にはエルチェの誇る最高のチャンスメイカフィデルとコジャドの競演を早く見れるよう願いたい。この試合の相手はラ・レアル。難敵との対決になるが、ホームである以上、今季初となる勝ち点3を狙っていきたいところ。その中で、ラ・マシア出身の左利きチャンスメイカーという共通項を持つ久保建英vsコジャドの対決も楽しみにしたい。


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 一方でアウェイ ラ・レアルの前節はアノエタの地でバルサ相手に1vs4で敗北。特にチーム作りの面ではスコアほどの差があるようには感じなかったものの、やはり最後は個の部分での差で突き放されることとなった。とはいえ4♢2の形は、試合を重ねるたびに良くなってきており、この試合では相手が3バックでセットしてきたこともあって、2トップ左に入る久保が中央あるいは右へ、比較的自由に動くところに相手DFがつられ、その空いたスペースに左のインテリオールからメリーノが飛び出してくると言った場面が多く見られた。得点にこそつながらなかったものの、この形で数回決定機を作っており、この試合でもそこからの崩しは1つ注目したいポイントだ。現在4連勝中とエルチェとは相性の良いラ・レアル、そしてイマノル・アルグアシル監督。この試合では複数店による快勝を期待したいところだ。注目はアイエン・ムニョス

 開幕節 ディエゴ・リコが負傷を負ったことで現在唯一の本職左ラテラルとなっているアイエン。バルサ戦ではデンべレの状態がそこまでよくなかったのもあり、これまで得意とは言えなかった対人守備の部分で一定の成果は出した。バルサ戦に比べてボールを持つことが出来ると思われるこの試合では、攻撃面におけるアイエンの良さが目立つ試合になることが想定できる。昨季前半良いプレーを見せながらも、自身の負傷離脱、そしてその間のフォーメーション変更により序列を落とすことになってしまったアイエン。リコが怪我を負っている今のうちに、再度序列をひっくり返すことが出来るのか。彼の奮起に期待したい。


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4、ラージョ・バジェカーノ vs マジョルカ

 ホーム ラージョの第2節は敵地にてエスパニョール相手に2-0で勝利。vsカタルーニャ アウェイ2連戦を1勝1分けという満足の結果で終えた。この試合ではわずか16分で右CBのルジューヌが2枚のイエローをもらい退場。30分に相手のセルジ・ゴメスが退場になり10人vs10人という非常に珍しい展開に。しかし、その中でもラージョはいつも通りトレホとイシの2人が上手く侵入するライン間を起点に、エスパニョールDFを苦しませ、最終的にはセットプレーからのイシのスーペルゴラッソ、アルバロ・ガルシアの流石の突破からのシスのゴールで2点を取り、しっかり勝利で飾った。イラオラ監督でプリメーラ2シーズン目となるこのシーズン。チームの完成度は昨季のそれを遥かに凌駕しており、選手層の不足からくる消耗だけは気がかりなところだが、十分トップハーフ、ヨーロッパ圏内をも狙っていけるクラブと言って差し支えないだろう。その目標のためにはホーム 初戦となるこの試合、勝利で飾りたいところだ。注目選手はアレハンドロ・カテナ

 ルジューヌが2節の退場の影響で欠場となるこの試合、CBは昨季物足りなさが露呈したマリオ・スアレスあるいは怪我さえ治ればサベリジッチが務めると考えられる。空中戦の覇者 ムリチが相手となるこの試合、前節もホセル相手にルジューヌの退場以降、空中戦で敗れ起点を作られるシーンが目立った。この試合ではムリチを相手にどのように対応するのか。ディフェンスリーダーとしてカテナに注目したい。


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 一方のアウェイ マジョルカの2節はベティス相手に1vs2で惜敗。新スタジアムでの初試合となったこの試合、マジョルカの戦い方は前節同様しっかりとブロックを深い位置に敷いて耐えてからのカウンターという形。しかし、前節の相違点としてアトレティック戦では中盤3枚の右に降りて、541の形を作っていたイガンインが今日は明確にムリチと同じラインに入り、532という形を作っていた点。その上で、イガンインはピボーテを監視するとともに、カウンター時の起点としてボールを収め、決定的な演出を行うタスクを担った。この戦い方はベティス相手を苦しませ、特にイガンインは持ち前のキープ力とキック精度でベティスの脅威となり続けた。アトレティック、ベティスと強敵との難船が続き迎える3節の相手は敵地 バジェカスでのラージョ。これもまた、非常に難しい相手であることは事実だが、そろそろ勝ち点3という結果が欲しいところだ。注目はクレマン・グルニエ

