rinのリーガとスペインサッカーについて語るブログ

ラ・リーガとスペインサッカーについて気軽に書きます。内容めっちゃ浅いです笑 アトレティコのファンです。

ラ・リーガ6節プレビュー

1、初めに

 皆さんこんにちは。よろしくお願いいたします。

 リーガも5節を終え、それぞれのチーム状況、やりたいサッカー、新戦力のフィット具合などが段々と鮮明になってきました。その中でやはり3強を筆頭に予め上に来るのではと予想されていたチームが順位を上げ、一方で未だ勝ちなしと苦しむチームもいるなどリーグ内での立ち位置も次第に確立化されているように感じます。第6節を持って一度代表ウィークに入るリーガ。どのような形でブレイクに入るのか、各チームにとって今節は重要な試合になるでしょう。

 ではよろしくお願いします!

 

2、ラ・リーガ5節振り返り

  5節最大のPartidazoであったベティスvsビジャレアル。好調同士の2チームによる対戦は下馬評を覆し、フェキル、ファンミの2人を欠いたベティスが勝利。ビジャレアル的には直接のライバルへの敗北にジェラールの負傷も加わり、かなり痛い敗戦となってしまった。3強はいずれも4発快勝。マドリーはマジョルカバルサカディスアトレティコはセルタとの対戦。いずれもスコアほどの差があった内容ではなかったが、自分たちの流れになったときの決めきる力で、違いを見せつけた。その他、セビージャはエスパニョールにアウェイで勝利し、待望の今季初勝利。久保も所属するラ・レアルはヘタフェに1vs2で敗戦。アトレティックはエルチェに快勝。ジローナvsバジャドリーの昇格組対決はジローナに軍配。

 今節のPick up Playerはセビージャからホセ・アンヘル

  昨季のラージョ戦に途中出場という形で、プリメーラデビューを果たしたセビージャのカンテラーノ。基本ポジションはCBであり、クンデやジエゴ・カルロスを欠くことになりセントラルの層が一気に薄くなった今シーズン、出場機会をPSMから増やしていた。そんな彼がこの試合では右SBとして先発出場。ナバス、モンティエルといった選手たちのコンディションが中々上がらない中で、リーガでは初スタメンを飾ることに。すると彼はラメラの先制点のアシストを皮切りにセットプレー、相手のミスからまさかのドブレーテを達成。2G1Aでチームを今季初勝利に導いた。実際、冷静に見ると守備対応の面や、サイドでの受け方、絡み方などで純粋なラテラルの動きとは程遠く、物足りなさを感じたのも事実だが、今のチームには勢いに乗る選手の存在は不可欠。彼から良い雰囲気をチーム全体に派生させることで、復調へ向かっていきたいところだ。その他の結果及び順位表、今節の個人的選出ベストイレブン(とその控え)は下記の通り。

 

 

 そして今節で忘れてはならない特別な出来事が2つ。まずはカディスvsバルセロナ戦での一幕。1人の大切な命を救うため、チームの垣根、そして選手として以上に1人の人として動いたレデスマを筆頭とする両チームの全ての関係者の方々にリスペクトを送りたい。もう一つはエスパニョールvsセビージャでの出来事。それぞれ不幸な形でこの世を去ることとなったアントニオ・プエルタとダニエル・ハルケというレジェンド2人に対する両サポーターによる16分、21分での拍手。毎年伝統として受け継がれていくこの拍手。彼ら2人が残してくれた功績を忘れないために、サッカー以上に大切な命というものの大切さをこれからも受け継いでいくために、この素晴らしい伝統にふれたいと思う。

 これらの件について触れるべきかはかなり悩みました。実際、私の拙い文章では不快に思われた方もいるかもしれません。申し訳ないです。しかし、1記事について30閲覧いけば本当にありがたい程度の当ブログでも、この事に触れることで、誰かが何かを知る、何かについて考えるきっかけになってくれる可能性があるのであればと思い、私なりの言葉で伝えさせていただきました。ありがとうございました。

 

3、ラ・リーガ6節プレビュー

1、バジャドリー vs カディス

 ホーム バジャドリーの5節は昇格組同士となったジローナとの対戦。結果は終了間際にコーナーキックからゴールを許し、1vs2での敗戦。ポゼッションは上回り、シュート数でも互角の数字となったバジャドリーだったが、XG(ゴール期待値)では2.59vs0.51と完敗。実際、バジャドリー側の得点もモンチュのスーペルゴラッソであり、チャンスらしいチャンスはなかったと言っても過言では無い。もちろん前半30分までにセルジ・グアルディオラ、リュイス・ペレスの2人が負傷交代を強いられたことにより選択肢が限られ、中々状況を変えることが出来なかったのは間違いないが、それにしても物足りない内容と言えるだろう。前節の初勝利の勢いを継続することが出来なかったバジャドリー。今節は引き続きフライデーナイトのゲームで相手はカディス。相手は開幕から5連敗中かつ無得点と厳しい状況であり、ホームであることも考えると勝ち点3がマストの試合となる。豊富なタレントをどのように組み合わせ、どのように決定機を作っていくのか、パチェタの采配に期待したい。注目選手はゴンサロ・プラタ

 第2節より負傷で離脱していたエクアドル代表ウインガーアルメリア戦の途中出場を経て、ジローナ戦でスタメン復帰。らしい仕掛けは見せたものの、アルメリア戦に続き、中々効果的な崩しに繋がるようなプレーは出来なかった。とはいえ、昨季セグンダを騒がせた突破力はプリメーラの舞台でも通用し得るものであり、キケ・ペレスが負傷により欠場する可能性もある今節、彼の突破力が攻撃のポイントとなる可能性は極めて高い。対面のミゲル・グティエレス相手に優位に進め、チームを勝利に導けるか。注目だ。


