rinのリーガとスペインサッカーについて語るブログ

ラ・リーガとスペインサッカーについて気軽に書きます。内容めっちゃ浅いです笑 アトレティコのファンです。

ラ・リーガ22節レビュー

1、はじめに

  皆さんこんにちは!よろしくお願いします!

 お久しぶりです!W杯前以来の更新となります。もしお待ちしていただいていた方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。大学のテスト等で忙しく、時間が取れませんでした。これからも、自分の生活と相談しながら無理のない範囲でやっていきますので、よろしければ気が向いた際に見ていただけたら幸いです。

 

2、ラ・リーガ21節振り返り

 さて、後半戦が始まり2試合目となる今節。バルサ以外の上位陣が総じてコケた前節とは異なり、今節はバルサとの上位対決に敗れたビジャレアル、リズムが上がり切らず10人のヘタフェ引き分けで終わったラージョ以外は全て勝利という結果に。首位バルサは持ち前の堅守で、公式戦11連勝、2位マドリーはCWCの影響から現地水曜開催になる中、最下位エルチェを粉砕、3位ラ・レアルは主力陣の好調が目立ち、エスパニョールに勝利、4位アトレティコはオブラクのパラドン連発と謎の数的不利の強さでセルタに辛勝。その他の結果は以下の通り。

 今節のPick Up Playerはレアル・ソシエダからアシエル・イジャラメンディ

 エスパニョール戦では、リーガ公式によるMOMは2得点に絡む圧巻の活躍を見せた、我らが久保建英だったが、それに匹敵するほど素晴らしいパフォーマンスを披露したのがラ・レアルのカピタン イジャラメンディ。彼はラ・レアルが久しぶりに採用した4123の左インテリオールの位置に入ると、持ち前のキック精度を活かしたビルドアップでの貢献はもちろん、2列目の位置から積極的に相手DFの裏に飛び出す動きを入れるなど、さまざまな局面に顔を出し、攻撃の活性化に貢献。この動きが、DFの注目を内側に寄せ、外の久保、オヤルサバルが活きる展開に繋がった。マドリーで上手く行かず、チームに復帰してからのここ数年は負傷が多く、既に終わってしまった選手なのではとも思われたが、今季は負傷離脱なくフル稼働。負傷者があまりにも多いチームの中で、非常に頼もしい姿を見せている。今後も4123の形が採用されそうなこと、メリーノ、ゲバラらの復帰などにより、競争はまた激化するが、ELも今後入ってくる中で、彼の存在は極めて重要なものとなるだろう。

 

3、ラ・リーガ22節プレビュー

1、ジローナ vs アルメリア

 ホーム ジローナの前節はカディスに0vs2で敗戦。残留争いのライバル相手に対して何もできずに敗れることとなってしまった。降格圏内である18位は勝ち点的には目と鼻の先。混戦状態の残留争いにおいて、少しでも優位な立ち位置を確保するためにも、直接のライバルを本拠地モンティリビに迎えるこの1戦。勝ち点3の積み上げが必須だ。相手であるアルメリアには前半戦で敗れており、その屈辱を晴らしたい。注目選手はボルハ・ガルシア

 負傷による長期離脱から復帰して以降、チームの中心としてセカンドトップ的な役割を担っているボルハ。そのシュート力とボールキープ力は目を見張るものがあり、ジローナの攻撃における新たなピースとして、重要な役割を果たしてくれるだろう。彼の復帰に伴い2列目の争いは激化。限られた3枚の枠をボルハ、イバン・マルティン、トニ・ビジャ、ヤンヘル・エレーラ、ツィガンコフ、ロロ、ジョエル・ロカといった面々で争っている。それぞれ特徴を持った好プレイヤーなだけに、最適な形を見つけ出したいところだ。ストライカーの得点が伸び悩む中で、自慢の2列目がどこまでスコアを記録できるかが、明暗を分ける。この試合でも活躍に期待したい。


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 一方のアウェイ アルメリアの前節はベティスを本拠地に迎えての1戦。序盤から内容的には圧倒されながらも、すんでの所でなんとか失点をできる限り抑え、少ないチャンスをものにすることで拮抗した試合にはなった。しかし、結果は敗戦。これで、前々節のラージョ戦に続き、連敗。残留争いに向けて、降格圏が現実的になってきた今、昇格組同士となるこの対戦、敵地とはいえ勝ち点3が是が非でも欲しいところだ。注目選手はルイス・スアレス

