rinのリーガとスペインサッカーについて語るブログ

ラ・リーガとスペインサッカーについて気軽に書きます。内容めっちゃ浅いです笑 アトレティコのファンです。

ラ・リーガ5節プレビュー

1、初めに

 皆さんこんにちは。よろしくお願いいたします。

 今週は例年に比べ早くヨーロッパカップ戦が始まったということもあり、選手にとってもサポーターにとっても多忙な日々が続いておりますね。無理なく楽しんでいきたいと思います。リーガ勢の奮闘を願いつつ、このブログではラ・リーガというリーグの魅力を少しでも伝えていければと思っております。よろしくお願いいたします。

2、ラ・リーガ第4節レビュー

 第4節はPartidazoが3つ。1つ目のマドリーvsベティスの3連勝同士の対戦はマドリーが2vs1で勝利。オープンな展開となったこの試合。マドリーは個での違いを見せつけ、見事その土俵で完全勝利。流石の王者として見事な試合で勝ち点3を獲得した。2つ目はアノエタでのラ・レアルvsアトレティコ。判定に疑問が残る後味の悪い試合となったものの、試合内容としては非常に強度の高い良いゲームに。それぞれがジョレンテ、アリチョーの所で質的優位を作り、チャンスを作る展開。そのポイントから両者が得点を奪い、1vs1と勝ち点1を分けあう結果となった。そして最後の1つがセビージャvsバルセロナ。この試合は不調セビージャが序盤こそ用意してきたプランでバルサを苦しめたものの、バルサは前線の質でカウンターから得点。その後は前傾姿勢となったセビージャに対し、バルサが得点を重ね0vs3で決着。バルサはマドリーに次ぐ2位まで順位を上げることになった。

今節のPick Up Playerに選出したいのはユヌス・ムサ。 

 今節、バレンシアはヘタフェと対戦。ソレールをデッドラインデーに失い、今季ガットゥーゾ就任以降作ってきた形が崩れてしまうのではないかという懸念があった中、その穴を完璧に埋めたのがムサ。4123のインテリオールのポジションが1人は降りてビルドアップに関わり、もう一人はトップ下的な位置取りで崩しのタクトを握るバレンシア。その中でムサは前節までは前者のタスクを担っていたが、ソレール退団後の今節は後者の役割に。ライン間で上手くボールを引き出す他、元々サイドプレーヤーである特徴を生かし、両ワイドに流れる動きを入れることでマーカーを揺さぶる場面も垣間見られ、そこから素晴らしいスルーパスで2アシストを記録。一昨季に快速WGとして名を広めたムサだが、徐々にポジションは中になり、今季はインテリオールとして圧倒的な存在感を魅せている。来季以降プレミア方面を中心とした引き抜きは怖いところだが、ソレールなき今、彼が中心となり名門復活を果たしてもらいたいところだ。

その他の結果、ベスト11(サブ組まで)は以下の通り。

3、ラ・リーガ第5節プレビュー

1、ジローナ vs バジャドリー

 ホーム ジローナの前節はマジョルカ相手に1-1のドロー。87分にイガンインのゴールを許す厳しい展開なりながらも、終了間際に得たPKをサム・サイスが沈め、何とか敵地でドローに持ち込んだ。この試合では当初4~5週間の離脱になると言われていたロドリゴリケルメがまさかの復帰。更に新加入のロメウに加え、アルナウやレイニエルなど今季初スタメン組を多くメンバーに取り込んだ新鮮なスタメンで臨むこととなった。前節までの2トップの形はストゥアニが良性不整脈により1ヶ月の離脱が決まったことで、継続できなくなり、形は541。ロロ、レイニエルを中心にゲームを組み立てようとしたが、ロロ以外のポイントが中々作れず、ヘタフェ戦やセルタ戦に比べるとボール保持において苦労。課題が残る1戦となった。ここまで1勝1分2敗と昇格組にしてはまずまずのスタートを切っているジローナ。ホームの地で昨季ともにセグンダを戦ったライバル相手に勝利を挙げることで良い軌道に乗っていきたい。注目はバレンティン・カステジャノス。

 今季鳴り物入りで同じシティグループのニューヨーク・シティから加入したアルゼンチン人ストライカーはここまで全4試合に出場を果たし1G。フィニッシュ面以外にも降りてきてのポストワークの形はジローナのボール保持に大きく貢献しており、既に欠かせない存在となっている。先述の通り、ストゥアニが離脱となる中、純粋なストライカータイプは彼1人。よりゴールにこだわり、ジローナを勝利に導ける存在になれるのか。この昇格組直接対決での活躍に注目したい。