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 カディスの5節はバルサをホームに迎えての1戦。前半をスコアレスに抑え、相性の良い相手だけに勝ち点Getなるかとも思われたが、後半には4発を叩き込まれ完敗。レヴァンドフスキ、ペドリ、デンべレの投入で一気に試合を決めに来た相手に対抗することが出来なかった。これで開幕5戦全敗&無得点とどん底の状態にあるカディス。とはいえ前回記事でも書いた通り、チームとして明確な戦略は立てられており、その戦略は試合ごとに一定の成果を出しているのも事実。それだけにセルヒオ・ゴンザレス監督の去就をどうするべきなのかについては頭を悩ませるところだ。監督交代をするのであれば、この試合後代表ウィークに突入するだけにこのタイミングがベスト。この試合の結果によってその決断は成されるだろう。注目はルベン・アルカラス

 怪我から帰ってきたこのチームの心臓。オフシーズンの手術の影響で開幕に出遅れたアルカラス。昨冬にセルヒオ監督とともにバジャドリーからやってきた彼はすぐさまチームにフィットすると、チームの司令塔としてボールを引き出し、展開させる役割を負った。特に彼の最大の武器である精度の高いサイドチェンジは、それぞれ右で張るアレホと、左で連携で崩していくイドリシ&エスピノのサイドアタックを活かし、カディスのプレーエリアをべた引きではないところまで引き上げさせ、結果残留へと導いた。今季のカディスはこれまでアルカラス以前同様べた引きのブロックセットという展開が多くなっており、この状況がアルカラス復帰によって変われば、自ずと勢いも出てくるはず。幸い与しやすい相手との対戦となる今節。カディスの復調に期待したい。


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2、マジョルカ vs アルメリア

 ホーム マジョルカの5節はベルナベウに乗り込んでの1戦。ファイナルゾーンにバスを置く形で54ブロックをセットしたマジョルカはそれぞれの人、あるいはエリアを明確に定めることでマドリーの攻撃陣に対抗。これまでのイガンインをムリチの下に配置する5311の形ではなく、明確に左側に降ろしたことでカウンターの破壊力は落ちてしまったが、その分幅をしっかりと人で埋め、良く対抗した。しかし、一瞬のスキを突かれ、マドリーの流石の理不尽ともいえる個の能力で失点を重ね、逆転を喫しての1vs3での敗戦となった。とはいえ、アントニオ・サンチェスが決定機を決めていれば…など、勝ち点を拾う可能性はあった試合と言え、やっていることが間違いではない事を認識するには十分だろう。重要なのはこの敗戦を引きずらず、この試合で結果を出すこと。ホームでのアルメリア戦に勝利すれば代表ウィーク前を2勝2分2敗のイーブンで終わらせることが出来る。これを目指して、勝ち点3を掴みたいところだ。注目選手はルイス・デ ガラレタ。

 昨季後半戦のvsベティスで左ひざの前十字靭帯断裂を負って以来、初のスタメン出場となったガラレタ。これまでラージョ戦、ジローナ戦、終了間際に出て10分弱をこなしていた段階だっただけに、ここでのスタメン起用は意外なところだったが、アギーレの期待に応え、好パフォーマンスを披露。中央をバタグリアとともに締め、奪取時にはさすがのキープ力と視野の広さで、マドリーの即時奪回阻止に貢献。先述の通り、イガンインを降ろし、カウンターの起点が減っているマジョルカの中で殴られっぱなしを回避するためにガラレタの存在は非常に大きいものであった。前節も60分で交代しているだけに、まだフル稼働とはいかないのではあろうが、ガラレタの復帰はマジョルカにポジティブな影響を多大にもたらしてくれるはず。この試合でも彼のプレーに注目だ。


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 一方、アウェイ アルメリアはホームにオサスナを迎えての一戦となった第5節。結果は0vs1で敗戦。CB2枚に中盤の3枚が上手く関わり、良い形でボールを運んでいくことはできていたアルメリアだったが、肝心の崩しのフェーズで相手を脅かすような形が作れず、結果的に押し込んでいるだけというような形になってしまった。サディク退団後、532から昨季のベースであった4213あるいは4123の形に変えているアルメリア。突破力に優れたラテラルを高い位置に置き、エストレーモを中で絡ませるという布陣自体は合理的ではあるが、それぞれが孤立気味になってしまっており、線が繋がっていないのは大きな課題だ。サディクという1つ基準点にもなれば、預けるだけでゴールまで1人でも行ってくれるような選手がいただけに、そこからどのようによりチーム単位での崩しというところに移行していけるのか。注目したいところだ。ここまで開幕より1勝1分3敗。更に残留争いにおいてライバルになるであろうバジャドリーに敗れ、エルチェに引き分けているなど内容以上に結果は悪い。これまた残留争いのライバルになるであろうマジョルカとの対戦となる今節は敵地とはいえ勝ち点3が欲しいところだ。注目はセルヒオ・アキエメ

 ラ・マシア出身の左ラテラルであるアキエメ。ラテラルに高い位置を取らせるこのチームにおいて武器である突破力とスピードを活かし、アルメリアの攻撃において中心の1人となっている。3節のセビージャ戦で見せたように左サイドを1人で打開できるタレントであり、ファイナルサードでの連携がまだ未成熟なアルメリアにとって彼の打開は生命線の1つ。この試合でも532を敷いて、基本的に受け身で入るであろうマジョルカ相手にボールを支配できる展開は続くはずであり、その状況下で彼が大外からそのブロックを壊すことが出来るかは注目したいところ。マジョルカの作りこまれたサイドでの包囲網を崩すことが出来るのか。注目したい。