 今冬マルセイユから加入し、半年ぶりにリーガに戻ってきたコロンビア代表ストライカ―。アルメリア合流後、エストレーモで使われていた数試合では低調なパフォーマンスに終わったものの、デランテーロとして中央でのプレーが増えるにしたがって、彼の良さは出てくるように。スピードを活かした裏抜けは、チームの武器となっており、確かな存在感を放っている。今節の相手であるジローナはCB、特にブエノの相棒に難を抱えており、ここは狙いたいところ。昨季、グラナダでは達成できなかった残留という目標を、今年は達成できるか。新エースの活躍に期待したい。


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2、レアル・ソシエダ vs セルタ

 ホーム ラ・レアルの前節はエスパニョール相手に3vs2で勝利。敵地で公式戦3試合ぶりの勝利をあげた。この試合ではいつもの4312の形ではなく、オヤルサバルと久保を外に開かせた4123の形でスタート。インテリオールに入ったブライス、イジャラの2人は積極的に相手DFラインの裏まで飛び出していき、エストレーモの久保、オヤルサバルは中に入ってくることで、流動的に相手のバイタルに侵入。そこに大外でラテラルの2人が絡むという良い循環で久々に本来のラ・レアルらしいフットボールを見せることが出来た。メリーノ、ソラ、ゲバラ、カルロス・フェルナンデスらも負傷から復帰してきており、今後のシーズン終盤戦、ELとの2足の草鞋を履きながらCL圏を確保するため、徐々にその体制は整ってきたということが出来るだろう。今節の注目選手はミケル・オヤルサバル

 大怪我からW杯中断期間で戻ってきたラ・レアルの象徴。W杯に彼がいなかったことはラ・ロハ、そしてルーチョにとって非常に不幸なことであった。それほどのい影響力を持つ彼だが、復帰以降の数試合では試合勘不足を露呈させるプレーが続いており、今季の残り期間は調整となるのではとも考えられるほど不安な出来だったが、今節は彼らしい素晴らしいパフォーマンスを披露。もちろんまだ彼の100%には程遠いものの、左のエストレーモという彼本来の位置でライン間と大外の立ち位置をタイミングよく使い分けながら、チームメイトと連動して侵入していく彼の良さが存分に見て取れた試合となった。エースの復調は今後、ラ・レアルにとって大きく、絶好調の久保、復帰が待たれるシルバ、復調の兆しが見えるセルロート、そしてブライス、メリーノ。他にもバレネチェアやナバーロ、長期離脱中のアリチョーやサディク等々、タレントは揃っており、後は怪我との闘いになってくる。シャビ・プリエトを筆頭にカルロス・ベラグリーズマン、アギレチェらを擁した2012-13シーズン以来のCL圏確保へ、視界は良好だ。


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 一方のアウェイ セルタの前節はアトレティコ相手に0vs1で敗戦。バライードスの地で終始、相手を押し込み決定的なチャンスも多く作ったが、最後までオブラクの牙城は崩せず。連勝は2で止まることとなった。とはいえ、内容的には相手を完全に上回っており、W杯中断後から形作られている左肩上がりの442の形は十二分に機能している。この調子を継続できれば、残留という目標は十分に達成可能と言えるだろう。そのためにも連敗は避けたいこの1戦。敵地でのvsラ・レアルという極めて難しい状況にはなるものの、なんとか最低でも勝ち点1は持ち帰りたい。注目選手はオスカル・ミンゲサ

 前コウデ政権下では出番が限られていたものの、監督交代によって定位置を確保したラ・マシア出身DF。左肩上がりのチームにおいて、右SBのポジションを担っている。本来、DFラインと同じラインで、サポート役という役割が求められるポジションだが、ミンゲサは偽SBのような形で、ベルトランの脇、あるいは更にゴールに近い位置でボールを引き出し、チャンスメイクという形も多く見られる。右の大外に張るカルラス・ペレスとの関係性もラ・マシア時代の同僚ということもありピカイチで、この2人で構成する右サイドの崩しはセルタの新たな武器になっている。上手く整えられたチームの中で、唯一アナーキーな存在としてカオスを創り出すことのできるミンゲサ。精密に形作られたラ・レアルのフットボールを破壊するためには、彼の力が必要となるかもしれない。