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 一方 アウェイのバジャドリーは前節、ホームにアルメリアを迎えた一戦にアディショナルタイムのゴールで勝利。決勝点を沈めることになったのは途中出場という形で、負傷からの復帰を果たした昨季のチーム得点王 イスラエル代表のヴァイスマン。エースの存在感の大きさを示す一発が、苦しむチームに今季初の勝利へとつながった。とはいえ、内容が劇的に改善したかと言われるとそうではなく、サディクを失い再構成真っ只中の状態の悪いアルメリアにタレントの質で上回り勝利というような内容であった。この勝利に満足しているようでは間違いなく、上手く行かなくなる時が来ることが容易に予想出来、勝ち点をできるだけ拾いながらヴァイスマンを中心にどのようにチームを作っていくのか注目だ。この試合の注目選手はショー・ヴァイスマン

 先述の通り、復帰早々チームに勝利をもたらすゴールを決め、エースたる所以を見せつけたヴァイスマン。今年でバジャドリーでの3シーズン目となる彼は、前回プリメーラ在籍時にも加入1年目にして6G1Aと悪くない成績を残しており、昨季はセグンダの舞台で20Gとしっかりスペインで結果を残してきているスコアラーだ。彼の不在時に1トップに入っていたセルジ・グアルディオラが味方と絡みながらのポストワークに魅力を持つタイプの選手なのに対して、ヴァイスマンはより純粋な9番タイプ。アルメリア戦でもわずか5回のタッチで1点を奪っており、グアルディオラとのタイプの違いは歴然。このタイプの異なるストライカー2枚をどのように使い分けるか、あるいは併用するか。パチェタの判断に注目だ。


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2、ラージョ・バジェカーノ vs バレンシア

 ホーム ラージョの前節はオサスナ相手に1vs2で敗戦。前節同様、ケガ明けのイシ、また前節までゲームメイクを司っていたウナイ・ロペスの2人をベンチに置いたラージョは前半からパスミスが多く、中々自分たちのペースをつかめない時間が続いた。唯一アルバロ・ガルシアの左サイドでの打開は可能性を感じうるものにはなっていたが、ここも対面のナチョ・ビダルの奮闘で完全に攻略しきることはできず。セットプレーから1点を取ったものの、終了間際に失点を許し、前節に続いて連敗となった。今節迎える相手は昨季2試合共に引き分けに終わったバレンシア。現在ホーム バジェカスの地では11試合未勝利となっており、圧倒的強さを誇っていた要塞 バジェカスがあらゆるチームに完全に攻略されてしまっている。もう一度ホームでの強さを取り戻し、3連敗を阻止するため、何としても勝利が必要な1戦だ。注目はイシ・パラソン

 怪我の影響で2試合連続スタメンから外れたイシ。しかし、その不在がこのチームにおける彼の重要性を再認識させるものに成った。右側のライン間を狙い、ボールを引き出す彼の存在は両サイドからのサイドアタックを得意とするラージョにとって欠かせないもので、他に右サイドを務めることのできるサルビ・サンチェス、べべもイシとは大きくタイプが異なる。このラージョにおいて唯一無二の存在であり、トレホと並んで変えの利かないイシがどのようなパフォーマンスを見せるのか。注目だ。


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 一方、アウェイのバレンシアは前節ヘタフェ相手にメスタージャで5vs1の快勝。チームの大黒柱であったソレールがPSGへ移籍。また、期待のカバーニもまだコンディションが整っていないということでベンチスタートになる中、輝きを放ったのが先述の通り、ユヌス・ムサであった。彼を中心に今季PSMから作り上げてきた形を崩すことなく、実践した結果、メスタージャで最高の形での勝利を掴むことに繋がった。開幕から得点はPKによる1点のみと、最後の部分でかみ合わないことが多かったバレンシアだが、この試合では見事な崩しの形を見せており、この試合をきっかけに勢いに乗る可能性は十二分にある。更に今節からはガヤが復帰。ということで注目はホセ・ガヤ

 理不尽な出場停止処分により4試合の出遅れとなったガヤだったが、結果的には代わりに入ったヘスス・バスケス、ラト共に好パフォーマンスを見せており、チームの底上げという観点でポジティブな効果をもたらすことに。内外を使い分け、ポゼッションサッカーに外から貢献する形は、ガヤはラ・ロハでもやってきた形であり、このガットゥーゾサッカーにも問題なく入ることが出来るはず。復帰初戦から躍進中の後輩たちに格の違いを見せつけるようなパフォーマンスに期待したい。また、ソレールが退団した今、クラブ一筋のカピタンとしてガヤに求められる役割は昨季以上に大きくなる。苦しいここ数年をガットゥーゾとともに乗り越えるため、クラブのアイデンティティを示す象徴として、今季のガヤに懸かる期待は大きい。