 昨季、無所属であったところから加入するも全く出場機会が与えられなかった彼だが、夏のPSMで信頼を掴み獲り開幕から先発起用。この試合ではラテラルの攻撃参加が武器のベティス相手にあえて532を起用するというインテリオールにとっては非常に負担の大きい形が採用されるものの、グルニエはタイミング、コースの良い効果的なプレッシングでベティス最大の武器といっても過言では無いアレックス・モレノを最小限の活躍にとどめることに成功した。この試合の相手であるラージョもまた、フラン・アルバロの両ガルシアコンビによる強烈な左サイドを持っており、グルニエの負担が増えることは明確。元フランス代表として引き続き活躍に注目したい。


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5、アルメリア vs セビージャ

 ホーム アルメリアの前節はエルチェ相手に敵地で1vs1のドロー。昇格後初の勝ち点1奪取となった。マドリー戦に続き、この試合でもセグンダで使ってきた4213の形ではなく、532の形を起用しているルビ。この采配が今のところ効を奏しており、5枚を前提とする堅い守備と、CB3枚がみなしっかりと縦パスを差しこむことが出来る選手であることから、ロベルトーネやラマザニといったライン間をついていく、キーマンたちに良い形での供給ができている。勝ち点としては未だ1とまだ苦しんでいる状況ではあるが、チームとして確立されたこの形は十分プリメーラの舞台で通用しており、今後この形を維持することが出来れば、十分残留という目標を達成できるだろう。注目選手はラージー・ラマザニ

 ユナイテッドの下部組織出身である彼は昨季 セグンダで8G3Aを記録しており、初のプリメーラでの挑戦となっている今季も既に一定のインパクトを残している。その一番の魅力であるドリブル力はもちろんだが、それ以外にもライン間に侵入するタイミング、フィニッシュの正確性など、頭脳、技術共に十分なポテンシャルを秘めているプレーヤーだ。サディクの去就がかなり怪しくなっている今、彼がいなくなった後のアルメリア攻撃陣を中心として救うことが出来るのはラマザニを置いて他にはいない。そんな彼が、セビージャ相手にどこまでできるのか。注目したい。


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 一方のセビ―ジャは前節バジャドリー相手に1vs1のドロー。80分過ぎに相手にゴールを許しながらも、相手GKのミスにも救われ何とか勝ち点1を獲得することが出来た。開幕節に比べれば良いシーンもいくつか見られ、とりわけ中盤中央で相手の攻撃をつぶしていたフェルナンドの出来は賞賛に値する。とはいえ昨季4位のCL出場チームが開幕2試合連続で競合とはいないチーム相手にポイントを落としているのも事実であり、攻守ともに大きな問題が残っているのも間違いない。このままずるずる行くようなことがあるとロペテギの去就問題が再度沸き起こるきっかけになる可能性もあり、一刻も早い立て直しが要求される。そんなチームの注目選手はCBのタンギー・ニアンズ

 PSGのアカデミー出身で、その後バイエルンに移籍し、今夏セビージャに買戻しOP月のローンという形で加入した彼は、合流1週間もたたない状態ながらバジャドリーにも出場。失点シーンでは相手につられて失点に関わってしまうなど、若さゆえの課題も多く出たが、その一方でクンデほどではないとはいえ、ポテンシャルの高さを感じさせるプレーも多く、今後に期待を抱かせるデビュー戦となった。この試合ではアルメリアの注目選手に挙げたラマザニとマッチアップする可能性が高く、ニアンズにとっては非常に強い敵とのいきなりの1戦となる。このラマザニに対してニアンズがどこまでできるのか。この試合の行く末、そして今季のセビージャの明暗を予期させることになるだろう。


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6、ヘタフェ vs ビジャレアル

 ホーム ヘタフェの2節は昇格組のジローナ相手に3vs1で完敗。相手のミスにより1点を返すことはできたものの、アトレティコ戦以上に運び出しの部分で苦労する部分が多く見られた。クエンカの退団、ルイス・ミジャの負傷によってビルドアップの起点となれる選手がアランバリのみとなってしまっており、ここが消されてしまうと中々全身に苦しむというのが現象として顕著になってしまっている。更に前節終了間際にアンヒレリが退場したことで、この試合では彼が出場停止となる。オリベラ、ヤンクトの放出で層が薄くなっている左WB。また右もダミアン・スアレスが怪我しており、イグレシアスのみとなっていることから、誰がこのポジションで起用されるのか、フォーメーション自体の変更があるのかにも注目が集まる。3連敗は許されないヘタフェ。今節の相手は現在首位のビジャレアルと非常に厳しい試合となることが予想されるが、逆に相手に持たれることを前提としたうえで戦えるため、ある意味では割り切った戦い方ができるのも事実。何としてでも勝ち点をもぎ取りたいところだ。注目はドミンゴス・ドゥアルテ