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3、ベティス vs バジャドリー

 ホーム ベティスの前節はアルメリア相手に、敵地で勝利。フェキル、カルバーリョ、ルイス・フェリペという重要な選手たちを出場停止で欠く、厳しい状態の中ではあったものの、チームは序盤から相手を圧倒。ロドリ、カナレス、ファンミで構成された2列目は、互いにボールを引き出しながら、タイミングの良い飛び出しで相手DFを攪乱。幾度となく相手ゴールに迫った。しかし、中々決めきれずにいると事故、そしてセットプレーから失点。自分たちで難しい試合にしてしまった。とはいえ、ここで連敗を勝利という形でストップ出来たことは大きく、また2度追い付かれながらも、勝ち切ったチーム力は賞賛に値する。このままバジャドリー、エルチェと続く格下相手の3連戦を全勝で終え、3、4位のラ・レアル、アトレティコにプレッシャーをかけていきたいところだ。注目選手はファンミ・ヒメネス

 W杯による中断期間に前半戦に負った負傷からチームに戻ってきたファンミ。それ以来、数試合コンディション不良を感じさせる試合もあったが、近ごろは完全復活。得意のダイアゴナルランでの裏取りを中心に、存在感を示している。フェキル、ルイス・エンリケ、カナレスとボールを持ちたがる選手が多い中、ボールを持たずともチームに貢献できる彼のチームに置いての役割は大きい。更に、それは冬にアレックス・モレノが退団したことでもより顕著に。左の大外からラインブレイクを行っていた彼の退団は極めて痛く、ファンミのオフ・ザ・ボールに依存する部分は大きい。この試合でもゴールに期待したいところだ。


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 一方のバジャドリーの前節はオサスナ相手にスコアレスドロー。W杯中断明け以来の公式戦5連敗というクライシスから一転、ここにきて3戦負けなしとチームは良い方向に進んでいる。冬に加入したマチス、ラリン、ホンガラなどの選手たちが早くも自身の武器を最大限に生かしており、チームに不足していた前線での武器となっている。この対戦カードは前半戦では0vs0決着。ベティスのペッセラが前半で退場しながらも、数的優位の強みを生かせず、勝ち切ることが出来ない悔いの残る1戦となってしまった。あの頃と比べ、遥かにチームとして良い形ができている今、敵地でベティスを喰うことが出来るか。注目選手はダルウィン・マチス

 今冬 チームに加入したベネズエラ代表WG。グラナダ時代に大きなインパクトを残した彼は、慣れたリーガの地で合流早々に躍動。左の外側に張りながら、迫力のある仕掛けで、決定的な仕事をしている。右のプラタ、左のマチスで構成される両翼の破壊力はかなりのものであり、この試合でもベティスのディフェンス陣を困らせることになるだろう。デランテーロの位置に入るであろう、セルヒオ・レオン、そしてスーパーサブのラリンも合わせ、彼らがどこまで相手を脅かすことが出来るのか。活躍に期待したい。


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4、マジョルカ vs ビジャレアル

 一方 マジョルカの前節は敵地でセビージャに0vs2の敗戦。マドリー戦での勝利の勢いそのままに、この試合でも結果を出したいマジョルカだったが、序盤からペースをつかむことが出来ず。両サイドを制圧されてしまったことで、肝心のCBが外につり出され、結果として中が空いてしまうという悪循環にハマってしまった。質の良いディフェンスを前提とするボール保持もこの時点で出来なくなってしまい、前半で2点差。悔しさの残る試合となってしまった。現在10位、残留圏とは勝ち点差10と、比較的余裕はあるとはいえ、油断せず勝ち点を積みあげていきたいところ。この試合でも続いて難敵、ビジャレアルのとの対戦。リーガ4戦連勝中のホーム ソン・モッシュで勝ち点3をもぎ取りたい。注目選手はイ・ガンイン

 前半戦のマジョルカを支え、リーガの中でも屈指のチャンスメイカーとなっていたイガンイン。ただ、W杯中断明け以降のインパクトは少々物足りなさがある。チームの戦い方の変化によって、前半戦序盤の532のセカンドトップから541の左SHの位置にポジションを移し、ゴールから遠のいたことも起因しているだろうが、そろそろゲームを決定づける活躍を見たいしたいところだ。前半戦、セラミカで勝利したビジャレアルからのシーズンダブル達成へ、韓国代表MFに注目したい。