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3、エスパニョール vs セビージャ

 ホーム エスパニョールは前節アトレティックにアウェイで勝利。非常に大きい今季初の勝ち点3をサン・マメスから持ち帰ることに成功した。終始アトレティックに追い込まれ、最終的に17本ものシュートを浴びせられる苦しい試合だったが、デットラインデーにバルサから加入して早速のスタメン出場となったブライスワイトのゴールで勝利を掴み取った。この勝利は非常に大きいがしかし、ただでさえ層が薄く、その上けが人も多かった状況に、この試合ではケイディ・バレとフェルナンド・カレロの2人が怪我で交代。負傷者リストに名を追加させることとなった。それに獲得オペレーションが少なかったことも加え、現在ベンチにトップチームの選手が半分以下という難しい限られた戦力の中でのやりくりがディエゴ・マルティネスには求められている。セビージャBの監督を務めたディエゴ・マルティネスにとっては古巣対決となるこの試合。彼のやりくりに注目だ。選手として注目はアルバロ・フェルナンデス

 スペインアンダー代表にも選ばれていたアルバロは一昨季ウエスカで良いパフォーマンスを見せながらもチームの降格に伴い移籍。プレミアのブレントフォードというチームでプレーした。しかしラ・ロハに選ばれるほどの実力を持ったダビド・ラヤの控えに留まり、出番はなかなか得られず。今夏にエスパニョールへと移籍をすることになった。このチームでもライバルとしてベンジャミン・ルコントという実績十分のGKがいるだけに高いレベルでの争いがなされるものと予想される。練習からのアピールでアルバロがスタメンのざを勝ち取り切れるのか。注目だ。


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 一方、アウェイのセビージャはバルセロナ相手にホームで3vs0で完敗。これで前節のアルメリア戦に続き連敗となり、開幕以来ここまで1分3敗未勝利と想像以上に深刻な状況に陥っている。とはいえ、バルサ戦の内容はここまでの中では一番良く、4♢2の形でトップが外切りでCBに圧をかけ、♢の頂点に入るイスコがブスケツを見る形でのプレスは特に序盤20分はかなり効いており、決定機も作った。しかし、ロングカウンターから先制を許すと、それ以降はDFラインの綻びが目立ち2失点。前回の記事でも言及したようにリーダー対応のDF不在により、スライドや絞りなどの部分が状況ごとに決めきれず、結果そのミスを突かれ失点という事案が増えている。この試合ではフェルナンドを後ろに下げることでそれを改善しようとしていたが、昨季もやっていたとはいえ本職MFの選手にDFラインの統率をしろよ言われても厳しい部分が大きかった。移籍期間も終わり、もう選手の追加はできない今、誰がどのような形でDFラインを構成し、まとめていくのか。早急に定める必要がある。ミッドウィークのシティ戦でも0vs4で完敗し、どん底にまで落ちた今のセビージャ。そんな中で迎えるこの試合。注目はあえてジュレン・ロペテギ監督をあげておく。

 この試合の結果次第では解任の2文字がはっきりと見えてくるであろうロペテギ。4年目を迎え、これまでの3シーズン全てで4位以内のCL出場条件確保と偉大な成績を残してきた偉大な指揮官も別れの時が近づいている。1シーズン目で見せたサイドチェンジを中心としたダイナミックなサイドアタックは今では影を潜め、中盤にテクニシャンを並べたポゼッションが今のチームのスタイルとなっているが、その形が上手く行っているわけではなく、修正する気配もない。バルサ戦ではチャレンジャーとして相手に合わせる形で一定の内容は見せたが、それでも完敗。シティ戦は成すすべなく敗戦。格下相手であるこの試合にどのような戦い方を選択するのかは注目だ。1つの判断ミスがセビージャ監督としての命取りになる。


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4、カディス vs バルセロナ

 ホーム カディスの前節はセルタ相手に3vs0で完敗。これで開幕4連敗となり更には開幕から未だに無得点と非常に苦しい状況にある。この試合のカディスは前節までとは打って変わって、451の布陣でスタート。サン=エメテリオを底に置き、その前にブランコとアラルコンを並べる形の中盤を逆三角形で構成することとなった。この3枚はこの試合で非常に良い役割を果たしており、セルビやオスカルを上手く自分の背中に隠しながら、アイドゥー、ヌニェスにプレス。その結果、セルタのボール保持を外循環に追い込むことが出来ており、前半は決定機らしい決定機をほぼ作らせなかった。後半も良い形で入ってはいたが、エスピノのミスにより失点して以降は前掛になったところを突かれ、更に2失点。終わってみれば3失点と非常に厳しい結果となった。状況を鑑みてもなんとか勝ち点が欲しい今節の相手はバルサ。力関係を考えると絶望的状況だが、実はカディスは3年前の昇格以来の4試合、バルサに負けたことが一度もないという非常に良いデータを持っている。この相性の良さを活かし、バルサを下すことが出来るか。ここで勝てれば状況は一気に変わる。注目はテオ・ボンゴンダ

