rinのリーガとスペインサッカーについて語るブログ

ラ・リーガとスペインサッカーについて気軽に書きます。内容めっちゃ浅いです笑 アトレティコのファンです。

【久保建英加入】他サポから見たレアル・ソシエダ①

1、初めに

 皆さんこんにちは!

 かれこれ3月超ぶりの更新となってしまい、申し訳ありません。想像以上に、大学が 忙しく手が回りませんでした。夏休み期間に入り、多少なりとも時間的余裕が出てきたため、できる範囲で更新を進めていければと思います。よろしくお願いいたします。

 さて、更新をサボっている間に21-22シーズンも終わり、各チームが来る22-23シーズンに向け、準備を進めている中で日本人のラ・リーガファンとして、期待をせざるを得ないニュースが入ってきました。それは久保建英レアル・ソシエダ加入。今回はアトレティコサポーターでありながら、レアル・ソシエダの試合を約7シーズンに渡りちょくちょく見ており、昨季に関しては9割近い試合をテレビ観戦した私から見たレアル・ソシエダというクラブ、監督、チームメイトに迫っていきたいと思います。今回はレアル・ソシエダというクラブについて、戦い方と久保の起用法について語っていきたいと思います。興味があるところだけでもぜひ見てやってください!

2、レアル・ソシエダというクラブ

 この点に関しては、サッカーキングなどの媒体を中心に小澤さん、倉敷さんなどの著名な方々が語ってらっしゃるところでもあり、スペイン滞在経験が1度もない私にとっては完全に専門外の分野ですので、軽く触れるのみにとどめておきます。詳しくはぜひ動画を。


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 レアル・ソシエダの特徴として挙げられるのがまずバスク州に位置するクラブであること。同じバスクのアトレティック・ビルバオバスク人縛りでチームを構成していることから教科書等にも出てくるなど、有名かと思いますが、その直接のライバルに当たるのがレアル・ソシエダです。かつてはソシエダバスク人縛りを行っていましたが、2002-03シーズンに廃止。しかし、当時の面影は今でも残っており、今でもバスク地方出身の下部組織上がりの選手(カンテラーノ)の台頭が目立ちます。

 ここまでレアル・ソシエダあるいはソシエダという呼称を使ってきましたが、スペインで一般的に使われているレアル・ソシエダの呼称はレアル(ラ・レアル)です。レアルと聞くと、レアル・マドリーを想起する方も多いとは思いますが、現地ではレアルはレアル・ソシエダを意味するものです。そもそもレアル(Real)というのは王室公認のサッカークラブであるという意味であり、それはレアル・マドリーレアル・ソシエダ以外にもレアル・ベティスレアル・サラゴサレアル・バジャドリードなど複数のクラブがレアルをチーム名につけています。そして、その中でもレアル・ソシエダは初めて公認を受けたクラブであることからレアルと呼ばれているのです。

 しかし、日本ではレアル=レアル・マドリーが浸透していることから、ソシエダをレアルと呼ぶのは抵抗がある人もいるでしょう。そんな人におすすめなのが、ラ・レアルという呼称です。スペインには男性名詞と女性名詞の考え方があり、それぞれ冠詞としてElとLaを取ります。そしてSociedadが女性名詞であることからLaをつけてLa Real ラ・レアルと呼ぶことが出来るのです。会見を見てみると久保選手もLa Realとスペイン語での受け答えではチームの事を呼んでいるのが確認できます。ぜひこれを機にラ・レアルという呼び方を覚えてもらえたらと思います!

3、ラ・レアルの戦い方と久保に期待される役割

 まず、ラ・レアルの戦い方を見て行くうえでチェックしなければいけないのが、昨季の彼らがどんな戦い方をしていたのかです。

 昨季6位に入りEL出場権を獲得したラ・レアル。そんな彼らは前半戦と後半戦で大きく戦い方を変えることになりました。まず前半戦取っていたのは4123の形。

 この4123の形はラ・レアルが下部組織から一貫して、使用しているフォーメーションでラ・レアルのアイデンティティともいえる形です。このフォーメーションは久保の理想形とも言われているマルティン・ウーデゴールの在籍した18-19シーズンも使っており、彼は右インサイドハーフに入っていました。そして、この形は攻撃時には変形します。


 まずビルドアップの局面で中心となるのが、アンカー(ピボーテ)のポジション。上記の図ではスビメンディが担っているポジションです。


ここの選手にはバルセロナブスケツに似た役割が求められており、相手がビルドアップに対して何枚でどのようにプレッシャーをかけていくのか。それを見て瞬時に判断し、立ち位置を変えることでボールを前に運んでいきます。それ故にこのポジションの選手はCBの間に入る場合、それよりも前で、相手FWの間で受けようとする場合、サイドに流れてボールを引き出す場合など、状況に応じて様々な立ち位置を取ります。