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  一方、アウェイ ビジャレアルの前節はセラミカでバルサに敗戦。ジェラールを負傷の影響で欠いたイエロー・サブマリンはvsバルサということもあってか、プレーエリアを中央とする中盤の選手を4枚並べる442でスタート。ただ、この策がうまくハマったとは言い難く、ワイドに張るプレーヤーがいなくなった事で、バルサのハイプレスにつかまってしまうことが多くなる結果に。元々、守備には大きな難のあるセティエン体制ということもあって、前半はかなり圧倒されてしまった。後半、多少盛り返しはしたものの、アラウホの壁を最後まで超えられず。これでチームは3連敗。クライシスと言える状況が続いている。このままでは、セティエンの首も時間の問題。何としてでもこの1戦は勝ち点3が必要だ。注目選手はジェレミ・ピノ

 今冬ダンジュマを放出。ジャクソン、ジェラールは負傷中と駒の足りていないFW陣。ジェラールに関しては、今節、復帰の可能性もあるが、ここ数年の離脱具合を見るに無理はさせられない状況。そのため、ピノ、チュクウェゼ、モラーレスといった選手たちに対する期待は大きい。その中でもピノはセティエン体制になって以降、左WGの位置にポジションを移し、出始めの頃の天才ぶりをいかんなく発揮。エメリ体制以降、唯一といっても良い収穫となっている。苦しい現状の中でピノがどこまで、チームを救う活躍ができるのか。もう一皮むける覚醒に期待したい。


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5、オサスナ vs レアル・マドリー

 ホーム オサスナの前節はバジャドリー相手に敵地でスコアレスドロー。試合開始直前になって、絶対的中心であるダビド・ガルシアが腹痛のため欠場。チームの要を欠いたチームはバジャドリーの両翼を中心とした守備にかなり揺さぶられたものの、なんとか耐えきり、勝ち点1を持ち帰ることに成功した。ヨーロッパカップ圏確保という点では、勝ち点2の痛いロスということもできるかもしれないが、あくまでオサスナの目標は残留、そしてトップハーフフィニッシュ。苦しみながらも勝ち点1を拾ったことを評価すべきだろう。今節はホーム エル・サダールでのマドリー戦。相手は中2日と疲労の色は隠せず、勝機は十分にある。本拠地の要塞ぶりを見せつけたいところだ。注目はディエゴ・モレーノ

 前半戦、オサスナのストロングとなっていたルベン・ペーニャとナチョ・ビダルの右ラテラルコンビ。タイプの違いを活かした使い分け、あるいは同時併用で好調のチームを支えた。しかし、彼らは現在長期離脱中。本職はカンテラーノのディエゴ・モレーノ1人となっている。起用されて以来、安定したプレーを見せているカンテラーノだが、この日のマッチアップはヴィニシウス。難しい対応を迫られることは想像に難くない。vsマドリーシフトという意味で5バックを採用してくる可能性もあるが、どちらにせよこのブラジル人WGをどのように抑えるか。これが勝負の分かれ目となるだろう。


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 一方のアウェイ マドリーの21節はクラブ・ワールドカップの影響で現地水曜開催。エルチェをベルナベウに迎えた試合は4発快勝。ヴィニシウスを出場停止で欠いたものの、最下位相手に格の違いを見せつけた。とはいえ、やはり過密日程の影響は大きく、今節は中2日で難所 エル・サダールに乗り込むこととなる。この後も、ミッドウィークにCL vsリヴァプールの後、デルビ、コパ準決勝クラシコベティスエスパニョール、CL2ndレグvsリヴァプール、そしてリーガ クラシコととんでもない日程となっており、3冠を狙う以上、ローテーションしつつ結果を出していくことが求められる。1stチョイスではない選手たちの中、ロドリゴ、アセンシオ、リュディガー、セバージョス、ナチョ、カマヴィンガといった面々は十分計算できるが、その他 マリアーノ、アザール、バジェホ、オドリオソラは現実的に戦力外状態。この厳しい状況を掻い潜るには17、18程度では足らず、カンテラーノを含め、新たな選手の台頭に期待せざるを得ない。この試合の注目選手はダニ・セバージョス