 前節カディスデビューを果たしたこのコンゴ代表のウインガーは、昨季まで伊東純也の在籍していたヘンクで活躍。昨季は12Gをベルギーリーグで挙げている。更に14-15~16-17の間にはセルタの一員としてラ・リーガでも活躍。シストやアスパス、ジュゼッペ・ロッシやグイデッティなどの個性あふれる選手とともに、躍動しベリッソ監督指揮下でののELベスト4の一員となった。そして6年の時を経てLaLigaへと舞い戻っていた彼。当時の印象ではドリブルの突破力は目を見張るものがある一方で、フィニッシュの精度には多くの課題を残す典型的な若手ドリブラーといった印象だったが、今ではどうなっているだろうか。得点力不足に苦しむカディスを救うヒーローになれるか。期待したい。


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 一方、アウェイ バルセロナの前節はセビージャ相手に3vs0の快勝。序盤こそ、セビージャがバルサ用にシフトしてきたハイプレスの形に苦労させられたものの、ロングカウンターから得点を奪うと、その後もレヴァンドフスキ、デンべレ、ラフィーニャで構成する3トップの個の突破力と破壊力で前に出てくるセビージャの裏を突き、試合を優位に進めた。開幕戦よりチャビの采配に対する疑問の声は今もなお止むことがないが、アノエタのラ・レアル、ピスファンのセビージャという2つの難所を完勝して乗り越えていることは十分評価に値する。今節の相手はカディス。力関係的には問題になることすらない相手だが、先述の通り、過去の対戦成績ではバルサは一度もカディスに勝てていない。同じく相性の悪いラージョにカンプ・ノウで勝ち点2を取りこぼしただけに、このカディス戦を超えられるのかは見どころだ。注目はラフィーニャ

 今季リーズから加入したブラジル人アタッカー。加入前はその移籍金の高さから疑問視する声も多く上がっていたが、PSMから良くチームにフィットしており、右サイドからの個での剥がしという点でチームにとって大きな武器となっている。2節まではバルサの右ラテラルが定まっていなかったこともあって、連携という面では物足りなさを感じていたが、クンデがそのポジションに入るようになってからはそこも問題ではなくなり、より一層破壊力を増している。CLとの兼ね合いもあり、どこまでこの試合で時間が与えられるかはわからないが、カディスの引いたブロックを壊すには彼の突破力と左足の精度が必要だ。

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5、アトレティコ vs セルタ

 ホーム アトレティコの前節はアノエタの地でラ・レアルと1vs1のドロー。勝ち点1を持ち帰ることとなった。アノエタが非常に難所であることを考えれば、勝ち点1は悪い結果ではないという見方もできないことはないが、メトロポリターノでビジャレアルに敗れていた以上、必ず勝ちが欲しい試合だったことは間違いない。主審を務めたソト・グラードの采配に不可解な部分がかなりあったのは否定できない事実だが、それでもラ・レアル戦のアトレティコには課題が多く残った。また開幕4節にして欠場者が多発しており、サヴィッチ、レマル、クーニャが負傷離脱中。そこにラ・レアル戦ではオブラクも加わり、例年通り早速負傷者に苦しめさせられている。そんな苦しい台所事情とはいえ、これ以上の取りこぼしは何としても避けなければならないアトレティコポルト戦の劇的な勝利を追い風にメトロポリターノでのこの1戦は勝ち点3がマストだ。注目選手はレイニウド・マンダヴァ

 昨季冬にリールから加入したモザンビーク代表の彼は今季も圧巻のプレー内容を見せている。圧倒的な守備力で右からの攻撃をシャットアウト。単純な対面での対人守備だけでなく、シュートブロックや背走での対応もうまい彼は守備能力でいえば、間違いなく世界最高の左ラテラルだ。この試合では彼のマッチアップはセルビあるいはアスパス。特にアスパスをここで止めることが出来れば、セルタ攻略は一気に容易なものとなる。今節も彼のプレーには否応でも注目が集まることだろう。