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3、バルセロナ vs エルチェ

 ホーム バルセロナの5節はカディスとの1戦。バイエルン戦に備えてターンオーバーw実施してきたバルサ。その影響からか、前半は相性の悪いカディス相手に攻めきれず、スコアレス。しかし、55分にフレンキーが得点を奪うと、その後レヴァンドフスキ、ペドリ、デンべレの投入もあって更に追加点。終わってみれば4発快勝となった。そして迎えたミッドウィークのバイエルン戦。チームの実力が試される試合となるこの試合、バルサはLCBにクリステンセン、LSBにマルコス・アロンソを起用。その上で、ブスケツ、ペドリ、ガビを前に思い切りよく出す、シーズン開幕以来やってきたバルサの形で真っ向勝負を挑んだ。その結果、前半高い位置での回収を多く成功させ、決定機を何本も作った。しかし、それを決めきれずにいると後半ゴレツカを投入したことで中盤の馬力を高めたバイエルン。それに対し、中盤の負担の大きさから疲労が見え始めたバルサ。この両者の差によって、インテンシティ及び、セカンドボールの回収率でバルサは劣る展開が増え、その間にセットプレーを含めた2失点。その後フレンキーなどの選手を投入することで巻き返しを見せたものの1点が遠く、0のままで敗戦となってしまった。もちろん課題も多く見られた試合ではあったが、敵地から持って帰ってきたものは、それ以上に収穫が多いはず。昨季の状況から考え、もちろん積極補強はあったとはいえ、ここまでチーム間の差が埋まっていることを実感できたのは間違いなく選手たちの自信になる。敗戦とはいえ、まだグループリーグ。死の組を突破することは前提としたうえで、バルサにとっての本番はトーナメント。それまでにこういったレベルの強豪にどのような形で勝利へもっていくのか。そこをリーガで勝利をあげつつ模索していきたいところだ。注目はフェラン・トーレス

 シティ退団の後味の悪さ、また昨季目立った決定機逸によって現地、日本問わず批判にさらされている傾向の強いフェラン。しかし、バイエルン戦ではデンべレが抑え込まれサイドからの打開が出来ず、彼がロストマシーンになっていた状況で出場。すると、彼の得意な動き直しの多さと質の高さで、時に外側、時に内側を取ることで、相手のブロックを攪乱。その結果、ペドリがワイドに開いて時間を作るなどといったシーンが出てくるようにもなった。バレンシア時代であればともかく、今のフェランはラフィーニャ、デンべレの大外の打開力では大きく劣るが、その一方、彼にはその2人にはない武器を持っており、その武器あるいはキャラクターにチャビも信頼し、一定のタスクを与えているようにも思える。ここでその信頼にゴールという形で応えることで、チャビの、クレの期待に応えることが出来るか。ラ・ロハのエースとして爆発に期待したい。


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 一方、アウェイのエルチェはホームでアトレティックを迎えての1戦。結果は前半に4失点を喫し勝敗を決められるという非常に厳しいものとなった。ディフェンス陣に課題を抱えるエルチェにとって、とりあえず早い時間に失点しないことが命題化されていた一戦だったが、その願いもつかの間9分で先制点を取られると、その後はミスも相次ぎ終戦という結果になってしまった。開幕以来、続いて安定しないCBに加え、モヒカのデッドラインデーの退団を経て、代役となってほしいクレルク、ニコラス・フェルナンデスの2人もまたかなり悪いパフォーマンスぶりと、ディフェンスラインの個の質という面が不足していると言わざるを得ない。昨季終盤、フランシスコの就任以来、順位を上げ今夏はペレ・ミジャの契約延長、コジャド、ロジェール、キナといった魅力的なタレントを集めていただけに、開幕以来の1分4敗という結果は物足りない。そんな状態で迎える今節の相手はバルサカンプ・ノウでは勝ち点1すらも取れていないチームとの対戦となる。なんとかカンプ・ノウで状況を改善するきっかけになるようなパフォーマンスを見せて、ブレイクに入りたいところだ。注目選手はエドガル・バディア

 本来ならDFを選びたいところだったが、前節の惨状を見ると今節誰が出てくるのか、わからないと言わざるを得なかっただけに、ここはあえてバディアを選択。最後尾から不安定すぎるディフェンスラインをコーチングで支え、決定機を流石の反応で止めるなど、エルチェの崩壊を何とか防ぐため孤軍奮闘しているこの守護神。アトレティック戦でも彼のセーブがなければマニータあるいはそれ以上いっていても可笑しくない内容であった。前節以上に押し込まれる展開が予想されるエルチェ。バディアのビッグセーブ連発以外に勝ち目はないだろう。


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4、バレンシア vs セルタ

 ホーム バレンシアの5節はバジェカスに乗り込んでのラージョとの対戦。いつも通り、後ろからしっかりとボールをつなぐフットボールを展開しようとしたバレンシアだったが、ラージョのハイプレスにハマりショートカウンターを喰らう場面が続出。前節降りてきてボールを引きとり、ビルドアップと崩しの2つのフェーズをうまく繋げていたムサも、オスカル・バレンティン、サンティ・コメサーニャの2人の上手いコース取りでのプレスに消され、中々ボールを引き出せず、やむなく最後に流れるシーンが散見された。時間が進むにつれ、ラージョの足が止まってきたこともあって、徐々にボールを運べるようになり、チャンスを作るシーンもあったが、全体的には完敗と言えるだろう。とはいえ、ボール保持を作りこんでいる段階でこの形での敗北はある程度覚悟しているはずであり、切り替えて次の試合に向かうことが肝要。ボールの握りあいになるであろうセルタとの1戦。メスタージャで勝ち切り、ブレイク前に開幕までの結果をトントンにできるか。このフットボールを続けていくうえでもこの試合は重要。注目選手はニコ・ゴンザレス