 ミッドウィークのリヴァプール戦、ここに向けてのコンディショニングを考えなければならないこの試合、中盤のセットをどのようにするかが注目どころ。妥当な線では、リヴァプール戦でクロース、モドリッチ、チュアメニのセットを使うため、この試合ではセバージョス、カマヴィンガ、バルベルデなどで行くところだが、エルチェ戦のセットがこの3人。モドリッチ、チュアメニは20分、クロースは欠場とこちらのセットの方がフレッシュと言える。エルチェ戦でこのフレッシュな状態の3人を使い、テンポの速い試合になるであろう、リヴァプール戦で若く走力にも優れた3人のセットを使う可能性もなくはない。とはいえなんだかんだ、アンチェロッティはトニルカを大一番で外すことはないはず。しかし、その疑念を抱かせるほどに、今のセバージョスは素晴らしい。元々、得意とするコンドゥクシオンやロングレンジのパスはもちろん、守備でも走り、闘い、ユニフォームを誰よりも汚す選手となった。ペドリやガビ、バエナにベイガ、バリオス、スビメンディ、バイチェティッチ等、相も変わらず続々と中盤で活きの良い若手が出てくるラ・ロハだが、今の勢いであれば、この4年間、セバージョスがその中心に君臨する可能性も十分。今、再度注目して間違いのない選手である。


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6、エルチェ vs エスパニョール

 ホーム エルチェの前節は、マドリー相手に0vs4の大敗。ビジャレアル戦で挙げた初勝利の勢いそのままに勝ち点獲得とはならなかった。もう一度仕切り直しとなるこの試合、不安要素は疲労面。マドリーに付き合わされる形で、現地水曜開催となってしまったことから、しっかりと1週間、トレーニングメニューをこなしてきたエスパニョールとの差は大きい。現在エルチェの勝ち点は9。残り試合は17。残留のボーダーラインはおそらく37~40の間になると思われ、単純計算でも17試合中9~10試合の勝利が求められる。この条件をクリアするため、そして残留争いにおけるライバル エスパニョールの勝ち点積み上げを直接妨害するため、この試合は極めて重要な6ポインターと言えるだろう。注目選手はランディ・エンテカ

 今冬ラージョから移籍してきたフランス人MF。190㎝という長身ながら比較的器用な足元の技術を持っており、迫力のある持ち上がりが得意なプレーヤーだ。地上、空中両面で攻撃面で頼れる存在だ。マドリー戦ではふくらはぎの違和感から、途中交代となったが、恐らくハリを感じたのみで、今節も途中からであれば起用できるはず。マドリー相手にインパクトを残すことは流石にできなかったものの、今節の相手 エスパニョールはレギュラーCBのカブレラが出場停止、モンテスも復帰は怪しく、カレロも負傷離脱。CBを本職とする選手はセルジ・ゴメスのみという状態だ。エンテカを始め、ボジェ、ポンセといった攻撃陣のチャンスは大きい。チームを勝利へ導く1点が欲しいところだ。


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 一方のアウェイ エスパニョールは前節 本拠地でラ・レアルに敗戦。序盤からラ・レアルの布陣に合わせ、前からハメに行ったエスパニョール。ただ、流動的に動く、インテリオール+エストレーモの動きを止めることはできずに65分までに3失点。これで、勝負ありかとも思われた。しかし、その後ラ・レアル側がトーンダウンしたこともあって、2点取り返し。意地を見せたものの一歩及ばず、これで3戦未勝利となってしまった。ホセルが離脱の中で、ダルデルやプアド、新加入のデニス・スアレスらが絡むことで良い形は作れてはいるものの、あと一歩及ばない試合が続いている。残留圏まで勝ち点1。最下位エルチェとの試合となる今節は敵地など関係なく勝ち点3のみが絶対条件となる。注目選手はデニス・スアレス

 昨季、セルタの絶対的中心として、チームを支えたデニス・スアレスブライス・メンデス。しかし、今季はブライスがラ・レアルにて、最高のパフォーマンスを披露している一方、デニスはセルタ フロントと揉め、夏での移籍に失敗し、前半戦を棒に振ってしまう結果となった。来季のビジャレアル加入が内定している中で、それまでの繋ぎとしてローンで加入したエスパニョール。まず第一の目標としては試合勘を戻すことが挙げられる。その上で、ダルデルやエスポジトなど、才能あふれるタレントの多い中盤で、良い化学反応を起こし、チームを目標の残留に導くことが出来るか。デニスの巻き返しに期待したい。