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 一方のセルタは前節 カディス相手に3vs0で勝利。ビルドアップのフェーズにおいてライン間への楔をかなり警戒してきたカディスの451ブロックにかなり苦しめられ、CBの特にアイドゥーの位置でハメられることも多かったが、相手のミスをつきアスパスがゴラッソを沈めて以降は、カディスが出てくるようになった分、ライン間が空くようになり、オスカルの初ゴール、アスパスの1点目を超えるスーペルゴラッソで3点をGet。終わってみれば快勝という結果になった。この試合ではアスパスはもちろんオスカルの出来もかなり良く、コウデがSHに与えるライン間での引き出しというタスクと、彼の得意な降りてのゲームメイクやキック精度の高さを上手く融合させて、輝きを放った。ブライス、デニス(事実上)抜けることとなった中盤の新形態は良い形で試合の度に成長しており、穴は十分に埋まることだろう。そんな良い状況で迎えるアトレティコ戦。アトレティコは当該対決で直近7試合勝利がない相性の悪い相手。そんな強豪相手にどこまでやれるのかは今季のセルタを図る試金石になるだろう。注目はヨルゲン・ラーセン

 デッドラインデーに移籍が決まったこのノルウェー人ストライカーは昨季、フローニンゲン在籍時にエールディビジで12Gをあげており、22歳にしてそれなりの実績を持っている。ホーランを筆頭にノルウェーのストライカーがヨーロッパで注目を集めており、また9番候補だったパシエンシアがある程度の期間離脱をすることが決まってしまったため、唯一の純粋な9番として懸かる期待は大きくなる。実際、カディス戦でも後半開始から投入されると、基準点としてまたクロスのターゲットとして、193㎝の伸長を誇る彼は存在感を見せており、今後に期待が持てる好パフォーマンスであった。この試合アトレティコ相手に強烈なインパクトを残すことが出来れば、一気にスターダムに乗っていく可能性も否定できないだけに、注目は必須だ。


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6、レアル・マドリー vs マジョルカ

 ホーム マドリーの前節はベルナベウで行われたベティスとの3連勝対決に見事勝利。唯一の4連勝を果たした。リーガでは珍しいかなりオープンな展開となったこの試合。マドリーも必然的に、ファンミやカナレスなどを中心とする強力ベティス攻撃陣に数的不利な状況で対応せざるを得ない場面も目立っていたが、ミリトン、メンディといったアスリート能力に優れる守備者が完璧な対応。クルトワまでは行かせず、ベティスの足が止まりかけたタイミングでフェデ・バルベルデという究極のエンジンを搭載したスーパーカーを投入し、勝敗を決定づけた。拮抗しているように見せて、完全にゲームを掌握し、勝負所で決着をつける。これぞマドリーという試合展開での勝利はチームの良い流れをより一層加速させるだろう。またミッドウィークのセルティック戦では3vs0での完勝。前半の内容、またベンゼマミリトンが違和感を覚えるなど不安要素も多い結果となったが、、アザールインパクトを残したのは非常に大きい。ベンゼマの代役としての地位を今度こそ確立できるか。期待したい。そんな中迎えるこの試合、マジョルカの状態が良いとはいえ、余裕を持った勝利が求められる。注目選手はマルコ・アセンシオ

 今夏には退団の噂が現実味を持った形で伝えられたアセンシオだが、最終的には残留。しかし、開幕4戦で出番はセルタ戦のわずか8分とかなり厳しい状況に置かれている。マジョルカ戦でも出番がどれほど与えられるかは分からないが、ミッドウィークのCLを経てのターンオーバーが考える中、彼にも一定時間の出場機会は与えられるはずだ。ブロックを引いて来るであろうマジョルカ相手に彼のスペシャルな左足は大きな脅威であり、マジョルカ出身である本人の意気込みも高いはず。W杯に向けても、この状況を何とか打破しなければいけないアセンシオ。この試合でアピールすることが出来るのか。注目だ。


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 一方のマジョルカはホームでジローナ相手に1vs1のドロー。終盤に前回の注目選手に挙げたライージョがセットプレーから得点を奪ったものの、コぺテがPKを与えてしまいドロー決着。本拠地で悔しい勝ち点1となった。とはいえ、ここまで1勝2分1敗と悪くないスタートを切っているマジョルカ。この勢いをどこまで継続できるかが、今後残留という最大の目標に向けての注目ポイントとなる。思えば、昨季もシーズン序盤こそ良い形で入りながら、マドリー相手に1vs6で敗れ、一気に勢いを萎ませてしまった。今季はその前回とは違うところを見せられるのか注目だ。注目選手はイ・ガンイン