 今季バルサからローンという形で加入しているニコは本来ギジャモンの控え的立ち位置になるとみられていたが、ソレールの移籍に伴い左インテリオールの一番手として起用。低い位置でボールに携わるというよりは、ライン間に位置して、そこで引き出すという仕事を担っている。とはいえ、ラージョ戦のようにハイプレスで来られた時に2CB、ギジャモン、ムサを抑えられると完全に運べなくなってしまうバレンシアの中でニコがどのような立ち位置をとり、どんな判断をするかは非常に大切。ラ・レアルのミケル・メリーノのようにフィジカル的優位と足元の技術を活かしたIQの高いオールラウンダーになれるか。ムサの怪我による欠場が濃厚視されている中、セルタ戦を制すにはニコの活躍が不可欠だ。


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 一方、アウェイのセルタは第5節アトレティコと対戦。敵地シビタス・メトロポリターノに乗り込んだセルタだったが、アトレティコ相手に1vs4の完敗となった。序盤相手のミスもあり2トップのアスパス、ラーシェンそれぞれにチャンスが1本ずつあったものの、相手GKの好守に阻まれると、それ以降は中々流れを持ってくることが出来ず。負傷により、これまで左降りでビルドアップを助けつつ、ライン間で引き出すという役割を担っていたオスカル・ロドリゲスの不在も響き、思うような攻撃の形を作ることのできた時間は非常に少なかった。これで2勝1分2敗と可もなく不可もなくといった入りを見せているセルタ。ただ、大きな変化を強いられることとなった夏の動きを見れば、漕艇場に良くやっているということはできる。良い形で代表ウィークに突入するためにも、アウェイで勝ち点3を持ち帰りたいところ。注目選手はフラン・ベルトラン

 ボールを大切にする傾向の強い両チームの対戦となる今節において、どちらが主導権を得るのかは注目したいところ。その観点において重要な役割を果たすのがベルトランだ。インテリオールに2人の内、1人をCFに並べ、そこの2人でCBに圧をかけ、その人ではない方のインテリオールがピボーテポジションを捕まえるバレンシアのプレッシング。セルタに当てはめると、アイドゥー、ヌニェスそしてタピアにはマーカーがつくものと考えられる。そんな中でトップ下の位置に入るであろうベルトランが相手のプレッシングの穴を見つけ、そこからゲームを作っていけるかがキーとなる。直接の先輩であったロボトカがCLの舞台で輝いている中、今季のベルトランはどのようなパフォーマンスを見せてくれるか。楽しみにしたい。


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5、アトレティック・クルブ vs ラージョ・バジェカーノ

 ホーム アトレティックの5節は敵地マルティネス・バレーロに乗り込んでのエルチェとの一戦。相手の状態の悪さもあって、ミスを突き、前半で4発を沈めゲームを決めてしまい最終結果は1vs4で終了。ビビアンの軽率なミスによって1点は返されてしまったものの、得点力不足に悩まされた挙句に敗れた前節とは打って変わって気持ちの良い快勝で今季3勝目を挙げた。ここまで所謂強豪と呼ばれるチームと当たっていないとはいえ、バルベルデ新体制の下で明確な形を作りつつ良いチームを作ることが出来ているといって良いだろう。更にポジティブな点が前節でのイニゴ・マルティネスの復帰。契約上の問題で今季は干されるのではとも言われていたイニゴだったが、前節、負傷から戻るとイェライのインフルエンザによる欠場もあってスタメンで出場。流石の安定感と供給面でその価値を示した。来夏での退団が濃厚となっている中でバルベルデ、そしてアトレティックのフロント陣が今後イニゴをどのように扱っていくかは分からないが、その実力が確かであることは証明された一戦となった。そして迎えるラージョ戦、注目はアレックス・べレンゲル

 昨季は442の右SHで起用され、ニコと出場機会を分け合ったベレンゲルだが、今季は左WGの1番手として躍動。内外どちらでもチームに貢献できる流石の技術とサッカーIQ でバルベルデの展開するポジショナルプレーにとって重要な選手となっている。サイドでのトライアングルを重要視するバルベルデ。左サイドはユーリが外、ベレンゲルが中、ムニアインが球出し役という形が固定化していた中でユーリが負傷離脱。代わりにレクエが入って以来、べレンゲルムニアインと2人で状況によって大外のレーンの使い方を変え、ユーリ不在によって破壊力が落ちた左サイドの攻撃を再構成。エルチェ戦では抜け出したベレンゲルのクロスから先制点が埋まるなど、ここの連動度も高まっている。重要な一戦となるこのゲーム。べレンゲルがチームを勝利に導けるか。期待したい。


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 一方のアウェイ ラージョの5節はホームでのバレンシア戦。ここ数カ月バジェカスで中々良い成績が出ていなかったラージョであったが、この試合は素晴らしい出来でバレンシアに完勝。結果こそ2vs1だったが、もう少し差がついていてもおかしくない内容ではあった。開幕のバルサ戦、そして今節のバレンシアのように後ろからつないでくるチームにはやはり強さを見せるラージョ。今節の相手 アトレティックは昨季まではハイプレスからのショートカウンターを中心とするチームだったが、今季はどちらの戦い方もできるハイブリットなチームへと変革を遂げている最中であり、アトレティックがどういいうスタンスで試合に臨んでくるかが重要となる。イラオラ監督にとって敵将のバルベルデは自身をBチーム時代から見てくれていた恩師であり、この試合は師匠に胸を借りる試合。采配によって大きく結果、内容ともに左右されるであろうこの試合、イラオラはバルベルデを超えることが出来るか。注目選手はアルバロ・ガルシア