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7、ラージョ vs セビージャ 

 ホーム ラージョの前節はヘタフェ相手に痛恨のドロー。試合序盤より相手を圧倒し、先制ゴールをセットプレーから手に入れ、順調な試合展開と前半は思われていた。しかし、後半ヘタフェがムニルを投入し、右のポルトゥ、左のムニルと香車的な役割をできる選手を両サイドに置いたことで、状況は一転。サイドに注意を割かなければならなくなった分、結果的に中のウナル、マジョラルが仕事をしやすくなり、押し込める展開に。この流れは相手のアレニャが2枚目のイエローカードで退場になって以降も変わらず。とはいえ、ロングカウンターからラージョも幾度となくチャンスを作っており、勝利する確率はなおも高かったが、途中出場のRDTがPK逸失などもあり、押しきれず。わずか勝ち点1を持ち帰ることとなった。既に本来のノルマである残留に対しては安全圏におり、後は来季に向けてどこまで順位を上げられるかが勝負になる。注目は、イシ・パラソン

 今季、絶好調のイシ。デ・ラ・フエンテ新監督体制となったラ・ロハに推す声も多く、それも納得の活躍ぶりだ。右SHの位置からハーフスペースと呼ばれるポジションに入ってくる彼は、そこからのチャンスメイクという形はもちろん、非常に強力なミドルシュート、そして正確なクロスと数多くの質の高い武器を備えており、相手にとって厄介極まりない選手と言えるだろう。更に今季のラージョにとって大きな武器となっているセットプレーのキッカーとしての貢献度も高い。カテナ、ルジューヌというターゲットを質の高いキックで生かしており、ヘタフェ戦でもゴールに繋がった。この点にも注目したいところだ。


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 一方、アウェイ セビージャの前節はマジョルカに2vs0で勝利。両大外にナバス、ブライアン・ヒルを配置し、そこにシャドーのスソ、オリベルが絡んでくる形を作ると、これが得意のサイド攻撃を蘇らせることに。スソとナバスの関係性は、一番良い時期であった19-20シーズンの後半戦を彷彿とさせる出来であり、冬の移籍を経て、遂に良いセビージャが帰ってきた。この勢いはミッドウィークに行われたELプレーオフでも続いており、PSV相手にピスファンで3発快勝。この日もサイドからネシリが合わせる形で、得点を奪っており、ELに強いセビージャたるところを存分に見せつけた。とはいえ、今季の目標はあくまで、まずは残留。わずか勝ち点4差の降格圏との差をいち早く広げるためにも、この試合要塞 バジェカスにて勝ち点を持ち帰りたいところだ。注目選手はユスフ・エン=ネシリ

 先述の通り、サイドからの質の良い攻撃が復活したセビージャ。こうなると輝いて来るのがデランテーロに入っているエン=ネシリだ。W杯でも見せたように、絶対的な身体能力を活かし、グラウンダー、ハイ問わずクロスボールに点で合わせることの得意な彼は、直近公式戦5試合で5得点。殆どゴールのなかった前半戦から一転、好調を維持している。この日のマッチアップのルジューヌ、カテナは高さも備えた質の高いコンビだが、ここからこのモロッコ代表ストライカーがゴールを奪えるか。期待したい。


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8、アトレティコ vs アトレティック・クルブ

 ホーム アトレティコの前節はセルタ相手にバライードスで1vs0での勝利。終始セルタペースで進んだ試合であったが、相手の攻撃をオブラク中心になんとか防ぎ切ると、運も味方し掴んだ一瞬のチャンスを冬加入メンフィスが沈め、2試合ぶりの勝ち点3をあげた。メンバーも怪我人が皆戻ってきており、幸か不幸かヨーロッパカップ戦がないことから、週1でのサイクルで試合に臨めており、各選手のコンディションの良さは見受けられる。ただ、やはりチームとしては物足りなさが大きく、今後のCL圏争いに向けて不安が残る。強敵アトレティックをホームに迎えるこの1戦。とになぬ勝点3という結果を求めたい。注目選手はマリオ・エルモソ