 今季のマジョルカにおいて攻撃の全タクトを振っていると言っても過言では無いのがこのイ・ガンインだ。532の2トップの一角として入るとムリチよりも少し降りた位置でボールを引き出し、馬力あるドリブルで前進。元々課題だった球離れもかなり改善されており、結果として4試合で1G2Aと圧巻のプレーを見せている。押し込まれることが常といっても過言では無いマジョルカにとってロングカウンターを完結させられるタイプのチャンスメーカーとしてイ・ガンインの存在は欠かすことが出来ない大きな武器。マドリー相手にも彼の打開力が通用するのか。普段以上に押し込まれるであろうこの試合。ここが一方的に殴られるか、相手に一杯食わせられるかを分ける。


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7、エルチェ vs アトレティック・クルブ

 ホーム エルチェはビジャレアル相手に0vs4で完敗。前節のラ・レアル戦同様、相手に合わせた形での守備布陣を組んできたエルチェ。特に左の大外を取ってくるペドラサに対しては前節まで左サイドに入っていたテテ・モレンテを当て、時には5バック気味になるような形で対応。ビジャレアルの特徴的な可変の形には良く対応していたものの、その可変の形をビジャレアル側が崩し、ポジションチェンジをやるようになると、ほころびが目立つように。結果的には4失点という結果になってしまった。開幕から1分3敗と厳しい流れが続いているエルチェ。もちろん相手がベティス、ラ・レアル、ビジャレアルと難しい相手ばかりであることは事実だが、流れを変えるためにもそろそろ勝利が欲しいところだ。注目選手はカルロス・クレルク

 デッドラインデーにモヒカが引き抜かれてしまったことでスタメンに昇格し、左ラテラルとしてその座がゆるぎないものとなったクレルク。とはいえ、彼のスタイルは前任者のモヒカとは大きく異なるものであり、巧みな技術を活かした彼の武器は爆発的な身体能力で左大外レーンを制圧していたモヒカと同じ使い方では当然活きてこない。このクレルクをチーム構造のなかにどのように取り込んでいくのか。ここが一つ早々に修正しなければいけない課題だ。また彼個人としてもニコ・ウィリアムスとのマッチアップとなる今節は負担が非常に大きくなる。ここの勝負でどこまで食らいつけるか。注目だ。


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 一方のアトレティックもまた前節は0vs1の敗戦という悔しい結果に。本拠地サン・マメスにエスパニョールを迎えた1戦。圧倒的に相手を押し込み、何度もチャンスを作ったものの決めきれず、その間に一瞬のスキを突かれて失点するというアドゥリス以来ずっと継続している得点力不足が露骨に結果に影響してしまうこととなった。快勝を果たしたカディス戦の後だっただけにこの敗北は痛く、もう一度流れを作り上げる作業に戻されることとなってしまった。ある程度個の能力に依存する部分の大きい決定力という能力は、アトレティックのアイデンティティとしてバスク純血主義がある以上、簡単に解決するわけはなく、バルベルデとしてもどのように手を加えるべきなのかは特に頭を悩ます部分。当面はイニャキを筆頭にグルセタ、ビジャリブレなどの決定力向上を祈る以外に対策がないようにも思える。今節の注目はオイハン・サンセ

 昨季は442の2トップの一角として入り、ゴールに近い位置で相手の脅威となっていたサンセ。結果として6G4Aとスコアリングポイント10を果たした。しかし、マルセリーノからバルベルデへ監督が代わり、フォーメーションも4123に変更されて以来、彼の役割は激変。より低い位置でボールを引き出しつつ、サイドの崩しに合わせ、所謂チャンネルランと言われる動きを入れることが多く見られた。試合を重ねるうちにこの役割に彼も順応し始め、チームとしても上手く行っている部分はある一方、やはりサンセをゴール洗離れた位置に置くことが勿体なく思えるのもまた事実。前節を経てバルベルデがどのような采配を見せてくれるのか。注目だ。


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8、ヘタフェ vs レアル・ソシエダ

 ホーム ヘタフェは前節メスタージャに乗り込んだものの、バレンシアに1vs5で完敗。スコアレスに抑えたビジャレアル戦に続き442で挑んだヘタフェだったが、バレンシアのサイドチェンジに苦しめられ、スライドの間を狙われることで失点。それにミスが重なることで15分で早くも試合を決められてしまうこととなった。ここまで難敵との対戦が続いていることもあって、1分3敗、失点数は11で20チームワーストと苦しい状況が続いているヘタフェ。もちろんルイス・ミジャ、アルデレーテなどチームの核になってもらいたい新戦力が負傷により合流が遅れている側面は否定しきれない部分だが、それにしても今夏の積極補強の割には寂しい結果が続いている。更にこの試合ではDFリーダーのジェネが負傷。程度がどこまでのものかはわからないが悪い流れが続いているのは間違いない。何とかこの流れを食い止めたいところだが、今節の相手もまた強敵ラ・レアル。難しい試合になることは間違いない。注目はポルト