 バレンシア戦でもさすがの切れあるドリブルで今やリーガでも上位の対人能力を誇るコレイアを完全に上回ったアルバロ。昨季、7G4Aというスタッツを残し、ラージョの攻撃において一番の武器となり続けている彼は、その好調さを今季も維持しているが、唯一シュートの部分の精度はまだ開幕以来、上がっていない。バレンシア戦でも決定機逸が目立ち、結果として最後の5~10分間ハラハラするような展開を作ることに繋がってしまった。代表ウィーク前にゴールを決め、良い状態でブレイクに向かいたいこの1戦。自身のゴールでチームを勝利に導きたいところだ。


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6、ベティス vs ジローナ

 ホーム ベティスの第5節はベニート・ビジャマリンでビジャレアルを迎えての一戦。ミッドウィークのELでファンミが負傷を負い、ファンミ、フェキルという2大エースと言っても過言では無い2人を欠いた中で迎えたこの1戦。昨季、2戦とも完敗を喫したビジャレアル相手に1vs0で勝利。序盤からライン間に顔を出すロチェルソからの攻撃で、多くの決定機を与えてしまったが、何とかルイ・シウバをはじめとするディフェンス陣の奮闘で0に抑えると、徐々にペースをつかみ始め、ファンミの代わりに入ったロドリが決勝点。何とか勝ち点3をもぎ取った。ボール保持において中心となるフェキル、相手が押し込み、高いラインを敷いてきたときに抜群のダイアゴナルランでの裏抜けを見せるファンミというベティスのスタイルでの2面性を支える2人を欠き、できるフットボールが限られる中でもぎ取ったこの勝ち点3の持つ意味は大きい。この勢いそのままにジローナ戦でも勝利をおさめ5勝という結果を持ってブレイクに入りたいところだ。注目はルイス・エンリケ

 今夏フルミネンセから獲得したブラジル人ウインガーは4節のオサスナ戦でデビュー。その後マドリー戦、ヘルシンキ戦、そしてビジャレアル戦では一定のプレータイムを与えられている。ビジャレアル戦でロドリのゴールを演出したようにボールを持った際の突破あるいはキック精度という点には目を見張るものがある一方で、ボールを持っていない間のフリーランやあるいは守備の意識、トランジションといった部分には大きすぎる課題を抱えているように見える。もちろん今季が欧州初挑戦である以上、ある程度多めに見てあげる必要はあるが、ファンミが長期離脱となってしまった今、そう悠長なことを言っていられないのも事実。急激な変化は無理だとは言え、ビジャレアル戦に比べ改善したところを見せられるか。ボール非保持時のルイス・エンリケに注目したい。


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 一方 アウェイ ジローナは前節バジャドリー相手に2vs1で勝利。昇格組同士の対戦となったホームでのゲームで勝ち点3を取り切り、開幕からの5戦を2勝1分2敗のタイに持ち込んだ。これは現状、昇格組トップの成績であり、ここ数年恒例となっているプレーオフ勝者が一番躍進する説を実践している。とはいえ、ここまで所謂強豪と当たっていなかったのも事実。この試合から始まるベティス、ラ・レアル、アトレティコの3連戦でジローナがどこまで戦えるのかは見えてくるはずだ。この3連戦の初戦となるこの試合。ベティスはファンミを欠き、またミッドウィークを戦ってきた状態であることもあって、アウェイとはいえ3連戦の中では一番勝ち点を拾える見込みのある試合と考えられる。現在の好調さを維持し、代表ウィーク前にベニート・ビジャマリンから勝ち点を持ち帰ることが出来るのか。注目選手はサンティ・ブエノ

 今季がプリメーラ初挑戦となっている23歳 ウルグアイ代表CBは開幕より好パフォーマンスを維持しており、ベルナルド・エスピノサやダビド・ロペスといったリーガでの経験豊富な選手たちを差し置き、ジローナのディフェンスを支えている。ラ・マシアでの所属経験もある彼は、ラ・マシア産らしく足元のスキルも一定水準以上のものがあり、またカバーリングのセンスも良く単純にスピードでぶっちぎられることも少ない現代型の良いCBと言える。ゴディンを筆頭に現在でもヒメネス、アラウホと名だたるウルグアージョのCBが輝いてきたリーガ。その系譜に名を連ねるものに今後ブエノはなる可能性を秘めている。


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7、ビジャレアル vs セビージャ

 ホーム ビジャレアルはベニート・ビジャマリンに乗り込んでの1戦に0vs1の惜敗。前半パレホやキャプーにマークを引き付けさせ、ジャクソンとピノが相手最終ラインをピン留めすることでロチェルソやジェラールにライン間を使わせる形が機能。決定機を複数作ったが決めきれず。そして迎えた後半ジェラールの負傷を機に守勢に回ることも多くなる中で失点。ジェラールと同じタイミングで代えたジェレミ・ピノは左サイドを駆け上がるアレックス・モレノに対して時に5バックのような位置に落ちて対応するほどの守備貢献を見せていただけに、失点シーンではチュクウェゼの対応の酷さが目に付いてしまった。アウェイとはいえ内容面、そしてベティスが主力2枚を欠いていたことを考えても勝ち点1は最低でも奪わなければならなかった試合で0に終わってしまったビジャレアル。今節の相手は同じくアンダルシアの雄 セビージャ。ホームであること、またセビージャの現在の調子を考えると勝ち点3以外は許されないこの試合。注目はジオバニ・ロチェルソ