 W杯による中断以降、非常に好パフォーマンスを見せているエルモソ。得意の左足からの高精度なビルドアップはもちろん、課題であった守備面でも安定した対応が光っており、サヴィッチ、ヒメネスのレギュラー陣が負傷、出場停止等でなかなか信頼できない中で非常に頼もしい存在となっている。この試合の相手 アトレティックはニコ、サンセを筆頭に優秀なアタッカー陣を揃えており、押し込まれる展開が多くなることも予想される。その中で、エルモソがどれだけ安定感を維持できるか。完全なる覚醒に期待だ。


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 一方、アウェイ アトレティックは前節、敵地メスタージャでバレンシアに勝利。両チームとも好パフォーマンスを見せた見ごたえのある試合になったが、接戦を何とか制し、見事勝ち点3を挙げた。これで前節のカディス戦に続き、連勝という形に。好調な状態で、勝ち点6差で追う4位アトレティコとの6ポインターに挑む。今季就任後、様々な試行錯誤を続けてきたバルベルデだが、ここにきて改めてムニアインとサンセを同時に起用する布陣に。その上で右のニコ、左のベレンゲルを活かしながら、打開していく良い攻撃の形ができている。シーズン後半戦、ヨーロッパカップ圏内確保に向け、ここでアトレティコを下し勢いに乗りたいところだ。注目選手はイケル・ムニアイン

 言わずと知れたアトレティックの象徴であるムニアイン。ただ、今季はバルベルデの就任もあり、以前のような絶対的な地位からは陥落。トップ下の位置をサンセに譲り、ベンチスタートとなることも多くなった。しかし、W杯中断期間以降は、再びスタメンの座にカムバック。彼の特徴でもあるポジショニングの良さ、そしてそこからのチャンスメイクによって攻撃を演出し、外循環になりがちだった崩しに彩を加えることでチームの好調に貢献している。この試合でもアトレティコ守備陣のライン間に侵入し、決定的な仕事をすることが出来るのか。期待したい。


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9、バルセロナ vs カディス 

 ホーム バルセロナの前節はビジャレアルに敵地で勝利。自慢の堅守でエース ジェラールを欠いた相手を抑えきり、首位の座をがっちりキープしている。しかし、ミッドウィークのELプレーオフvsユナイテッドでは2vs2のドロー。序盤よりユナイテッドの強度の高いプレッシングに苦しむことに。また守備では絶好調の相手エース ラッシュフォードを抑えきれずに久々の複数失点となった。カンプ・ノウで勝ち切れなかったという事実はもちろん痛いが、それ以上に影響が大きいのがペドリの負傷離脱。3~4週間程度の離脱になるという報道がなされており、ユナイテッド戦の2ndレグはもちろんの事、コパの準決勝2試合、そして天王山になるリーガの1戦、と約1ヶ月で3回やってくるエル・クラシコの出場にも黄信号が灯っている。このチームにおいてペドリの存在はあまりにも大きく、また外の飛び道具であるデンべレも欠いている現状はかなり厳しい。マドリー同様、アンスやフェランなどの調子が上がってきていない選手の活躍、あるいはパブロ・トーレやカンテラーノらの台頭に期待したいところだ。この試合の注目はアンドレス・クリステンセン

 今夏チェルシーよりフリーで加入して以来、素晴らしいパフォーマンスを見せているクリステンセン。高さ、一定程度のスピード対応、そしてビルドアップにラインコントロールと期待以上のパフォーマンスを披露しており、今季絶好調であったエリック・ガルシアの出番が全くなくなってしまう程の出来の良さだ。なぜかユナイテッド戦ではローテーションという謎の理由から起用されなかった彼だったが、今後の2ndレグ、そしてクラシコを含めた優勝への後半戦では間違いなく重要になる選手の1人であろう。この試合では、基本的に終始、ボールを持つ展開になることが予想され、その中でボール保持、そしてカウンター対応での貢献が求められる。ミッドウィークに向け省エネで勝ち点3を奪うためにもまず0で抑えることは前提だ。