 今夏ラ・レアルから移籍してきたポルトゥにとって古巣対決となるこの1戦。ここまで上手く行っていないヘタフェの中で彼も苦労しており、中々決定機に絡むことはできていない。442に変更して以来、左SHとして起用されているポルトゥ。右SHのアレニャが積極的に中に入って絡もうとする一方で、ポルトゥは左の大外に張り、そこからランニングで背後を狙うタスクを与えられている。前節442の形で大量失点し、後半からは532の形に代わっていたこともあって、ヘタフェが442の形を維持してくるのか532に戻すのかは分からないところだが、ポルトゥの走力は間違いなくどこかでキーとなってくるはず。古巣相手に恩返し弾となる一発に期待したい。


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 一方のラ・レアルは前節、本拠地アノエタでアトレティコ相手に1vs1のドロー。双方にチャンスがあったため、ともに勝ちたかったと思っているかもしれないが、アトレティコ相手に勝ち点1をしっかりと拾えたのは大きい。バルセロナアトレティコという難敵との連戦となったアノエタの地だが、1分1敗ということでまずまずの結果というところだろうか。この試合では2トップの一角に入ったアリチョーが相手RCBのヒメネスの裏を取る形がチームとした確立されており、そこから狙い通りの形で得点まで繋げた。4♢2の完成度は日に日に高まってはいるものの、その前提となっているのが、インテリオールに入っているブライスとメリーノのハードワーク。ここに入っている2人の仕事量は信じられないほど多く、結果として60~70分過ぎに足が止まってくることでチームとして後ろ重心になってしまうのが恒例となっている。しかし、代役となれる存在は現実的にはおらず、ここをどう考えるかはイマノルの腕の見せ所。過密日程が始まってくる中で注目していきたい。この試合の注目選手はやはりウマル・サディク

 デッドラインデーに加入したナイジェリア代表の彼はラ・レアル初出場を果たすと、直後からそのポテンシャルの高さを惜しみなく披露。それまでセルロートを完封していたレイニウドをそのパワーと高さで攻略。アリチョーのクロスに合わせて早速初ゴールを沈めた。アフリカ系の選手らしく、速くて強くてデカいを体現したような彼は今後も多くのチームに大きな脅威を与えることになるはず。ユナイテッド戦では中々インパクトを残すことはできなかったが、ブロックを作ってくるであろうヘタフェ相手には彼の高さ、速さは大きく武器になる。出し手は大勢いるだけに、得点王さえ夢ではない。


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9、ベティス vs ビジャレアル

 ホーム ベティスの前節は3連勝対決となったマドリーとの1戦。結果は1vs2での惜敗となった。ウィリアン・カルバーリョが間に合わず、フェキルも前半早々に負傷で交代することとなったベティス。高い位置で時間を作れる2人のキーマンを失くしたベティスに残された手はオープンな展開でのカウンター合戦のみだった。先制を許しながらも、カナレスのゴールで追いつき、その後も果敢にゴールを狙ったベティスだったが、ミリトンの壁を越えられず。また、フェキルに代わったルイス・エンリケがブレーキとなり、追加点を奪えずにいると足が止まり始めた。後半60分過ぎから登場したフェデ・バルベルデの馬力についていくだけの体力は残っておらず。追加点を奪われ勝負ありとなった。とはいえ、主力を3枚欠いた中でマドリー相手にここまでやれたのは誇っていいところ。今節この流れを勝利でしっかり断つことが重要だ。しかし、ミッドウィークのELにてファンミが負傷。どうやらある程度の期間かかりそうであり、この部分をどう考えるかはペジェグリーニの手腕が試されるところ。フェキル、ファンミというチームの最重要人物と言っても過言ではない2人を欠く中でどのような戦いぶりを見せられるか。今節の相手はビジャレアル。このタイミングで昨季ダブルを許した強敵と当たってしまうのは厳しいところだが、悪い流れに持っていかないためにも前節以上に重要な試合だ。注目はルイス・フェリペ

 ラツィオから今夏加入した彼はサスペンションで欠場したペッセラに代わって初めてのスタメン出場を果たすと、見事なパフォーマンスを披露。オープンな展開の中で仕掛けるヴィニシウスやベンゼマといったタレントたちに良く食らいつき思うような仕事をさせず、流石セリエAでも有数のDFとして評価されていただけのパフォーマンスを見せた。ビルドアップにおいても、冷静にしっかりと裁いており、平均レベルの貢献がしっかりと出来ることは見せた。ペッセラも開幕から好調を維持していただけに、どちらがスタメンとなるかは分からないが、バルトラの穴は完全に埋まったと言えるだろう。