 敗戦&ジェラールの負傷と最悪の試合となったビジャレアル戦。その中で輝きを放ったのがロチェルソ。プレッシングで前に出でいくギドとカルバーリョの背後を上手く狙い、ライン間でボールを引き出してからのチャンスメイクは攻撃のスピードを一つ加速させ、ベティスゴールに迫る決定機を多く作った。決定機逸があったのだけが悔やまれるところだが、昨季に引き続き彼の魅力を再度証明する試合になったのではないだろうか。重くはないようだが、前節負傷を負ったジェラールは近年の怪我の多さを考えると回復までに慎重を期したいところ。昨季、ジェラールを欠くと一気にチームとしての完成度、脅威さが落ちてしまっていたビジャレアル。今季はその課題をどこまで改善することが出来るか。約1ヶ月弱の間、ロチェルソにゲームの支配者としての活躍を期待したい。


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 一方のセビージャの5節はエスパニョールの本拠地コルネジャに乗り込んでの1戦。この試合の結果次第では、ロペテギの解任が確定的という状況の中、セビージャは3vs2で勝利。今季初の勝利を飾り、ロペテギは何とか延命させることに成功した。エスパニョール相手にセビージャはバルサ戦同様4312の布陣を選択。前半はエスパニョールの横のスライドが追いついていなかった場面が多くなっていたこともあって、相手ラテラル前で時間を作れる展開が続き、セットプレー、相手のミスなどで3点を記録。45分で勝負を決めたように見えたが、前半終了間際にホセルのPKで一点返されると、更にブライスワイトに2点目を決められ、かなり危うい展開に。最終的には17本のシュートを打たれながらもなんとか2点で抑え、敵地で貴重な勝ち点3を記録した。この勝利を単発なものにせず、続けていくことが重要。ロペテギ解任問題もとん挫したわけではなく、その可能性が高くある状態は続いている。そんな中で迎えるビジャレアル戦。強敵相手に敵地で浮上のきっかけをつかむ1戦にすることが出来るか。注目選手はキケ・サラス

 5節のPick up Player にあげたホセ・アンヘルとともに、エスパニョール戦でスタメンに抜擢されたのが、このサラス。レキク、マルコンという2人の左利きCBが負傷あるいは負傷明けということで出番を得たサラスは交代となった67分まで気持ちのこもったプレーを披露。たしかに実際にはホセル相手に苦労したシーンが散見されるなど、良いパフォーマンスとは言いにくいものであったが、それでもセビージャのカンテラーノとしてのプライドを感じさせるものは十分見せたといって良いだろう。実力的にはクンデやジエゴ・カルロスなどとは比べるまでもないが、今の苦しいどん底のセビージャに必要なのはクラブのために戦い死ぬことのできるカンテラーノたち。そのセビジスモをエスパニョール戦ではキケ・サラスとホセ・アンヘルからは感じさせられた。近年、カルロス・フェルナンデスやブライアン・ヒルなど成長しきる前に売却されているカンテラーノが続いている中、今後のカンテラーノに夢を与えるためにも彼ら2人のプレーは重要。この2人が長期的にも短期的にも今後のセビージャを変えていくかもしれない。


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8、オサスナ vs ヘタフェ

 ホーム オサスナの5節はアルメリア相手に敵地での対戦。この試合でも前節のラージョ戦に続き相手にボールを握られるシーンが多くなりながら、効率よい攻撃と堅い442ブロックで相手決定機を最小限に抑え、1vs0で勝利。これで開幕5戦を4勝1敗で終え、幸先の良いスタートを切っている。しかし、3節のベティス戦で敗北した後に2連勝しているように、この良いスタートは決して勢いだけではなく、完成度の高さに裏付けされた継続的な強さによるものであるように思える。このアルメリア戦ではモンカジョラとアイマール・オロスという開幕から輝きを見せていたカンテラーノ2枚に代えて、ルベン・ガルシアとブラサナクという昨季スタメンを張っていた選手を起用。それぞれモンカ、オロスとはタイプが異なるプレーヤーたちが故にどうなるか、懸念もあったが、彼らの持つスキルに合わせた戦い方にチームが微調整し、輝きを引き出すことに成功。特にルベン・ガルシアはブディミルの1列下でモイ・ゴメスと良い関係を築きながら、素晴らしいチャンスメイクを見せていた。このように昨季まで積み重ねてきたハードワークを前提とした上で、選手によって相手によって、状況によって様々なスタイルに適応できるオサスナ。このクオリティは高く、今やどのチームにとっても簡単には勝てないチームになっているはずだ。この試合、エル・サダールの観衆を追い風に勝ち点3を確実にあげ、良い形でブレイクに入りたいところだ。注目はチミー・アビラ

 オサスナを牽引するこの熱すぎるゴラッソマシーンのエースは開幕より躍動中。右WGで起用されることの多かった昨季のチミーは、その勝気さゆえか対面の相手ラテラルに必要以上についていってしまうシーンが散見され、ヒートマップが自陣の深い位置に集中するような試合もあった。しかし、今季の彼は整理されたチーム状態と、その中でおそらくより明確化されるようになっているはずの彼個人に与えられたタスクを活かし、ブディミルを囮にサイドからエリア内に侵入してくるセカンドストライカーとして相手に脅威を与えている。その結果、5節終了時点で既に3Gを沈めており、リーガでのキャリアBestである10ゴールを裕に超えるペースで得点を積み重ねている。自ずと強度が高くなるであろうこの試合、エル・サダールの声援を武器に熱い男がチームを勝ちに導いてくれるだろう。