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 一方のアウェイ カディスの前節は2vs0でジローナに完勝。質の高い圧縮を伴ったハイプレスでジローナのボール保持を封殺。ショートカウンターから2点を前半の内に物にし、降格圏から抜け出すことに成功。冬の補強であるエスカランテやロジェール、セルジ・グアルディオラといった選手たちが既にチームに上手くハマったうえで躍動しており、これまで選手の質不足が否めなかったチームの選手層は一気に厚くなった。現在のチームの調子の良さはボトムハーフ随一と言えるもので、この好調をどこまで維持できるのかが、残留に向けて重要となる。今節は強敵バルサとの1戦。とはいえ昇格以来、カンプ・ノウでは敗北経験がなく昨季は大金星を挙げている相性の良い地。ELプレーオフの影響もあるであろう、バルサに再び土を付けられるか。注目はブライアン・オカンポ

 ウルグアイ人WGである彼は、今夏チームに加入。前半戦の出場機会は半々といったところだったが、後半戦に入り、左SHのスタメンとして定着すると、それ以来、カウンターの中心として、チームの好調を支えている。ウルグアージョらしい、足裏を使いながら、相手の逆を取っていくドリブルは、相手を外すことはもちろん、時間を作るという点でも効果的。この試合では対面となるクンデあるいはセルジ・ロベルト相手に彼がどこまで切り裂いていけるかが勝負のカギとなるだろう。


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10、ヘタフェ vs バレンシア

 ホーム ヘタフェの前節はラージョ相手に勝ち点1を確保。ヨーロッパカップ戦圏内の好調 ラージョ相手に1点ビハインド、数的不利の状況からもぎ取った勝ち点1の持つ意味は大きい。未だ、残留圏脱出とはいかないものの、負傷者も多い中で最低限の結果とは言えるだろう。そんなヘタフェにとって非常に重要な6ポインターとなる今節。勝ち点1差で上を行く18位 バレンシアとの1戦。この勝負を制することが出来れば、勝ち点は22。他チームの結果次第ではあるが、一気に降格圏脱出も十分あり得る。アレニャが出場停止、ルイス・ミジャも負傷で出場が怪しいなど、中盤に不安は残るものの、夏の積極補強もあり、戦力は充実している。セオアネ、ビジャール、アルゴビアなど代役になると思われる選手が、好パフォーマンスを見せてくれるだろう。注目選手はポルト

 今夏、チームに加入すると合流当初は2トップやインテリオールとしての出場機会が多かったポルトゥだが、早い段階でWBとしての起用が多くなるように。現在ではダミアン・スアレス、イグレシアスの負傷、そしてアンジレリ、アマヴィの2人がキケ監督の信頼を得ていないこともあって、WBの一番手に。前節では4バックの右ラテラルも務めた。慣れない場所ということもあり、守備面には不安が見受けられるものの、攻撃では得意のスプリントで右サイドを切り裂きチャンスメイク。終盤の猛攻の中心となった。この試合ではリーノ、ガヤという強力左サイドとのマッチアップが予想され、不可は大きいが、彼がどれだけ粘り、攻撃面の良さを出せるか。ここが勝負の分かれ目となるだろう。


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 一方のアウェイ バレンシアは前節メスタージャでアトレティックに敗戦。これでチームは公式戦5連敗。一気に降格圏にまで転落することになった。オーナー ピーター・リムの愚行によって手放してしまったガットゥーゾの退任後、チームは勝つことが全くできておらず、ここにきて85-86シーズン以来の降格が現実的なものとなっている。とはいえ、開幕当初から質の高いフットボールを作り上げていたガットゥーゾ前監督のおかげもあり、内容で見れば、十分にトップハーフも狙えるだけのものを見せているのも事実。きっかけさえつかむことが出来れば、一気に浮上という未来も描くことはできる。そのためにも、降格圏に沈むチーム同士の対戦となる今節。勝ち点3以外は許されない。注目選手はウーゴ・ドゥーロ

 古巣との1戦となるウーゴ・ドゥーロ。前節カバーニが負傷し、約1ヶ月の離脱となる中で、代役を務めるものと思われる。バレンシアにとってこの1ヶ月間はチームの行く末を左右するあまりに重要な期間。彼に懸かるものは大きい。より広い範囲に顔を出す傾向のあるカバーニと異なり、ウーゴ・ドゥーロは典型的なボックスストライカー。中央でポストとなりつつ、サイドからのクロスボールに対して、中で合わせる。この形でどれだけ得点を奪うことが出来るのか。まずはこの1戦、試合を決める得点に期待だ。


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