 今夏、昨季降格したグラナダから移籍してきたポルトガル代表CBである彼。2シーズン前まではオトラ・リーガと呼ばれる3強を除いた17チームの中ではトップレベルといって良いパフォーマンスを見せていた彼だが、負傷又チームの不調に伴い昨季はパフォーマンスが低下。今季は復活を期してのシーズンとなっている。しかし、左CBとして使われるこの2試合ではその期待に沿うようなプレーはできておらず、ジローナ戦では失点に直接かかわるようなプレーもあった。左CBのポジションには昨季バレンシアで活躍したアルデレーテの獲得が発表され、今後は3の中央としてミトロビッチと争いながらとなるであろうドゥアルテ。このポジションで復活を印象付ける活躍を見せられるか。当選落上のW杯メンバー入りのためにも猶予は多くない。


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 一方、アウェイのビジャレアルは2節アトレティコ相手に敵地で非常に大きい勝利。緊張感のあるレベルの高い試合ながら多くの時間を支配し、相手のミスを突いてゴールを沈め確実に2連勝を果たした。リーガ2連勝、ECLでもしっかりと勝利を挙げているなど良い雰囲気を維持しているビジャレアル。戦力的にも4位以内はノルマ、3強食いが目標となる今シーズン。まずは良いスタートを切ったと言える。3、4試合後のベティス、セビージャと、直接のライバルであるアンダルシア勢との対決に向け、連勝を維持していきたいところだ。今日の相手は昨季クエンカが1年間お世話になったヘタフェ。クオリティや戦い方自体は異なるものの352から3421への可変を用いるヘタフェの戦い方はアトレティコに通ずる部分があり、また充実している新補強選手が離脱中もしくはフィット最中の今、当たれるのは大きい。しっかりと勝ち点3を奪いたいところだ。注目選手はアルフォンソ・ペドラサ

 今夏、昨季の左ラテラルを務めていたエストゥピニャンがブライトンに移籍し、代役の補強は叫ばれているものの、現状本職の左ラテラルはペドラサのみであり、彼には大きな期待が寄せられることになる。一昨季はエストゥピニャンを上回り、スタメンを勝ち取っていたように実力は確かなものがあり、堅実さ、サッカーIQの高さはエストゥピニャン以上。その一方でやはり馬力的には物足りないところがあり、アトレティコ戦でも彼の所で追いつかれてしまい、最後まで行ききれないシーンが目立っていた。とはいえ、その馬力はペドラサにはつけられないものであり、彼には別の良さがあるのは間違いない。チームとしてこの部分をどのように作っていくのか。シーズン通して楽しみにしたい。


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7、バルセロナ vs バジャドリー

 ホーム バルサの第2節はラ・レアル相手に4-1で勝利。予想外の3バックスタートでスタートしたバルサ。早々に得点が動く大味のスタートとなったこの試合。しかし、その3が機能していたかと言われると、中々そうは言い難く、特に右サイドは停滞を起こすことが多く見られた。アンスのスーペルな活躍で点差的には余裕を持って勝利したものの、開幕節のラージョ戦同様、内容面では課題が残ったと言える。前節、出場停止となったブスケツが戻ってくるこの試合、再び3バックで臨むのか、はたまた4バックに戻すのか、4の場合右ラテラルを誰にするのか。また前節コンディション不良でベンチスタートとなったアルバはスタメン復帰するのか。などリーガ20チーム全チームを見てもトップクラスに今季の全体像がまた見えてきていないバルサ。力関係的にバジャドリーは様々なことを試しながら勝利を狙える相手であり、この試合でできる限り最適解に近いものを見つけたいところだ。注目選手はエリック・ガルシア