 そして順調にビルドアップが成功し、相手を押し込む場面。ここでキーになるのが右インサイドハーフの選手と左WGのオヤルサバル。ここの選手は相手DFの人と人の間でボールを呼び込むことで、自身に注目を集中させ、決定的なチャンスメイクを行うのが主な仕事。そして、右WGのポジションは選手のタイプにもよりますが、外に張った状態からスタートし、そこからカットインで中に侵入しながら、周りの選手と絡んで打開していくというのが主な仕事です。ここまでで勘の良い方なら気づいているかもしれませんが、久保のポジションはこの右インサイドハーフあるいは右WGになるでしょう。右WGであればマジョルカ時代1年目のように外に張った状態から、ドリブルによる打開を期待されるでしょうし、右インサイドハーフであれば、相手DFの密集地帯でボールを引き出し、決定的なチャンスメイクが仕事になります。これはどちらも久保が得意とするプレーであり、彼の活躍の機会も多くなるでしょう。

 

 一方で、昨季後半戦に起用していたフォーメーションがボルシアMG戦でも使われた4312のフォーメーションです。

 この形に変えた要因は様々なものがあると推察できますが、一番わかりやすいものはオヤルサバルの長期負傷離脱です。


4123の形において左のライン間でチャンスメイクをしながら時にサイドに流れ、時に裏を突くことで決定的な仕事をする彼の存在はラ・レアルの絶対的武器でした。しかし、そんな彼が十靱帯断裂の大けがを負ったことでラ・レアルは戦い方の変更を余儀なくされたのです。

 攻撃時の特徴は前半戦のポゼッションで押し込むスタイルから、逆カウンターのような形に変わりました。この逆カウンターとはつまり、自陣の低い位置でボールをつなぐことによって、相手を引き出し、それによって出来た背後の広大なスペースに身体能力に優れたイサク、セルロートの2トップが抜け出すor上手く相手DFの間を取ったシルバ、ラフィーニャ、メリーノに繋ぐことでそこからチャンスメイクをする形です。このライン設定の低さからマジョルカの攻撃のようになってしまうのではと思われる方もいるかもしれません。しかしラ・レアルがマジョルカと大きく異なる点は、アバウトなロングボールを使用する機会はほとんどないこと、そしてDFラインの選手の技術レベルが高いことが挙げられます。特にGKのアレックス・レミーロはラ・リーガ内でもバルセロナテア・シュテーゲンと並びトップクラスにキック精度に長けたGKであり、彼のキックからしっかりとフリーマンを見つけ前進することが出来る点でたとえライン設定が低くてもラ・レアルはボールを大切にするクラブであると言えるでしょう。

 そして4312もう一つの特徴がハイプレスです。これはボルシアMG戦でも垣間見られましたが、2トップがそのままCBに当たり、トップ下が相手中盤の1枚を監視。その上でインサイドハーフに相手の間を取らせながら、ボールが出るタイミングでチェックに行く形です。

 しかし、ボルシアMGにも何度か回避されていたようにこのハイプレスはまだ未熟な部分が多く残っており、それはチームの作り直しをしているこの期間でも垣間見られます。特にインサイドハーフの仕事が量が多いため、SBのポジションまでプレッシングに行ききれない場面が多く見られ、そこからハイプレスを回避されるシーンが目立ちました。元々緊急性の高い形で作り上げた4312のフォーメーションなだけに、不十分な部分があるのは仕方ない部分ではありますが、今後も4312のフォーメーションで戦っていくにはこの部分がポイントとなるでしょう。

 そして、この4312を使用する場合、久保のポジションはトップ下一択となるでしょう。先述のようにインサイドハーフのポジションにはフィジカル的な強度が高く求められ、現状の久保の守備強度では物足りないとみなされる可能性が非常に高いと思います。その一方、久保はアンカーポジションの相手を上手く消しながらプレッシングを行うというのは得意な部分ですので、やはりトップ下が適正かなと思います。2トップに関しても、単純なアスリート能力的に厳しいかなと。トップ下ポジションの1番手であるシルバは年齢的なこともあってケガや休養などによる欠場も多いため、久保自身の出場機会は多いと思われますが、この4312では多くのファンの方が待ち望んでいるであろうシルバとの共演は難しいでしょう。

 ただオヤルサバル、そして彼の控えであり7番を今季からつける期待の若手 LWGのアンデル・バレネチェアが離脱中のため、ベストな状態になるまでは4312の方が中心になるのかもしれません。ラ・レアルがどちらの戦い方でシーズンを始めようとしているのか。そんな点にも注目してプレシーズンマッチを見てもらえれば、面白いかもしれません。

4、最後に

 いかがだったでしょうか。①の方はここら辺で終わりにしたいと思います。誤字脱字乱文失礼いたしました。また、お詳しい方からはここは違うんじゃないかと言われてしまうかもしれませんが、1参考として使っていただけたら幸いです。②では各選手そしてイマノル監督の紹介をしていく予定です。もしよろしければ、そちらを楽しみにしていただけたら幸いです。

ありがとうございました。