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 一方、アウェイのヘタフェは前節ラ・レアルをアルフォンソ・ペレスに迎えての一戦。相手がミッドウィークにELがあったことからターンオーバーを敷いていたこともあって、ヘタフェは序盤から良い形で試合に入ることに成功。マジョラルのPKは失敗となったものの、前半終了間際、そして後半開始直前と良い時間帯に2発を沈め、2vs1で勝利を果たした。今季初の勝ち点3をラ・レアル相手に獲れたこの結果は大きく、またアトレティコビジャレアル、ラ・レアルと続いたホーム3連戦を勝ち点4という十分すぎる形で終えることが出来るという点でも、これまでの未勝利による悪い流れを一気に覆す勝利になる可能性は十分ある。ラ・レアル戦ではヘタフェは442から532へ再変更。前節バレンシア相手に442で5点を奪われたことを理由に昨季まで使っていた532に戻したのであろうが、ラ・レアル相手はこの形が完璧にハマることに。中盤3枚がラ・レアルのダイアモンドのインテリオールとトップ下を重ね、相手ラテラルの位置までこちらのWBを大胆に縦スライドさせることで、ラ・レアルのビルドアップを完全な機能不全に追い込むことに成功。昨季までは相手ラテラルに対してはインテリオールが出ていくことが多かったが、おそらくラ・レアル用に準備してきた形なのであろうWBの縦スライドプレッシングは勝ち点3という最高の結果をもたらすこととなった。そんな中でこのオサスナ戦。キケ・サンチェス・フローレスはミラーとなる442で来るのか、それともインテリオールを出す532で来るのか、WB縦スライド532で来るのか。ここに注目することでヘタフェが何を目的にブロックを敷いているのか、それが見えてくるはずだ。注目選手はガストン・アルバレス

 昨季ウルグアイから初のヨーロッパ挑戦を果たした彼だが、昨季は出場機会を得られず。しかし、今季はオフシーズンでのアピール、クエンカの退団、クエンカの代役として獲得したアルデレーテの出遅れもあって、序列は上昇。3節のビジャレアル戦にて出場停止となったアンジレリの代わりに出場し初出場を果たした。ラ・レアル戦でも3バックの左に入ると、ある程度スペースがある中でのサディクとの1vs1でも粘り強い、良い守備反応を見せ、ヘタフェの前方へのプレッシングの意識を保たせることに成功した。供給面でもクエンカほどではないにしても良さを見せているアルバレス。この試合、オサスナ相手にラ・レアル戦のようなパフォーマンスを継続できるか。今季の注目株になるかもしれない。


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9、レアル・ソシエダ vs エスパニョール

  ホーム ラレアルの5節はヘタフェのホームに乗り込んでの1戦。ミッドウィークのオールド・トラフォードでのユナイテッド戦に勝利し、良い雰囲気のまま迎えたこの試合だったが、ヘタフェの組織だったプレッシングの前に運び出しに苦労。ターンオーバーを行ったこともあって、いつものような狭い範囲での崩しも見られず、結果ストライカータイプの2トップとトップ下に入った久保の連携という部分でも形ができない難しい状況に自分たちからしてしまった。その結果1vs2で今季未勝利だったヘタフェに勝ち点3を譲る結果に。序盤から勝ち点を拾えていただけに露呈していなかったが、やはり4♢2の形は幅を取る人がおらず、その上ラテラルの初期位置をかなり低い位置に置いているので、サイドの低い位置でハメられるという問題点が昨季から続いている。この部分をアルグアシル監督がどのように捉え、どのように改善するのかは注目したいところ。今節の相手であるエスパニョールはスライドの守備に問題点を抱えており、サイドチェンジに対して中盤の脇が空く傾向にある。ここをどのように生かすのか。タレント力に任せたアドリブ要素の強い中央突破ではない、幅を活かしたラ・レアルのフットボールが見たいところ。注目はアイエン・ムニョス

 左ラテラルに入るカンテラ出身のアイエン。開幕はディエゴ・リコがスタメン出場していたが、彼の負傷もあって唯一のトップチーム本職左ラテラルとして、継続的に出場機会を得ている。代役となる選手がいないだけに、勤続疲労は気になるところだが、現状のパフォーマンスは賞賛に値する。特にユナイテッド戦では対面のアントニーに粘り強く対応。また攻撃時には良いポジショニングと高い技術で久保とともに左サイドを制圧した。先述のようにサイドの攻防、幅の担保という部分がキーとなるであろうこの試合。アイエンが左でどれだけ違いを作ることが出来るのか。期待したい。


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 一方のアウェイ エスパニョールは前節セビージャとのゲーム。ホームで迎えた試合だったが、2vs3で敗れ、今季3敗目を喫することになった。前半の内に3点を失い、ゲームがほぼほぼ決まってしまったこの試合。後半2点を返したのはお見事だが、チームの構造的な欠陥は否めない。まずはサイドプレーヤーの不足。現在4123の形を取り、ブライスワイトとプアドをWGに並べているエスパニョールだが、これらの選手はサイドプレーヤーではなく中央のゴールに近い位置でプレーするのが得意な選手たち。故になのかディエゴ・マルティネスの指示なのかは分からないが、攻撃時は大外の崩しがラテラル1人になってしまっていることが多く、数的不利の中、無理なクロスでチャンスが消えるシーンは散見される。また守備においても442あるいは451の真ん中のラインに入るWGだが、スライドが遅れる、相手ラテラルの上がりについていきすぎるなどの欠陥が垣間見られ、結果相手に自由なスペースを空けてしまっている。ヴィリェナ、エンバルバなどを放出してしまったことで純粋なサイドプレーヤーはルベン・サンチェスのみなのが現状であり、またタレント的にプアドとブライスワイトどちらかをベンチに置くのが勿体ないこともわからなくはないが、ここをどう考えるか。注目選手はマルティンブライスワイト

 先述の通り、サイドプレーヤーとしてチームの構造上、物足りないところがあるブライスワイトだが、攻撃面では結果を残しており、合流後2試合連発中。流石の決定力を見せている。実際バルサとは後味の悪い別れ方になってしまったが、メッシを失いメンフィスらが合流する前だった昨季序盤戦では、存在感を見せていたブライスワイト。またEUROでもデンマーク代表の一員としてインパクトを残しており、その実力は確かなもの。この試合でもゴールという結果に期待したいところだ。