 今季、クンデ、クリステンセンの加入によりPSM以前は序列低下が叫ばれ、アラウホ、ピケも含めた4人に次ぐ5番手なのではないかとまで言われたエリック。しかし、PSMが始まるとチャビからはかなり信頼を得ていることが見受けられる使い方をされており、リーグ開始後もクンデの登録が未だなっていないとはいえ、2試合連続スタメンで起用されている。そして、その期待に応えるようにエリックのパフォーマンスレベルも高く、持ち前の持ち運びからの縦への楔と読みの良さで、チームを後ろから支えている。今季途中にはW杯もあり、信頼を寄せてくれているルイス・エンリケのため、そしてバルサが頂へ辿り着くためにも覚醒のシーズンとしたい今季。次世代のカピタンとして圧倒的な存在感を期待したい。


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 一方、アウェイのバジャドリーは前節サンチェス・ピスファンでセビージャ相手に1vs1のドロー。アヌアルが先制点をあげながらも、終了間際のアセンホのミスで勝ち点2を落とすという辛い結果にはなったものの、内容面ではセビージャにかなり押されていたこと、アウェイでの強敵相手であったことから満足のいく結果といっても良いだろう。ビジャレアル、セビージャと来て今節迎えるのはバルセロナといきなり強敵との連戦が続いているバジャドリー。ただ、この試合を終えるとアルメリア、ジローナ、カディスと残留争いのライバルになりそうなクラブとの対戦が続くようになる。この直接対決3連戦を前に、強豪相手3連戦をどのように乗り切り、チームとして何を得るのかが重要になってくる。カンプ・ノウでのバルサ戦。間違いなく苦しい展開になることが予想されるが、なんとかポジティブな点を残したいところだ。注目選手はロケ・メサ

 押し込まれる展開が容易に予想される今節。そんな中でハードワーカーとしてロケ・メサの役割は重要になってくる。セビージャ戦では底の位置に入ると豊富な運動量であらゆる位置に顔を出し、1vs1の形をできる限り作られないような立ち位置を確保。セビージャのサイドを起点とした攻撃に押し込まれる中で容易な中への侵入を許さなかった。今節の相手バルセロナもまたサイドでのエストレーモの突破力が武器のチーム。デンべレやラフィーニャ相手にできる限り1vs1の形を作らせず、数的優位な形で常に対応していくためにも、ロケ・メサの運動量に期待したい。


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8、エスパニョール vs レアル・マドリー

 ホーム エスパニョールの前節はラージョ相手にホームで0vs2で敗戦。16分に相手DFルジューヌが退場し、数的優位になりながらも、その時間を活かせず30分に判定自体は怪しかったとはいえ、セルジ・ゴメスの軽率な対応で10vs10に。それ以降はラージョに押し込まれる展開が続き、敗戦となった。特に課題が残ったのはCBの運び出しの部分。セルジ・ゴメス、カブレラの両者ともビルドアップにおいて効果的なプレーが出来ず、フリーな状態でボールを持っても、ロングボールを蹴るか、隣のラテラルにパスするかのほぼ2択しかない状態になっている。その結果、相手のプレッシングに対して数的優位な形を作れているのにも関わらず、中々中にボールが入らない展開が続き、ダルデルやエスポジト、ソウザといった中盤のプレーヤーが、1列降りることで起点となるという展開が続いていた。ダルデルら中盤の魅力あるタレントを崩しのフェーズで最大限生かすためには、Cbのビルドアップ面改善は不可欠であり、ここをディエゴ・マルティネスがどのように考えるかは注目。選手としての注目はハビ・プアド

 怪我で開幕戦に出遅れ、第2節でも途中からの出場となったプアド。しかし、その短い時間でもよい形を作っており、クロスボールをホセルの奥で受け2回ポストに当てるシーンが見られた。なんでも器用にこなすRDTの影響でタスク量が制限されていた昨季に比べ、今季のプアドは空中戦やボールキープに特化したホセルのパートナーとして、幅広いタスクが与えられることになりそうで、彼にとってやりやすい環境になるはず。スペインの次代を狙うスコアラーへの成長が期待される彼。まずはマドリー相手に一撃を喰らわしたいところだ。