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 一方 アウェイのビジャレアルはエルチェ相手に4発快勝。しっかりとボールを握りながら、いつも通りのポジショナルプレーにポジションチェンジを加えることで相手を揺さぶり、得点を奪うなど貫禄すら感じさせる見事な出来であった。後半にはミッドウィークを含めた今後の日程に向け、ジェラールやピノ、ロチェルソを温存する余裕を見せ、交代後も止むことのない攻撃力でエルチェを圧倒しきった90分となった。第3節において隠したヘタフェ相手に崩し切れず、スコアレスドローという昨季からの悪癖を再び見せる展開となってしまっていただけに、この試合でしっかりと大量得点で勝利できたのは大きく、今節のベティス戦に向け、良い形で臨むことが出来るだろう。昨季強さを誇ったベティスを圧倒してダブルを達成したビジャレアル。相性の良さを今季も見せることが出来るか。注目はキコ・フェメニア

 ヘタフェ戦で負傷したフォイスに代わって出場したキコは、この試合ではフォイスの普段行っている3バック化しての供給に加え、彼とは異なり純正ラテラルらしいオーバーラップからアシストを記録するなど、良いパフォーマンスを見せた。とはいえ、相手が比較的余裕をもって戦える相手であったこともあって、ベティスの強力攻撃陣相手にどこまでできるのかは未知数。昨季までプレミアの舞台で経験してきたであろうことを活かした守備に期待だ。


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10、アルメリア vs オサスナ

 ホーム オサスナは前節、敵地で同じ自動昇格組のバジャドリー相手に敗戦。サディクを失い、またこれまでの試合と比べてよりボールが持てるようになったことで、中々得意とするロングカウンターの形が作れず。今季ではこの試合で初めて導入することになった4213の形も特に、守備面において課題を多く残す格好となった。もちろんデッドラインデーにサディクを失った以上、仕方ないということもできるが、サディクの退団は元々叫ばれていたことであり、失って初めて違う形を準備したと言ったことはないはず。一刻も早くルビの下で、新たな元エースにこだわらない形を作る必要がある。今節の相手であるオサスナは昨季コパ・デルレイにおいてPK戦にて敗退に追い込んだという良いイメージが残っているチーム。新チーム体制として初勝利が欲しいところだ。注目選手はアドリアン・エンバルバ

 ラソに代わり今夏エスパニョールから移籍した彼はチームの10番をつけ、さっそく登場。かつてはラージョのカンテラーノとして象徴的存在だったエンバルバ。その後移籍したエスパニョールではセグンダでこそ大暴れをしたものの、プリメーラでは全く、その打開力、チャンスメイク力が通用せず、消化不良での退団となってしまった。そしてラソとのトレードでアルメリアに入団。サディクを失ったチームにおいてタイプ的に彼の代わりになることは現実的ではないが、よりチャンス数を増やすという観点で彼に期待する役割は多い。


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 アウェイ オサスナは前節、エル・サダールでラージョに2vs1での勝利。先制点をあげながら直接FKで追いつかれる苦しい展開の中、終了間際に決勝点を上げ勝利。前節の敗戦を引き摺らないという観点においても非常に大きな勝ち点3となった。この試合はこれまでの3戦と比較しても中々ボール保持の面で苦労し、上手くいったとは言えない内容だったが、この状況でも勝ち切れるのはチームとして状態が良い証拠。今後、少なくとも10月のマドリー戦までこの勢いが簡単に止まることはないだろう。そんな中迎える今節の相手はアルメリア。アウェイとはいえ昇格組相手ということもあり勝ち点3奪取を目指したいところだ。注目選手はアブデ

 バルセロナからローンという形で加入した活きの良いエストレーモはラージョ戦でも80分から投入されると最大の武器であるドリブル突破からポケットを制し、決勝点をアシスト。早速その存在感をエル・サダールのサポーターにアピールすることに成功した。現在のオサスナにおいてアブデのようにゴリゴリに仕掛けて相手を切り裂くことのできるタイプの選手はおらず、スタメン起用はもちろん、スーパーサブとしての起用でも間違いなくゲームの流れを持ってくることが出来るだろう。来季以降、豊富すぎるエストレーモを抱えるバルサでの生存競争に生き残るためにも、結果を含めて最高のパフォーマンスを見せたいところだ。


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