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10、アトレティコ vs レアル・マドリー

 ホーム アトレティコの前節はホームにセルタを迎えての1戦。結果は4vs1と快勝。ミッドウィークのCL、あるいは今節のデルビを見据え、ターンオーバーを実施したシメオネ。その期待に応えるように、代わりに入った選手もそれぞれの長所を生かした良いプレーを見せた。特にコレアは今季の序列の低さによって溜まってた鬱憤を晴らすようなプレーでこの試合のベストプレーヤーにも選出された。この勝利を持ってよい形でデルビに迎えるのではと思ったのもつかの間、ミッドウィーク、敵地とはいえ格下であるレヴァークーゼンに0vs2で敗北。内容面でも芳しくないものがあり、一気に悪い雰囲気に落ち込んだところでこのデルビを迎えることとなった。連敗は許されないアトレティコ。この試合は決死の覚悟がチーム全員に求められる。

プレー面で懸念が残るのは、右サイド裏を突かれる展開が続いている部分。ラ・レアル戦、ポルト戦とWBを間につり出したところに左WGに加えもう一枚が入ることで、右CBを悩まし、結果その裏を取るという展開がアトレティコ攻略の1つとしてテンプレート化しつつある。マドリーの左サイドは言うまでもなくヴィニシウスであり、そこに絡むのはメンディ、アザールあるいはロドリゴとタレントぞろい。またヒメネスのコンディションもケガ明けということで未知数。大きな不安を抱えてデルビに臨むこととなる。この部分をシメオネがどのように考えるかは見どころ。昨季のメトロポリターノでのデルビはマドリーにとってほぼ消化試合のような形になっており、勝利したとはいえ悔しさの残る試合になった。その屈辱を晴らすためにもこの試合は勝利という最高の結果を求めたいところだ。注目選手はヤニック・カラスコ

 このベルギー代表WGはビジャレアル戦、ラ・レアル戦、ポルト戦と低調な出来が続き、中々存在感を示すことが出来なかった。しかし、前節のセルタ戦では左IHの位置にレマルが入ったことで、カラスコも躍動。上手くポジショニングを取りながら時にサポート役といて、時にチャンネルランでポケットを取りに行き、時に囮の動きでドリブル突破を助けてくれるレマルの存在は左サイドからの打開力を再び生み出した。この試合ではカラスコの対面は世界最高のラテラルといっても過言ではないカルバハルであり、いくらカラスコと言えど、アウトナンバーあるいは単純な1vs1でも抜ききることは難しい相手。ここにレマルになるかは分からないが左IHに入る選手がどのような絡み方をできるのかがカギとなってくる。しかし、ここでもう一つ疑問になるのは、カラスコの突破を起点にマドリーを押し込むことをシメオネが望むのか。今季PSMから作ってきたボール保持にこだわる形をシメオネが継続するか、それともいつものデルビのように消極的に後ろに重たい形になってしまうのか。試合へのシメオネのスタンスを判断するためにもカラスコと左IHの位置取りは注目だ。


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 ホーム マドリーの5節はベルナベウでのマジョルカ戦。マドリーとしてはかなり珍しいミッドウィーク開催となったこの試合は、その影響もあってか、マジョルカの541ブロックを崩せない展開に。ペナルティエリア付近に9人のフィールドプレーヤ―を置き、そしてその1人ずつにしっかりと役割が整理されているマジョルカ相手に、ベンゼマを欠いたマドリーは崩し切れず、ミドルシュートで攻撃を終える展開が続いた。その中、セットプレーからムリチに得点を奪われ、まさかの失点。しかし、ここからが流石のマドリー。まずは前半終了間際、マジョルカがボールキープで終わらせればよかったところを軽率なクロスを上げ、クルトワに獲られてしまったことで、マドリーのロングカウンターが発動。541を作り切れていないマジョルカ相手に得点を奪うと、その後は徐々にマジョルカの足が止まってきたところで3点を追加。終わってみれば4発快勝となった。またミッドウィークのライプツィヒ戦では多少のターンオーバーを使いながら2vs0で勝利。またもや前半は裏抜けから決定機を作られる展開が続いていたものの、相手の愛が止まったところを見逃さず、ラスト10分で2点を奪い、今節CLリーガ勢唯一の勝ち点3をあげた。このように、しっかりと勝負所を見極め、自分たちの時間で一気に試合を決めていまうマドリー。流石の一言であり、この強さは今季も健在。このデルビでも敵地で試合巧者ぶりを見せつけられるか。ベンゼマがいない中でのメトロポリターノ デルビ勝利は、大きい意味を持つだろう。注目はヴィニシウス・ジュニオール

 ベンゼマ不在の中、チームを引っ張るエース。ライプツィヒ戦で途切れてしまったものの、それまで4戦連続ゴールをあげており、好調を維持している。マークが厳しくなったこともあって、昨季までのように相手をぶち抜くというシーン自体は減っているかもしれないが、その分、ここぞという時の決定力はますます上昇傾向。マドリーのエースとしてその風格を漂わせている。先述の通り、アトレティコは右サイドのスピード勝負という点で後れを取るシーンが垣間見られており、ヴィニシウス対策という形で、布陣もしくは戦い方を微調整してくる可能性はあるが、それにしてもヴィニシウスが相手に大きな脅威を与えることは疑いようのない事実。実際18-19シーズンにもメトロポリターノの地で左からの仕掛けで、かなりのチャンスを作っていた。当時PKの判定で物議を醸したヒメネスとのマッチアップになることも予想され、ケガ明けの相手にどこまで打開できるか。注目だ。


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