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 一方、アウェイのマドリーは第2節 セルタ相手に敵地で4発快勝。全体的にセルタにボールを支配される展開となりながらも流石のカウンターとタレントによる理不尽力で、最終的には4発を叩き込む結果となった。そして退団となったカゼミロの代役として入ったチュアメニ。彼もまた、物足りなさが目立ったアルメリア戦とは異なり、この試合では中盤の狩り役としてカゼミロとは異なる自身の長所を生かしたプレーで、危険なシーンを未然に防いでいた。カゼミロが得意とした流れたCBの穴を埋めるクロス対応では、まだ未熟さが残る点も見られたが、そこは時間をかけ成熟させていけばよい物。とりあえず、カゼミロの後継として、外からの補強よりもチュアメニにしっかりと出場時間を与えてあげるべきという意見を主流派にする程度の活躍は十分できたといって良いだろう。RCDEスタジアムでのこのカードは昨季 マドリーが落とした試合でもあり、そのリベンジのためにも気持ちの良い勝利が欲しいところ。注目選手はダニ・セバージョス

 今夏、彼の愛するベティスへの復帰が現実味を持って叫ばれていたセバージョスだが、ここにきてとりあえずは残留が濃厚となっている。幸か不幸かカゼミロの退団によって中盤の頭数自体は減っており、プレータイムも多少なりとも伸びることが予想される。実際、アンチェロッティ監督も彼には期待と信頼を寄せているようで、この2試合とも途中からという形ではあるが、しっかりと出場機会を与えている。この試合でもスタメン起用というのは考えにくい部分ではあるが、必ず途中から出場機会は与えられるはず。短い時間でインパクトを残すプレーを期待したい。


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9、カディス vs アトレティック・クルブ

 ホーム カディスの第2節はオサスナ相手に0vs2の敗戦。ルベン・アルカラス、アレックス・フェルナンデスという2人のキーマンを欠くカディスは開幕節同様、ボールの前進に苦労。序盤からロングボールに頼る展開となっており、オサスナにゲームを支配されることとなった。しかし、ハーフタイムで修正を行い、アラルコンが2CBの間に降りて、そこからボールを散らすという形を整えてあげると、展開は一変。ルイス・エルナンデスやチュストからもライン間に位置したルーカス・ペレスへの良いパスが入るようになり、攻勢に転じた。ただ、その展開も長くは続かず、中々得点を決めきれないでいた76分。キーマン アラルコンがこの日2枚目のイエローを喰らい、退場。その直後に追加点を許し、万事休す。連敗スタートとなった。そして迎える第3節の相手はアトレティック。バスク地方3連戦となる。この試合ではアルカラスはまだ間に合わず、アラルコンもサスペンションで欠場。厳しい状況が続く中、期待したいのはアントニオ・ブランコ

 カスティージャからローンで獲得した彼は、オサスナ戦ではベンチ入りこそ果たすものの、出番はなし。おそらくこの試合がカディスデビュー戦となる。先述の通り、ゲームメーカーを欠く今のカディスにとって求められている人材はビルドアップの中心として、ゲームを作りつつ、しっかりとディフェンス面でもブロックの一員としてサボらず、ハードワークのできる選手。これがブランコに期待される役割だ。カゼミロの後継候補として2シーズン前は比較的プレー機会を与えられていた彼だが、昨季はカマヴィンガの加入などもあり出場機会を殆ど得られず。その間に伝説の3人に次ぐ、人材としてバルベルデ、カマヴィンガ、セバージョス、そして今夏獲得のチュアメニが並ぶようになり、ブランコの居場所は更に苦しい立場となった。それでもカゼミロを放出した今、マドリーがピボーテを求めているのは事実。チュアメニ、カマヴィンガが当面の代役にはなるだろうが、ブランコもまたカディスで圧巻のパフォーマンスを見せることが出来ればチャンスを得られる可能性は十分ある。マドリーでの生き残り、そしてカディスプリメーラ生き残りへの中心として、ブランコに期待したい。


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 一方、アウェイのアトレティックは前節バレンシア相手に1vs0で勝利。開幕節とは異なり、相手にポゼッションを握られる展開になりながらも、イニャキ、ニコなどのタレントを活かしたカウンターで得点を奪うことに成功した。マルセリーノ時代のプレッシング面での良さを継承しつつ、バルベルデ流のポゼッション&カウンターメソッドを上手くチームに落とし込んでおり、今後に期待が持てる内容はこの2試合で見せているといって良いだろう。とはいえ、まだ課題があるのも事実。前回記事でもふれたが、特に中盤3枚をどうするのかは再考が求められるところ。この試合ではスタートはベスガ、ムニアイン、サンセと2人の攻撃的MFを用いた逆三角形、途中からはベスガ、ベンセドール、サラガの所謂ピボーテタイプを用いた逆三角形を使っていた。PSGからアンデル・エレーラの獲得も囁かれており、この3枚をどのように構成してくるのかが注目だ。注目選手はオイハン・サンセ

 昨季ブレイクを果たしたといって良いサンセ。マルセリーノ442の下では2トップの一角として起用されるとライン間で上手くボールを引き出し、そこから直接得点に結びつく働きを行い7G4Aを達成した。しかし、今季のサンセはフォーメーション変更とともに4123のインテリオールの一角で起用されているものの、中々インパクトを残せていないのが現状。CFでの起用も今のところもなく、このフォーメーションの下で生き残っていくにはインテリオールへの適用が早々に求められる。開幕節のマジョルカ戦同様、ボールを握る場面が多くなると想定されるカディス戦。ムニアインの負担を軽減するためにもサンセの活躍に期待したい。


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10、バレンシア vs アトレティコ・マドリー

 ホーム バレンシアの第2節はアトレティックに敗北。サン・マメスでの1戦はビルドアプのミスを突かれた失点で決着という悔しい展開になった。しかし、チームとしてのファイナルサードまで持ち出す形はしっかりと確立されており、あとは最後の崩しの部分さえ改善できれば十分、レベルアップが期待できるポジティブな内容を見せていたのも事実。ガットゥーゾの下、良く作られたチームは今後にもリーガ内でも魅力的なチームとして一定の地位を築くことになるのではという期待感を感じるゲームとなった。今節メスタージャに迎える相手はアトレティコ。まずポイントとなるのが、ボールをどちらが握って試合を行うのかという点だ。今季のバレンシアの特性上、バレンシアは間違いなくボールを握りたいという観点で試合を始めるとは思われるが、形成途中のポゼッションがどこまでアトレティコ相手に通じるのか。それ次第ではある程度割り切ってブロックを敷き、カウンターという形に切り替える必要はあるかもしれない。注目選手はヘスス・バスケス

 ガヤがリーガの理不尽な裁定に遭い4試合の出場停止中となっている中、代役として出場しているバスケス。昨季プリメーラデビューを果たしたカンテラーノの彼は、デビューシーズンから15試合に出場(7試合スタメン)。一定のインパクトを残していた。そして、今季は開幕から継続して起用されているが、ポゼッションスタイルへと変動を迎えたチーム、そして自身の前に入っているサムエル・リノとの関係性によって躍動。タイミングによって内外を使い分けるランニングにより、左サイドを活性化させている。この試合でも、その攻撃面での活躍に期待したいところだが、今日のマッチアップ相手はおそらくマルコス・ジョレンテ。リーガトップクラスのアスリート能力を誇る彼に攻守両面でどのような活躍ができるのか。注目だ。


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 一方、アトレティコは前節ビジャレアルにホームで敗戦。拮抗した試合を見せながらも、モリーナのミスにより先制されると、取り返すために前掛になっていた後半アディショナルタイムに追加点を奪われ、万事休す。悔しい結果となった。とはいえ、長いシーズン こういったことがあるのは仕方がないことであり、ここからどう立て直しを図れるのかが重要になってくる。前節に続きバレンシア州のクラブとの対戦となるこの試合、快勝で悪い流れを断ち切りたいところだ。この試合では右WBのモリーナが出場停止。代役にはおそらくインテリオールのジョレンテがずれて入ることになるだろう。前節では右のモリーナ、左のカラスコが両者ともにサイドでの勝負を制すことが出来ず、結果として崩しの糸口が中々見つからず、苦労することになった。この試合ではその部分をどう修正してくるのか。人選の変更だけではなく、チームとしての狙いに注目だ。注目選手はコケ

 今シーズンのコケは2シーズンぶりに中盤の底の一角としてプレーしている。しかし、与えられている役割としては優勝した20-21シーズンとは異なるものであり、特にビルドアップ面ではピボーテ化する3バックのセンターヴィツェルに合わせてインテリオール的な立ち位置を取り、ヴィツェル、レマルと共にビルドアップの一環としてボールを引き出し、シャドーorWBとの間をつなぐリンクマン的なタスクを負っているのだ。そのため中々目立つというシーンは少ないが、このタスクをコケの良さを生かすものであり、この2節でも地味ながら良い働きを見せていた。W杯に向け、ガビ、ペドリのバルサ勢。同僚のジョレンテバレンシアソレール、ラ・レアルのメリーノ、リヴァプールのチアゴなこの4年間ラ・ロハの中心としてチームを支えてきたコケもその地位は安泰ではない。自身の価値を証明するにも、彼の働きでチームを勝利に導きたい。


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